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第393回高知市議会定例会市長説明要旨(平成18年3月7日)

 第393回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。
 議案の説明に先立ちまして,本年1月及び2月に相次いで発覚いたしました本市職員による横領等の不祥事につきまして,再び市政への信頼を失墜させ,市民の皆様や議会の皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますことをまずお詫び申し上げます。
 全庁一丸となって,不祥事撲滅に向けて組織の再生を図り,市政への信頼を回復する取組を進める最中,本年1月27日に消防局職員による不祥事が発覚し,高橋助役と西川消防長が引責辞任をするという,市政にとりまして大きな痛手を負う異例の事態となりました。
 高橋助役は辞任に際し,「職員一人ひとりが初心に返り使命感を持って仕事をすればこの様な不祥事は起こらない」と全職員に訴えられ,その思いを重く受け止め,新たな決意で取組を始めた直後の2月13日に再び誠和園職員による金銭の着服が発覚いたしました。
 消防局の事件は係長職にある職員が領収書を偽造し,金銭を着服したものであり,また,誠和園の事件では社会的弱者の方々からお預かりしている大切な生活費を担当職員が着服するといういずれも悪質な事件で,組織をあげて再発防止の取組を進める最中にこうした事件が発生したことに対し,信じられない思いであり,大きな衝撃を受けております。
 平成12年度以降で6件,この1年間で3件もの公金等に関する不祥事が立て続けに起きる事態は異常であり,誠和園の事件ではチェック体制が機能したことで横領後,早期に発見することができましたが,チェック機能をさらに強化しながら,この様な事件を発生させない仕組みづくりを強力に進めなければなりません。
 平成12年度以降発生した公金着服等の事件の背景を分析しますと,この6件すべてについて消費者金融等の多重債務が事件発生の要因となっております。
 職員の多重債務は,その性格上から本人がその内容を明らかにしたがらないため,実態の把握には困難性が伴いますが,この多重債務の問題にいかに対応していくことができるか,さらに,公金等を横領された要因としてチェック機能のどこに弱点があったかをしっかりと分析し,その弱点を,ひとつずつ確実につぶしていくことが大変重要になると考えます。
 また,不祥事が続き市民の信頼が薄らぎ,停滞感が強くなっている現況の市政を早急に改革し,活力のある組織として再生させなければ,市民の皆様方の信頼は取り戻せないと思っております。
不祥事の要因となっている多重債務等の芽を摘み取りながら,チェック機能の精度をさらに高め強化してまいらなければなりませんが,そのことと併せて,組織が活性化し,職員が一丸となって精力的に市政課題に取り組んでいるときは,不祥事は起こりにくいと考えています。
 これらの点を総合的に勘案しまして,平成18年度の機構改革では,不祥事を防止する組織としてのリスク管理をさらに強化しながら,市政を抜本的に改革するため,市長直轄の組織として「改革推進室」を設置し,喫緊の課題である「組織改革」,「人事制度改革」,「職員の意識改革」を集中的に進めたいと考えております。
 まず,人事制度改革につきましては,昨年10月から民間の人事制度専門家など3名の方々をアドバイザーとしてお招きし,人事制度や組織の在り方等の見直しに着手しており,人事考課では平成18年度に庁内組織の検討委員会を立ち上げ,管理職への目標管理制度導入に向けた取組を進めるとともに,課長補佐以上の職員を対象とする目標管理研修を実施してまいります。
 本年度一部試行を行いました多面評価や,昇格基準制度・自己申告による降任制度につきましても,本格実施に向けた具体的な検討を進めることとしております。
 また,観光課と社団法人高知市観光協会の業務が渾然一体となされていたことへの対応として,両者の業務分担を明確にし,それぞれ専任組織として体制を整備するとともに,各施設にかかる整備等の受託課である公共建築課には,施設の営繕業務について主管課との調整や建築データの一元管理を行う担当を配置することとしております。
 さらに,監査委員事務局体制の強化を図る一方,出納課の協力も得て,協議会等の外部団体の公金に準ずる資金について各団体とも協議しながら一元管理をするなど,民間からの専門的なアドバイスなども参考にして,リスク分散できる体制を整備してまいりますとともに,職員の生活相談や生活指導ができるような環境を整えてまいりたいと考えております。
 こうした総合的な取組によりまして,組織のリスク管理をさらに高めながら,市民の皆様方の市政への信頼回復に全力で取り組んでまいります。
 次に,春野町との合併協議について申し上げます。
 平成18年に入りまして1月25日に春野町で第4回合併協議会を,3月4日に第5回合併協議会を高知市で開催いたしました。
 第4回合併協議会では,合併協定の予定項目について協議いただき,項目数については合併の方式を始め,財産の取扱いや議会の議員定数及び任期の取扱い,新市のまちづくり計画のほか,住民サービスや住民負担に関連の深い地方税や国民健康保険の取扱いなど33項目とすることが承認されました。
 続けて,新市の名称は「高知市」とすること,新市の事務所の位置は高知市役所本庁舎の位置とすること,条例・規則等の取扱いは「条例・規則等は,高知市の条例・規則等を適用するが,各種事務事業等の調整内容を踏まえて,新規制定,一部改正等を行う」こと,慣行の取扱いは「新市の紋章,市民の木・花,鳥,市歌,憲章及び宣言等は,高知市のものを用いる」ことなど6つの協定予定項目についてご承認をいただきました。
