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第476回高知市議会定例会市長説明要旨(令和2年6月11日)

第476回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和2年6月11日

 

 第476回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 今回議題となっております市第89号高知市立学校情報通信ネットワーク環境施設整備業務委託契約締結議案について申し上げます。

 本議案につきましては,「公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金」を活用し,本年3月の第474回市議会定例会におきまして,総額9億880万円の予算のご承認をいただいた市立学校の普通教室・特別教室(コンピュータ室を含む)・体育館について,高速大容量の通信ネットワークを整備するものです。

 本業務につきましては,プロポーザル方式によりまして,先月27日に優先交渉権者を決定し,今月3日に相手方と仮契約を締結したものであります。

 GIGAスクール構想の実現に向け,全国的に高速大容量の通信ネットワーク整備が進められており,ネットワーク機器の需要が逼迫していることや,無線アクセスポイントを設置する普通教室の数が多いことから,本工事を工期内に確実に完了させるためには,早期に契約を行い,整備工事期間を確保する必要があり,本議案を提案させていただいたものであります。

 以上,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。

 引き続きまして,市第72号議案から市第88号議案につきまして,提案理由の説明を申し上げます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 新型コロナウイルス対策

 まず最初に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 高知市における新型コロナウイルス感染症の発生状況は,4月下旬から5月上旬にかけての大型連休期間中の患者数増加が心配されましたが,4月30日以降,新たな感染者は確認されておらず,昨日までに実施したPCR検査についても全ての結果が陰性となっています。

 また,市内の感染者数は累計で44人となっていますが,現時点で全員が退院されており,県内出身者でペルー共和国から帰国した方が,成田空港の検疫所のPCR検査により,今月6日に陽性と判明したため,1名の方だけが入院されていますが,4月30日以降,県内でも新たな感染確認はなく,患者数の累計は74人のまま推移しています。

 第1波の新型コロナウイルスの感染拡大は抑制できているものと考えており,最前線で治療や検査等に当たっていただいている医療従事者の皆様,外出自粛や休業要請にご協力いただいた市民の皆様や事業者の皆様,各地域でご支援を賜りました市議会の皆様のご理解とご協力に感謝を申し上げます。

 県内での感染状況は落ち着いている一方,歴史を振り返ると約100年前に世界中で大流行したスペイン風邪では,第1波より第2波の方が致死率が高く,感染が第3波まで続いたことや,現在,北九州市などで感染が再燃している状況もありますので,決して油断することなく,第2波への備えを固めていくことが大切です。

 県におきましても,次の感染拡大に備え,新たにPCR検査機器を追加購入するとともに,感染リスクが比較的低い唾液を使ったPCR検査の活用も視野に入れながら検査体制を充実させることとしており,医療体制強化の面から,関係機関の協力の下,一定の病床数を確保し,患者さんの症状に応じた病院相互の役割分担を進めることとしています。

 本市としましても,県市連携を密にしながら,医療・検査体制の強化を図り,5月臨時議会でご承認いただきました補正予算を活用し,安心できる市民生活の回復に向けて,全庁を挙げて取り組んでまいります。

 市民の皆様におかれましては,新型コロナウイルス感染拡大予防のための「新しい生活様式」を参考にしながら,日常生活の場や職場などにおいて,「密閉」,「密集」,「密接」の「三密」を避けていただき,ソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用,手洗い,消毒などの感染予防対策を徹底するよう重ねてお願いいたします。

2 新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針

 次に,「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針」について申し上げます。

 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受け,新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき,4月7日に,7都府県に対し最初の緊急事態宣言が発出され,同16日からは全都道府県に対象が拡大されていましたが,その後の新規感染者数の増加に歯止めがかかり,感染者を収容する病床数や検査体制の確保に一定の目途が立ったことから,先月14日には,高知県をはじめとする39県で緊急事態宣言が解除され,同25日には北海道,東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県の5都道県を含めて全面解除となりました。

 本市では,4月17日に「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針(ver.1)」を作成し,「市民の感染拡大防止対策」,「市民生活の支援」,「中小企業等の事業継続に向けた支援」,「子どもの活動及び家庭学習の支援」,「市役所の感染対策・業務継続対策」の5つを柱とする基本方針に基づき,感染拡大防止対策について周知徹底を図るとともに,市民の皆様の暮らしや中小企業等の事業継続に向けた支援を推進してまいりました。

