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第513回高知市議会定例会市長説明要旨(令和8年6月12日)

更新日:2026年6月12日更新 印刷ページ表示

 第513回高知市議会定例会市長説明要旨

 

 

 令和8年6月12日

 

 第513 回高知市議会定例会にご出席をいただき、まことにありがとうございます。
 議案の説明に先立ち、当面する市政課題に関連して、ご報告と考え方を申し上げ、ご理解を賜りたいと存じます。
 
1 職員の不祥事について
 はじめに、本市職員による2件の不祥事につきまして、改めましてご報告とお詫びを申し上げます。
 まず、1件目につきましては、令和8年2月に本市職員が飲酒をした知人が運転する車両に乗車したもので、当該職員に対しては2年間の運転免許取消の行政処分がなされており、また、本市が綱紀粛正に取り組む中で当該事件が発生したことを重く受け止め「停職3か月」の懲戒処分を行いました。
 2件目の事案につきましては、令和8年4月に上下水道局職員が県外の宿泊施設において盗撮行為を行い逮捕されたものであり、書類送検された後、罰金50万円の略式命令を受けたものです。当該職員の行為は決して許されるものでなく、また、職員逮捕という事態を引き起こし、公務員としての信頼を著しく失墜させた責任は重く、上下水道局において「停職6か月」の懲戒処分を行いました。
 職員による、不祥事が後を絶たず、特に私的な場面における不適切行為や法令違反等が相次いでいることは、市民の皆様の本市に対する信用及び信頼を著しく損なう事態でありまた、公務員としての資質と自覚が厳しく問われる状況にあると強く認識しております。
 このことから、公務の信頼を低下させる不祥事を、今後二度と発生させないよう、先月から全職員を対象としたコンプライアンス研修を実施するなど、不祥事根絶に向けた職員の意識改革を図っているところです。
 改めて職員一人ひとりが、自身の行為が公私を問わず公務員として大きな社会的責任を伴うことを強く自覚し、規律ある行動を徹底するとともに、組織一丸となって市民の皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
 
2 物価高対策について
次に、物価高対策について申し上げます。
総務省が先月22日に公表した4月の消費者物価指数では、変動の大きい「生鮮食品を除く指数」が前年同月比で1.4パーセント上昇しており、依然として物価上昇の傾向が続いております。本市の物価高対策といたしましては、国の重点支援地方交付金を最大限に活用し昨年度から保育料や給食費の免除など、子育て世帯への支援を行うとともに、65歳以上の市民の皆様には、一人当たり1万円の支給を進めております。
 また、水道をご利用の全ての契約者の負担軽減を図るため、7月から10月検針分の基本料金の80パーセントを減免するとともに、水道を未契約の皆様に対しましても、同等の支援を行うこととしております。
 さらに、事業者への支援といたしましては、地域通貨「ジモッペイ」を活用し、市内小売店舗等における消費喚起と地域内経済の循環を促進するため、「お店応援!地域通貨ポイント還元事業」を実施しておりますが、5月末時点で還元予算の約86パーセントが還元されており、当初6月末までとしていた実施期間を待たずにポイント還元を終了する可能性があるなど、大変ご好評をいただいております。
 また、タクシー事業者への支援として、今月から「こちタク」アプリ新規登録者を対象としたタクシークーポンの配布を開始しており、9月からは「こちタク」の利用でジモッペイポイントを獲得できるキャンペーンを実施することとしています。
 このほか、中小企業・小規模事業者の皆様におきましては、物価高騰などにより資金繰りの逼迫が懸念されることから、9月末までを申込期限とする「物価高騰対策等短期継続融資制度」を創設し、多くの申し込みをいただいており、期限前には融資総額の上限に達する見込みとなっております。
 このように、本市では市民と事業者の皆様の暮らしと経営を守るため、必要な施策を着実に講じてまいりました。
 しかしながら、中東情勢はいまだ不透明であり、原油価格や輸送コストの上昇を背景とした物価高はなお続いており、その影響は、家計の負担増にとどまらず、ナフサなどの石油関連製品の供給不安として、今後の経済にも波及することが懸念されます。
 こうした状況の下、今月5日には、夏場のエネルギー高騰対策に充てる中東情勢等対応予備費の創設とともに、地域の実情に応じた支援を強化するため、重点支援地方交付金1,000億円の追加措置を含めた総額約3.1兆円の国の補正予算が成立し、本市へは1.3億円余りが配分されることになりました。
 本市といたしましては、この重点支援地方交付金を最大限活用し、国や県の経済対策の動向や、市民生活、事業者の皆様への影響を的確に見極めながら、より幅広い市民の皆様に支援が届くよう、必要な対応を適切かつ迅速に進めてまいります。
 
