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本文

平成29年度 市長と語ろう会 議事録(江ノ口コミュニティセンター)

日時

平成30年1月18日(木曜日) 18時半~20時半 

会場

江ノ口コミュニティセンター 大ホール

市長あいさつ 概要

 皆さん,こんばんは。本日は,多くの皆様にお集まりいただき,感謝申し上げる。また,皆様方には,日頃からご近所の見守りや声がけなど,地域の安全・安心活動にさまざまな支援をいただいており,重ねて感謝申し上げる。南海トラフ地震では,江ノ口地域も浸水の可能性があるため,長期浸水エリアにおける避難対策について,意見交換をさせていただきたい。私から,南海トラフ地震の被害想定や対策について概要を説明した後,意見交換に入りたい。よろしくお願い申し上げる。

概要説明

(司会)

 南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について,市長より説明する。

(市長)

 ※配布資料をもとに,南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策の概要を説明。 -説明については省略-

意見交換

(司会)

 意見交換を始める。本日のテーマ「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」に関連する意見・提案をお願いする。

(参加者)

 西和泉町の住人。津波避難ビルの指定について,数年にわたり地域防災推進課と協議している。町内のビルはマンション1棟とさんかく広場があるが,両方とも屋上がない。先ほどの説明にもあったが,地震で地盤が1.7メートル沈下した場合,津波が来て長期浸水になるということを心配している。木造住宅が多く倒壊も考えられるため,とりあえずビルへ一時避難させてほしい。そのために津波避難ビル指定の条件をどうにかできないかという話をしているが,一向に進まない。どう考えているか。

(市長)

 防災対策部から説明する。

(防災対策部)

 津波避難ビルは,現在,市内311か所を指定している。原則として,3階屋上も含めて4階以上の高さを有する建物を指定している。これに加えて,津波避難区域外等で特別な事情がある場合は,津波浸水深から3メートル以上の高さに避難場所が確保できる建物についても指定の対象にしている。さんかく広場ビルは,この条件を満たしていないため指定に至っていない。

 この地域の周辺では,アミーユ四電高知・いずみビル・昭和町コミュニティ住宅を津波避難ビルとして指定している。現在の津波到達の想定時間で1時間以上とされる地域もあり,時間と津波避難ビルとの距離から避難は可能と考えているが,皆さんのご意見も聞きながら検討を進めいきたい。ご理解をお願いする。

(参加者)

 理解できないから話している。津波が60分で来ることよりも,満潮時に地盤が沈下したらすぐに道路が川の状態になることを心配している。とにかく命を守ることを優先してほしい。マンションには住民がいるため容易ではないかもしれないが,さんかく広場は前向きに考えてくれている。80歳以上の方がたくさんいる。津波避難ビルの指定の条件を緩和し,命を守る対策を取ってほしい。

(防災対策部)

 お話の趣旨はよく分かる。市として柔軟に検討できるよう,引き続き話を聞かせていただきたい。

(参加者)

 比島ライオンズヒルズの住人。ライオンズヒルズは津波避難ビルに指定されているが,大変問題がある。一つは人数。地区住民の想定で4,400人とされているが,この人たちをどう受け入れるかという問題について,議論ができていない。マンションの住民は自分たちのことなら考えるが,逃げてくる皆さんのためにどうするのか,避難対策のマニュアルができていない。周辺にはいくつか津波避難ビルがあるが,それぞれどのように避難対策のマニュアルを作るのか。自分たちでは時間がかかり過ぎるので,県や市でひな形を作ってほしい。

 もう一つ,想定4,000人の半分としても2,000人が避難してくる。比島の山の上にはマンションの他に市へ提供した公園と,マンションの公園がある。おそらく近くの人は公園へ逃げてくると思われる。公園に避難してくる人のうち,意識のある人はテントを持ってくるだろうが,なければ野外で風雨にさらされることになる。その対策を考えていただきたい。

(市長)