 協議では,市民の花について,「春野町はアジサイを通じたまちおこしに取り組んでおり,市民の花でなくても地域の花として活かすよう検討してもらいたい」,「春野地域の花として,アジサイを地域の活性化に活かすよう定着すればよい」など多くのご意見をいただきましたことから,春野町のアジサイは,一つのシンボルとして,まちおこし等の活動にも活かせるように新市のまちづくり計画等で検討することとしております。
 第5回合併協議会では,合併後に新市が目指す将来像や重点的な取組などについて,高知市と春野町2市町の住民の意向を把握するために,2市町の20歳以上の住民1万人へのアンケート調査をすることなどについてご承認いただきました。
 合併協議会での協議内容等についてのお知らせにつきましては,今後も2か月ごとを目安に「合併協議会だより」を2市町の全世帯に配布することとしており,また,いつでも合併協議会の協議内容をみることができ,併せてご意見もいただけるように,昨年の12月26日には合併協議会のホームページを開設しております。
 次回の第6回合併協議会は,4月28日に春野町での開催を予定しており,合併協定予定項目の協議を順次進めることとしております。

 次に,平成18年度当初予算について申し上げます。
 平成16年度から18年度における三位一体改革につきましては,総額3兆円の税源移譲が行われることとなりましたが,国庫補助負担金改革は児童扶養手当,児童手当や義務教育費国庫負担金の負担率の引下げなどに終始し,地方の自由度を増すものとはなっておらず,満足できるものではありませんので,平成19年度以降に向けた第二期の三位一体改革に取り組む必要があると考えております。
 今後の改革について,既に国では「小さな政府」を実現するための基本方針を定めた行政改革推進法案の国会提出や,本年6月にまとめる「骨太の方針2006」に向けまして,歳入・歳出を一体とした財政構造改革の方向や自治体の破綻法制を含めた地方行財政制度の在り方についての具体的な検討が進められております。
 地方におきましても,全国市長会では生活保護制度の見直しについての検討が進められておりますが,今後とも,地方六団体等との連携の下,地方の実状や考え方を明確に示し,国・地方を通じた行財政改革を進め,第二期の三位一体改革など真の地方分権の実現に向けた取組を推進していかなければならないと考えております。
 さて,平成18年度の地方財政計画においては,歳入では地方税,地方交付税,臨時財政対策債等の合計額をほぼ前年度と同額としたことで,地方の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額は確保された形となっておりますが,骨太方針に基づく総人件費改革基本方針等に沿った給与関係経費や地方単独事業費の圧縮などにより,地方財政計画の規模は抑制されております。
 その結果,地方単独の投資的経費が対前年度比マイナス19.2パーセントと大幅に削減され,地方財政計画全体の規模では5年連続マイナスの対前年度比0.7パーセントの減,地方一般歳出では7年連続マイナスで1.2パーセントの減となっております。
 こうしたことを踏まえ,本市の平成18年度予算につきましては,歳出の抑制を図るとともに,組織改革,人事制度改革,職員の意識改革に積極的に取り組み,公正で信頼される市政を確立することを今後の市政運営の前提条件と位置付けました。
 施策展開につきましては,地域経済の活性化と合併の効果を最大限に活かした「ゆとりと豊かさ」を実感できる新たなまちづくりを目指すとともに,少子高齢社会に向けた対応と災害に備える「あんしん」のまちづくりをテーマとした「ゆとりとあんしんのまちづくり予算」として編成いたしました。
 予算配分では,このまちづくりのテーマを基本に,厳しい景気情勢を踏まえて,事業の重要性や緊急性等に配慮しながら,「地域再生」,「少子高齢化」,「環境」,「防災」の4分野を重点課題として事業費を確保いたしました。
 財政健全化では,新しいまちづくりに向けた財源確保の一環として,平成16年に策定しました高知市新財政健全化計画の計画期間の最終年度として,平成18年度の収支改善目標額である一般財源69億円を最低限の目標として歳出削減等に取り組みました。
 その結果,人件費の見直しで7億円を削減するとともに,事務事業見直しでは新規事業を含め3,786事業を対象に作業を進め,平成18年度は4割を超える1,648事業について,廃止,凍結,再構築,縮小などの見直しを行い,一般財源で約4億5千万円を削減し,歳入面では基金の活用や退職手当債等を活用することで収支改善を図りました。
 今後の行財政改革につきましては,現計画の計画期間終了を受けまして,高知市行政改革第二次実施計画や新たな財政収支推計に基づく中期財政計画を策定し,さらに改革を推進してまいります。
 公の施設に係る指定管理者制度への対応につきましては,今議会に指定議案をお諮りしております鏡文化ステーションRIO等の3施設と,合併により引き継ぎました2施設を加えまして,平成18年4月から指定管理者による施設管理を行う施設は35施設となります。
指定管理者制度の導入によりまして,一定の管理経費の縮減が図れたところですが,今後,指定管理者による管理内容につきましては,住民サービスの向上や公平な利用の確保,効率的な管理の観点等から,継続して評価していくこととしております。
 平成18年度機構改革につきましては,先に述べました意識改革等への対応のほかに,中山間振興施策について新市発足から1年余りが経過し,まちづくりトーク等を行っていくなかでいくつかの課題も指摘されており,より一層の「交流・連携・共生」を推進していく必要があることや,合併後に調整することとなっていた行政制度の調整を行う必要があることなどから,各部局を横断的に調整する中山間振興を担当する政策担当理事を配置するとともに,中山間振興課の体制を強化することとしております。
