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第512回高知市議会定例会市長説明要旨(令和8年3月4日)
更新日:2026年3月4日更新
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第512回高知市議会定例会市長説明要旨
令和8年3月4日
第512回高知市議会定例会にご出席をいただき、まことにありがとうございます。
議案の説明に先立ち、当面する市政課題に関連して、ご報告と考え方を申し上げ、ご理解を賜りたいと存じます。
はじめに、渇水の状況について申し上げます。
本市では、昨年11月以降の少雨により渇水が深刻化したことから、先月12日から第1次給水制限を実施し、市民の皆様に節水をお願いしてまいりました。
現在は、先月下旬以降の降雨により状況が改善し、今月2日に給水制限を解除しています。
節水へのご理解とご協力を賜りました皆様に心より御礼申し上げます。
次に、令和8年度当初予算編成について申し上げます。
今回の予算編成は、私が市長に就任してから3回目の当初予算編成となります。
この間、「変えるべきものは変える」との決意のもと、公約で掲げた「5つのまちづくりビジョン」の実現に向け、全力で市政運営に取り組んでまいりました。
子育て支援の充実、まちの賑わいづくり、防災対策の強化、教育の振興、本市の魅力を伝える新たな情報発信やシティプロモーション、さらには市役所に新しい風を吹き込む機構改革にも取り組み、市民の皆様からは「高知市が変わってきた」とのお声をいただくことも増えてきました。
一方で、人口減少対策や迫りくる南海トラフ地震への備え、さらには物価高への対応など、多くの重要課題に直面する中、本市の財政は依然として厳しい状況が続いています。
将来にわたり持続可能な財政基盤を築くため、今年度からは事務事業見直しをはじめとする行財政改革に着手しました。
これは決して、財政の短期的な延命措置ではありません。
限られた財源の中で、どうすれば高知市が未来を切り拓いていけるのか、それを模索する行財政改革です。
事業目的や効果を改めて検証し、縮小すべき施策と充実させるべき施策を見極めながら、本市の発展につながる施策を再構築しようとしています。
将来にわたり着実に歩みを進めていくための不可避かつ前向きな挑戦と捉え、覚悟を持って取り組んでいます。
このような考え方のもと、まず今年度は短期での見直しが可能な事業について検討しました。
特に、Dxの推進等を通じて業務効率化を図り、コピー代や郵便代等の削減、会計年度任用職員の適正配置による人件費の抑制など、内部経費を中心に見直しを進め、総額で3億4千万円余りの財源を確保しました。
また、歳入増加の取組では、高知競馬からの利益配分金について、配分方法の見直しに向け協議を行い、約2億7千万円増の6億8千万円余りを確保できる見込みです。
これらの結果、今年度の事務事業見直しでは、目標の5億円を上回る6億1千万円余りの財源を確保することができました。
一方、こうした見直しを進めるとともに、予算編成に当たっては、単なる削減やスクラップにとどまらず、新たな施策の創出・拡充というビルドの視点を重視しました。
詳細は後段で申し上げますが、子育てや福祉、防災、教育など、市民の皆様の安全・安心を守るための予算を積極的に確保することとしています。
特に、教育振興の取組では、プール授業の安全対策や学校・スポーツ施設の老朽化対策、キャリア教育の推進などに重点的に取り組むこととし、前年度比31パーセント増の約37億円増と大幅に予算を増額しました。
基礎自治体である本市には、市民の皆様の暮らしを守り支えていく責務があり、今後も安定した市政運営を維持していかなければなりません。
10年後、20年後、さらにその先の将来を見据えながら、市民の皆様に未来への希望を持っていただくとともに、その実現に向けた道筋を示す取組を進めなければならないと考えています。
既存の各施策を時代に即した形へと見直し、必要な予算を確保していくことが重要です。
持続可能で安全・安心な高知市の実現を目指し、市民の皆様が将来にわたり希望を持って暮らせるまちづくりを全力で進めてまいります。
それでは、個別の施策について順次ご説明申し上げます。
1 物価高騰緊急支援
はじめに、物価高騰緊急支援について申し上げます。
重点支援地方交付金について、本市には32億9千万円余りが配分されることとなりました。
このうち、先の12月定例会では保育料や給食費の免除など、子育て世帯を中心とした支援等に8億円余り、1月臨時会では水道料金減免や高齢者への1万円給付等で16億7千万円余りの補正予算を計上しています。
これまでの支援に続き、今議会においてもさらなる対策を講じるための予算を計上しましたので、主な事業について申し上げます。