 先月25日をもちまして,緊急事態宣言は全都道府県で解除されましたが,引き続き感染状況をモニタリングしながら,次の流行の波に対する備えを進めるとともに,「新しい生活様式」の定着や,業種ごとに策定された感染拡大予防ガイドラインに基づく感染防止対策を実施しつつ,社会経済活動を段階的に緩和していくことが求められています。

 この新しい国の方針決定を踏まえ,高知県では,先月26日に「他県との往来自粛の段階的な解除」,「イベント開催制限の段階的な緩和」などの新たな方針を発表するとともに,今後の再流行に備え,「高知県における新型コロナウイルス感染症対応の目安」が示され,直近7日間の新規感染者数や病床稼働率を判断指標として,感染者数に応じて,「ゼロ」,「注意」,「警戒」,「特別警戒」の4つのステージに区分し,外出抑制や休業等の要請,会食,イベント,県立施設等の項目ごとの対応方針が公表されました。

 本市におきましては,国や県の感染状況等に応じた動向を踏まえ,対処方針の見直しを重ね,先月28日には「新型コロナウイルス感染症に係る高知市対処方針(ver.6)」を策定いたしました。

 県外では医療機関や特別養護老人ホームなどでクラスターが発生し,新型コロナウイルスの感染者が再び増加している北九州市のような事例もありますので,決して気を緩めることなく,第2波の流行に対する備えを固めてまいります。

 今後も国や県における追加経済対策の動向や,市域の感染状況等を踏まえ,適宜本市の対処方針を見直し,市民の皆様の暮らしや中小企業等の事業継続に向けた支援等への取組を,全庁一丸となって推進してまいります。

3 高知市立学校における対応状況

 次に,高知市立学校における対応状況について申し上げます。

 高知市立学校では,4月13日から続いていた一斉臨時休業を終えて,先月25日からは通常授業を再開しています。

 市立学校の臨時休業中には,学校再開に向けた段階的な取組として,希望者の方々に対する学習内容の復習や休業中の課題等の学習,体調管理のための運動などの補習学習や給食の提供などを行ってまいりました。

 休業以来,42日ぶりの学校再開となりましたが,通常どおり多くの児童生徒が登校してきており,学校現場には子どもたちの笑顔と活気が戻ってきています。

 新型コロナウイルス感染症への対応は,長期間を見据えた取組になることが国の専門家会議からも指摘されており,学校再開後も感染症への対策は不可欠ですので,教室の机の配置や,定期的な換気などに配慮しながら,「三密」を避ける工夫を行うとともに,子どもたちが特に多く手を触れるドアノブ,手すり,スイッチなどの消毒を徹底しています。

 また,学校では,児童生徒の学習に遅れが生じることのないよう,夏季休業中に2週間程度の授業日を設定して授業時間を確保するなど,教育の質を下げない取組を進めます。

 長期間の休業や新型コロナウイルス感染症による生活や行動の変化が,子どもたちのメンタルヘルスに与える影響について考慮する必要がありますので,先生方が子どもたちの生活リズムや日常生活の様子に細かく気を配り,子どもたちとともに,安心できる生活を取り戻すための取組を進めています。

 また,本市をはじめ県内各地で7月31日から開催予定の「第44回全国高等学校総合文化祭高知大会(2020こうち総文)」については,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため,全国からの生徒の移動を伴わない作品審査を行うとともに,オンライン上での発表や交流を中心とすることが,全国高等学校文化連盟から発表されました。

 これまでの大会とはまったく異なった手法での開催となりますが,ICT技術をふんだんに活用して,これまでの各学校における様々な工夫や活動成果が発揮される新しい形での文化交流の場になることを期待し,多くの高校生の皆さんにとって思い出に残る大会となることを祈念いたします。

4 保育所等における対応状況

 次に,保育所等における対応状況について申し上げます。

 各保育所等では,保育を必要とするご家庭へのサービスを提供する一方で,先月24日までの期間については,家庭保育や登園自粛のご協力をお願いしておりましたが,先月25日から通常保育を再開いたしました。