 健康福祉部におきましては,保健所施設と防災機能などを併せ持つ複合施設の建設に向けて,総合あんしんセンター建設課を立ち上げるとともに,子育て相談等が増えております子ども福祉課を,子ども家庭支援センターを中心とした子育て支援部門と保育園の運営管理部門とを独立させ,それぞれの機能強化を図るため,子育て支援課と保育課を新設することとしております。また,介護保険法改正に伴う地域包括支援センターにつきましては,介護保険課に介護予防支援室を新設いたします。
 環境部につきましては,資源循環型社会の一層の推進を図るため,喫緊の課題でありますごみ減量の中心的役割を担う,ごみ減量推進課を設置します。
 次に,総合計画につきましては,現行の第5次総合計画が平成13年度から,基本構想20年・基本計画10年の計画期間でスタートしておりますが,平成17年1月1日の3市村合併により新市が発足したことを契機として,新たな総合計画を策定することとしております。
 総合計画の策定に当たっては,合併による市域の拡大を踏まえ,鏡・土佐山地域の特色ある資源などの要素を加えるとともに,春野町との合併協議が進むなど高知市を取り巻く社会環境も大きく変化してきておりますことから,昭和32年に全国に先駆けて実施した「高知市総合調査1957」の調査手法を参考にしながら,今日的視点に立った総合調査を実施いたします。
 この調査は,本市の将来の方向性を位置付ける基礎となるものであることから,学問的見地による分析も不可欠であると考え,地域との連携強化に取り組んでいる高知大学と連携を取りながら進めてまいります。
 総合調査の一環として,市民意識調査につきましても平成18年度中に実施し,住民の皆様のご意見をできるだけ反映させるように最大限の努力をしてまいります。
 また,総合調査と並行して,今後の本市の都市再生につなげていく都市機能調査を実施いたします。都市機能調査では,コンパクトシティの概念に基づく土地利用・都市構造を基本として,都市の構成要素である業務機能・商業機能などの各機能について分析を行い,特に衰退が懸念される中心市街地の役割やその機能について詳細な調査を実施し,南四国をリードする中核都市にふさわしい機能的でバランスのとれた都市構造再生に向けた取組を進めます。

 次に,平成18年度予算における重点施策の取組について,順次申し上げます。
 重点課題の第一としまして「地域再生」では,まず,産業振興と雇用対策について申し上げます。
 全国的には雇用情勢の改善が進み,厚生労働省の発表によりますと本年1月における全国の有効求人倍率は約13年ぶりに1倍台を回復しておりますが,本県では依然として雇用改善の動きが弱く厳しい状況が続いており,本県の有効求人倍率は全国平均の約半分である0.51となっております。
 本市の厳しい雇用状況のさらなる改善を目指し,既存の雇用対策事業に加えまして,地域が一体となった総合的な雇用対策に取り組むため,新たに国がコンテスト方式で実施する「地域提案型雇用創造促進事業」の活用を図りたいと考えております。
 平成18年度は,この事業の導入に向けた事業構想を取りまとめるとともに,本市と地域の経済団体等で構成する地域協議会を立ち上げ,国に対し事業提案を行ってまいります。
 産業振興につきましては,地域経済の活性化に向け,産学官による共同研究や情報交換,高知大学との共催による研究成果の公開会の開催など産学官連携の推進に努めておりますが,新たな取組として,本市及び高知大学が認定・参画する産学官連携組織等により研究・開発を行った商品や技術に対し,その普及促進に要する経費等の一部を助成することといたしました。
 従来の国県等による研究開発への助成施策に加え,さらに新商品や新技術の販路拡大に対しても支援を強化することにより,産学官連携をさらに推進し,新たな産業の創出や雇用の場の拡大につなげてまいりたいと考えております。
 また,融資制度を支えている産業活性化融資に係る保証料では,市がその一部を支援し利用者負担を軽減することにより中小企業の経営の安定化を図ってまいりましたが,この度,全国的な制度の見直しによりまして平成18年度からはこれまでの一律の保証料率が,リスクに応じて9段階に区分されることになりました。
 本市としましては,これまでの経過を踏まえ,制度改正により負担が特に大きくなる利用者の方々に対しまして急激な保証料率の上昇を抑える緩和措置を講じることとしております。
 次に,観光振興への取組について申し上げます。
 本年1月からNHK大河ドラマ「功名が辻」の放送が開始されました。
 本市といたしましてもこの大河ドラマを観光振興,地域経済の活性化につなげる大きなチャンスとしてとらえ,官民連携の下に4月1日から高知城一帯で開催されます博覧会「土佐二十四万石博」や,夏休みに予定されていますNHK大河ドラマの全国巡回展の開催をはじめとする様々な観光客誘致促進事業を積極的に支援し,県外観光客の増大を図ってまいります。
 また,11月には「第13回一豊公&千代様サミット」が全国ゆかりの各地から大勢の方々のご参加をいただきまして,平成13年以来5年ぶりに高知市で開催されますことから,「土佐二十四万石博」を効果的に活用した誘致活動により,一過性で終わらない観光振興と広域交流の促進を図ってまいります。
 次に,316年の歴史を誇る土佐の街路市ですが,日曜日に開設されるようになって本年5月でちょうど130周年の節目を迎えます。この機会を「功名が辻」と効果的に組み合わせまして,集客効果を高め日曜市を全国にアピールする絶好のタイミングととらえ,国の外郭団体の実施する合併市町村地域資源活用事業を導入した「土佐のお城下日曜市にぎわい創出事業」を実施することとしております。