まず、消費喚起及び地域内での経済循環を促進し、物価高騰の影響を受ける小売業者等の事業継続を後押しするとともに、市民の皆様の日々のお買い物等における物価高対策として、市内で使える唯一の地域通貨「ジモッペイ」でのキャッシュレス決済に対し、一人当たり最大5千ポイントの還元を行います。
電子決済にご不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、この機会に物価高対策の一つとして多くの皆様にご利用いただければと思います。
併せて、タクシー地域アプリ「こちタク」と「ジモッペイ」との連動型コラボキャンペーンを実施します。
この取組では、消費喚起に加えて、タクシー事業者を支援するため、「こちタク」に登録した方や「こちタク」を通じてタクシーをご利用いただいた方に最大4千ポイントを配布することとしています。
さらに、町内会等が管理する公衆街路灯のLED化に対する支援として8千万円を計上したほか、防犯対策への支援として、昨年度、大変好評をいただいた録画機能付きインターホンの設置に対する支援に加え、防犯機能付き電話機の購入も支援することとし、5百万円余りを計上しました。
次に、中小企業・小規模事業者に対する支援では、コロナ禍による長期的な影響に加え、長引く物価高の影響等により、事業者の皆様の資金繰り逼迫が懸念されることから、本市独自の支援制度として「物価高騰対策等短期継続融資制度」を創設することとしました。
この制度は、融資限度額1千5百万円、1年間の短期融資を最長で3年間継続して利用できるものであり、地元金融機関のご協力により、通常より低い金利で融資を受けることができます。
本市は融資に係る信用保証料の全額を支援することとし、必要経費として1億8千万円余りを計上しました。
また、物価高の状況においても市民生活を支える移動手段を確保するため、持続可能な公共交通の確立に向けた取組として、とさでん交通が行う電停のリニューアルや路線バス購入等を支援することとし、2億6千万円余りを計上しました。
農業者への支援では、夏の高温対策として園芸用ハウスへの遮熱資材導入や新高梨の改植を支援するほか、コメの安定供給を図るため、老朽化した高須ライスセンターの設備改修や、稲作農家の規模拡大に向けた機械整備などを支援することとしています。
このほか、商店街・商工団体が実施するイベント開催や情報化の推進に対する支援で2千万円、卸売市場事業者への支援で2千万円余りの経費等を計上し、今議会では、物価高騰緊急支援に係る予算として、3月補正と当初予算を合わせて9億3千万円余りを計上し、重点支援地方交付金の残額を全額活用することとしています。
それぞれの支援につきましては、議決をいただき次第、速やかに準備を進め、一刻も早く支援が届くよう努めてまいります。
2 人口減少対策
次に、人口減少対策について申し上げます。
本年1月1日現在の本市の推計人口は、前年同月比で3,686人減の309,423人となり、依然として減少傾向に歯止めがかかっておらず、厳しい状況が続いています。
現在、「高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」において、2060年の目標人口として28万人を掲げておりますが、年々実態との乖離が拡大しており、現状では目標の達成は現実的に厳しい状況です。
一方、令和7年の人口動態では少し明るい兆しも見えてきました。
まず、人口の減少人数について、4千人を超えた前年と比べると、減少幅が一定落ち着いてきました。
また、出生数について、これまで過去最少を更新し続けてまいりましたが、令和7年は1,708人となり、前年から30人増加しました。
さらに、社会動態による減少数は1,052人となり、前年の1,474人から減少幅が422人縮小し、特に若い女性において、転入増加と転出抑制の双方が見られるなど、期待できる動きが現れてきました。
この傾向をより確かなものとし、高知市、ひいては県全体の浮揚につなげるため、これまでの取組を踏まえ、新たな取組を推進します。
まず、企業の人材確保力の向上を図るため、今年度に開始した「資格取得支援事業」を「若手人材定着支援事業」としてブラッシュアップします。
この事業は、これまで資格取得に限定していた支援対象を拡充し、企業が実施する住居手当や通勤手当など、福利厚生制度の新設・拡充を支援する制度としてリニューアルするもので、その制度設計は企業へのヒアリング結果を踏まえて行いました。
本事業を通じて、企業の主体的な取組を後押しし、若年層の市内企業への就職・定着を促進してまいります。
次に、「結婚新生活支援事業」では、より多くの皆様にとって利用しやすい制度となるよう、家賃の給付対象期間について、現在の3か月という上限を撤廃し、結婚等に伴う経済的負担への支援を強化します。