 通常保育再開後の保育所,幼稚園,認定こども園などにおいては,感染予防対策を徹底した上で保育サービスをそれぞれ提供していますが,子どもさんの健康と安全を確保するための対策は,今後,息の長い取組となります。

 子どもさんの毎朝の検温や,健康観察などにご協力いただいている保護者の皆様,感染症対策を徹底しながら保育の実施にご尽力いただいている保育所や幼稚園,認定こども園等の関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。

 保育所等の感染症対策に必要なマスクや消毒用エタノール等の衛生用品については,5月市議会臨時会でご承認いただきました補正予算を活用し,本市が調達して各施設へ配布するとともに,各施設が直接調達する場合には補助制度も創設していますので,ご活用いただきたいと考えています。

 今後も「新しい生活様式」などを参考に,感染症の動向等を踏まえ,教育・保育現場の関係者の皆様のご意見もお伺いしながら,保育所等における感染予防対策の徹底とサービス提供の充実を目指してまいります。

5 特別定額給付金について

 次に,特別定額給付金について申し上げます。

 昨日10日時点での申請件数は,窓口・郵送等による申請を合わせて35,041件を受け付けており,特に生活に困窮されている市民の皆様への給付を急ぐ観点から,当初の振り込み予定を前倒しして,先月22日に第1回分として約5千件,総額約9億9,000万円を支給し,同29日には第2回分として約1万2千件,総額約26億4,000万円を,今月5日には第3回分として約1万2千件,総額約23億8,000万円の給付金を市民の皆様の口座に振り込ませていただきました。

 本市におきましては,申請いただいた市民の皆様へできるだけ早く給付金が支給できるよう,特別定額給付金室を設置し,随時,担当部署の職員を増員しながら体制強化を図り,申請書類の審査チェックやデータ入力,記載事項の確認作業を急ピッチで行い,口座への振込作業を精力的に進めてまいりました。

 ダウンロード等で先行して申請を受け付け,約3万5千件近い大量の申請がありましたことから,振り込み作業等の中で,確認作業などが必要になり,ご迷惑をおかけしている場合もありますので,お詫びを申し上げます。

 これまで申請手続の郵便物をお待ちいただいております市民の皆様に対しまして,本日,あらかじめ世帯員のそれぞれの情報を印刷した申請書を一斉発送しますので,近日中にそれぞれのご家庭に申請書が届く見込みです。

 今後,郵送による大量の申請書が一時期に集中的に提出されることが想定されますので,動員を全庁的にかけるなど万全の体制を敷きながら,申請いただいた市民の皆様へできるだけ早く給付金をお届けするため,全庁一丸となって取組を進めてまいりますので,ご理解賜りますようにお願いいたします。

6 事業者支援給付金について

 次に,本市独自の事業者支援給付金について申し上げます。

 国の持続化給付金を補完する形で,本市が独自に創設した事業者支援給付金は,原則として事業収入の減少率が,前年同月比で20パーセント以上50パーセント未満となっている事業者の方々を対象に,中小法人等については上限20万円を,個人事業者等については上限10万円を給付するものであり,対象事業者数は約5,000事業者を想定しています。

 これまで,要綱の制定や申請書への記載方法を分かりやすく説明した申請要領の作成などを進め,申請書類の準備が整いましたので,高知商工会議所をはじめとする関係機関にもご協力いただき,広く制度の周知を図りながら,今月5日から申請の受付を開始しており,今月9日時点で窓口・郵送等による申請を合わせて84件を受け付けています。

 事業者支援給付金の申請につきましては,感染拡大防止に留意する観点から,原則郵送でお願いしておりますが,南別館4階に予約制で行う申請サポート窓口を設置するとともに,対面での申請もお受けすることとしており,申請書類の記入方法を分かりやすくご説明することなど,丁寧な対応を図ってまいります。

 事業者支援給付金の補正予算をお認めいただいた5月の臨時議会以降,事業者の皆様から多くのお問い合わせをいただいており,短期間に集中的に申請が出されますので,他部局の職員も動員して受付体制を強化するとともに,業務の一部につきましては民間事業者に委託するなど,スピーディーな書類審査とデータ入力処理等に努め,事業者の皆様に的確に給付金をお届けできるよう,精力的に取組を進めてまいります。