 この事業では歴史資料展や漫画ギャラリー,日曜市のロゴマーク募集など様々なイベントを実施することにより,日曜市のにぎわいをさらに創出してまいります。
 また,土佐の高知を代表する観光地であります桂浜につきましては,最近の10年間でも訪れる観光客の数が平成9年をピークに減少し,滞在時間も短縮される傾向にありますことから,専門家や有識者の方々から広くご意見をいただきながら,取り壊しました桂松閣の跡地利用を含めた桂浜観光振興計画を策定し,県内外の多くの方々が訪れる魅力ある桂浜公園の実現に向けた取組を進めてまいります。
 次に,中心商店街につきましては,空き店舗を活用したコミュニティ施設を整備し,市民の方々の様々なコミュニティ活動を支援することにより,観光振興とも連携した商店街の新たな魅力や賑わいを創出し,中心市街地の活性化を図る事業に取り組みます。
 施設の運営は高知TMOが主体で行うこととし,事業内容としては,休憩スペースの提供や商店街情報・イベント・観光情報の発信,併せて子育て支援,高齢者の生きがいづくりの場の提供などが計画されており,その整備と運営費について,県と共同して支援するものです。
 次に,布師田地区のコミュニティ計画について申し上げます。
 布師田地区では,平成15年からコミュニティ計画の策定に着手し,住民の方々に様々な角度からまちづくりについてご検討をいただき,昨年4月に布師田コミュニティ計画を策定いたしました。
 この計画では,旧布師田小学校の跡地を利用し,子どもさんから高齢者の方々まで幅広い年齢層が交流する広場を整備することが重点課題とされております。
 広場の全体計画は,布師田のコミュニティ計画を推進する団体であります「布師田の未来を考える会」の皆様が中心となり検討を進めておりますが,布師田らしさを醸し出す地域交流の核となるような広場の整備に向けた支援をしてまいります。
  次に,中山間地域の振興について申し上げます。
 中山間地域は,豊かな自然や特色ある農林産物の生産,水源涵養機能などを通じて市民生活に大きく貢献しておりますが,一方では,過疎化や高齢化,農林業の衰退などの課題が深刻化しております。
 このため,新市まちづくり計画や過疎地域自立促進計画などを踏まえ,平成17年3月に設置いたしました中山間地域振興審議会での審議内容や,昨年実施いたしました「北部まちづくりトーク」での住民の皆様方のご意見等を参考にして,農業の振興,交流人口の拡大,森林の整備と林業の振興,定住対策などに積極的に取り組んでまいります。
 具体的な施策としましては,農業生産条件の不利な地域を対象とする中山間地域等直接支払制度の活用により,耕作放棄地の増大を防止し,地産地消につながる食料生産と国土保全機能を確保するとともに,鏡・土佐山両地区に市民農園を開設し,農地の活用と交流人口の拡大を図ることとしております。
 また,土佐山地区にあります飲料水供給施設を整備し,市民生活の向上を図るとともに,有機無農薬栽培などに取り組む「夢産地とさやま開発公社」への支援を継続して行います。
さらに,鏡川上流域の広大な森林は,木材生産をはじめ水源涵養や地球温暖化防止など森林の持つ多面的な役割を果たしておりますが,これらの機能の確保・向上のため,間伐の推進や林道・作業道の整備に取り組んでまいります。
 また,「(仮称)高知市森林(もり)づくり検討委員会」を設置し,いわゆる川上から川下をつなぐ本市の今後の森林政策の基本的な考え方を取りまとめる予定です。

 次に,重点課題の第二として,「少子高齢化」への対応についてです。
 はじめに,制度創設から6年目を迎えました介護保険制度についてですが,制度の持続可能性の確保と明るく活力のある超高齢社会の構築,社会保障の総合化を基本視点として本年度に制度が抜本的に改正され,予防重視型システムへの転換が図られることとなりました。
 この4月から新要支援者に対する新予防給付と,介護に至る可能性の高い特定高齢者に対する介護予防事業が創設されるとともに,高齢者の心身の健康維持や総合的な相談,支援と高齢者虐待の予防などの権利擁護などを内容とします包括的支援事業が開始されます。
 こうした介護予防事業と包括的支援事業を担う中核機関として地域包括支援センターが創設されますが,本市では,市内東西南北の4か所に地域包括支援センターの役割を担う地域高齢者支援センターを直営で設置するとともに,各中学校区にそれぞれ1か所ずつ高齢者相談や介護予防ケアマネジメント事業を担う支部的なブランチを設置することとしております。
 介護保険制度の改正に併せまして,70歳を迎える高齢者の方々に新たに介護予防記念健診を創設するとともに,65歳以上の基本健診に運動機能や生活機能の項目を新たに加え,介護予防のために身体能力の衰えを早期に発見し,介護予防につなげてまいります。
 子育て支援につきましては,昨年3月に策定しました新子育て支援計画,高知市子ども未来プラン「すくすくとさっこ21」の各事業を推進するとともに,18年度におきましては,新たに育児支援家庭訪問事業と親子絵本ふれあい事業の創設や,母子家庭等日常生活支援事業を拡充し,父子家庭の支援にも取り組むこととしております。
 育児支援家庭訪問事業は,家庭訪問により育児指導や栄養指導,養育者の援助を行い,養育について支援が必要な家庭のケアに当たるものであり,また,親子絵本ふれあい事業は,少子化によって育児仲間や相談相手が少なくなり子どもとの関わり合いに不安を抱きがちな育児家庭を支援するために,地域のふれあいセンターなどにおいて親と子がともに参加して,絵本の読み聞かせ講習を行うものであります。