引き続き、結婚を希望する若い世代が安心して新生活をスタートできる環境づくりに取り組んでまいります。
これらに加え、神谷副市長を中心に活動してきた「若者が住み続けたいまちプロジェクトチーム」からの提案も新規事業に反映しています。
まず、先に申し上げましたタクシーアプリ「こちタク」と「ジモッペイ」のコラボキャンペーンは、「地域公共交通の維持と地域経済の活性化に向け、地域通貨やクーポンを活用する」というアイデアから生まれた事業です。
また、若者や子育て世帯が「住宅取得時の経済的負担から市外へ流出しているのではないか」との分析を踏まえ提案された住宅購入費補助のアイデアは、「地域木材活用住宅推進事業補助」において、市産木材を利用した住宅の新築やリフォーム等への支援という形で反映しています。
この他にも、このプロジェクトチームからは若者らしい視点による課題分析や、独自の着想をベースにした多くの事業の「種」を預かっています。
各担当課において引き続きブラッシュアップを進めるとともに、今後の市政に活かすべき貴重な資源・財産として全庁に共有し、その成果を広げてまいります。
また、今後につきましても、積極的に人口減少対策を推進し、「住み続けたい」「いつか帰って来たい」「一度は住んでみたい」と思っていただけるまちづくりに全力で取り組んでまいります。
なお、シティプロモーション事業では、昨年8月に特設サイトを開設し、シティフレーズ「こっち!こっち!」とともに、積極的な情報発信を始めました。
ロゴマークやその名前を投票で決める総選挙など、市民の皆様にもご参加いただきながら、発信力の強化を図ってきたところです。
この度、キャラクターの名前が「なるコッチー」に決定しました。
末永くご愛護いただきますよう、お願い申し上げます。
3 こども・子育て支援
次に、こども・子育て支援について申し上げます。
近年、核家族化や地域でのつながりの希薄化が進む中、孤立感や不安を抱えて子育てする保護者が増えています。
この状況は、保護者の負担感を高めるだけでなく、同年代の子ども同士が関わる機会を減らす可能性があり、子どもたちの健やかな成長のためにも、保護者を支える環境づくりが不可欠な状況です。
こうした背景を踏まえ、来年度からは子どもの育ちを社会全体で支える「こども誰でも通園制度」が全国で本格的に始まります。
本制度は、保護者の就労の有無にかかわらず、一定時間、保育所等を利用できるもので、保護者の負担感の軽減や相談機会の充実につながるとともに、子どもたちが集団の中で育つ経験を得る機会となります。
本市におきましても、国の制度に則り4月から開始することとしており、子どもたちの安全確保や保育の質の確保に配慮するとともに、現場の意見を丁寧に踏まえながら、安心して利用できる運営に努めてまいります。
次に、小学校低学年児童の土曜日預かりについて申し上げます。
土曜日に就労している小学校低学年児童の保護者からは「子どもの預け先がなく、仕事に行けず困っている」との声が多く寄せられています。
本市では、こうしたご負担を少しでも軽減するため、今年度から朝倉小学校放課後学習室での土曜日受入れを開始するとともに、ファミリーサポートセンターの土曜日利用に対する補助制度を創設しました。
これに加え、来年度は土曜日の就労率が高い春野地区をモデル地区として位置付け、放課後児童クラブの通年での土曜日開設について実証的取組を行います。
この取組により得られた結果を踏まえ、子育て世帯のニーズや課題を把握するとともに、よりニーズにマッチした放課後児童クラブ運営を推進してまいります。
次に、養育費確保支援について申し上げます。
次に、養育費確保支援について申し上げます。
本市ではこれまで、養育費確保に向けた支援として、県と共同で運営している「ひとり親家庭支援センター」において、弁護士による法律相談や裁判所への同行支援などを行ってまいりました。
しかしながら、令和3年度に県が実施したひとり親家庭等実態調査によると、7割以上の方が養育費を受け取っておらず、養育費の確保には依然として課題が残っています。
そのため、「養育費確保推進パッケージ」として、支援の入口となる相談支援体制を強化するとともに、離婚時等における養育費の取決めや将来的な養育費不払いへの備えなどを総合的に支援します。
まず、県とも連携し、ひとり親家庭支援センターの機能を強化し、相談支援体制を充実させるとともに、新たに養育費確保セミナーを開催します。
さらに、実効性のある経済的支援として、公正証書の作成や強制執行申立の費用、養育費保証契約の保証料などに対する補助制度を創設します。
相談から手続き、将来への備えまで一貫した支援を提供し、ひとり親家庭の生活の安定と子どもたちの健やかな成長を支えてまいります。
