ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織一覧 > 財政課 > 第495回高知市議会定例会市長説明要旨(令和5年3月1日)

本文

第495回高知市議会定例会市長説明要旨(令和5年3月1日)

 第495回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和5年3月1日

 第495回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

 まず,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 先月21日に内閣府が公表した令和5年2月の月例経済報告では,1月に11か月ぶりに引き下げた国内の景気判断を据え置き,「一部に弱さがみられるものの,緩やかに持ち直している」との見方を示し,先行きについても,「物価上昇などの影響に十分注意する必要がある」との認識が示され,さらに,市民生活に影響のある直近の物価動向は,総務省が先月24日に発表した1月の消費者物価指数では,生鮮食品を除く指数が前年同月比「4.2パーセント上昇」し,この上昇率は1981年9月以来,41年4か月ぶりの高水準となりました。

 こうした経済状況の下,1月23日から第211回通常国会が始まり,開会日に行われた施政方針演説におきまして,岸田総理は,「令和4年度第2次補正予算の早期執行など,足下の物価高に的確に対応することとし,今後についても必要な政策対応に躊躇なく取り組む」と表明されていますので,国政の動向を十分に注視し,詳細な予算内容の情報収集を図ってまいります。

2 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 現在,全国的に新規患者の発生数は減少傾向にあり,先月24日には,高知県でも感染症対応の目安を「注意(黄色)」にさらに引き下げていますが,医療・福祉施設では依然としてクラスターが発生していますので,ご注意を願いたいと思います。

 今後のコロナ対策につきましては,政府が1月27日に,感染症法上の位置付けを新型インフルエンザ等感染症と同等の「2類相当」から,本年5月8日からは季節性インフルエンザなどと同じ「5類」へ移行する方針を打ち出しました。

 これまで講じてきた各種の政策・措置について段階的に移行することなど,ウィズコロナを念頭に置いた平常時の生活を取り戻していくため,国では今月上旬を目途に,「患者等への対応と医療提供体制」についての具体的な方針が示される予定です。

 また,移行期間中は,感染患者等への医療費の自己負担分に係る公費支援については,高額な治療薬はこれまでどおり無料とし,全額公費負担することや,入院医療費は高額療養費制度の対象とし,軽減を図るなどの支援策を継続しながら,医療提供体制については,幅広い医療機関でコロナの入院患者を受け入れ,コロナ専用病床は縮小し,移行期間終了後には全病院での受入れを目指すことや,外来対応の病院をさらに拡大することなどが報道されています。 

 感染患者の重症化防止の切り札となるオミクロン株対応ワクチンの本市の接種状況は,先月27日時点での接種率は約43.0パーセントと全国平均と同程度で推移していますが,来月以降のワクチン接種の在り方につきましては,現在,国において具体的な検討がなされています。

 先月8日に開催された「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会」では,新年度のワクチン接種は重症者を減らすことを第一の目的とし,「すべての人々に対して接種の機会を確保することや,接種時期については秋冬に接種を行うべき」ことなどが事務局から提示されています。

 引き続き,具体的な検討がなされることとなっていますので,5類への移行後の対応を含め,直近の国の動向を注視し,重症者等の入院調整の在り方や医療提供体制への支援,ワクチン接種への対応などについて,全国市長会からも積極的に意見を申し上げながら,市医師会等の関係機関や医療機関等のご協力もいただき,鋭意,取組を進めてまいります。

3 子ども・子育て支援

 次に,子ども・子育て支援について申し上げます。

 現在,少子化・人口減少がコロナ禍の下で,当初の想定よりも急速に進行しており,2022年の日本の出生数は初めて「80万人を割り込む」ものと見込まれ,「静かなる有事」である少子化が一層深刻な状況にあります。

 岸田総理は本年1月の通常国会の施政方針演説において,「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と表明され,「子ども・子育て施策は最も有効な未来への投資」として最重要施策に位置付け,子ども・子育て関連予算の増額を訴えていますので,その動向を注視して関連予算等の情報収集を図ります。

 さらに,国の施策では,本年4月1日に「こども家庭庁」を創設するとともに,「こども基本法」が施行されます。

 こども基本法は,我が国が1994年に批准した「子どもの権利条約」の4原則である「差別の禁止,子どもの最善の利益の確保,生命・生存・発達の確保,意見の表明・参加」を基本理念に掲げた子どもの権利に関する包括的な法律です。

 幅広い概念を持つ「こども施策」については,国が「こども大綱」を定め,地方自治体では「こども計画」を策定し,総合的に推進することとされていますので,本市としましても,こども家庭庁の各種施策に的確に対応していくとともに,こども基本法の施行を契機として,子どもの権利が尊重される社会づくりを目指し,各種施策を展開してまいります。

 次に,出産・子育て応援給付金給付事業について申し上げます。

 本市では,国の令和4年度第2次補正予算において成立した「出産・子育て応援交付金」を活用し,先月1日から「高知市出産・子育て応援給付金給付事業」を開始しています。

 妊娠期から出産・子育てまで,身近な場で相談に応じ,様々なニーズに即した支援につなげる「伴走型相談支援」では,「子育て世代包括支援センター」を中心に,妊娠届出時からすべての妊婦・子育て家庭に寄り添い,出産・育児等の見通しを立てるため,面談や情報発信を継続して行い,必要な支援につなげます。

 併せて,「出産応援給付金」や「子育て応援給付金」をそれぞれ5万円給付し,妊娠・出産時の関連用品の費用負担や産後ケア・家事支援サービス等の利用者負担の軽減を図る「経済的支援」を一体として実施することで,妊娠時から出産・子育てまで一貫して支援するものです。

 次に,産後ケア事業について申し上げます。

 産後ケア事業は,子育ての悩みや不安を抱える「産後の母子へのサポート」として,主に助産師等が授乳相談や育児指導を行うもので,助産所等に宿泊し,連続してケアを受ける「宿泊型」と,ご自宅に訪問して助産師からケアを受ける「訪問型」,施設に通いケアを受ける「通所型」の3種類の事業を実施しています。