7 国政・経済の動向

 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 先月28日に内閣府が発表しました月例経済報告では,景気は「急速な悪化」が続いているとの認識が示され,新型コロナウイルスの感染拡大による企業業績の急激な悪化を受けて,雇用や設備投資の判断が引き下げられており,今後の先行きについては,「政府の緊急事態宣言が先月25日に解除され,個人消費を中心に一定の持ち直しが見込まれるが,雇用情勢次第では景気の低迷が長引くおそれがある」とされました。

 また,今月5日に公表された4月の景気動向指数(速報値)については,景気の現状を示す「一致指数」が緊急事態宣言の発令による外出自粛や休業要請等に伴う経済活動の停滞により,比較可能となった1985年1月以来,最大の下げ幅となる前月比7.3ポイント減の81.5ポイントとなり,景気の先行きを示す「先行指数」についても,前月比で8.9ポイント減少し2009年3月以来の低水準である76.2ポイントとなるなど,景気の悪化が広がっています。

 県内経済の状況では,今月8日に発表された日本銀行高知支店の金融経済概況において,新型コロナウイルス感染症拡大の影響から,個人消費や観光分野などの減少を背景に,「弱い動きが続いている」との判断がなされています。

 こうした経済状況の下,補正予算としては第1次補正の規模を上回る過去最大となる令和2年度第2次補正予算案が,今月8日,国会に提出されました。

 その内容としましては,第1次補正予算で不十分であった医療や雇用,中小事業者支援などの分野が拡充されており,大幅に売上が減収した事業者に対してテナント家賃を助成する家賃支援給付金(仮称),ひとり親家庭への支援策としての臨時特別給付金,第1次補正予算で1兆円を計上した臨時交付金をさらに2兆円積み増しする重要な予算などが盛り込まれています。

 この第2次補正予算については,明日,国会において成立する報道がされていますので,今後の直近の国の動向を注視するとともに,県の補正予算等についても広く情報収集を図り,来月中旬に予定している市議会臨時会において,新型コロナウイルス感染症対策に係る本市の追加支援策を中心とする第2次補正予算をお諮りしたいと思います。

 例年でありますと,今月中には国の「骨太の方針」が取りまとめられる時期でありますが,新型コロナウイルス対策を優先させる必要があることから,「骨太方針は7月半ばの策定を目指す」こととされており,国の新年度予算の概算要求についても例年より1か月程度遅れる見込みです。

 このため,国の来年度予算編成のスケジュールが全体的に先送りとなることから,例年12月下旬に示される地方財政対策等の概要が,越年する可能性もありますので,国政の動向に十分留意しながら,本市の来年度予算編成に向けた準備を進めてまいります。

8 災害時の避難所運営

 次に,災害時の避難所運営について申し上げます。

 台風や集中豪雨等の風水害時に開設する指定緊急避難場所・避難所において,新型コロナウイルス等の感染防止を図るため,4月30日に「避難所における新型コロナウイルス等感染症対応マニュアル」を策定し,災害時の避難所運営に従事する市職員が適切に対応できるよう準備を進めています。

 市民の皆様が避難所等での新型コロナウイルスの感染を恐れ,災害から命を守る避難行動をためらうような事態があってはなりませんので,お一人おひとりが安心して自らの判断に基づき適切な避難行動がとれるよう,風水害時における避難所運営の体制整備を図ってまいります。

 風水害時の避難所での受入れに際しては,検温や体調についての聞き取りを行い,体調不良の避難者の方とそれ以外の方々との接触をできるだけ避けるため,それぞれの避難スペースを分けることとし,各避難スペースでは「密閉」,「密集」,「密接」の「三密」を避け,ソーシャルディスタンスを確保するとともに,こまめな換気や定期的な清掃・消毒を行うこととしています。

 また,石鹸での手洗いや手指消毒,咳エチケットといった基本的な感染防止の取組を避難者の方々ができるよう,5月の臨時議会でご承認いただいた予算を活用し,各避難所で必要となる衛生用品の調達を進めておりますが,避難される市民の皆様におかれましては,ご自身でマスクを持参していただくことなど,できる範囲でのご協力をお願いいたします。

 多くの避難者の皆様が1か所に集中しますと感染拡大のリスクが高まってしまいますので,市民の皆様におかれましては,災害状況を十分に検討した上で,安全の確保が見込まれるご親戚や友人の家へ避難することや,ご自宅の上の階等へ移動することで命を守る避難行動がとれる場合には,在宅避難をすることなども事前に検討していただきたいと思います。