4 南海トラフ地震対策
次に、南海トラフ地震対策について申し上げます。
本市では、令和5年度より事前復興まちづくり計画の策定に向けて取り組んでおり、現在、各地域においてワークショップを開催しています。
住民の皆様からは地域ごとに多様なご意見をいただいており、現地調査や関係部署との協議を経て、実現可能性や妥当性を確認した上で計画に反映することとしています。
本計画が被災後の速やかな復興につながるとともに、各地域の住民の皆様の思いを反映した計画となるよう、来年度末の策定を目指して着実に取組を進めてまいります。
次に、大規模災害時における被災者支援の機能強化について申し上げます。
大規模災害時には、被災者の状況を的確に把握し、迅速な生活再建につなげていく必要があります。
そのためには、被災者一人ひとりの被害状況や支援状況、配慮が必要な事項などを一元的に管理する「被災者台帳」を作成し、個人ごとの状況を的確に把握することが重要です。
こうした観点から、全国での導入実績が多く、実際の災害でも活用されているシステムを県や県内市町村と共同で導入することとし、「被災者台帳」の作成をはじめとする被災者支援の機能を強化します。
さらに、このシステム整備に合わせて、タブレット端末を配備し、住家に被害を受けた場合の支援金申請や保険金請求などに必要となる「罹災証明書」の発行において、被災写真の撮影や取込、調査結果の現地入力を可能とすることで、住家被害調査の効率化を図ることとしています。
システム導入後は、県が主催する操作研修に参加するなど、職員の能力向上に努め、迅速に被災者の生活再建を支援できるよう取り組んでまいります。
次に、感震ブレーカーの設置に関する新たな補助制度の創設について申し上げます。
地震では、揺れそのものによる被害だけでなく、停電復旧時の通電によって発生する「通電火災」のおそれもあります。
このため、揺れから命を守る対策と合わせて、地震後の出火リスクを低減する取組が重要です。
そこで、市内全域を対象とした感震ブレーカーの設置に対する補助制度を創設します。
補助に当たりましては、まずは感震ブレーカー設置の重要性をご理解いただくことが重要となりますので、関係機関や地域の皆様と連携し、制度内容や設置の意義が的確に伝わるよう、丁寧な周知に努めてまいります。
5 教育振興
次に、教育振興について申し上げます。
まず、水泳授業の安全対策について申し上げます。
令和6年7月5日、長浜小学校の水泳授業中に起こりましたプール事故につきまして、改めまして、お亡くなりになりました児童のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご家族、ご親族の皆様に深くお詫びを申し上げます。
本来、安全であるべき学校の授業において、かけがえのない命が失われたことは、誠に痛恨の極みであります。
学校設置者として、このような事故を二度と繰り返さないとの強い決意のもと、安全対策の徹底に全力で取り組んでまいります。
今年度の水泳授業は、教育委員会が策定した「小学校における水泳授業の安全管理マニュアル」に基づき、水位の適切な管理や監視体制の強化など、安全確保を最優先に実施されました。
こうした今年度の取組を踏まえ、来年度に向けさらに安全対策を強化することとし、必要な経費として3千5百万円余りを計上しました。
まず、監視体制の強化について、今年度は管理職を含む教職員が担いましたが、安全性の確保を図るとともに、管理職が本来業務である学校運営に専念できる体制を整えるため、民間事業者等の専門監視員を配置することとしたほか、一部の中学校では、民間プールを活用して水泳授業を行うこととしています。
また、泳ぎが苦手な児童をより安全に指導するとともに、水泳授業の質の向上を図るため、児童の体格差に応じた指導が可能となるプールフロアを増設することとしています。
繰り返しになりますが、学校の授業は安全に行われることが当然であり、もう二度と痛ましい事故を起こしてはなりません。
繰り返しになりますが、学校の授業は安全に行われることが当然であり、もう二度と痛ましい事故を起こしてはなりません。
学校や教育委員会と共にさらなる安全・安心な学校づくりを進め、保護者や市民の皆様の信頼回復に努めてまいります。
次に、市立学校の建物・設備の安全対策について申し上げます。
各学校では、専門業者による建物・設備の法定点検に加え、令和6年度からは、事故の原因となる危険がないかを確認するための一斉点検を実施しています。
今年度は、9月から2月にかけて実施し、教職員等が児童生徒の目線に立った安全確認を行いました。
点検の結果、窓際に置かれた物品のようにソフト面で対応可能なものは各学校が即時に対応し、建物の劣化などハード面での対応が必要なものは教育委員会が応急修繕を行いつつ、一定規模の工事が必要なものは、安全対策を施した上で来年度当初予算により対応することとしています。