 令和5年度には,「宿泊型」の1泊目にかかる利用者負担金8千円を半額に減額するとともに,2泊目以降の施設への委託料を増額することで,支援を必要とする方の利用促進と利用可能な施設の拡充を図り,産後うつや不適切な養育等の予防につなげ,母親とその家族が健やかな育児ができるよう支援してまいります。

4 財政健全化・行政改革の取組

 次に,財政健全化の取組について申し上げます。

 令和5年度地方財政計画では,高齢化に伴い社会保障関係費の増加が見込まれる中,地域のデジタル化や脱炭素化の推進など,様々な課題に対応しつつ,行政サービスを安定的に提供するために必要な一般財源総額について,今年度を上回る額を確保することを基本として,交付団体ベースでの一般財源総額では,前年度を1,500億円上回る62兆1,635億円が確保されました。

 このうち,地方交付税につきましては,前年度を3,073億円上回る18兆3,611億円が確保されましたが,普通交付税の代替措置である臨時財政対策債は,国税及び地方税の増収を背景に大幅に減少し,対前年度比44.1パーセント減の9,946億円となりました。

 本市における令和5年度一般会計当初予算の財政構造では,市税収入が当初予算比で3億円の増加見込であることに加え,地方消費税交付金についても7億円の増収が見込まれる一方で,交付税算定基礎の収入額が増加したことなどにより,臨時財政対策債を含めた実質的な普通交付税は,当初予算比で4億円の減収見込となりました。

 歳出については,「文化プラザかるぽーと」の長寿命化整備の継続費が最終年度となるため,投資的経費が大幅に減少する一方で,庁舎等の電気代の高騰などで物件費が11億円余り増加したことなどにより,予算編成の最終段階で大幅な収支不足となる見込であったことから,令和4年度予算の市税やふるさと納税寄附金などの歳入予算の補正の精査をぎりぎりまで行いながら,歳出事業の不用額の洗出しを実施し,減額補正を昨年以上に行い,財源調整に必要な財政調整基金の残高を30億円余り確保し,その基金を令和5年度予算で活用することにより,予算収支の均衡を図りました。

 令和5年度は,「共に寄り添いにぎわいを取り戻す『新しいステージ』へ」をテーマに,「新型コロナウイルス対策」「高知市型共生社会の実現」「南海トラフ地震対策」の3本柱に,新たに「街のにぎわい創出と産業活性化」を加え,総合計画後期基本計画第1次実施計画に掲げる施策を着実に推進する予算を編成いたしました。

 今後の財政収支見通しについては,新型コロナウイルスや物価高騰の影響により,歳入全体の見通しが立ちにくく,国からの財源や市税をはじめとする一般財源総額を的確に見通すことが難しい経済情勢にあることから,投資事業の平準化・先送りによる公債費の低減などの取組に加え,事業のサンセットなど事務事業の見直しを積極的に行い,健全な財政運営の下,財政構造の転換を図る必要がありますので,来年度初旬に新たな財政健全化プランを策定いたします。

 次に,機構改革について申し上げます。

 ウィズコロナを見据え,社会経済活動の活性化に向けた効率的な行政運営を目指し,令和5年度の機構改革を実施します。

 主なものとして,商工観光部では,(仮称)高知布師田団地の整備が完了し分譲予定となることや,新たな産業団地整備では,市内企業の移転先の確保と企業誘致を推進する必要があるため,産業団地整備課を廃止し,新たに産業政策課内に「工業振興・企業立地推進室」を設置することにより,中小企業支援策と一体的に推進します。

 産業政策課に属する街路市に関する業務は,販路拡大事業及び中心市街地活性化事業を実施している商工振興課で所管することとし,工業振興等の業務を移管する商工振興課を「商業振興・外商支援課」に再編し,さらなる商業振興に努めます。

 農林水産部では,耕地課に「農地基盤整備推進室」を設置し,農地の集約化や大区画化を図り,農作業の効率化及び生産性の向上や優良農地の確保等のため,地域内の合意形成に基づく基盤整備を目指します。

 今後,人口減少に伴う税収減や社会保障分野での行政ニーズの拡大とともに,生産年齢人口の減少を受けて職員数の確保が困難になることが見込まれており,これらの課題に対応するため,令和5年度を始期とする「高知市職員定数管理計画」を先月策定いたしました。

 この計画では,AIやRPAなどのデジタル技術の活用や,前年度に実施した業務量調査に基づくコア・ノンコア業務の担い手の見直しなど,新たな行政改革への取組を進めることとしており,適正な職員定数の確保と行政運営の一層の効率化を図ります。

5 観光振興

 次に,観光振興の取組について申し上げます。

 来月3日のNHK連続テレビ小説「らんまん」の放送開始が間近に迫る中,高知県観光博覧会「牧野博士の新休日~らんまんの舞台・高知~」では,今月25日の開幕に先駆けて,先月4日から牧野植物園でのラン展などのプレイベントが始まり,好評です。

 本市では,現在実施中の大阪や岡山,四国内の高松・徳島・松山の3駅のデジタルサイネージ等を活用した観光プロモーションにより,本県への誘客促進を図るとともに,博覧会でのインフォメーション機能を担う桂浜公園において,今月11日から草花を使ったくじらのモニュメントやフォトスポット,大型の立体花壇など,観光客の皆様をお迎えする歓迎装飾を設置し,博覧会の開幕を盛り上げます。

 また,渋滞が予想されるゴールデンウィークでは,桂浜公園周辺の渋滞対策と,博覧会協議会が高知新港を拠点として行う牧野植物園の渋滞対策を連携して行い,桂浜公園と牧野植物園の周遊につなげてまいります。

 今月25日・26日には,拠点エリアである牧野植物園,佐川町,越知町とこうち旅広場,そして桂浜公園で,観光博覧会の開幕セレモニーを開催いたしますので,協議会が実施するデジタルスタンプラリーなどの周遊プロモーションと積極的に連携し,「らんまん」による観光需要が県内全域に広がるよう取り組んでまいります。

 次に,桂浜公園のグランドオープンについて申し上げます。

 観光博覧会の拠点会場の一つである桂浜公園では,商業施設が約40年ぶりにリニューアルし,いよいよ今月4日にグランドオープンを迎えます。

 商業施設エリアは,全体が「木の雰囲気と白を基調」として一新されており,昨年10月から一部店舗は営業を開始していますが,今回「食べる」「買う」「学ぶ」「憩う」をテーマに,「海のテラス」として生まれ変わります。