 マニュアルについては,学校等公共施設の避難場所も含めて,市の職員を配置することが困難という状況も想定しており,それぞれ,地域の方々に避難所をどのように運営していくかということを考えていただいている。地域によってさまざまだが,先日,長浜で避難訓練を行った際には,南海中学校の生徒も参加し,避難所になる体育館の区分けを考えていた。また,朝倉第二小学校では,住民の方々が避難してきたときに,できるだけご近所の方,同じ町内の方でまとまることができるように区割りを整理していた。そこまで考えてくれているところもある。しかし,津波避難ビルの避難マニュアルについては,まだ十分にできていないと思う。そこを含めて防災対策部から説明する。

(防災対策部)

 現在,市では避難所運営マニュアルの作成を順次進めている。168か所ある指定避難所のうち,先ず,L1の地震が起こった場合にドライエリアになることが想定される地域にある100か所について,優先的に作成しており,その後,津波避難ビルも含めて,次の取り組みに進んでいきたいと考えている。

 ライオンズヒルズマンションに隣接する公園は市が管理する公園であり,何らかの避難的なエリアとして指定できないか,要望に沿うような形で協議していきたい。よろしくお願いする。

(参加者)

 問題は,想定4,000人のトイレ。マンションの住人のトイレを使わせるのか,また,トイレに流して良いのかどうかの問題もある。おそらく,資料にある簡易トイレセットを使っていただくしかないが,そうするとマンションの周囲,公園はトイレだらけになるのではないか。それならば,公園にトイレを作ることを考えていただけないか。テントについても保管しておいていただけると,公園に避難した方々はそれでしのぐことができる。そういう対策もぜひ考えていただきたい。

 また,飲料水の問題について。比島は浸水予想が2メートルということなので,避難してきた皆さんは簡単には家に帰れない。マンションの住人は備蓄に努めているし,貯水槽もある。貯水槽が壊れなければ1か月程度は持つと考えているが,マンションに避難して来た方々の水をなんとかしてあげたい。これについては公的に考えていただきたい。

(市長)

 飲料水の件については,上下水道局から答える。

(上下水道局)

 長期浸水エリアは,一定期間水道を使用できない状態になる。長期浸水エリア外については,現在,応急給水ができる拠点を順次整備,もしくは更新している。長期浸水エリアから避難した方々に飲料水を届けるため,浸水エリア外において,応急給水用のタンクなどを地下に埋める,あるいは水を排水池等に貯蔵するといった計画を進めている。

 また,熊本地震では,地震の揺れで地下水が濁り,長期間使用できない状態が続いた。水道は命に直結するため,短期間で被災地支援に乗り込む組織が全国的に展開されている。浸水エリアから避難された方,あるいは浸水エリア内でビル等に避難されている方に,2~3日以内に飲料水を届けられるよう,そういった受援体制をしっかり確立していくことを含めて検討を進めている。

(参加者)

 比島町の住人。水の問題について,先ほど話の出た比島のマンションの向かいに診療所がある。そこは井戸水が使えるので,4,000人分間に合うか分からないが,応急的にはかなり助かると思う。

 もう一つは質問。今までの震災の例を見ると,電気は概ね1週間で回復しているが,下水道に関しては1か月以上かかっている。上下水道が壊滅的な被害を受けた場合,どの地区からどのような形で復旧していく予定か。いろいろな機会に防災の話を聞くが,その話はまだ聞いたことがないので伺いたい。

(上下水道局)

 下水道についても,浸水エリアは調査・点検ができる状態ではなくなる。皆さんの避難先となる浸水エリア外については,緊急時の対応として,ポイントごとに簡易処理ができる池を想定し,検討している。復旧については,堤防で囲まれた中の水を排水・排除するのが下水道の役割。それが可能な状態になれば,緊急の点検や仮復旧に取り掛かかることができる。現状では,復旧には1か月程度かかると想定しているが,三重防護の対策等が進み,浸水エリアの水を1週間程度で排出できた場合は,早期に点検・復旧に取り掛かることができるものと考えている。

(市長)

 先ほどトイレの話が出たが,非常に重要な問題。阪神淡路大震災の際,神戸のほとんどのマンションで断水したため,まず誰もが困ったのがトイレの処理だった。東日本大震災での教訓からも,下水道と避難所のトイレの問題をどうするか,常に考えておく必要があると思っている。

 下水道については,下知や潮江に下水処理場があるが,ここが被害を受けると復旧に相当時間かかる。最終処理場が稼働しなくなると,中間処理で浄化しなくてはならない。基本的に処理場や下水道の管は外れないようになっているが,古いものは割れる可能性があるため順次更新している。また,最終的に水を汲み上げて外へ出す機能を持つポンプ場の耐震化も,順次作業を進めている。