また、点検を実施した教職員にはアンケートを行い、安全意識の変化や改善点を確認しており、「点検を自ら実施することで、安全に対する意識が高まった」といった意見も寄せられています。
今後もこの取組を継続することで、日々の安全意識の向上を図り、安全確保の基盤強化につなげてまいります。
なお、市立学校の環境整備に係る予算につきましては、国の補正予算による3月補正への前倒しや特別教室への空調整備などを含む全体の金額として、これまでを大きく上回る前年度比15億8千万円余り増の約34億円を計上しています。
次に、高知商業高等学校の長寿命化について申し上げます。
高知商業高校は、建設後50年以上が経過し、耐震改修などの安全対策は実施しているものの、老朽化が顕在化しています。
このため、本年1月に「高知商業高等学校長寿命化改修工事基本計画」を策定し、令和16年度までにわたって学校施設全体を改修していくこととしました。
来年度は、普通教室のある南舎の西側トイレ9か所を洋式化するとともに、部室棟の改築等を実施することとしており、必要経費として2億8千万円余りを計上しました。
高知商業高校が安全・安心で、生徒の皆さんにとって居心地のいい学びの場となるよう取組を進めてまいります。
次に、キャリア教育の推進について申し上げます。
学校教育の現状として、子どもたちが学校での学習と将来とのつながりを実感できず、その結果、学習意欲の低下や学習習慣が定着しないといった課題が指摘されています。
このため、子どもたちの自尊感情や自己肯定感を高め、将来の夢や目標を描く力、また、思いやりや公共の精神を育むことを目的に、教育委員会では新たに事業を立ち上げ、キャリア教育に取り組むこととしています。
この教育は、まさに「生きる力」の礎となるものと考えており、「学ぶこと」と「働くこと」の関連性に気付くことによって、自分を大切にするとともに、自分自身をより良くしていこうという意欲の向上につながることを期待しています。
また、この事業では、地元の産業や企業等への理解を深めることにより、地域への愛着と誇りを持ち、郷土愛を育むことも目的としており、各学校が地元企業等の協力を得ながら、地域の特性に応じて職場体験や実践的な学習活動を独自に企画・運営します。
自律した自分らしい生き方を実現しつつ、郷土を守り、発展させようとする意欲や態度を身に付け、将来にわたり様々な場面でふるさと高知を思い、支えていただける人材の育成を目指してまいります。
次に、学校給食費の保護者負担軽減について申し上げます。
国では、昨年2月頃より、いわゆる「学校給食費の無償化」について、具体的な議論が進められてきました。
この間、私としましても給食費無償化に賛成の立場から、自治体間の格差が生じないよう、中核市市長会などを通じて、国による安定的な財政措置を求めてきたところです。
こうした中、国からは児童一人当たりの月額として、義務教育学校前期課程を含む小学校では5,200 円、特別支援学校小学部では 6,200 円を基準額とする保護者負担を抜本的に軽減する新制度が示されました。
これを受け、本市におきましても、国から示された基準額のとおり保護者負担を軽減することとしており、本市小学校における保護者負担は、現在の月額5,800 円程度から600円程度に軽減する見込みです。
この新たな仕組みにつきましては、本市を含む全国の市町村が要望していたとおり、交付税措置などの一般財源による対応ではなく、国や県からの補助金を財源とするスキームとされた点は一定の評価をしているところです。
一方で、本市を含む多くの市町村では、実際に必要な食材費が基準額を上回っている状況であり、国から示された基準額のみでは完全無償化とはなりません。
このため、国に対しましては、完全無償化に向け基準額の見直しや、さらなる財政支援について要望を続けているところであり、本市におきましては、法の趣旨や財政状況を総合的に勘案し、基準額を上回る金額について保護者負担をお願いすることとしています。
保護者の皆様におかれましては、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
6 商工振興
次に、商工振興について申し上げます。
まず、中心市街地の活性化について申し上げます。
本市の中心市街地は、民間分譲マンションの建設等による居住人口の増加に加え、年間100隻を超える外国客船の寄港や台湾との定期チャーター便の就航によるインバウンド需要の高まり、ホテルの開業が相次いで予定されているなど、様々な面で状況が変わりつつあります。
このような中、本市では、令和5年度から9年度までの5年間を期間とする「中心市街地活性化基本計画」に基づき、活性化に向けた取組を推進しているところです。