3 建築基準法第12条に基づく公共施設の点検状況について
 次に、建築基準法第12条に基づく公共施設の点検状況について申し上げます。
 このたび、本市が管理する施設において、建築基準法第12条に基づく点検が未実施であることが判明いたしました。
 本来、法を守るべき立場にありながら、点検が適切に実施されていなかったことにつきまして、利用者をはじめ市民の皆様に、深くお詫び申し上げます。
 点検が未実施の施設では、3年ごとに義務付けられた地盤沈下や雨漏りといった建築物の点検、10年ごとに義務付けられた外壁の全面打診点検が行われていないものがありました。
 これらの施設については、日常的な目視点検は実施していたものの、法に基づく点検が実施されていなかったものとなります。
 点検が未実施の施設に関しましては、速やかな点検の実施に向けて、既に作業に着手しており、今月5日には、一級又は二級建築士の資格を有する本市職員に対して、財産政策課への兼務発令を行い、体制を整備いたしましたので、早期に点検を実施するとともに、大規模な施設につきましては、必要に応じて予算措置を含め検討してまいります。
 今後、このような事態を招かぬよう、法定点検の実施状況の把握や、関連法令の周知など、一元的に管理する体制につきましても検討してまいります。

4 観光振興
 次に、観光振興の取組について申し上げます。
 まず、ゴールデンウィーク中の観光客入込状況でございますが、高知県観光コンベンション協会が発表した、4月29日から5月6日の8日間における県内の主要観光施設42施設の入込客数は約19万人で、平日2日間を含む前半の出足は鈍かったものの、後半は好天に恵まれ、客足が伸び、1日平均としては昨年比22.7パーセント増となり、34施設で前年を上回りました。
 本市でも、桂浜公園に多くの観光客の皆様にお越しいただき、期間中の駐車場利用台数は臨時駐車場と合わせて13,413台、昨年比15.6パーセント増と好調に推移しました。
 昨年度は、NHK連続テレビ小説「あんぱん」により高知は大いに盛り上がりましたが、その盛り上がりが冷めやらぬ中、高知県出身の中濱万次郎を主人公としたNHK大河ドラマ「ジョン万」が、令和10年に放送されることが決定しました。
 さらに、令和10年は、桂浜に立つ坂本龍馬像が建立100年という歴史的な節目を迎えることから、記念すべき年を盛大に祝うとともに、この追い風を活かし、高知が誇る二人の偉人の功績を日本全国へ発信していきたいと考えております。
 「らんまん」「あんぱん」に続き、再び訪れた絶好の機会を活かし、本市も高知県観光の玄関口としての役割を果たしながら、「ジョン万」のふるさとである土佐清水市など関係自治体とともに、県内周遊の促進及び県内全域の観光需要の増加を目指して、高知県等と連携しながら積極的に誘客に取り組んでまいります。
 
5 よさこい高知文化祭2026
 次に、よさこい高知文化祭2026の取組について申し上げます。
 いよいよ本年10月、全国規模の文化の祭典「よさこい高知文化祭2026」が開幕いたします。
 本市では、文化プラザかるぽーと等を会場に、全国的に活動する文化団体が主体となる「文化交流事業」18事業に加え、地域の多彩な文化資源をより広く発信するため、「地域文化発信事業」を当初予定の23事業から28事業へと拡充し、開催に向け準備を進めているところです。
 「文化交流事業」には、全国から多くの文化関係者や観客の皆様をお迎えすることとしており、本市の文化や歴史に直接触れていただくことで、多くの皆様に「高知ファン」になっていただけるよう、心温まるおもてなしで交流を深めてまいります。
 併せて、「地域文化発信事業」では、「龍馬まつり」「まんさい」「よさこいリターンズ」などのイベントを通じ、県内外からの来訪者に本市の歴史や文化を体感していただくとともに、鏡・土佐山・春野地域の文化祭など、地域で育まれてきた行事も広く発信し、関係人口の創出や観光振興のみならず、移住定住にもつなげてまいります。
 また、国民文化祭の理念でもある「文化芸術の発展・継承」に向け、学生など若年層や子育て世代の参加促進と満足度向上を目指す取組につきましても、文化観光スポーツ部を中心に、庁内連携のもと企画しているところでございます。
 本県におきましては100万人の参加を目標としており、期間中の短期的な経済効果に加え、本市の多様な文化を発展させ、次世代へ継承する絶好の機会と捉え、市民の皆様に文化芸術へ親しんでいただくとともに、高知の自然や食など地域の魅力を全国へ発信してまいります。
 