 トイレについて。小・中学校へもおそらく1,000人,2,000人という単位で避難してくる。収集して運ぶ作業を考えておく必要があり,民間のし尿収集車と協定を結んでいる。東部のし尿処理場は浸水しないが,運ぶ途中の道路が浸水している可能性がある。高速道路は浸水しないし,高速への取付道路が倒壊することもまず考えられない。県にも支援していただき,高速道路等を使いながら処理場まで運ぶことを考えている。それが不可能であれば,浸水しない市の西部から土佐市へ運ぶということも考えておく必要があるかもしれない。こういうことも大きな課題。

(参加者)

 地震対策について,先ず住宅の耐震化のことを言われた。補助金の対象を昭和56年以前としているが,経験的に平成12年まで危ないと思う。実際に数字にも表れている。対象を平成12年以前にしていただきたい。

 また,各所で区画整理をしているが,グランドラインが低すぎるのではないか。浸水の地図を見ても分かるとおり,卸団地の方が高くて高知駅周辺は低い。区画整理をする際には,100年先を見込んだグランドラインに沿うことをお願いしたい。

(市長)

 グランドラインの具体的なイメージはどのようなものか。嵩上げといったイメージか。

(参加者)

 区画整理した道路の嵩が高ければ,民間の土地がその高さに追随する傾向がある。だから区画整理の際に上げておくということ。高須や潮江も長期浸水エリアになっている。だから100年先を見たグランドラインに沿ってやってほしい。

(都市建設部)

 木造住宅の耐震化について,旧耐震基準ということで昭和56年以前としている。現在,耐震化を促進するため,補助金を活用して耐震補強工事を行うことを皆さんにお願いしているが,昭和56年以前の建物の3割強がまだ耐震化されていない。阪神淡路大震災以後,一段と厳しい基準に変わっているが,先ずは一番弱い昭和56年以前の部分から耐震化を進めている。言われるように阪神以後の基準でなければ不安だという話も聞いている。いろいろな意見を聞いているので,今後の課題として考えさせていただきたい。

 区画整備事業のグランドラインについて,先を見越して全体的に上げていくという考え方は当然あると思う。そういう視点を持って事業を行っていくべきだと考えるが,区画整理事業に指定した地域だけを嵩上げしてしまうと,その周辺は低くなり水はけが悪くなる。そういう部分もあるので,いろいろなことを考え合わせながら計画していきたい。

(参加者)

 近くに江ノ口小学校,愛宕中学校がある。耐震工事をしているということで避難場所になっているが,基礎は建設当時のままなので,地盤の沈下が起きると傾くのではないか。耐震工事をしているから,つぶれることはないが,傾く可能性はあるという説明を受けたことがある。実際,そうなるのか。

 また,瓢箪公園の地下に貯水槽があるそうだが,地震の後,この貯水槽の水は飲料水として使用可能かどうかお聞きしたい。

(市長)

 瓢箪公園はマリア園の前にある公園だと思うが,長期浸水になる可能性はある。

(上下水道局)

 地震の揺れで雨水タンクの水が濁る場合があるため,現在,揺れを感じると緊急遮断弁によって水が入ってこないようにするタンクの整備を進めている。従来のタンクはタンク内の水を循環させているが,新しいものは常に水道水を循環させながら,緊急時には水を止めて水質を確保し,数日間使用できるようになっている。瓢箪公園のタンクは,おそらくそのような機能のないものではないかと思う。

(参加者)

 それは確認できないのか。

(市長)

 確認しておく。学校の不等沈下の件について,学校は杭を打っているのではないか。

(参加者)

 現在の基準ではなく,以前の基準で杭を打っている。だから地盤沈下が起これば傾く可能性があると思っている。

(市長)

 杭の数や基礎にどのくらい鉄筋が入っているかによって違う。また,地盤の状況によっても違う。即答はできないが,おそらく場所によっては不等沈下もあり得るということではないかと思う。どこの学校で不等沈下が起こるかというところまで想定できていない。場所によるということだと思う。

(都市建設部)