また、来年度は次期計画の策定に向けて、外部有識者による検討委員会を立ち上げ、現計画の検証と現状分析、今後目指すべき活性化の方向性などの議論を始めることとしています。
「中心市街地活性化基本計画」は、官民連携で策定し、内閣総理大臣の認定を受けることで関係府省庁の支援が得られる重要な計画です。
次期計画の策定に当たりましては、明確なビジョンと実効性のある目標設定により、社会や経済情勢の変化に的確に対応できる計画となるよう努めてまいります。
さらに、市民の皆様がおまちをより身近に感じ、愛着を持っていただけるようシビックプライドの醸成に努め、これらを通じて、引き続き中心市街地の活性化に取り組んでまいります。
次に、「曜市150周年記念事業」について申し上げます。
日曜市をはじめとする街路市は、300年以上の歴史があり、現在の「曜日の市」となってから、来年度で150周年の節目を迎えます。
この記念すべき年を契機として、「街路市」を県内外に幅広くPRし、より一層の活性化を図ることを目的に記念事業を実施します。
具体的には、街路市の価値を未来へつなげていくため、歴史や文化を紹介する展示等を実施するほか、食をテーマにしたイベントの開催や周辺の飲食店等とのコラボメニュー企画などを実施し、食の魅力を通じて市民や観光客の皆様が楽しみながら参加できる取組を展開します。
これらの取組は、学生等の若い世代に企画や運営を支援していただくほか、街路市出店者をはじめ、多くの方々と協働で作り上げていくこととしています。
官民が連携し、曜市150周年を迎える街路市を大いに盛り上げてまいります。
官民が連携し、曜市150周年を迎える街路市を大いに盛り上げてまいります。
7 よさこい高知文化祭2026
次に、「よさこい高知文化祭2026」について申し上げます。
本年10月25日から12月6日までの43日間にわたって、高知県では初開催となる全国規模の文化の祭典「第41回国民文化祭」及び「第26回全国障害者芸術・文化祭」が開催されます。
この祭典は、「よさこい高知文化祭2026」として、「心踊る、文化咲く」をテーマに開催され、前回開催地の長崎県には2百万人以上が訪れるなど、県内外から大きな注目を集める大会です。
本市では、文化団体等と連携し、各種音楽や日本舞踊、囲碁・将棋、俳句など、18の「文化交流事業」を開催するほか、まんがフェスティバルやよさこい鳴子踊りの披露など、地域文化の特色を生かした23の「地域文化発信事業」を行うなど、多彩なプログラムによる事業展開を計画しています。
この大会は、本市にとって多様な文化を一層発展させ、次世代へ継承する絶好の機会です。
これまで文化や芸術に触れる機会の少なかった市民・県民の皆様にも親しんでいただきたいと考えており、県や関係団体とも協力しながら、大会のPRに努めてまいります。
また、高知の自然や食など、地域の魅力を全国へ発信する機会にもなりますので、より多くの観光客を呼び込むためのさらなる取組について、県とも連携し検討を続けています。
関係者の皆様と共に、官民一体となって準備を進め、心のこもったおもてなしのもと、心に残る「よさこい高知文化祭2026」となるよう全力で取り組んでまいります。
8 農林水産業の振興
次に、農林水産業の振興について申し上げます。
長引く燃油や資材価格の高騰、気候変動による生産リスクの増大、担い手の高齢化や後継者不足など、農林水産業を取り巻く状況は極めて厳しく、市民生活や地域経済の基盤である食料の安定供給と生産者の経営安定は喫緊の課題であると認識しています。
このため、引き続き来年度も国や県の支援、重点支援地方交付金などを最大限活用し、地域の実情に即した農林水産業振興施策を推進します。
まず、コメ生産の基盤強化として、大津鹿児地区等におけるほ場整備や水利施設の更新を推進するとともに、老朽化したライスセンター等の共同利用施設の高度化を支援します。
併せて、コンバイン等の機械導入への支援やドローンを活用したスマート農業の普及により、省力化・効率化を進め、生産者が安心して営農を継続できる基盤を整備します。
さらに、農地の大区画化・集約化にも継続して取り組み、作業効率の向上と安定的な生産体制の構築を図ってまいります。
次に、果樹・施設園芸に関する取組では、夏の高温対策として、新高梨の改植やハウス資材の導入を支援します。
併せて、ICT・スマート技術の導入による省力化・効率化を推進し、気候変動に強い生産体制を構築してまいります。
次に、畜産振興に関する取組では、夏の高温による家畜の死亡率上昇や生産性低下を抑制するため、大規模採卵鶏農家が行う鶏舎の改修や新たな飼育システムの導入等を支援します。
