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歴史万華鏡コラム 2025年06月号

歴史万華鏡
高知市広報「あかるいまち」より

五台山ロープモノレール

6月号写真
●昭和57(1982)年の山頂停留所

五台山にロープモノレールがあったことをご存じだろうか。このロープモノレールに関する公文書を、当館では保存している。この公文書には、ロープモノレール設置申請から廃止・撤去までの一連の書類が()じられており、五台山公園の変遷を知ることができる。

五台山公園内にロープモノレール施設を設置するため昭和42(1967)年に県に提出された申請書には、設置期間として「許可日から十年」と記され、添付されている図面には、麓の青柳橋から山頂までの運行区間が示されている。また、予定運賃表を示した文書には、普通運賃として「大人片道百五十円、小人片道七十五円」と記され、運用方法に関する文書には、山頂に設ける停留所施設について、名称を「見国停留場施設」とし、地階に乗降場、1階に旅客待合室、切符売場および事務室、2階に土産物売店および子ども遊戯場、屋上に無料展望台を設けることが記されている。

その後、このロープモノレールは、昭和44(1969)年に事業を開始し、約12年にわたって運行されたが、昭和56(1981)年に事業が廃止となり、鉄塔などの施設は解体撤去されることとなった。解体撤去直前の写真には、赤茶色に錆びた金属製の枠組みとロープなどが写っている。

一方、山頂の停留所施設については、高知県が寄付を受け、五台山公園見直し計画の中核として、新たに展望台、カフェテラスなどを整備することとし、跡地計画図や、新たに整備された展望台の写真なども綴じられている。こうして山頂の停留所施設はロープモノレール廃止後も利用されていたが、令和4(2022)年に閉鎖され、解体された。

この五台山ロープモノレールに関する公文書は、当時を知っている方には懐かしく、知らない方には新鮮な内容であると思う。6月27日(金)まで開催中の常設展で展示しているので、ぜひ訪れてほしい。

高知県立公文書館 主幹 宮本 純

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※このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「歴史万華鏡」のコーナーを再掲したものです。