 耐震診断を判断基準にしている。崩れることはないので命は守られるが,建物が全く何ともないということではない。クラックが入るかもしれないし,傾くかもしれない。耐震基準を満たしているから絶対的に大丈夫ということではないことを理解しておいていただきたい。

(参加者)

 南海トラフ地震が起こる前に,他の場所で地震が起こる可能性がある。地域の防災力を高めていくために,防災会の役員や地域の学生などをボランティアとして被災地に派遣したい。そうすれば,新しい役員も育つと思う。市で,ボランティア派遣の予算を作ってほしい。

(防災対策部)

 「防災人づくり塾」という人材育成の事業を毎年実施している。約1か月のスケジュールの中で一定の研修を受けていただくことで,地域の防災リーダーを養成している。また,その延長として,防災士の資格を取っていただく支援を同時に行っており,既に1,000人を超える方々が卒業している。こういう人材育成事業を,他市町村と連携して県下的に広げていくということも,今後はやっていきたい。地域の自主防災組織では高齢化が進んでいる。大学の防災サークルなど,若い方々とも連携しながら,地域との連携を強化していきたいと考えている。災害現場への視察という部分も検討したい。

(参加者)

 できれば,地域から派遣する格好の方が,派遣後に地域の防災会に入ってくれるように思う。市から派遣しても,自分たちは誰が行ったか分からない。地域から派遣したという格好を作ってもらいたい。

(市長)

 参考にさせていただく。

(参加者)

 昨年,鏡川で堤防の補強工事を行っていたが,久万川や江ノ口川では補強工事を行うのか。行うのであれば何年後か。

(市長)

 久万川,江ノ口川ともに,県の管理になっている。県の土木事務所で確認して知らせる。

(参加者)

 その件について,私たちで県と話した。現在,比島まで工事をしている。比島から紅水川の合流点辺りまでの南側は予定に入っていない。理由を聞くと,南側は壊れないとのこと。昨年3月に見直しをした結果でも,堤防が沈下しても予想される津波の高さよりも高いから大丈夫,これ以上は予算が取れない。そういう説明だった。

(市長)

 本日は,県の危機管理部長も来ている。県で確認をしていただき,お答えする。

(参加者)

 発災後18日で止水,1か月強浸水が続くという説明であった。その間にどこかへ移動させる考えなのか,何かシミュレーションができているのか。津波避難ビルに避難した人,一人当たりのスペースは約1平方メートル。そこでどうやって過ごすのか。供給されるトイレの数も非常に少ない。長期浸水エリアに対しては,もう少し何か考えてほしい。水についても心配している。ライオンズヒルズマンションの場合は貯水槽があるという話だったが,他の津波避難ビルにはそういう貯水槽のようなものがあるのか。その辺りのことをお聞きしたい。

防災対策部)

 ご指摘のとおり,水・食料・トイレが災害時の大きな課題だと認識している。江ノ口・下知地域では,約25,000人の方々が浸水エリア内に置かれることが想定されている。順次,救命救助活動を行っていくが,皆さんを津波避難ビルからドライエリアにある指定避難所に移すためには,かなりの日数が必要だと思っている。津波避難ビルには,資料にある7品目に加えて飲料水も順次備蓄しているが,現実問題として備蓄スペースも課題である。ご指摘の部分も踏まえて,今後,どういった形で問題を解消していくのか,検討させていただきたい。

(市長)

 長期浸水エリアにあるマンション等で孤立した場合,比較的体力のある方なら一定の期間は大丈夫だと思うが,高齢者や小さい子どもさんもおられる。そういった支援が必要な方々をどのように移動させていくか,それが非常に大きな課題になっている。現在,自衛隊にも入っていただき,県市で要支援者の救助について協議している。いかに迅速に連携体制を組んでいくか,十分に煮詰めていきたい。

(参加者)

 一つは久万川について。愛宕大橋から上流の方には,川底に土や草などが堆積しているように思う。それを取り除けば水位が下がるのではないか。

 もう一つは,避難した際の水の問題について。市が何とかしてくれるように思っていたが,南海トラフ地震では高知に限らず,広範囲で被害を受ける。県外から水を運んできてくれることが一番望ましいが,道路が寸断されることなども考えられるし,高知は遠い分,他県より支援が遅れる可能性があるという話を聞いたことがある。そうすると,最終的に行政に助けを求めるとしても,とりあえず数日間自分が必要とする水は,個人や町内会等でストックしておく必要があるのではないか。