販売額の増加と作業効率化によるコスト削減を図ることと併せて、鶏糞堆肥の有効活用など耕種農家との連携を強化し、地域循環型の資源利用による畜産業の競争力向上に努めます。
次に、林業振興の取組では、県外の大規模工場への木材の流出や安価な外国産木材加工品の流入といった課題に対応するため、高知市産木材の利用拡大に向けた新たな取組を始めます。
具体的には、市産材を活用した住宅の新築やリフォームに対する新たな補助制度を創設します。
この制度は、市産材の使用量等に応じて最大100万円を上限として補助するもので、市産材の利用拡大を促進するとともに、市民の皆様の住宅建設費等の負担軽減を図るものです。
住宅は生活の基盤であり、安定した住環境の確保は、安心して子どもを生み育て、地域に根差して働き続けるための重要な条件です。
この制度では、先に申し上げましたとおり、若者Ptからの提案も踏まえ、子育て世帯や若者世帯に対する加算制度を設け、次代を担う世代の住宅取得を重点的に支援することとしています。
市産材の安定的な需要創出を図り、地域林業や関連産業の活性化を目指すとともに、若い世代の定住促進と市内就労の後押しを図り、持続可能な地域づくりへとつなげてまいります。
9 公共施設マネジメント
次に、公共施設マネジメントの取組について申し上げます。
先に申し上げましたとおり、令和8年度当初予算では、施設整備をはじめとする安全・安心のための予算を積極的に確保しました。
具体的に申し上げますと、学校施設整備で前年度比約15億8千万円の増、スポーツ施設整備で約12億3千万円の増、保育施設整備で約3千万円の増、 道路や河川等の安全対策などで約6千万円の増と昨年度当初予算から大幅に増額しました。
これは昭和40年代以降に集中的に整備した施設が同じタイミングで老朽化していることに伴い、多額の予算が必要となっているもので、過去からの課題が顕在化してきたものと捉えています。
今回の予算措置は、子どもたちが安全に学べる環境を守ることに加え、市民の皆様が健康づくりや生きがい活動に安心して取り組める環境を維持するため必要不可欠なものと考えています。
事故や機能低下を未然に防ぐ観点からも、先送りすることはできないと判断し、厳しい財政状況ではありますが、予算を大幅に増額して対応することとしました。
一方で、人口減少が続く中、将来的に多額の予算を投入しながら、すべての公共施設を従来どおり維持し続けるのは困難です。
持続可能な行政運営を実現するためには、利用状況や将来需要を踏まえた統廃合や複合化など、公共施設の在り方そのものを見直していく必要があります。
今年度は、「将来負担を過剰にしない公共施設マネジメントのアップデート」をテーマに、公共施設マネジメント基本計画を改訂し、今後10年間の取組方針を定めました。
さらに、この取組は計画の実効性・実現性の確保が重要ですので、来年度には、100平方メートル以上の建物のあるすべての施設について、今後の個別対応を示す「アクションプラン」を作成することとしています。
引き続き、適切に公共施設を管理するための予算確保に努めるとともに、必要なサービス水準を確保しつつ、将来世代に過度な負担を残さない公共施設マネジメントに取り組んでまいります。
10 令和8年度当初予算
以下、議案についてご説明を申し上げます。
今回提出いたしました議案は、予算議案18件、条例議案40件、その他議案12件です。
当初予算における主な施策のうち、前段ご説明したもの以外について申し上げます。
まず、犯罪被害者等の支援について申し上げます。
犯罪被害は誰にでも起こり得るものであり、被害後の生活再建には、被害者等の心情に十分配慮した継続的かつ総合的な支援体制が不可欠です。
国においては犯罪被害者等基本法の制定以降、被害者支援の充実が図られてきましたが、被害直後から日常生活の再建に至るまで、最も身近な基礎自治体である市が果たす役割は極めて重要だと考えています。
地域の実情に即した支援を推進するとともに、市民一人ひとりが犯罪被害者等の置かれた状況を理解し、支え合う社会を築いていくことが求められています。
こうした背景を踏まえ、今議会に「高知市犯罪被害者等支援条例」の制定についてお諮りさせていただきました。
本条例の制定を通じて、犯罪被害者等の権利と尊厳を守り、その方々が再び安心して日常生活を営むことができる環境を整えるとともに、誰もが安全で安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指してまいります。
また併せて、県内で初となる犯罪被害者等への見舞金制度を創設します。
この制度は、犯罪行為により死亡した方のご遺族に30万円、犯罪行為により重傷病を負った方に10万円、不同意性交などの性被害を受けた方に10万円を支給することとしており、国や県に先立ち迅速な支援を行うものです。