 レストランやカフェでは,カツオや土佐赤牛など,高知ならではの地元食材を使った本格的なお食事からスイーツまで楽しめるほか,お土産ショップには,県内の名産品やここでしか買えないお菓子・グッズなどが充実しています。

 また,商業施設エリア内には,龍馬像や浦戸城など桂浜の歴史をはじめ,よさこいなど高知の伝統文化も学べる「桂浜ミュージアム」がオープンするなど,桂浜水族館や県立坂本龍馬記念館とともに新たな体験施設も整備されますので,観光客のみならず,学校の遠足など市民の皆様にも日常的に訪れていただけるよう広くPRしてまいります。

 今般の観光博覧会の開幕に併せて,来月からは,園内の草花や歴史スポットを巡る「桂浜散策ガイド」の運用をスタートさせるほか,秋頃には新たな展望スポットとして,高知灯台前広場の整備も完了する予定であり,桂浜公園全体の魅力向上につながる事業を積極的に展開します。

 次に,第70回よさこい祭りについて申し上げます。

 今年の第70回記念大会となるよさこい祭りですが,昨年は「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」でしたので,通常開催としては4年ぶりとなります。

 昨年の12月26日に主催者のよさこい祭振興会が公表した令和5年度の事業計画案では,すべての競演場・演舞場での開催を目指すとともに,新たに高知大学演舞場を会場に加えることが示されました。

 また,既にLINEを利用した「よさこい情報コミュニティ」の構築がスタートしているほか,公式ロゴの公募や観客の皆様が各競演場・演舞場を周遊する企画など,新たな取組が検討されており,記念大会に向けた準備を精力的に進めています。

 本市としましても,この70回の節目の大会を契機として,本市出身の人気イラストレーター窪之内英策氏による「高知のよさこい」をイメージするポスター等を制作するなど,改めて「よさこい発祥の地」である高知市を全国にPRしたいと考えており,よさこい祭振興会とともに「高知のよさこい祭り」のブランド化に向けた取組を進めます。

6 産業振興

 次に,「中小企業・小規模企業振興戦略プラン」の策定と取組について申し上げます。

 本市の地域経済と雇用を下支えし,地域社会の担い手として重要な存在である中小企業・小規模企業の振興を目指し,昨年7月に施行した「高知市中小企業・小規模企業振興条例」に基づき,現在「高知市中小企業・小規模企業振興戦略プラン」の策定を進めています。

 戦略プランの策定に向けて,事業者へのアンケートやヒアリング,中小企業関係機関との情報交換等を実施しており,中小企業・小規模企業が抱える課題や,関係機関における支援の取組等の把握を進めています。

 併せて,外部有識者等で構成する「高知市中小企業・小規模企業振興審議会」からご意見をいただき,「地域の豊かな資源を生かしつつ,未来に挑戦する活力ある産業が発展するまち高知市の実現」を戦略プランの基本的なビジョンに掲げ,中小企業・小規模企業における人手不足の解消に向けた人材確保や,新型コロナウイルス感染症の影響の長期化,物価高騰・資源高による経営環境への影響の緩和など,緊急性・重要性の高い重点事項の抽出作業を行っており,現在,戦略プランに登載する個別の事業等について精査を進めています。

 今後は,本年度末までに戦略プラン案を作成し,改めて審議会にお諮りした上で,パブリックコメントを経て,本年6月には正式に戦略プランを策定することとしています。

 さらに,戦略プランに登載される事業等を計画的に実施していくため,「中小企業・小規模企業振興基金」への新たな積立金を3月補正予算と新年度当初予算に計上しており,基金を有効に活用しながら,中小企業・小規模企業の振興に向けた施策の展開を図ります。

 次に,「れんけいこうち新市場開拓支援事業」について申し上げます。

 ここ数年は,新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済活動の鈍化や行動制限などにより,売上が減少傾向となったれんけいこうち圏域事業者の事業継続や業態転換の支援を行うため,様々な施策を展開しています。

 本年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の取扱いについて,「2類相当から5類に引き下げる」ことが政府の方針として表明されていますので,今後さらに市場を開拓し,販路拡大と売上向上を支援する外商施策が重要になります。

 令和5年度からは,れんけいこうち広域都市圏として首都圏での外商施策を継続するとともに,県が積極的に取り組んでいる関西戦略を踏まえて,新たに関西圏における外商施策を展開する関連予算を4,500万円余り計上しております。

 具体的には,首都圏で開催され,参加事業者の皆様から大変好評を得ております「グルメ&ダイニングスタイルショー」への継続出展に加えまして,関西での販路拡大の足掛かりとして,「Good Foods EXPO関西」に初めて出展いたします。

 さらに関西圏でのテストマーケティングとして,梅田駅など大阪中心部において催事イベントを開催するとともに,令和6年春にスタートする高知県のアンテナショップとの連携も踏まえた新たな外商拠点に係る調査やマーケット分析を行い,関西圏への販路拡大に取り組みます。

 次に,(仮称)高知布師田団地の整備状況について申し上げます。

 操業環境の悪化や企業の事業継続計画(BCP)構築による事業所移転等に向けて,高知中央産業団地東側に隣接する布師田地区において,平成30年度から高知県と共同で(仮称)高知布師田団地の整備を実施しており,本年7月に工事が完了する見込みです。

 令和5年度内には分譲申込の受付を開始する予定としており,本事業の完了に伴い,地元企業の移転や新たな企業の進出が期待され,本市の産業振興や雇用の維持・創出につながることを期待しています。

7 中心市街地の活性化と新図書館西敷地の利活用

 次に,中心市街地の活性化と新図書館西敷地の利活用について申し上げます。

 中心市街地の活性化につきましては,現行の「第二期中心市街地活性化基本計画」が本年度末に終了することから,「第三期計画」の策定に向けて立ち上げた検討委員会において,約1年間にわたり「第二期計画」の進捗状況の確認と中心市街地の現状分析を行うとともに,目指すべき活性化の方向性など多くの議論を重ね,「暮らす・働く・訪れ遊ぶ 魅力共創の『おまち』へ」を基本コンセプトとする計画素案を取りまとめました。