(防災対策部)

 国の基準では,水は1人1日3リットル必要と決められている。4人家族であれば,1日12リットル必要ということになる。自助共助の観点から,できれば3日分程度,それぞれのご家庭で備えていただきたいという啓発をしているが,4人家族で3日分だと36リットル。2リットルのペットボトルで18本になる。現実的に,個人でそこまで備蓄できるのかという問題がある。ご指摘のとおり,行政で全て賄うのは備蓄スペースの課題もあって難しい。高齢者の飲料水や療養中の方が服薬するための水など最低限の部分を確保した上で,スペースの課題を勘案しながら備蓄を進めていくとしても,行政で全てカバーするのはなかなか難しい。市民の皆さんに備蓄に対する意識を高めていただく中で,個人での備蓄をお願いする部分が出て来るものと考えている。

(市長)

 久万川や紅水川の浚渫については,よく地元の方から話に出るが,県にも予算的な課題がある。市からも県の河川課や土木事務所にお願いしているが,引き続き要望していく。

(参加者)

 定期的に取らないと,年々積もっていく。

(市長)

 その認識は県も持っている。

(参加者)

 洪水や津波などの際によく見る光景に,おびただしい数の流木がある。浦戸湾から入ってきた津波が仁井田の木材団地を経て,国分川からこの地域へも入ってくるのではないかと思う。流木対策はしているのか。

(市長)

 津波で気を付けておくべき注意点がいくつかある。三重防護でできるだけ津波を食い止めるようにするが,タナスカの石油基地の油と,木材団地の木材が流出しないようにすることは考えておく必要がある。須崎港では岸壁にネットを張って木材の流出を防ぐことを考えているようだが,その方法では普段の作業に支障がある。現段階では,木材の流出を防ぐ有効な手法がない。木材団地の木材が津波によってどこまで流れてくるのか分からない。おそらく浦戸湾の中では複雑な渦が起きる。それが遡ってくる可能性は低いかもしれないが,どのような被害が考えられるのか,今後も研究していく。タナスカの石油基地については,県の主導により,石油タンクそのものが流出しないように,また,タンクが倒れて油が流出しないように対策を検討している。

(県 危機管理部)

 流木等ついて説明する。先ほど市長から話があったとおり,タナスカに石油基地がある。東日本大震災の際に,気仙沼で石油タンクが流れて火災が起こったことはよく知られていると思うが,油だけでなく,流木や車などの瓦礫が津波の際に浦戸湾でどうなるか,現在シミュレーションをしている。タナスカで油が流出した場合,どの範囲に広がっていくのか,瓦礫がどこへ流れて行くのか。シミュレーションをしている途中だが,明らかに分かったのは風に非常に左右されるということ。まだ結果が出ていないが,どの範囲に広がるかということよりも,どちらの方向から風が吹いているかによって危険度が高い地域が分かってくる,そういうことが分かっている。シミュレーションの結果が出れば,幅広く公表していくので,参考にしていただきたい。

(参加者)

 消防の方に伺いたい。地震の揺れで火災が起こる。津波で浸水するので我々は津波避難ビルに避難したとして,周囲の家が燃えている場合,どのような対応を取れば良いのか。教えていただきたい。

(消防局)

 津波避難ビルに避難した後,周辺で火災が発生した場合,長期浸水でそのビルから離れることができない状況であれば,風向きを見て,できるだけ煙や炎を避けることができる方角に留まっていただきたい。消防局としては,長期浸水エリアで火災が発生すれば優先的に救助するが,救助までの間,できるだけ火炎の影響を受けない場所に移動していただきたい。

(市長)

 東日本大震災では,普通の家庭にあるプロパンガスが津波で流出し,瓦礫などにぶつかって生じる火花でガスに火がついた。高知県では,この点の対策が進んでおり,ある程度の震度で自動的にストッパーが作動するようになっている。それは,全国的に見ても高知県が一番進んでいるように聞いている。

(参加者)

 バッテリーなどの電気系統から,自動車が自然発火する可能性が高いことを一番心配している。

(消防局)

