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本文

平成28年5月18日 市長定例記者会見

会見項目

  1. 高知港海岸三重防護について
  2. 高知市手話言語条例について

 配布資料

  1. 高知市周辺での地震・津波対策(三重防護関係) [PDFファイル/1.14MB]
  2. 沿岸部の津波避難対策(三重防護関係) [PDFファイル/1.52MB]
  3. 高知市の支援状況(1) [Wordファイル/18KB]  高知市の支援状況(2) [Excelファイル/13KB] 
  4. 手話言語条例の内容について [Wordファイル/23KB] 

会見内容

 広聴広報推進室を新設したことを機に,これまで随時行っていた記者会見を月1回の定例記者会見としてスタートし,新しい広聴広報の在り方を探りながら,来年度に繋げていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

1. 高知港海岸三重防護について

 本日午前中に開催された県市の南海トラフ地震対策連携会議でも説明があったと思いますが,国土交通省におきまして,平成28年度から高知港海岸の三重防護をいよいよ事業としてスタートしていただくことになりました。

 最大クラスの地震が起きた場合は約1.7メートルの地盤沈降が想定されており,昭和南海地震でも約1カ月間浸水していますので,三重防護という形で津波をできるだけ浦戸湾の中へ入れないというのが高知市の一つの生命線でもあります。長い間,尾崎知事と陳情を重ねてきましたが,おかげさまで国の直轄事業として着工していただけることが今回決定されました。

 三重防護のラインとしては,第1ラインが外洋港の外側で開けている防波堤です。既存事業で残工事が10数年残っていますが,工事を進めています。ここで津波をいかにブロックするか,という第2ラインが浦戸湾の入り口。湾の中の液状化対策や石油基地のあるタナスカと木材工業団地を守っていくのが第3ラインとなっています。

 今回の600億円の事業費は,浦戸湾の外縁部を中心とする第2ライン,浦戸湾の中の第3ラインで600億円です。既存事業の第1ラインの工事につきましては,国土交通省によると概算で約300億円近い残工事があるということですので,第1ラインを含めると約900億円の事業費になり,多額の事業費になりますが,高知市の生命線ですので,今後も県や地元の国会議員の方々とともに予算獲得に向けて積極的に頑張っていきたいと思います。

 南海トラフ地震は当然西日本全域で被害が拡大していきますが,県庁所在地がこれだけ大規模の浸水に遭うところは全国的に見てもありません。県内での高知市が占める割合は,人口が約半数,卸売業は約7割の生産をあげていますので,県都高知市を守っていくことが非常に重要です。復旧復興についても,産業の復興というところも非常に重要ですので,大事な仕事になると考えています。

 関連して,高知市の事業について少しご説明します。平成27年度末をめどに津波避難タワーを9カ所,津波避難センターを2カ所,合計11カ所を整備してきて,3月末にすべて完成しました。平成21年完成の津波避難センター1カ所と合わせて,理論値ではありますが5,100人余り収容できることになり,地元の方々の安心感は高まってきているところです。

 また,長期浸水エリアの中で津波避難ビルを295カ所整備し,まだ増やしているところです。若い方々はマンションの下部が浸水しても,マンションの上部に残られるというケースもあるかと思いますが,子どもさんや妊婦さん,高齢者の方々などはそのマンションから救出する必要があります。県市共同で平成28・29年度の2年をかけて,この長期浸水エリアからの救助・救出の計画を立てることにしています。

 高知市では,現在この長期浸水エリアで特に被害が大きいと想定されております,潮江・下知・江ノ口・高須に居住されている20歳以上の方々を無作為で約5,000人抽出し,市民の方々の防災意識に関するアンケート調査を行っています。例えば,いざという時にどこへ避難するようにしているか,というようなことも含めてご意見を集約し,県市での長期浸水エリアの救助救出計画に繋げていきたいと考えています。

2. 手話言語条例について

 手話言語条例を制定しました。せっかくですので,少し手話で話します。

 (手話で)私は高知市長の岡崎です。手話言語条例が7月1日からスタートします。

 私ができるのはこの程度ですが,手話を言語として市民の方々に広く知っていただこうということで,手話言語条例を7月1日から施行します。全国的には制定しているところはまだ少ないですが,現在6県41市町が制定をしています。第1号は鳥取県が制定したと聞いています。四国では徳島県の三好市が制定しており,高知市が2番目です。

 資料4に手話言語条例を載せていますが,寺田寅彦先生が昭和4年ごろ既に,手話は「大切な言語である」と文章に残されており,そのことを前文に引用させていただいています。