 昨年12月に実施したパブリックコメントなどでいただいたご意見も踏まえ,先月,高知市としての計画案を策定し,今月末の国の認定に向けて内閣府に申請を行ったところです。

 本計画では,新型コロナウイルス感染症の影響等を受けた中心市街地が抱える様々な課題解決と,中心市街地に「暮らす人」,中心市街地で「働く人」,中心市街地を「訪れる人」など,すべての人々がこの地に魅力を感じ,一緒に魅力を創ることができる『おまち』として,質の高い中心市街地の形成を官民一体で目指すこととしており,高知大丸の「OMACHI360」の展開や藤並公園整備事業など,登載する全58事業に全力で取り組みます。

 関連する新図書館西敷地利活用事業につきましては,観光・文化,商業,教育ゾーンが交差する位置にあり,また,日曜市やよさこい祭り本部競演場となる追手筋に接するなど,中心市街地の活性化を図る上で核となる機能を配置するにふさわしい立地特性を持つ重要な公有地であることから,これまで中心市街地の賑わいを創出し,来街者の回遊を促進する事業を展開するための取組を進めているところです。

 昨年実施した事業者の再公募では,残念ながら優先交渉権者を選定しない結果となりました。

 新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢などに起因する物価高騰の動向等を踏まえた事業環境を考慮しますと,直ちに民間事業者の再々公募を行うことは難しい状況にあることから,貴重なこの財産を中心市街地の活性化のために利活用していくという基本的な考えの下,将来的な利活用につきましては少し時間をかけて検討することとしております。

 昨年の12月議会では,当面の間,市民の皆様がイベント等で利用できる暫定整備の検討について言及いたしましたが,市議会各会派や中心商店街の関係者のご意見の中には,少し様子を見たらどうかとの意見もありましたので,厳しい財政状況も考慮し,一旦当初予算での予算計上は見送り,引き続き中心商店街等のご意見をお伺いしているところです。

 今月末には「第三期中心市街地活性化基本計画」が内閣総理大臣に認定される予定ですので,中心市街地の活性化という当初からの本事業の目的を念頭に,引き続き取組を進めてまいります。

8 南海トラフ地震対策

 次に,南海トラフ地震対策について順次申し上げます。

 まず,「事前復興まちづくり計画」に関して申し上げます。

 東日本大震災では多数の職員が被災する中で,応急復旧対応などの膨大な業務に追われ,復興計画の早期策定が困難となり,復興事業の着手に長期間を要し,住民の方々や企業の皆様は再建する意欲を失い,まちを離れ,人口減少を招くなど,地域の活力が失われてしまったという残念な事例がありました。

 こうした貴重な教訓を踏まえて,高知県では昨年3月に「高知県事前復興まちづくり計画策定指針」を策定し,第5期南海トラフ地震対策行動計画において,「令和9年度まで」に県内の沿岸19市町村が計画策定を完了する目標が掲げられています。

 事前復興計画の取組を進めることが極めて重要であることから,本市では,昨年5月にプロジェクトチームを立ち上げ,計画策定に係る庁内体制等について検討を進めてまいりました。

 令和5年度には,人員体制の強化を図りながら,発災後の復興対策にあたる「復興本部」の組織体制等の具体的な検討を進めるとともに,対象地域の選定などを行い,「復興基本方針案」を取りまとめ,早ければ令和7年度から,地域の皆様に対しまして,地域ごとの事前復興計画のたたき台をお示しし,ワークショップなどを通じてご意見をお伺いし,令和8年度の「事前復興まちづくり計画」策定を目指してまいります。

 次に,避難行動要支援者対策について申し上げます。

 本市では,避難行動要支援者名簿を自主防災組織や町内会などの地域の避難支援者に提供するとともに,名簿に掲載されている方々の個別避難計画の作成を推進しているところです。

 これまでは,個別避難計画の作成については,自主防災組織などの皆様の支援による作成や,マイプラン方式によるご自身での作成を推進し,共助力と自助力の強化を図ってまいりました。

 これらの取組を進めていく中で,計画作成に当たり福祉関係の専門的な知識が必要とされる方が多くおられることが課題となっており,内閣府が令和3年5月に改訂した「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」では,「個別避難計画作成の業務に福祉専門職の参画を得ることが極めて重要である」ことが示されました。

 本市では,この課題に対応するため,令和5年度から新たに地域の福祉専門職と連携することとし,居宅介護支援事業所や相談支援事業所の支援を受けている要支援者の方々については,日頃からケアプラン等の作成を通じてご本人の状況をよく把握しているケアマネジャーや相談支援専門員の方に個別避難計画の作成等を委託することで,災害時の避難支援につなげてまいります。

 次に,旭駅周辺市街地整備について申し上げます。

 旭駅周辺地区では,防災上の課題が多い地震時等に危険な密集市街地の解消に向けて,土地区画整理事業による面的整備を主体に,「安全で安心なまちづくり」を目指し重点的に取り組んでいます。 

 現在,中須賀町地区では,事業区域を9つのブロックに分割し,順次整備を進めており,今年度は3ブロックの街路工事が完成し,4ブロックの家屋除却が概ね完了している状況で,既に仮換地を引き渡している「1ブロック及び2ブロック」では,住宅の建築が進められるなど,新しい町が生まれつつあります。

 令和5年度は,引き続き「4ブロックの街路工事や5ブロックの家屋除去」を行う予定であり,中須賀町をはじめ,旭駅周辺地区における早期の都市基盤強化を積極的に推進するため,計画的な事業進捗が図れるよう地元の皆様や関係者の方々のご協力をいただき,精力的に取り組んでまいります。

 次に,消防署所建設事業について申し上げます。

 消防署所の再編につきましては,南海トラフ地震発生の切迫性が年々高まっていることから,発災時の消防力を維持するため,津波の直撃を受ける可能性のある現在の東消防署三里出張所を高知医療センター南側の民有地に移転することといたします。