 災害状況によっては指定緊急避難場所や避難所への避難に加えて,在宅避難等の選択肢も含め,適切な避難行動をとっていただけるよう,避難に備えるための準備についてホームページ等で周知していくとともに,様々な機会を捉えて情報発信を行ってまいります。

 なお,南海トラフ地震をはじめとする大規模災害時の避難所運営につきましては,地域の自主防災組織の皆様を中心に運営を担っていただくことを想定していますので,現在,指定避難所ごとに策定を進めております「避難所運営マニュアル」の感染症対策に関する記載事項に,新型コロナウイルス感染症対策で必要となる項目を追記するとともに,マスク等の衛生用品についても十分な数量を確保しておくため,目標数値等を本市の備蓄計画に追記するなど,大規模災害時の避難所における衛生環境向上の取組を推進してまいります。

9 令和元年度決算見込み

 次に,令和元年度の決算見込みについてご報告申し上げます。

 一般会計では,個人市民税や地方消費税交付金などが当初想定ほどは伸びず,厳しい財政収支となりましたが,平成28年度以来となる財政調整基金や減債基金の取崩しを行ったことなどにより,収支の均衡を保つことができる見込みとなっています。

 特別会計では,収益事業において,昨年10月からの陸上競技場改修工事に伴い,年間レースを上半期に消化する過密開催としたことや,新型コロナウイルスの影響により本年2月27日から無観客の開催レースとしたことなどによる減収があり,厳しい収支となりましたが,6,800万円を後年度の施設整備のため基金に積み立てた上で,9年連続の単年度黒字を確保できる見込みとなりました。

 そのほか,国民宿舎運営事業では,単年度収支では約4,200万円の黒字を確保できる見込みですが,5月臨時議会においてご報告いたしました新型コロナウイルスの影響を受けた指定管理者からの納付金の減額等に伴い,令和元年度末の資金不足比率は経営健全化の基準である20パーセントを上回る見通しとなっております。

 企業会計のうち,水道事業では,給水収益の減少などにより,純利益は11億5,300万円余りとなり,前年度より2億7,000万円余りの減少となりました。

 また,公共下水道事業では,3億5,900万円余りの純利益となり,うち受益者負担を原則とする汚水事業では,平成30年4月からの使用料改定や普及促進による増収効果などにより,1億7,000万円余りの純利益を確保することができ,累積赤字も13億8,900万円余りへと減少しております。

10 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出いたしました議案は,予算議案1件,条例議案9件,その他議案7件です。

 まず,今回の補正予算は,一般会計において財政健全化策の一環として市中金融機関から借り入れている縁故債について,5年毎の利率変更に合わせ利率の低い金融機関に借換えを行うための経費や,国費の内示増を受けて,本市の重点路線に位置付けている「愛宕町北久保線」の愛宕町工区をはじめとする3街路整備に向けた移転補償費や用地購入費等を計上するとともに,江ノ口1号線側道(入明立体交差)の高欄工事について,当初に想定していました塗装工事から取替工事に工法を変更することに伴い増額する事業費などについて補正を行うものです。

 この事案につきましては,昨年12月議会におきまして,塗装工事が経済的に安価である旨の説明を行い補正予算案のご承認をいただいておりましたが,工事費を精査する過程において工種のなかで積算抜かりがあったため,再度積算をやり直した結果,取替工事の方がより安価となることが判明したものであり,地元の皆様や議会の皆様にお詫びを申し上げます。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

一般会計 36億2,600万円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,985億5,002万8千円となり,この補正財源として,特定財源である国庫支出金や市債を充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正に伴うものなど9件です。

 このうち,市第74号高知市税条例等の一部を改正する条例議案につきましては,今年度の税制改正に伴い,個人市民税の未婚のひとり親に対する措置及び寡婦(寡夫)控除の見直しや,軽量な葉巻たばこの課税方式の見直しなどについての規定を整備するものです。

 その他の議案は,桂浜公園再整備に向けた不動産取得議案や消防救急無線デジタル化事業に係る訴訟の提起など7件となっています。

 報告10件につきましては,繰越計算書など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。