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児童生徒等自立支援教室での関わりから

「児童生徒等自立支援教室での関わりから」

 「少年補導センター」「児童生徒等自立支援教室」この2つの言葉から通所をしている子供について連想される場合,多くの方が「素行不良の悪い子供」と判断されがちでしょう。実際に,私も指導員として子供たちと出会う前までは,似たような想像をしておりました。しかし,実際に指導を行い,子供と接するうちに,とても良い子ばかりということが分かりました。

 ここに通う子供たちは,学校での過ごし方や,不登校,不安定な家庭環境など,様々な問題を抱えている場合が多いです。一方で,子供たち自身は何か自分を変えたい,変わりたいという思いから通所をしています(もちろん学習中は「分からん」「しんどい」と愚痴をこぼすこともありますが)。せっかく児童生徒等自立支援教室という存在を知り,頑張って通所をすることを決めたのなら,子供たちに少しでも良い教育の機会を,そして学習の楽しさを知ってもらおうと,子供たちのためになる学習にしようと内容を構成しております。また,学習だけでなく,これから大人になり社会で生きていくために必要な知識やスキルも教室で身に付けていくことができてもらえればと考えております。

 何らかの出来事があって児童生徒等自立支援教室に通所するようになった子供たちの中には,基本的な計算や漢字の読み書きもままならない場合もあります。特に長期的に不登校を経験している場合などは,学校で学習する機会もないため偏った知識となっている場合もあります。私が担当した中には,例えば中学生で九九の計算が全てできない子もいました。そのため,指導する生徒の中には学校で現在学んでいる内容と大きく離れ,学び直しを必要とすることもありました。私の願いとしては,テストで100点が取れなくても,生きていくために必要な学力を身に付けて,社会に出ていってもらいたいというものがあります。

 また,授業時間中(児童生徒等自立支援教室における指導時間は75分です),ずっと集中して学習に取り組み続けることができる子供はほとんどいません。学習を始めて5分で疲れてしまう子や,内容が理解できなくて学習に対して逃避行動を示す子もいます。小学生の中には,通常の学習プリントではすぐに飽きてしまい,鉛筆を離してしまう子もいました。指導における工夫や教材の工夫が求められます。だからこそ,個別の指導の利点を活かし,子供たち一人ひとりに応じた課題を日々準備して,その子がやりたくなるような指導を目指して行っています。

 私が担当している子供たちはいつも元気いっぱいです。学習の指導中もよく雑談を行っています。「最近こんなことがあった」,「このゲーム面白いから先生もやってみたら」など,一対一で話を聞いてくれる先生は,子供たちにとっても良いコミュニケーションの機会となっているのでしょう。その際,私はその子が置かれている現在の環境や,友人関係,興味があることなど,情報を収集する良い機会と考え,一緒に話をしています。また,学習に疲れて集中力が低下したときのリフレッシュのために,意図的に私の方から子供たちと雑談を行うように仕向ける場合もあります。ついつい話が弾んでしまい,学習をする手が止まってしまう場合もありますが,個別的な関わりだからこそ,子供たちの詳しい情報を聞き取ることができます。

 様々な理由や事情があって通所することとなった子供たちですが,全員が現状に変化を求め,より良くなりたいという思いがあって,毎週この教室に通っていると思います。そのためにも,できるだけ多くの学習の機会を子供たちが手にし,新たな学びを得ていってもらいたいという願いのもと,私たち指導員は取り組んでいます。