 次に,障害者福祉につきましては,障害者自立支援法が新たに制定され,この4月から施行されます。
 身体・知的・精神障害サービスの一元化と,利用者本位のサービス体系への再編,就労支援の抜本的強化など評価すべき内容もありますが,国の財源不足から定率の自己負担が導入されるとともに,施設内容や事業体系が大幅に変更されることから,障害福祉の現場からみると課題も多い制度となっており,市長会等でも厚生労働省に対し意見を申し上げたところです。
 制度施行により新たに介護保険と同様の認定区分審査が導入されるとともに,自立支援医療における支給要件の変更や,自己負担導入に伴う低所得者に対する複雑な減免措置が実施されることとなりますので,利用者の方々への十分な制度周知を行うとともに,利用者の実情に応じた実効性のある減免措置が行えるよう事務手続に留意をしてまいります。
 次に,(仮称)総合あんしんセンター整備への取組について申し上げます。
 この施設の整備にあたっては,「保健・医療・福祉・防災」への市民ニーズに迅速・的確に対応するため,保健所,消防局及び災害対策本部機能を併せ持つ施設とし,さらには,休日・夜間急患センターの運営や南海大地震への対応等も考慮し,医師会等関係団体施設との一体的整備に取り組むこととしております。
 このことにより,大規模災害時には,災害対策本部と医師会等を中心とした災害医療対策高知市支部との密接な連携が可能となり,あらゆる災害から市民の生命と財産を守る防災拠点になるものと考えております。
 保健所につきましては,感染症対策,食品保健及び健康づくりなど,市民の健康を支えるための保健所業務の総括的な執行や保健・福祉との連携強化,また,健康危機管理や災害時にも対応できる施設とするとともに,総合防災センターにつきましては,台風や集中豪雨などの風水害に加え,今後30年以内に高い確率で発生が予想される南海地震に備えるため,防災と消防が一体となった総合的な防災機能を有する施設として整備を進めることといたしました。
 こうした方針の下,現在,県や市の医師会などの関係団体と具体的な協議を重ねており,本年度は,平成22年の施設全面オープンに向け,施設整備のための事前調査を進めてまいります。
 次に,高知医療センターについて申し上げます。
 高知医療センターは,3月で開院から1年が経過いたしました。
病院企業団からの報告では,この1年間の状況について患者数は当初目標を若干下回っているものの,診療単価は当初見込みを大きく上回っており,早くも高機能実践型病院としての診療機能を十分に発揮しているものと思います。
 特に,救命救急センターは,ヘリコプターでの重態患者等の搬送が120件の実績に到達するなど,広域救急医療の拠点病院としての重要な機能を発揮し,総合周産期母子医療センターについてもハイリスク分娩件数や母体搬送件数が旧中央病院の数値を上回るなど,周産期医療の基幹病院としての役割を果たしております。
 また,紹介率,逆紹介率もそれぞれ50パーセント,54パーセントと地域医療支援病院の施設基準としての目標数値に近づきつつあるなど,これまでの市民病院,中央病院に備わっていなかった新しい機能が真価を発揮しはじめており,これまでの企業団の多大なご努力に対し敬意を表しますとともに,県・市の医師会など医療関係者の皆様や議会をはじめとします多くの関係者の方々のご支援とご協力に対しまして心から感謝申し上げます。
 開院1年目を迎えたところですが,これまで,高知医療センターの設立に大変なご尽力をいただきました瀬戸山元一院長が本年3月末に病院長を退任されることとなりました。
 県立,市立の2つの経営主体の異なる病院の統合や日本初となる病院運営へのPFI手法の導入など,パイオニアとして困難な事業にリーダーシップをいかんなく発揮していただきましたが,今般健康上の理由でご退任されるということであり,誠に残念でございますが,ご退任に当たり瀬戸山院長のこれまでのご功績に対し厚く感謝申し上げます。
 4月からは新しい病院長の下での運営となりますが,患者さんが主人公であるというこれまでの路線を引き継ぎながら,市民・県民のためになくてはならない大切な医療機関として,良質の医療を提供し続けていただきたいと願っており,本市といたしましても,県とともに運営を支援してまいりたいと考えております。
 次に,教育に関する施策といたしましては,子どもたちの学力向上や教職員の資質・指導力の向上を目指した取組を充実させる一方,平成16年度から本市最大の教育課題として位置付け,教育委員会と学校現場がともに全力で取り組んでいる不登校問題を一層進めてまいります。
 この不登校問題につきましては,過去2年間に及ぶ集中した取組により様々な成果が出てきておりますので,本年度はこれまでの取組を継続しながら,次の3つの新たな市単独の事業を展開してまいります。
 1つ目は,平成18年3月に本館部分が開館しました教育研究所・青年センターの複合施設「アスパルこうち」内に卒業生支援補助員を配置し,不登校の子どもたちの卒業後のケアに重点を置いた取組を行います。
 ニートやフリーター層の増加が大きな社会問題になっておりますが,教育研究所に通所する子どもたちの中学校卒業後の進路未定者のために,社会的自立を促す取組をスタートさせます。中学校卒業後も進学や就職といった進路が定まらず,そのまま自宅に閉じこもり悩み苦しむ少年や保護者の方々がおられますので,そうした方々に対して手厚い支援・相談活動ができるように努めてまいります。
 2つ目は,少年補導センターにおける「児童生徒自立支援教室運営事業」です。平成16・17年度に国の事業指定を受け,少年補導センターにおいて不登校傾向にある子どもたちの中で特に問題行動を示す子どもたちの居場所づくりに努めてまいりましたが,国の事業終了に伴い,新たに市単独事業として学校復帰や立ち直りに向けた取組を進めてまいります。