6 福祉行政
 次に、福祉行政について申し上げます。
 平成25年8月に実施されました「生活保護における生活扶助基準の引下げ」につきましては、令和7年6月の最高裁判所判決において、「デフレ調整に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があった」として違法と判断されました。
 この判決を踏まえ、国は、厚生労働省内に設置した専門委員会の審議を経て、新たな基準を策定し、差額を追加給付する方針を決定いたしました。
 現在、全国の福祉事務所におきまして、追加給付に向けた体制整備等が一斉に進められているところですが、本市におきましても、生活保護を受給中の方や、平成25年8月以降に生活保護を受給されたことがある方など、約1万5,000世帯に対する追加給付を行うため、11億8千万円余りの補正予算を今議会にお諮りしております。
 具体的な手続方法等につきましては、今後、あかるいまちやホームページ等で周知を図ってまいりますが、電話や窓口でのお問い合わせにも丁寧に対応できるよう相談体制を充実させるとともに、迅速な給付事務の執行に取り組んでまいります。
 
7 窓口開庁時間の短縮について
 次に、来月1日から実施いたします、窓口開庁時間の短縮について申し上げます。
 7月1日から、市役所本庁舎、第二庁舎、たかじょう庁舎、総合あんしんセンター及び上下水道局本庁舎の開庁時間を「9時から16時30分まで」とし、75分間短縮いたします。
 これまで開庁時間の短縮に向けた検討を進めるなかで、直近2年間の市民の皆様の来庁時間の分布や来庁目的などの分析を行った結果、「9時から16時30分まで」に全体の約92パーセントが来庁されていることや、来庁目的として多かった住民票や印鑑登録証明書の発行について、令和3年度からコンビニでの交付が可能となり、マイナンバーカードの保有が一般的となってきたことから、今後もコンビニ交付が増加していく見込みであり、開庁時間の短縮が、大きく市民サービスを低下させるものではないと判断いたしました。
 この取組は、行財政改革の一環として、これまで恒常的に生じておりました、窓口対応に必要な業務システムなどの準備や片付けといった開庁時間前後の時間外労働をすべて削減するととともに、職員の窓口対応時間を縮減する一方で、事務作業に専念できる時間や業務の改善策を検討する時間のほか、打合せや申送り等、職員同士が適切に情報共有できる時間を確保するものです。
 この取組で新たに生じる財源と業務時間を、更なる市民サービスの向上に繋げるという目的で実施するものですので、市民の皆様には、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 
8 令和7年度決算見込み
 次に、令和7年度の決算見込みについてご報告申し上げます。
 一般会計では、歳入において、市民税などが減少した一方で、地方消費税交付金や特別交付税が想定以上の収入となるとともに、歳出では、生活保護や保育などの扶助費や情報システムの調達経費等が減少したほか、昨年度に引き続き、生活保護費負担金等、国費や県費の超過受入れが約7億円と多額になったことなどにより、財政調整基金や減債基金を取り崩すことなく、黒字を確保できる見込みです。
 なお、この超過受入れの約7億円につきましては、本年度に国や県に返還することとなり、繰越金だけではなく、財政調整基金を取り崩す必要があるなど、依然として厳しい財政状況に変わりはありませんので、引き続き慎重な財政運営に留意してまいります。
 特別会計では、収益事業において、インターネットを活用したポータルサイトの利用増加等に伴い車券売上が伸びたことなどにより、15年連続の単年度黒字を確保した結果、累積赤字額は11億円余りにまで圧縮できる見込みです。
 また、駐車場事業では、起債を5,177万円余り繰上償還した上で、約400万円の黒字となる見込みです。
 企業会計のうち、水道事業では、給水収益の減少などにより、純利益は前年度と比べ1億800万円余り減の6億6,800万円余りとなりました。
 下水道事業では、3億7,800万円余りの純利益となり、うち受益者負担を原則とする汚水事業では、人口減少が進む中ではありますが、普及促進の取組などにより、9,500万円余りの純利益を確保することができ、平成26年度の企業会計移行時からの累積赤字を解消することができました。
 