 ご指摘のとおり,車両の周囲にガソリン等が漏洩している場合,バッテリー等からの火花によって引火する可能性は十分考えられる。車両が燃えながら漂流する可能性というのも十分考えられるため,先ほど申し上げたとおり,できるだけ火炎の影響を受けないところに移動していただきたい。消防も長期浸水エリアには消火に行く手段がない。油が燃えているので,水の上とはいえ消えにくいかもしれないが,通常の火災と比べると,広範囲に延焼することは考えにくいと思われる。

(参加者)

 江ノ口地区に住んで90数年になる。比島から和泉町,伊勢崎町,幸町。その近辺の小・中学校の裏はほとんど田んぼであった。その中に,蓮池のあった土地がある。そこはかなり深い池であったが,そういう場所にも知らずに家を建てている方がいる。住宅が傾く恐れがあるし,私の家も古くていつ倒れるか分からない。

 本日,皆さん方が言われている水の問題。手押しポンプに対して県から補助があるというニュースをテレビで見たように思う。もし,そういう補助があるならば,各家庭に設置しておけば,かなりの問題が解決するのではないか。そのままの水は使えないと思うが,浄化装置を使えばきれいな水を補給できる。近所の人たちにも使っていただけるので,そういう方法を取ったらどうか。

 また,江ノ口地区は高層ビルが少ない。命を守るため,浸水する前にJRの高架に上がりたい。所どころ高架へ上がる入り口がある。震度5の揺れを感じたらそこの鍵が開くようにしていただければ,高架に逃げ込むことができる。江ノ口小学校,愛宕中学校は避難してくる人で一杯になる。避難する場所が足らないと思うので,優先的に高架に上げてほしい。数日は雨に濡れようと命があれば辛抱して助けていただく。そういう方法を検討していただきたい。

防災対策部)

 先ず,井戸について。自主防災組織で独自に手押しの井戸を設けているところもある。市で補助できるかどうかについては,検討させていただきたい。また,指定避難場所になっている学校に,優先的に災害用井戸を整備している。昨年度までに21施設に整備済。今年度は6施設,来年度以降も引き続き整備していく。

(参加者)

 学校に先ず作るとしても,一つずつではなく,何個か作っておいてほしい。江ノ口小学校,愛宕中学校は整備しているのか。無いのなら,予定はどうなっているか。

(防災対策部)

 確認して回答する。JRの高架については,有効な手段だと思う。安全面の課題もあるので時間がかかるかもしれないが,今後,JRと協議していくのでご理解いただきたい。もう一つ,手押しポンプと言われていたのは,浄水器のことではないか。手で回して水を浄化するという装置のことだと思うが,それについても検討していく。それとも,手押しポンプの井戸のことだろうか。

(参加者)

 井戸。井戸から上げた時に,汚い水は飲めないから浄水器できれいにする方法を取っていただきたい。

(防災対策部)

 それについても検討させていただきたい。

(参加者)

 市が地域を守り,命を守るということに力を注いでいただいていることはよく分かった。しかし,町内会で防災倉庫を建てたいと思い,防災組織を作って土地を探した際,市にもいろいろと相談したが,結局自分たちの町内には建てることができなかった。なぜならば,県の土地で市の管理というような,市民には分かりにくい関係があって,土地はあるけれども自由に使わせてもらえない。隣の町内に防災組織を作らせてもらったが,先ほどの手押しポンプを設置したいと思っても土地の使用について市からの許可が得られない。地域の命を守るという観点からすれば,県とか土地の管理とか,いろいろなしがらみを何か良い方法で解決し,自分たちの町内に防災倉庫を建てる手立てがないものだろうか。

 2点目,県警本部ができた際に高知城橋という大きな橋ができた。この橋は地震で揺れても大丈夫か聞いたところ,大丈夫だと返事をいただいたが,近くには,大高坂橋,豊栄橋などの小さい橋がある。その橋は大丈夫だろうか。橋の安全とかいう部分も教えていただきたい。

 3点目。付属小学校の前に横断歩道橋がある。この歩道橋は昭和46年にできたもので,非常に劣化が進んでいる。塗装工事の予定はあるということだが,地震で避難するために皆が歩道橋に上がった場合,強度的に大丈夫だろうか。