 条例の目的ですが,東日本大震災等の災害がありました際,手話はコミュニケーションを取るための大切な言語であると強く感じました。南海トラフ地震のように大きな災害の際には,障害のある方々も一時的もしくは長期にわたって避難所生活を送られます。一定のコミュニケーションを取れることが理想ですので、市の職員,そして市民の方々にも「手話は言語」ということを広く啓発するよう努めていきたいと考えています。

 研修につきましても,市の職員だけでなく,広く市民の方々が参加できる研修も設けていきたいと考えています。障害者差別解消法など,さまざまな法律が整備されてきましたので,手話について市民の方々も理解をそれぞれ広げていただきたいと思っています。

 また,民間企業のNTTグループが聴覚障害の方々を中心に,「電話お願い手帳」を配布していますが,例えば「お急ぎでなければお願いしたいことがあります」など,カードで意思を伝えるものもありますので,こういう啓発活動も進めていきたいと思っているところです。

 現在,聴覚障害の方は約870人とお聞きしており,さまざまな協議を行いながら啓発を進めていきたいと思っています。

質疑応答

(記者) 熊本地震発生から1カ月が過ぎましたが,高知市の防災を今後考える上で参考になった点や教訓になった点はありましたか。

(市長) 熊本地震でお亡くなりになられた方,ご遺族の皆様方に深く哀悼の意を表しますとともに,被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 熊本につきましては,ご承知のとおり断層が活動してずれたという特殊要因はあると思いますが,いくつか参考にするべき点も出てきました。まず余震が非常に長く続いており,震度1以上の余震が1,400回以上続いています。南海トラフ地震でも余震が相当続くと予想されており,これまで住民の方々の命と安全を守るため,できるだけ早めに,広く避難勧告や避難指示を出してきましたが,これを解除してご自宅に帰っていただくタイミングの判断が難しくなったと感じています。
 また,熊本市の清掃工場は,1日600トン処理できる本市の清掃工場と同等の施設が2カ所ありますが,そのうち1カ所はダクトやベルトコンベアが落ちて機能不全になっています。仮に本市で1カ所しかない清掃工場が稼動できなくなった場合,災害廃棄物等の処理ができず甚大な影響がでますので,調査をして対策を取りたいと考えています。
 もう一つ,熊本の益城町では体育館の吊り天井が落下し,避難所として体育館の中が使用できないため,通路や廊下へ避難しているという状況があります。本市の市営体育館は吊り天井が残っていますので,整備を急いでいきたいと考えています。
 高知市からも延べ300人以上が応援に入っています。現在は宅地の診断が中心となっていますが,今後も支援を継続していきます。

(記者) 道の駅構想について,現段階の構想はどのようなものですか。また,特別委員会で桂浜との一体整備に関連して委員の方から懸念の声が上がっていた点について,市長の見解をお聞かせください。

(市長) 5月10日の都市再生調査特別委員会において,平成27年度に行った官民連携基盤整備調査の報告をさせていただきました。いくつか考え方がありますので,今後まだ調整が必要ですが,大体敷地面積が2.2haで道の駅本体,加工場等の地域振興施設等で年間利用者の想定が72万人程度というのが一つの有力な案になっています。ただ,この特別委員会でもいろいろなご意見が出ましたし,地元でもいろいろなご意見があると思います。
 市としては御畳瀬・浦戸・長浜南部の振興が必要だと考えていますが,地元の方々のお考えを知るために,本年度,一定の事業説明を行った上でアンケート調査に入りたいと考えています。
 浦戸小学校の児童数が減少しており,深刻な状況と感じていますが,産業を振興させないと地域に若い方々が残らないという傾向もあります。農業・漁業ともに特産品がありますので,道の駅という考え方で振興していきたいということをご説明しています。議会でも,アンケート調査でもいろいろなご意見が出てくると思いますので,その中で最終的な方向性を決めていきたいと思います。

 (記者) 熊本地震に関連して二点伺います。まず一点目,熊本地震を受けて防災対策を強化するということですが,財政面を含めて国にどのような支援を求めますか。

(市長) 平成28年度当初予算については,もう少し待たないと全体が掴めない部分もありますが,防災と安全のまちづくりに関連する予算は,かなり手厚く付いていると感じています。それ以外のものは,全国的な傾向でもありますが,大体県下全域でも6割くらいしか予算の内示が来ていません。
 そういう状況の中で,県市の図書館の予算も内示が芳しくないのですが,図書館も一時避難場所として3,000人を収容する大規模な施設ですので,事業が急がれるということで先日国土交通省に要望してきたところです。
 それから,熊本の復興に対して当面の補正予算は成立しましたが,熊本の場合は復興財源のような特別な財源が取れないと思います。熊本も復旧復興に相当な公共事業費が必要なはずですが,激甚特別災害ということで,国の予算が熊本にシフトしてしまった場合に他の地域にどういう影響が出るのか少し気になります。