9 行財政改革の推進
 次に、行財政改革の推進について申し上げます。
 先に申し上げましたとおり、令和7年度の一般会計の決算見込みでは、財政調整基金及び減債基金を取り崩すことなく、黒字を確保できる見込みでございますが、依然として厳しい財政運営が続いております。
 本市では、将来にわたり持続可能な財政構造へ転換を図るため、昨年度からゼロベースでの事務事業見直しをはじめとする行財政改革に着手し、DXの推進等を通じた業務効率化など、業務執行体制を含めた内部経費を中心とした見直しを行うとともに、歳入増加の取組としては高知競馬からの利益配分金の見直し協議などを進めてまいりました。
 本年度は、社会情勢の変化に対応し、既存の各施策を時代に即した形へ見直すため、昨年度、「将来的な見直しを検討」の対象としていた中長期的な検討を要する事業について議論を進めるとともに、今後の公共施設の個別対応を示した「公共施設マネジメントアクションプラン」の作成にも着手いたします。
 これらの取組につきましては、「総論賛成・各論反対」とのご意見もあり、慎重な判断が必要になると考えておりますが、今後、限られた予算の中で、子育てや福祉、防災、教育など、市民の皆様の安全・安心を守るための予算を確保し、安定した市政運営を維持するためには必要な取組でありますので、引き続き検討を進めてまいります。
 また、昨年度に引き続き、職員の適正配置による新たな人員の創出や人件費の抑制を図ることを目的とした業務執行体制の見直しを、今年度も実施いたします。
 先に申し上げました開庁時間の短縮効果や今後の事務事業の見直しの方向性を踏まえながら、次年度の業務執行体制に係る各所属とのヒアリング結果をもとに職員や会計年度任用職員の適正配置を進めてまいります。
 今後、少子高齢化社会のさらなる進展とともに、人口減少による市税収入の減収や社会保障費の増大によって本市の財政状況は一層厳しくなることが予想されておりますので、市民サービスを安定的に提供していくためにも、事務事業や業務執行体制の見直しに限らず、効率的な事務執行に向けた行財政改革の取組を進めてまいります。
 
10 カスタマーハラスメント防止対策
 次に、カスタマーハラスメント防止対策の推進について申し上げます。
 近年、顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントにより、就業者が精神的苦痛を受け、離職に追い込まれるなど、深刻な社会問題となっております。
 こうした中、国においても「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」が改正され、本年10月から事業主への対策が義務化されるなど、実効性の高い対策が急がれております。
 県の調査によると、カスタマーハラスメントの発生が多い業種として、「生活関連サービス業、娯楽業」、「金融業、保険業」、「卸売業、小売業」が上位を占めており、第3次産業が全従業者の約87パーセントを占める本市においては、多くの市民がカスタマーハラスメントのリスクに晒されていると考えております。
 特に、独自の防衛体制の構築が困難な中小事業者にとって、行政による「毅然とした後ろ盾」となるルール整備は切望されるところです。
 このような状況を鑑み、本市では誰もが安心して働き続けられる環境の実現に向け、新たに防止条例の制定に着手いたします。
 条例では民間事業者のみならず行政職員等を含む「すべての就業者」を対象とし市民、事業者、行政のすべての皆様が「共に尊重され、心地よく暮らせる社会」の構築を目指します。
 今後、市民の皆様や各業界から幅広く意見を伺い、令和9年度の早期制定を目指し、全庁を挙げて取り組んでまいります。
 
11 補正予算・予算外議案
 以下、議案についてご説明を申し上げます。
 今回提出いたしました議案は、予算議案2件、条例議案10件、その他議案12件です。
 今回の補正予算は、先に申し上げました最高裁判所判決への対応を踏まえた生活保護費等の追加給付のほか、令和8年7月1日からの窓口開庁時間短縮の試行に伴う庁舎管理を行うための経費、土佐山高川地区における地域活性化住宅の建設工事に係る継続費設定などを計上しております。
 以上、申し上げました内容によりまして、提案しております今回の補正規模は、
一般会計 13億6,700万円の増額
特別会計 1,295万2千円の減額
であり、補正後の予算規模は、全会計の純計で3,008億1,628万2千円となり、補正財源として、国庫支出金などの特定財源のほか、一般財源では財政調整基金からの繰入金を充当しました。
 次に、予算外議案について申し上げます。
 条例議案は、法令の改正に伴うものなど10件です。
 このうち、市第81号議案の高知市税条例の一部を改正する条例議案につきましては、令和8年度税制改正等に伴い、固定資産税の免税点や再生可能エネルギー発電施設に係る課税標準の特例措置、バリアフリー改修が行われた特別特定建築物に係る課税額の減額措置の見直しのほか、規定の整備を行うものです。
 その他の議案は、高知市税条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案や契約締結議案など12件です。
 報告12件につきましては、繰越計算書など、いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
 以上、提出をいたしました議案について、概要の説明を申し上げましたが、よろしくご審議の上、適切なご決定をお願いいたします。

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