 これまで少年補導センターの業務は補導活動を中心に行われてきた傾向がある中で,今後はこの事業を通じて,補導した子どもたちに対して健全育成へ向けた一歩踏み込んだきめ細かな支援を行ってまいります。
 3つ目は,本年度で終了する国事業を平成18年度は本市単独の「学習チューター派遣事業」として内容をさらに充実して取り組んでまいります。
この事業は,地元大学の教員を志望する学生を中心に指定校に派遣して,特に不登校や学校生活に適応できにくい子どもたちに対して学習意欲の向上や学力の定着を図るとともに,大学生にとりましても将来の教員として必要な資質・能力を高めることができるなど,大きな成果が期待できるものになると考えております。
 また,全国的に子どもたちの登下校時の安全が脅かされるような事件が相次ぐ中で,現在本市のすべての小学校では「学校安全パトロール」的な組織ができており,保護者や地域の方々がボランティアとして活動していただいておりまして,心から感謝申し上げます。平成18年度は,活動時の事故等に備えたボランティア保険を掛けるとともに,帽子や腕章を配布し,ボランティアの方々の日々のパトロール活動を支援してまいります。
 平成18年4月1日に県から施設の移管を受けます「工石山青少年の家」につきましては,本市の施設として自然観察や炭焼き,沢登りなど,より地域に密着した体験活動を行い,青少年の健全育成を図るために積極的に活用していきます。
 また,包括外部監査において厳しいご指摘を受けておりますスポーツ振興事業団につきましては,現金出納をはじめ事務管理の適正化など,ご指摘の内容を含めまして早急な事務改善に取り組むとともに,他の財団等の外郭団体につきましても当該団体と協議して事務処理の点検・見直しや経営意識の改革などに取り組んでまいります。

 次に,重点課題の第三として,「環境」への取組について申し上げます。
まず,本市のシンボル鏡川についてですが,合併を契機としまして現行計画のステップアップを目指して,平成17年度から策定作業を進めております鏡川清流保全新計画を,本年11月に策定する予定です。
 新計画は,従前の「川づくり」のほか,合併で新たに加わった上流域面積の約9割を占め,おいしい水を生み出す源となっている「森づくり」をテーマとする一方,鏡川を新たな地域づくりの環境軸として位置付け,「森と海とまちをつなぐ川づくり」とともに,循環型流域圏の構築を目指す「人づくり・まちづくり」の3つの大きなテーマの下に,アユが棲み,新月橋付近で人々が泳げる川を目標に,取組を進めてまいります。また,策定を記念して流域全体で取り組む鏡川流域駅伝大会も併せて行う予定です。
 生活排水対策では,課題となっております農業用水対策をはじめ,浦戸湾水系全域を対象に水質改善などの健全な水循環系の構築を図ることを目的に,水循環に係る基礎調査を行うとともに,公共下水道や合併処理浄化槽を主たる手段としながら,それぞれの河川や地域の特性を踏まえ,それらを効率的・効果的に組み合わせた新たな生活排水対策推進計画を本年11月に策定する予定です。
次に,深刻な健康被害を引き起こすおそれがあり,社会問題となっているアスベスト対策について申し上げます。
 アスベスト問題については,国において石綿による健康被害の救済に関する法律の制定や,アスベスト除去等における飛散防止対策や使用規制の強化とともに,不特定多数の人が出入りする施設のアスベスト対策費用の支援などが検討されております。
 本市では,学校施設,下水排水機場,庁舎駐車場などでアスベストの含有が判明しており,アスベストの種類や浮遊量調査の結果等を踏まえ除去工事を行うなど適切な対応を進めることとしております。
 大気環境中のアスベスト浮遊量につきましては,国による全国調査が実施されており,間もなく結果が公表される予定ですが,本市におきましては,平成18年度に市内10か所程度で大気環境中のアスベスト浮遊量を測定し,その状況によっては追跡調査も行いたいと考えております。
 全国市長会からは,昨年8月30日付けでアスベスト問題に関する緊急要望も提出しておりますが,今後とも,国の責任において被害の拡大を防止するための適切な対応がなされるよう関係機関に働きかけてまいります。
 次に,ごみ減量への取組につきましては,これまで本市では,市民のご理解とご協力の下,ごみの分別収集を全国に先駆けて実施するとともに,ごみ袋の半透明化や昨年には高知市版「もったいないのすゝめ」を作成するなど,ごみの減量化や再資源化に向けた対策を講じてまいりました。
 近年,ごみ問題を含めた環境問題への一層の意識の高まりや,資源循環型社会への転換が強く求められてきていることもあり,18年度からはごみ減量に本格的に取り組むため,先に申し上げましたごみ減量推進課を新設し,ごみの排出抑制の推進をより一層強化したいと考えております。
 また,併せて,市民ニーズに合った,本市の将来を見通したごみ処理システムの再構築に向けて,ごみ問題に関する市民意識調査を実施する予定であります。
 平成16年度から3か年計画で整備を進めておりますエコ・パーク宇賀では,平成17年度に宇賀清掃工場棟の解体撤去を終えるとともに,宇賀清掃工場管理棟を廃棄物問題やリサイクル等に関する情報発信の場とするべく1階部分のリニューアル整備を進めております。
平成18年度につきましては,解体撤去した工場棟の跡地に多目的広場や緑地公園,芝生広場,駐車場等を整備し,敷地内の施設と連携を図りながら,宇賀清掃工場の敷地全体であるエコ・パーク宇賀を「環境に関する学習の場」,「市民の憩いとふれあいの場」として整備を進めてまいります。