 今般の高台移転を実施することで,消防庁舎や消防車両,各種資機材への津波被害を免れ,南海トラフ地震時の災害応急対策の強化を図るとともに,現在の三里出張所よりは敷地及び建物面積を拡大し,災害時に「緊急消防援助隊」を受け入れるスペースを確保することで,大規模災害時における東部地域の消防活動拠点として,令和8年度の運用開始を目指します。 

 次に,上下水道局本庁舎の移転整備事業について申し上げます。

 上下水道局の本庁舎は,市民生活に欠かすことのできない重要なライフラインの中枢施設であり,南海トラフ地震等の発生時には,本市災害対策本部と連携して,発災直後から応急給水や応急復旧に対応できる災害対応拠点としての役割が求められています。

 現在の桟橋通三丁目の上下水道局本庁舎は,南海トラフ地震発生時には,津波浸水や長期浸水により長期間の庁舎機能の喪失が懸念されることから,発災時の初動対応力の確保を図るため,令和元年度から長期浸水区域外の針木浄水場敷地内への庁舎移転を進め,今月に竣工を迎えます。

 針木浄水場につきましては,発災時における県外からの応援部隊の参集場所となっているため,給水車をはじめとする応援部隊と緊密な連携が図れることから,迅速かつ適切な運搬給水が可能になることに加えて,発災後も本市の水道及び下水道事業の業務継続計画(BCP)に基づいた応急復旧活動に必要な資機材を配備することから,速やかな施設点検や応急復旧が可能となり,庁舎の移転は市民の皆様の早期の日常生活の回復につながるものと確信しております。

9 地域共生社会の推進

 次に,地域共生社会の推進に向けた取組について申し上げます。

 「高齢,障がい,子育て,生活困窮」など,各分野の垣根を越えた複合的な課題に対処するため,「包括的相談支援,参加支援,地域づくりに向けた支援」を3つの柱として,多機関協働による支援,アウトリーチ等を通じた継続的支援を一体的に実施する「重層的支援体制整備事業」を令和4年度から本格的に開始しました。

 事業開始に伴い,まずは本市の各分野の相談機関を「断らない相談窓口」として位置付けるとともに,「8050問題」や「ヤングケアラー」「ひきこもり」など,複合かつ複雑化する課題を抱える世帯への支援については,多機関で支援会議を開催し,アセスメントや支援プランの作成,モニタリングを行うなど,各分野が協働して課題解決への支援策を検討しています。

 また,相談支援関係部署及び窓口担当部署への研修に加え,相談支援関連の委託事業所や居宅介護支援事業所など,民間事業者への説明会等を開催し,本市が目指す「包括的支援体制」についての周知を図り,官民連携の上,「断らない相談窓口」としての意識向上を図っているところです。

 こうした取組を反復・継続することで,職員の支援力の向上を図るとともに,課題解決事例の積み重ねにより,本市の支援体制の強みや弱みを見える化し,組織的な連携体制を強化してまいります。

 併せて,モデル地区で設置を進めてきた「ほおっちょけん相談窓口」については,令和4年度から市内104か所で全市的に展開しており,調剤薬局や社会福祉法人のご協力の下,「一人暮らしで電球の交換ができない」「足が痛くてごみ出しができない」など,地域の皆様の困りごとを受け止めて,適切な支援につなげているところです。

 さらに,「ほおっちょけん相談窓口」に寄せられた様々な地域ごとの課題を解決するための相互の「話し合いの場づくり」も進んでおり,住民や団体,企業など多様な主体が集まり,各種の相談内容を共有し,認知症カフェの開設や住民ボランティア活動の活性化など,「わがまちならでは」の様々な住民主体の取組に対し,全力で支援しているところです。

 引き続き,地域共生社会の実現に向けて,企業と連携した地域福祉活動やフードドライブの開催,ショッピングモールでのイベント実施なども行いながら,市民の皆様の意識醸成を図るとともに,社会福祉法人,医療機関など,多様な主体の皆様と連携・協働して,「誰もが幸せを実感できる,互いにつながり支え合う,共生のまちづくり」を進めてまいります。

 次に,「市税1%を活用した市民活動支援」について申し上げます。

 市税1%を活用した市民活動支援は,「高知市型共生社会」の実現に向けた取組の一環として,今年度から「地域福祉活動の強化」「地域コミュニティの再構築」「多様な主体の地域活動への支援」を3つの柱として支援を進めています。

 令和5年度は,「地域連携のプラットフォーム」である「地域内連携協議会」の設立支援や,活動促進に向けた支援等に加えて,地域の諸団体が最も苦慮している「活動の担い手確保」や「地域活動の拠点づくり」などに優先的に取り組むこととしています。

 具体的には,地域内で活動している各種団体の担い手確保につなげるため,交通安全指導員の支部活動費を引き上げるとともに,事務局機能の強化に向けた取組への支援として,町内会連合会に対する財政支援を拡充しています。

 また,地域活動の拠点づくりへの取組として,集会所や公民館等の施設整備へ支援するほか,地域活動への支援として,町内会等が管理する公衆街路灯について,LED灯への取替費用やLED灯の電気料に対する補助単価を増額しており,今後も地域での助け合い,支え合いの基盤強化を図るために必要な支援を充実してまいります。

 次に,「木村会館のリニューアルオープン」について申し上げます。

 木村会館は,建築から40年以上が経過し,施設・設備の老朽化が進むとともに,耐震面での対策を講じる必要があることに加えて,地域ニーズの変化に対応するための機能の見直しが必要になっていたことから,令和4年1月から耐震補強及び大規模改修工事に着手し整備を進めてきました。

 今回の全面改修では,1階部分の旭老人福祉センターを「旭コミュニティセンター」に衣替えし,世代を問わず幅広い年代の方に利用していただける施設として供用することとしています。

 これにより,地域づくり活動やイベントなどの様々な活動の場として施設がご利用いただけることとなり,旭地域のコミュニティ活動の拠点施設としてこれまで以上に地域の皆様に役立てていただける施設になることを確信しています。

 併せて,2階・3階にある「旭市民図書館」や「旭文化センター」を再整備し,旭市民図書館には,障がい,高齢,病気など様々な理由で読書が困難な方の読書環境向上のため,「対面音訳室」を新設しました。