(記者) 二点目ですが,消費増税の再延期に関して,首相はリーマンショックや東日本大震災のようなことがない限り予定通り増税するというお考えですが,熊本地震が大震災に当たるかは明言を避けています。市長は現時点で消費増税の再延期について,どのように考えますか。

(市長) 判断が難しいと思います。仮に景気の関係,熊本地震の関係で再延期ということになると,平成29年度の社会保障の財源に穴が開きますので,そこは財源の確保が前提になると思います。ただし,エコノミストの意見を聞くと,個人消費は8パーセントに増税した影響がまだ残っており,法人税も円高やゼロ金利の影響で先行きが不透明ということですので,その上個人消費がさらに影響を受けることになるという点で,やはり判断が難しいと思います。

(記者) 夏の参院選について,高知と徳島が合区になり,今予定されている候補者はどなたも徳島県出身ということで,高知県の有権者の投票率の低下が懸念されますが,それについてのお考えと,参院選でどういったことを争点として期待するかをお伺いします。

(市長) 合区には反対です。参議院は独特の役割を果たしてきましたので,本来的には少し時間がかかっても憲法を改正して,各都道府県最低限1人は定数を置くという規定を設けるべきだと考えています。
 今回は18歳以上の方々に選挙権ができましたので,18歳,19歳で約6,000人の新しい有権者にとって初めての選挙になります。若い方々の投票率が特に低いので,この6,000人の方がどういう投票行動に出るのかということを注視しなければいけないと思います。併せて,全国的に見て高知県自体の投票率が非常に低いので,いろいろな対策が必要だと考えています。
 争点はやはり安保法制と,消費税の議論,社会保障といったところだと思います。合区になったことで関心がより低下しているのではないかと,非常に気掛かりです。それから,衆参同日選挙についてもいろいろ課題があり,仮に同日選挙になった場合は,投票日と投票所,人の確保の問題が出てきます。また,衆議院と参議院では比例の投票用紙の書き方が違うため,無効票が多くなる可能性がありますので,投票所でよく気をつける必要があります。 

(記者) 投票率が低くなることの心配をどう払拭していかれるか,お考えはありますか。

(市長) 課題は若い方々だと思いますが,若い方々も気軽に投票に行くことができれば投票されているということが前回イオンで期日前投票所を開設して分かりました。今回もイオンをお借りするようお願いしていますが,買い物のついでに投票できるのは非常に良かったというお声もいただきましたので,そういう投票しやすい場所を,箇所数も含めて伸ばしていくというのが一つの考え方だと思います。

 (記者) 先ほどの道の駅構想について,議会や地元の意見を踏まえて最終的な方向性を決めるということは,道の駅を造らないという選択肢もあるということですか。

(市長) 先ほどは一つの象徴的な話として浦戸小学校の児童数を挙げましたが,長浜のトンネルから南側の振興を図らないと人口急減の歯止めがかかりませんので,産業振興の何らかの手立ては必要だと思っています。長浜はハウス園芸が盛んですし,ユリの一大産地でもあります。漁業関係でも浦戸・御畳瀬に良いものがありますので,農業と花卉,漁業で振興を図る一つの手法として道の駅を選択していますが,財源や用地確保の問題を含めていくつか考え方がありますので,やはり議論を詰めて,地元のご意向も判断しながら,議会にもご相談しながら最終的な出口を決めていこうということです。

(記者) 何らかの振興は必ず必要だけれど,今調査報告に出ている案にはこだわらないということですか。

(市長) 地元のご理解,それから議会のご理解,そして熟度を高めていくということも含めて,まだ少し時間がかかりそうだというのが今の判断です。全く造らないという想定はしていませんが,今後どういう風に出口を見極めていくかということになるかと思います。

(記者) 必ず造るということではないということですか。 

(市長) 造るという前提で提案していますが,造り方もいろいろありますし,財源の問題もあります。

(記者) 最終的なめどはいつごろとお考えですか。

(市長) 浦戸・御畳瀬・長浜南部と地区別に地元説明会をした上で,順番にアンケート調査に入って行く予定です。本年度中にアンケート調査を終了し,その結果を踏まえて議会との協議ということになりますので,何年も先にはなりませんが,最終的にいくつかの選択肢の中から案を絞り込まなくてはいけませんので,もう少し時間がかかると思います。