 また,現在,清掃工場から発生しております溶融飛灰につきましては,三里最終処分場に埋め立てておりますが,最終処分場の延命化と資源循環型社会の構築のために,工場の焼却残渣中に含まれる金属等の資源化とともに,溶融飛灰の資源化を行い,清掃工場から最終処分場に埋め立てるごみをゼロとし,ゼロエミッションを達成したいと考えております。この取組によりまして,最終処分場の埋立期間を平成33年から約9年延長し,平成42年まで延命することが可能となる見込みです。
 不法投棄の防止につきましては,平成10年度から不法投棄防止パトロール員1 名を設置し,連日市内を巡回しながら不法投棄の防止や野外焼却の禁止指導等を行っております。
 平成17年1月の鏡村,土佐山村との合併に伴いまして市域面積が約1.8倍となりましたが,その増加の大半が山間地域で不法投棄も多くなることが考えられます。このため平成18年度からパトロール員2名と車1台を増強し,不法投棄の監視を強化しながら,投棄の未然防止や啓発,早期発見及び摘発に取り組むこととしております。
 一般廃棄物であるし尿の処理過程で発生する汚泥は,現在清掃工場で焼却処理されておりますが,この汚泥を堆肥として再生活用することにより,資源循環型社会の推進と本市の農業振興を図るため,平成18年度には約2,000トンのし尿汚泥を民間の堆肥化施設に処理を委託することとしております。

 次に,重点課題の第四として,「防災」への取組について申し上げます。
昨年は平成16年10月に発生しました新潟県中越地震に続き,3月の福岡県西方沖地震,8月の宮城県沖地震とマグニチュード7前後の大きな地震が相次ぎ発生した年でありました。
 特に,新潟県中越地方では復旧・復興の最中に昨年からの大雪の影響で,被災者の方々は一層困難な生活を余儀なくされており,心よりお見舞い申し上げますとともに,このような予期しない事態に対する危機管理の重要性を強く実感したところです。
 こうした災害等を教訓としまして,平成18年度におきましては,引き続き自主防災組織の育成・強化や住民の方々の防災意識の啓発に取り組み,「地域の防災力の向上対策」に重点的に取り組んでまいります。
 津波対策につきましては,これまでの浦戸湾湾口部地域に加え,新たに津波浸水被害が予想される湾奥部の地区について,「津波防災マスタープラン」の策定に向けて,地区町内会連合会等と連携した取組を進めるとともに,公共施設を主体に,民間施設にも協力を求めながら「津波避難ビル」の指定に着手してまいります。
 また,地震災害等における避難場所での被災者の生活環境対策として,新たに簡易トイレの整備を図ってまいります。
 学校施設の耐震補強事業では,初月小学校南舎,大津小学校北西舎,愛宕中学校南舎,南海中学校南舎で耐震補強工事に取り組むともに,耐震推進事業として小中学校4校の耐震補強設計を行います。
 次に国民保護計画について申し上げます。
 平成16年6月に成立いたしましたいわゆる国民保護法に基づき,武力攻撃事態等における市民の方々の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため,平成18年度に新たに高知市国民保護協議会を設置し,国の基本指針,県国民保護計画と整合性をとりながら,高知市国民保護計画を策定することとしております。

 次に,平成18年度当初予算について申し上げます。
 平成18年度当初予算規模は,一般会計で 1,270億円であり,扶助費や公債費などの増加要素はありますが,新財政健全化計画に基づく事務事業見直しなど歳出抑制の取組と,街路事業等が事業の谷間の期間でもあり,公共事業で事業費が減少したことなどにより対前年度当初比で 3.1パーセント減,国の平成17年度補正予算に伴う3月補正予算への前倒し分を含めた実質的な予算規模では対前年度比で2.2パーセント減となり,2年連続のマイナス予算となりました。
 全会計純計では,国民健康保険事業や老人医療事業での医療給付費の増加等により2,569億 5,241万余円,対前年度当初比0.3パーセント増となっております。
 平成18年度当初予算の財源としましては,地方交付税を今後の補正財源として一部留保しつつ,市税等につきましては年間収入見込み額を計上いたしました。
 以下,平成18年度当初予算の主な施策の概要につきまして,先に述べました事業以外のものを中心に施策体系に従いご説明いたします。
 まず,新しい価値を創造発信する都市についてです。
にぎわいの都市空間整備では,市内3か所の土地区画整理事業を生活密着型公共事業として最優先に整備を進めるとともに,密集住宅市街地整備促進事業につきましては,潮江西部第三コミュニティ住宅の平成18年度中の完成に向けた工事を行います。
 総合交通体系の整備では,街路事業で追手筋弥生町線,潮新町線など6路線8工区の整備を進めるとともに,道路新設改良事業では,旭街2号線など8路線の継続整備と土佐山4号線の新規整備を進めます。
 出会いと発見を育む観光・コンベンションの振興では,プロ野球キャンプの支援やよさこい祭りの振興,桂浜公園の整備などに取り組みます。
 都市と調和した農林漁業の振興では,引き続き担い手の確保育成への取組と農業基盤整備として土地改良事業や湛水防除事業を進めます。
 森林保護育成では新たに長浜の防潮林整備事業に取り組むとともに,林業振興では,森林を管理するために必要な地域活動,間伐の実施,作業道の開設などを支援し,森林の適切な管理を促進することにより林業の振興を図る取組を強化してまいります。
 漁業振興では,種苗放流事業など漁業資源の拡大や木柵付き漁礁の設置,漁場環境保全創造事業等による漁場整備を進めます。
 国際交流としましては,外国青年国際交流員の招致や蕪湖市,スラバヤ市の職員受け入れを行います。
 次に,いきいきと輝き安心して暮らせる都市についてです。