(都市建設部)

 1点目の用地の件について。この場では明確には答えられないが,当該土地に下水道施設,マンホールなどの関係があるため,そのままお貸しすることはできないと聞いている。

 2点目の橋の強度について。新しい橋ほど厳しい基準で造られているので,一定の強度がある。古い基準でできた古い橋については,経年劣化も含めて強度が足りないという現実がある。高知市内には1,735の市道橋がある。これを一度に耐震補強はできない。市では阪神淡路大震災以降,順次落橋防止対策に取り組んでいるが,現在は,先ず緊急輸送のための道路に力を注いでいるところだが,平成31年度をめどに一定の対策を終える。その後,皆さんの指定された避難路,それにかかる橋の対策に取り組んでいきたいと考えている。ただし,緊急輸送道路でも避難路でもない橋がたくさんある。そういった橋の中には,地域にとって重要な橋や,長さが長い橋もある。予算を獲得しながら,計画的に対策を進めていきたい。

 3点目,付属小学校南の横断歩道橋について。現在,市として二つの視点で強度対策に取り組んでいる。一つは地震対策,もう一つは老朽化を少しでも抑え,延命化を図る対策。ご質問にあった塗装工事の予定は延命化を図るもの。昭和46年に建てられた当初の耐震基準のままであり,補強工事は必要だが,説明のとおり順次取り組んでいるのでご理解いただきたい。

(参加者)

 高知市がもし長期浸水した場合,排水場が機能するかどうかが非常に重要なポイントになる。それは十分機能する状態にあるのかお聞きしたい。

 また,県警本部の前に,道路が湾曲して低くなっている所がある。産業道路の高速道路から降りてきた所も低くなっている。そういった場所は,当然浸水して非常に危険だし,救助活動にも差し支える。早期に解消する必要があると思うが,どのように考えているか。

(上下水道局)

 市内にはポンプ場が多数あるが,当然古いポンプ場もある。市の中心部で大きなポンプ場は,卸団地の南側にある海老ノ丸ポンプ場。そこと,江ノ口地区の排水をする江ノ口ポンプ場がある。江ノ口ポンプ場についてはかなり古いが,現在の機能を確保しながら更新をしていく必要があり,整備には今少し時間をいただきたいと考えている。海老ノ丸ポンプ場については,すでに全ての耐震化を終えており,浸水した際には,県の対策と合わせて効果を発揮できると考えている。その他のポンプ場についても,それぞれの地域における役割を考えながら優先順位を検討し,順次整備を進めている状況である。

(市長)

 貯留管について説明する。

(上下水道局)

 江ノ口地域では,産業道路の比島の交通公園前から西へ向かって伊勢崎町,宝町方面の約2.7キロメートルの区間に直径3.5メートル,駅から産業道路までの区間に直径1.65メートルの浸水対策の管を整備している。その整備と合わせて,大雨の際に水を溜める大きい貯留管を設置し,皆さんの町内の水をその貯留管に引き込むような工事を進めており,今年度3月に完了する予定。それが完了すれば,弥右衛門公園に久万川へ排水するポンプを設置するようにしており,大雨の際に早い段階から排水することも検討している。浸水対策としてはかなりの効果があるものと考えている。

(都市建設部)

 道路の低い部分というのは,入明の立体交差と比島から弥右衛門に抜ける所のアンダーパスだと思うが,長期浸水になるとこういったところに大量の水が流れ込み,排水ができなくなる。入明の立体交差については,JRが高架になったことから,その必要性も踏まえてのご質問だと思うが,先ほどの説明にあったように雨水の貯留管が完成して,来年度以降それを機能させていく中で,江ノ口地域の浸水被害がどのように変わっていくか,そういった部分を見極めた上で,立体交差が必要なのかどうか,県とも検討していきたいと考えている。もう少し,状況を見させていただきたい。現状では,立体交差を埋めるといったことは考えていない。大雨等の際には,ポンプで排水をしていることと合わせて,いち早く通行止めにする作業も行っている。そういった部分も踏まえて,今後のあり方を検討させていただきたい。

 比島のアンダーパスについては,解消は困難だと考える。ポンプ等でできるだけ排水をしていく形になるかと考えている。