 新しい施設では,4月から貸館の受付業務を開始するとともに,「旭市民図書館」等の引っ越し作業を経まして,6月1日に全館リニューアルオープンする予定です。

10 デジタル化の推進

 次に,デジタル化の推進について申し上げます。

 本市では,重点的な取組として,「基幹業務システムの標準化や行政手続のオンライン化,住民窓口の改善」などを集中的に進めています。

 基幹業務システムの標準化につきましては,令和3年9月に「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」が施行され,自治体の基幹業務に係る「20基幹システム」を国が定める標準仕様に準拠したシステムに移行することが義務付けられたことから,昨年5月に「基幹業務システム標準化プロジェクトチーム」を設置し,現行システムの機能やデータの解析,事務要件の整理などの事前作業を進めてきたところです。

 令和5年度からは,ホストコンピューターの汎用機で稼動する「住民記録,税,福祉系のシステム」から順次標準化に取り組み,国が期限とする令和7年度までに,対象となるすべてのシステムの移行を目指すとともに,各業務の事務フローの見直しにも取り組み,業務の効率化を図ってまいります。

 次に,オンライン化の推進について申し上げます。

 行政手続のオンライン化の前提となる「押印見直し」につきましては,昨年12月調査時点で,本市の規則等で定める2,691手続のうち約87パーセントに当たる2,353手続について見直しを行っています。

 行政手続のオンライン化につきましては,先月9日時点で,子育て関係等の17手続が「マイナポータルからのマイナンバーカードを利用した電子申請の受付」が可能となっており,今年度末にはさらに介護関係等を含めた33手続の電子申請の受付体制が整うことになります。

 これら以外の手続につきましても,高知県と共同利用を行っている汎用電子申請システムを利用して,一定の手続件数が見込まれるものなどから順次オンライン化を進めてまいります。

 次に,マイナンバーカードの普及促進の取組について申し上げます。

 マイナンバーカードの普及は,「デジタル田園都市国家構想」における重要施策となっています。

 カードの申請については,昨年9月から市内の量販店等を巡回する「出張申請」を開始したほか,11月18日からはイオンモール高知店内への「マイナンバーカード特設窓口」の設置による申請サポートを開始し,2月末まで実施いたしました。

 加えて,カード保有者を対象に,量販店等が発行する商品券1万円分を抽選で2万人にプレゼントする高知市独自の普及促進に取り組むほか,カードの受取りがスムーズに進められるように,交付窓口の対応にも改善を図るとともに,昨年11月からは,デンテツターミナルビルのマイナンバーカード交付センターで第3日曜日を除く毎週土曜・日曜に交付を行うこととし,地域の窓口センター3か所でも土曜日に交付ができる体制を整えています。

 こうした取組によりまして,本年1月末時点で,申請率は63.55パーセント,交付率は53パーセントとなっており,半数以上の市民の皆様にマイナンバーカードをお持ちいただくことができ,今後もさらにカードの普及を進め,カードを活用した行政サービスのデジタル化への取組を進めてまいります。

 次に,住民窓口改善の取組として,「書かないワンストップ窓口」の導入に向けた検討について申し上げます。

 「書かないワンストップ窓口」につきましては,本市の姉妹都市である北海道北見市が先進的な取組を進めており,「書かない」「待たない」「回らない」窓口を実現することで,住民サービスの向上を図ることを目的に,窓口業務やバックオフィス業務を改革し,併せて職員の負担軽減を図るもので,少子高齢化・人口減少社会に対応する窓口の姿であると考えます。

 今後,高知市DX推進本部に設置している「住民サービス向上ワーキンググループ」で検討を進めますが,他都市の先進事例を見ても「書かないワンストップ窓口」を成功させるためには,「BPR,いわゆる個別・具体的な業務改革」が重要ですので,業務フローの整理や申請書様式の標準化など,アナログ面での見直しを丁寧に進めるとともに,全庁的な協力体制を構築しながら取り組んでまいります。

 また,デジタル庁は「書かないワンストップ窓口」におけるデジタルの活用として,ガバメントクラウド上にパッケージシステムを用意して,自治体にサービスを提供する「自治体窓口DXSaaS」の取組を進めていますので,アナログ面での見直しと併せて,デジタル面での効率化につきましても検討してまいります。

11 地域脱炭素移行・再エネ推進事業

 次に,地域脱炭素移行・再エネ推進事業について申し上げます。

 脱炭素社会の実現に向けて,本市においても,令和3年3月に改訂した「第2次高知市地球温暖化対策地域推進実行計画」の区域施策編の中で,市域における2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度と比較して43パーセント削減する目標を設定しています。

 本市の温室効果ガス排出量の特徴として,「業務その他部門」と「家庭部門」の合計が全体の約5割を占めることから,事業所等の「業務その他部門」を対象にした省エネルギー機器導入事業として,令和4年度までの8年間で104件の補助金交付を行い,省エネルギー性能が高い照明機器等への更新を普及させるとともに,自家消費型新エネルギー導入促進事業では,ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の普及に向けた太陽光発電設備や蓄電池設備の導入を支援してまいりました。

 今後,こうした取組をさらに加速化するため,環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用し,令和5年度から10年度までの6年間で,総額2億4,000万円余りの地域脱炭素移行・再エネ推進事業を実施することとしました。

 具体的には,事業所等の「業務その他部門」に対しては,従前の省エネルギー機器導入の補助制度を拡充し,省エネルギー性能が高い高効率の照明機器や空調設備,給湯器を導入する際に,1件当たり50万円を上限として,機器費や工事費の2分の1を補助する事業を実施するとともに,「家庭部門」に対しては,自家消費型の太陽光発電設備等の導入を支援することとし,太陽光発電パネルは1件当たり63万円を上限として1キロワットあたり7万円を,蓄電池は1件当たり50万円を上限として工事費を含む設備導入費用の3分の1を補助する事業を新たに実施することにより,市域における温室効果ガス排出削減の目標達成に向けて,市民や事業所の皆様とともに取り組んでまいります。