 子育て支援では,引き続き延長保育等の保育サービスの充実に取り組むとともに,市営保育所への空調設備整備を進め,児童手当では支給対象年齢延長等の制度変更への対応を行います。
 学校の施設整備では,第六小学校のプール改築工事と一宮東小学校,鏡小学校,浦戸小学校,愛宕中学校のプールリフレッシュ工事を行います。保健室への空調機設置と教室への天井扇風機設置や全中学校に除細動器を設置するとともに,学校建設公社から学校用地の買戻しを行います。
 第六小学校では屋内体育館につきましても3月補正に前倒しして計上し平成18年度に改築整備するとともに,養護学校については,教室不足に対応する増築設計及び校舎の補強設計を行います。
 生きがい輝く生涯学習・スポーツの環境づくりでは,老朽化が進んだ江ノ口市民図書館,下知市民図書館について,順次建替えに向けての取組を進めます。また,平成19年8月に大阪で開催が予定されている「世界陸上2007大阪大会」の事前合宿地として,PR及び招致活動を行うため,高知県,高知市陸上競技協会等と連携して準備を進めるとともに,4月以降,本格的な招致活動に向けた取組をスタートさせます。
 文化と歴史を育むまちづくりでは,平成15年に高知市史跡に指定した丹中山の坂本家墓所を,龍馬ゆかりの地として保存していくため,里山的空間と歴史的雰囲気のある史跡公園として整備します。また,自由民権記念館では,平成22年度の開館20周年に向けて常設展示リニューアル検討委員会を発足させ,小・中学生に分かりやすく,高齢者が見やすい展示を目指し,検討を行っていきます。
 健やかに暮らせる環境づくりでは,公衆浴場施設整備等補助金を拡充し,公衆浴場への助成を行います。また,法改正に伴います食品残留農薬等の検査を実施します。
 やさしさあふれる高齢社会づくりでは,旭老人福祉センター内の浴場を活用し,高齢者を対象に無料の入浴サービスを実施いたします。
 人権と平和が尊重される社会づくり,男女共同参画社会づくりでは,引き続き市民の皆様への周知,啓発事業に取り組んでまいります。
 次に,環境と共生する安全で快適な都市についてです。
 災害に強いまちづくりでは,浸水対策として米田都市下水路の幹線築造に取り組むとともに,河川水路整備,排水機場整備の取組を進めます。消防体制の強化では鏡分団,土佐山分団への消防車両整備と上街分団屯所の建設工事を行います。
 海と森が映える水とみどりのまちづくりでは,都市緑化の推進として,引き続き竹島公園や沖田公園などの整備を進めてまいりますとともに,中心市街地活性化広場公園整備事業として,越前町公園,和泉公園の整備を行います。公園遊園整備改良事業では筆山公園の桜のテングス病対策や青柳公園の再整備を進めるとともに,鏡地区新宮の森公園へのトイレ整備を行います。また,みどり豊かなまちづくりを目指して,花とみどりのまちづくり事業や花ストリートの整備を進めてまいります。
 安全でおいしい水の安定供給では,地震対策として配水池への緊急遮断弁の設置とともに,針木浄水場から九反田排水所までの送水幹線の二重化への取組を進めます。
 下水道整備では,長浜6号・南浦長浜雨水幹線管渠の築造,関雨水ポンプ場の築造などの雨水対策に取り組むとともに,平成18年度末の普及率48.8パーセントを目指して管渠築造事業等の面的整備を図ってまいります。
 その他の生活環境対策では,戦時中に築造された防空壕である特殊地下壕について,地下壕への立ち入りができないよう安全対策を講じることとしております。
 次に,実現に向けてのしくみづくりについてです。
 情報化の推進では,市税滞納整理業務を処理する納税管理システムについて,現状の課題を解消し,より効率化を図るため新たなシステムを導入することとしております。
 次に,平成17年度補正予算について申し上げます。
 今回の補正予算の主なものは,連続立体交差や港湾等の県営工事負担金,アスベスト対策,耐震対策等の国の補正予算関連事業,退職手当,合併特例法に基づく合併特例債による基金の創設,老人医療特別会計の医療費に係る繰出金等であり,補正総額は,全会計純計で99億6,462万余円となっております。
 これらの補正財源は市債等の特定財源のほか,一般財源として地方交付税等を充当いたしました。
 次に,予算外議案について申し上げます。
 条例議案は,法令の改正等によるものなど28件です。
この中で市第23号議案は,市町村の合併の特例に関する法律に基づき,新しいまちづくりや地域振興に要する経費に充てるための高知市地域振興基金を設置するための条例を制定するものです。
 市第24号議案は,地方自治法の改正に伴う指定管理者制度の導入により,従来の管理委託制度が廃止されたことに伴い,直営による管理とする施設について,管理の委託に関する規定を削除するため,関係28条例を改正する条例を制定するものです。
 市第27号議案は,国家公務員の給与構造の見直しに準じた一般職の給与改定等を行うため,職員給与条例の一部を改正するものです。
 市第32号議案,市第33号議案は,国民保護法の規定に基づき高知市国民保護協議会,高知市国民保護対策本部及び高知市緊急対処事態対策本部に関し必要な事項を定める条例を制定するものです。
市第59号議案は,法改正と第3期介護保険事業計画の策定に伴い,介護保険料の改定等を行うため,介護保険条例の一部を改正するものです。
 その他議案は,包括外部監査契約締結議案,市道路線の廃止・認定議案,工事請負契約の締結議案など10件です。
 報告11件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。
 以上,提出いたしました議案につきまして,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。