加えて、新たに相談支援員を配置し、的確な支援につなぐ体制を整えるとともに、市営住宅への優先入居を可能とする新たな支援制度を創設することとしています。
全庁の連携体制を強化するとともに、部局にかかわらずあらゆる社会資源を活用しながら、犯罪被害者等に寄り添う支援を着実に実行してまいります。
次に、中山間地域における介護サービスの確保について申し上げます。
中山間地域では、在宅介護サービス利用者が山間部に点在しており、道路事情により訪問や送迎に多くの時間を要するため、事業者における採算が取りにくい状況にあります。
また、地域のサービス提供体制も十分とは言えず、利用回数の制限や希望する曜日・時間帯に利用できないなど、必要なサービスが行き届かなくなることが懸念されています。
そこで、県の補助制度を活用し、訪問介護、通所介護などの介護保険サービスを提供する事業者を支援するための新たな制度を創設し、訪問・送迎に係る交通費や専従職員の新規雇用等を支援することとしました。
中山間地域における介護サービス事業の継続性の確保や提供体制の安定化を図り、すべての高齢者が住み慣れた地域で安心して自分らしく生活を続けられる環境の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、「(仮称)春野文化公民館」の整備について申し上げます。
老朽化や耐震性不足などが喫緊の課題となっている春野公民館及び筆山文化会館につきましては、両施設を複合化した「(仮称)春野文化公民館」を現在の春野公民館の敷地に整備することとしています。
市民による文化・芸術活動の拠点として、また、春野地域の生涯学習活動の中核としてご活用いただけるよう、来年度から建築工事を開始し、令和10年4月の供用開始を目指して取り組んでまいります。
以上、ご説明を申し上げましたが、令和8年度一般会計の当初予算規模は、前年度比44億円増の1,684億円となりました。
財政構造につきましては、まず歳入において、賃金上昇に伴う市税収入の増や、地方消費税交付金をはじめとする各種交付金の増により、一般財源が前年度と比べ約28億円増加しています。
一方、歳出では、物価高騰の影響による各種経費や給与改定に伴う人件費の増などにより消費的経費が5億4千万円余り、公共施設の整備など、安全・安心の確保に向けた予算を大幅に増額したことにより投資的経費が38億5千万円余り増加しました。
これらにより、予算編成の最終段階では、大幅な収支不足が見込まれましたので、令和7年度予算の不用額を減額補正することなどにより、財源調整に必要な財政調整基金の残高を47億円余り確保した上で、令和8年度予算で38億円余り活用し、予算収支の均衡を図りました。
また、特別会計では、収益事業で7月に予定されているサマーナイトフェスティバルの開催に伴い69億9,800万円の増、企業会計では、水道事業会計で施設増補改良費の増に伴い3億7千万円余り増となるなど、全会計の純計は2,994億5,974万1千円となり、対前年度比3.9パーセント増となりました。
11 補正予算・予算外議案
次に、令和7年度3月補正予算について申し上げます。
補正予算は、国の補正予算を活用した公共事業の前倒しとして、小・中学校のトイレの洋式化等を行う大規模改造事業を計上したほか、令和8年度当初予算編成での財源調整に必要な財政調整基金を確保するため減額補正を行うなど、補正総額は全会計純計で14億2,784万5千円です。
これらの補正財源は、国庫支出金等の特定財源のほか、一般財源として地方交付税等を充当しました。
次に、条例議案は法令の改正によるものなど40件です。
このうち、市第37号高知市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例議案は、災害時の弔慰金や見舞金の支給について、専門的知識を有する方からの意見を聴くための災害弔慰金等認定審査会を設置するため条例を改正するものです。
市第46号高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案は、国保料の賦課限度額を引き上げるとともに、令和8年度から始まる子ども・子育て支援納付金制度などにより条例を改正するものです。
次に、その他議案は12件で、このうち、市第71号債権の放棄に関する議案は、平成16年3月に閉院した高知市立市民病院に係る診療報酬について、平成13年度から15年度までの未収金にかかる全ての債権を放棄しようとするものです。
報告8件につきましては、いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
以上、議案を中心に概要の説明を申し上げましたが、よろしくご審議の上、適切なご決定をお願いいたします。