(記者) 関連して,一つの有力な案について先ほど市長が説明されましたが,市長ご自身は調査結果について率直なところどのような印象を持ったか教えてください。

(市長) 収支を含めて事業費や事業の手法等について調査報告が上がってきましたが,どの程度の事業規模に収めていくかということもあり,今の段階では通常の経営収支が黒字になる方向で有力案を選定しています。用地が確保できるかという課題があり,今後は実現の可能性がある案について議論を重ねていくことになると考えています。

(記者) 実現の可能性はまだブラッシュアップが必要という感じですか。

(市長) どの案を選ぶか,また,例えば公設民営にした場合に民間の方に手を挙げていただけるか,といった問題がありますので,そこを見極めていくためには,まだ多様な議論が必要だと思います。

(記者) 図書館の西側用地について,昨日,市民団体が記者会見を行いました。市民がよく知らないまま計画が進められている,という内容でしたが,今の段階で市民の理解度は十分だとお考えですか。

(市長) 図書館西側の敷地につきましては過去からの経過があり,市民の方々には内容が分かりにくい面があったと思いますが,議会とは継続して協議を重ねてきました。当初,西側敷地はもう少し面積が広くなる予定でしたが,県市の協議の中で図書館部分が当初想定より広くなり,現段階では少し狭くなっています。当初から検討委員会等でいろいろな案を出し,議会とも協議してきましたが,当時有力であったのは,中心部のよさこいの拠点を作る案でした。その案については,高知よさこい情報交流館が別の場所で実現しましたので,再度検討委員会を立ち上げて広く議論しようというところです。
 昨日会見された方々を含め,市民の方々も関心をお持ちですし,民間の方々もいくつかの案や考え方をお持ちですので,皆さんの意見を反映する仕組みも考えながら,基本的には検討委員会を中心にご議論いただき,最終的には公募した案について議会と相談して決定することになると思います。 

(記者) 9月に業者公募というスケジュールで,市民との十分な議論ができますか。

(市長) スケジュールについては,検討期間が短いことを懸念する声が出ているとお聞きしていますので,もう少しスケジュールに余裕を持たせ,時間をかけて議論をするということは考えられます。中心市街地活性化法の指定を受けて事業を行っていますので,基本的には全部広場で残すということは想定していませんが,施設の案に広場機能を残して図書館との連携を図るといったことも考えられますので,今後民間の方々の提案もよく見ながら,最終的な出口を決めていきたいと思います。

(記者) 民間の提案というのは業者のプロポーザルの話ですか。市民の声は出せますか。

(市長) 昨日会見された方々も民間の団体ですので,ご提案をいただきたいと思います。それらを参考にしながら最終的にどうするかを決めていきます。

(記者) 東京都の舛添知事が高額出張や公用車での別荘通い,政治資金の使い方等を巡って批判を浴びていますが,都知事の報道に関して市長はどう考えますか。また,高知市は大丈夫ですか。

(市長) 高知市では財政的にあり得ません。東京都のことですので,個別のコメントは差し控えたいと思いますが,基本的に公金と私金は混同すべきものではないと考えます。

(記者) 定例記者会見を毎月開催とされたことについて,市長の思いをぜひお聞かせください。

(市長) 市長として13年目を迎えていますが,この間農林水産部の立ち上げや市民協働部の改組等,今の時代にふさわしい機構というものを常に意識してきました。しかし,私が昭和50年に職員として入庁してから40年以上市役所を見てきた中で,広聴広報部門には機構改革の手をつけてないという印象を持っています。
 現在の広聴・広報のやり方は,坂本市長が自治活動課を立ち上げられた当時の,いわゆる町内会等を中心とした意見の吸い上げという形からほとんど変わっていません。それは,その時代に合っていて良かったのですが,これからは新しい時代にふさわしいやり方があると思っています。広聴広報推進室は一つの準備段階として立ち上げました。どうすればより広くご意見を吸い上げていけるか,この1年じっくり議論して,できれば平成29年度に課として独立をさせたいと考えています。そういう中で,やはり市から情報発信をして意見をいただいていくことが大切だと考えますので,議会時以外は不定期であった記者会見を,今後は基本的に毎月行うことにしました。

(記者) 政治家個人としての発信をしていくのですか。

(市長) 高知市としての記者会見です。 

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