12 不登校対策,特別支援教育の充実

 次に,不登校対策について申し上げます。

 本市では,「魅力ある学校づくり」「未然防止,早期発見・早期対応」「不登校児童生徒の自立に向けた支援の充実」に向けた取組を進めているところですが,令和3年度の市立小中学校の不登校児童生徒数は,小・中学校ともに過去最多となるなど厳しい状況にあります。

 不登校の要因の背景が複雑化・多様化しており,学校だけの対応では困難な場合もあるため,令和5年度には医療や福祉分野の有識者の方々を含めた協議会を立ち上げ,不登校の実態を多角的に分析しながら多面的に施策を展開してまいります。

 次に,特別支援教育について申し上げます。

 本市では特別支援教育の知識や支援方法に関する研修の実施,特別支援教育スーパーバイザーや指導主事等の学校への派遣などを行い,教員の専門性の確保に努めてきておりますが,特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にある中,それぞれの児童生徒に必要な支援や就学相談などへの体制充実が課題となっており,令和5年度は特別支援教育に係る組織体制を拡充するなど,本市における特別支援教育の充実を図ります。

13 令和5年度当初予算

 次に,令和5年度当初予算について,総合計画の施策大綱で掲げた施策体系ごとに順次申し上げます。

 「共生の環」では,まず,集落活動センターについて申し上げます。

 今年度,地域住民の皆様が主体となって集落の維持・活性化に取り組む「集落活動センター」2施設の整備が完了しています。

 まず,鏡梅ノ木地区の集落活動センター「梅の木」は本日3月1日に供用開始し,新たに建設した施設において,地域の特産品であるイタドリや梅を活用した加工・販売のほか,IoTを活用し,地域の皆さんの健康増進やオンラインでの健康相談を行う「スマートヘルスケア」事業も実施します。

 春野町仁ノ地区の集落活動センター「仁ノ万葉の里」では,既存施設を改修し,4月1日から供用開始する予定としており,地域の皆さんにより,カフェや土曜市が開催されるなど,地域内外から多くの人が訪れる場となることを目指しています。

 次に,公共下水道の雨水整備及び地震対策について申し上げます。

 下知南部地区における重要な排水を担う「下知ポンプ場」は,供用開始から70年が経過し,老朽化が進行していることから,令和2年度から改築事業に着手し,排水能力の向上に取り組んでおり,今月中旬にはポンプ場地下部分となる土木工事を完成させ,引き続き建築工事や機械設備工事を順次進めてまいります。

 新しいポンプ場が完成しますと,国や県が進める三重防護の効果と合わせ,南海トラフ地震発生時の長期浸水の早期解消に大きく寄与するほか,ポンプの能力増強により下知南部地区における浸水被害の軽減が期待できますので,令和8年度の供用開始に向けて,着実に整備を進めます。

 次に,「安心の環」では,動物愛護行政について申し上げます。

 現在,高知市内で保護された犬や猫は,孕東町の小動物管理センターに収容していますが,本市の猫の不妊去勢手術や地域猫活動への支援による動物愛護の取組の進展に加え,熱心なボランティアの方々や市民の皆様のご協力により,殺処分される件数は,犬については令和2年度から3年間ゼロで推移するとともに,猫も平成23年度の1,451匹から令和3年度は130匹へと約10分の1にまで大幅に減少しています。

 令和5年度は,今年度に引き続きクラウドファンディングを活用しながら,飼い主のいない猫の不妊去勢手術の支援を実施するとともに,小動物管理センターに保護された犬猫の円滑な里親への譲渡推進策として,これまで個人への譲渡のみを対象としていた「譲渡推進助成金」の対象に新たにボランティア団体を追加し,動物愛護の取組を充実させることにより,処分頭数のさらなる減少を目指します。

 次に,「育みの環」では,まず,「不妊治療助成事業」について申し上げます。

 本市では,平成16年から保険適用外の不妊治療の治療費への一部助成を継続しましたが,令和4年度診療報酬改定において,特定不妊治療が生殖補助医療として保険適用化され,治療に係る経済的負担の軽減が図られることとなりました。

 来年度は,これまでの助成制度の内容を一新し,早期受診を推奨するための取組を開始いたします。

 具体的には,初婚年齢や初産,治療開始年齢の高齢化が進む中,子どもさんを持ちたい方々の希望をかなえるためには,早期に専門医を受診することが効果的であることに着目し,40歳までの若い世代に向けた早期受診のきっかけづくりとして,生殖補助医療に対して1回を限度に4万円の助成を行うことで,子どもさんを持ちたい方々を支援してまいります。

 次に,長寿命化整備事業が完了する文化プラザの再開に当たり,リニューアルオープン記念事業として,4月に開館する横山隆一記念まんが館及び市民ギャラリーでは,高知県を舞台にした細田守監督によるアニメ映画「竜とそばかすの姫」をテーマとした全国初の企画展を開催いたします。

 併せて,7月に開館するホールでは,国内吹奏楽愛好家の先頭に立つフラッグシップオーケストラとして高い人気を誇る「シエナ・ウインド・オーケストラ」の高知公演を開催するほか,12月には,文化プラザ開館20周年記念を兼ねて,市民参加の創造事業として「市民ミュージカル」を開催し,市民の皆様に文化施設の拠点である「かるぽーと」の存在をPRし,今後のさらなる活用につなげてまいります。

 次に,「地産の環」では,まず,れんけいこうち地場産品販路拡大推進事業について申し上げます。

 地場産品等の販売イベントとして大変ご好評いただいております「TSUNAGUマーケット~テイクアウトフェスタ~」を令和5年度も開催し,6回目となる今回は,本市の姉妹都市である北見市の事業者の出店をはじめとした食と文化の交流に加え,将来的なれんけいこうち広域都市圏内の事業者との企業間交流を目指す新たな取組を展開します。

 さらに,イベントに合わせて高知商業高校の生徒さんと市内事業者が協力して,北見と高知の食材を使った商品開発に取り組む新たな試みなども計画しており,これらの取組を通じて,地場産品の販売機会の確保と販路拡大に取り組みます。

 次に,就職氷河期世代支援事業について申し上げます。

 バブル崩壊後の新卒者で正規雇用の機会に恵まれなかったいわゆる「就職氷河期世代」の方々の就労や社会参加が全国的な課題になっており,県下でも,本市を含む関係機関による「こうち就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」が形成され,支援の取組が進められています。

 本市では,就職氷河期世代を対象とした就職セミナーを開催し支援してまいりましたが,「高知市中小企業・小規模企業振興条例」の施行を契機に,その事業内容を見直し,就職氷河期世代の就職促進と事業者への人材の確保,定着支援の双方に資する助成制度を国の制度と協調する形で構築し,さらなる就職氷河期世代の就労促進を図ってまいります。

 次に,農地基盤整備の推進について申し上げます。

 本市における農地の現状は,担い手農家等の使用する農業用機械は大型化が進んでいる一方で,狭小な区画の農地が多く,かつ分散されており,作業効率が極めて低いことから,多くの地域で耕作条件の改善と合わせた集約化を目的とする農地基盤整備の実施を求める声があがっています。

 こうした状況を踏まえ,前段申し上げました農林水産部耕地課内に新たに「農地基盤整備推進室」を設置し,地域のニーズや地形条件に応じた農地基盤整備事業の導入に向け,地域とともに推進活動を行うことにより,農業全体を下支えする生産基盤を整備し,担い手の農地集積や生産性の向上による農業振興を図ってまいります。

 次に,「まちの環」では,まず,街路整備事業について申し上げます。

 県市連携事業である「高知駅秦南町線」は,県道高知北環状線から産業道路にかけて,高知県施工により今月末に4車線での供用が開始され,令和5年度は仮橋撤去などの周辺整備工事が予定されています。

 この供用に併せ,本市でも,産業道路から高知駅北口までの「江ノ口3号線」について,交差点の北進2車線において右折車線の追加と歩道の改良を行っており,令和5年度にはバリアフリー対策として,視覚障がい者誘導用シートの設置などを行い,安全で快適な歩行空間の向上を図ってまいります。

 次に,宅地造成及び特定盛土等規制法基礎調査事業について申し上げます。

 静岡県熱海市で発生した土砂災害をきっかけに,盛土等による災害から国民の生命・財産を守るため,全国統一の基準や規制を設けることが必要であるとして,昨年5月27日に「宅地造成及び特定盛土等規制法」いわゆる「盛土規制法」が公布され,本年5月26日に施行されます。

 この法律では,法定の基礎調査の結果を踏まえ,都道府県知事又は中核市の市長等が規制区域を指定することとなっており,本市におきましても,令和5年度・6年度の2か年で,規制区域の指定や盛土等による災害防止のための対策に必要な基礎調査を実施した上で規制区域を指定し,令和7年度の運用開始に向けて準備を進めてまいります。

 次に,中心市街地都市公園整備について申し上げます。

 高知城や歴史博物館などの観光スポットに隣接する丸ノ内緑地,藤並公園は,令和元年度に策定しました再整備構想に基づき,令和2年度から順次整備を進めています。

 丸ノ内緑地については今月中には工事が完了しますので,市民の皆様や観光客の皆様の憩いの場として利用していただくとともに,イベントにも利用していただけるように芝生広場や四阿を整備し,多くの人々に利用していただくことを期待しています。

 併せて,藤並公園につきましても,本年度から整備工事に着手していますので,来年度末の完成を目指します。
横堀公園については,高知県が施工している「はりまや町一宮線」の街路整備の進捗状況に合わせて整備に着手することとしており,令和6年度の完成を目標に進めてまいります。

 次に,「自立の環」では,地域おこし協力隊事業について申し上げます。

 長浜・御畳瀬・浦戸地域の活性化に当たっては,令和4年度から任用した地域おこし協力隊2名の個性を生かし,地域の皆さんと対話をしながら,「こうちみませ楽舎」の企画・運営や,SNSを活用した地域の魅力発信に,引き続き精力的に取り組んでまいります。

 また,地域おこし協力隊のうち,以前,テレビドラマのヒーローとして活躍していた方が本市へ移住したことが縁で,令和5年度には高知を舞台にした映画のロケが実現する予定となっております。

 この映画では,本市の観光地などにおいてロケが行われることから,観光振興・地方創生に向けて,高知ロケの支援に取り組んでまいります。

 以上,主要施策についてご説明を申し上げましたが,令和5年度一般会計の当初予算規模は,電気代の高騰などによる物件費が増加となった一方,「文化プラザかるぽーと」の長寿命化整備の継続費が最終年度となり投資的経費が大幅に減少したことなどにより,対前年度当初比25億円減の1,485億円となりました。

 全会計の予算規模は,国民健康保険事業特別会計で,被保険者数の減少により給付費が減少することに加え,水道事業会計や公共下水道事業会計では,上下水道局本庁舎の移転整備が完了することなどにより事業費が減少するなど,純計で2,709億606万1千円となり,対前年度当初比2.5パーセント減となっています。

14 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出いたしました議案は,予算議案22件,条例議案23件,その他議案6件です。

 令和4年度3月補正予算は,国の補正予算を活用した公共事業の前倒し補正として,小・中学校のトイレの洋式化等を行う大規模改造事業を計上したほか,令和5年度当初予算編成での財源調整に必要な財政調整基金の繰入を減らし,基金残高を確保するため,積極的に減額補正を行うなど,補正総額は全会計純計で30億1,641万円となっています。

 これらの補正財源は,国庫支出金等の特定財源のほか,一般財源として地方交付税などを充当いたしました。
次に,条例議案は法令の改正によるものなど23件であり,このうち,市第24号高知市公文書等の管理に関する条例制定議案は,公文書の適正な管理,歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り,行政の説明責任が全うされるようにするため,条例を制定するものです。

 市第30号議案は,本市の芸術の振興及び担い手の育成を図るためにいただいた寄附を原資に「柴田惠子芸術振興基金」を新たに設置するものです。

 市第42号高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案は,国民健康保険料の賦課限度額の引上げ及び保険料軽減対象世帯の拡大などを行うものです。

 市第44号議案は,老朽化が進んでいる本市の学校プールの今後の在り方を検討するため,「高知市立学校のプールの今後の在り方に関する検討委員会」を設置するものです。

 その他議案は,包括外部監査契約締結議案や市道路線の廃止・認定議案など6件です。

 以上,議案を中心に概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。