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第481回高知市議会定例会市長説明要旨(令和2年12月8日)

第481回高知市議会定例会市長説明要旨

 

令和2年12月8日

 

 第481回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

 まず,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染拡大により国内経済が低迷する中,第99代首相に選出されました菅総理は,新型コロナウイルス対策を政権の最優先の課題とした上で, 10月26日に召集された臨時国会での所信表明演説において,新型コロナウイルスワクチンについて,「来年前半までに,すべての国民に提供できる数量を確保し,高齢者や基礎疾患のある方々,医療従事者を優先して,無料で接種できるようにする」と述べています。

 また,今般の新型コロナウイルス感染症により浮き彫りとなりました行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れに対応するため,「デジタル庁を設立し,改革を推進するとともに,少子化対策として,待機児童の解消や不妊治療への保険適用を早急に実現する」ことなど,我が国が直面する様々な課題に対し,全力で取り組む姿勢を表明しています。

 新しい菅内閣には,コロナの影響で落ち込んだ地域経済の再生にスピード感を持って取り組んでいただくとともに,ポストコロナ時代を見据えた地方創生や,利便性の高いデジタル化を着実に推進していただくことを強く望みます。

 さて,先月16日に内閣府が公表しました今年7月から9月期の国内総生産の1次速報値では,実質成長率は前期比5.0パーセント増,年率換算では21.4パーセントの増となりました。

 同日発表された西村経済財政政策担当大臣の談話では,「社会経済活動の段階的な引上げや特別定額給付金,GoToトラベル事業などの各種支援策の効果などにより,景気が4月・5月を底として持ち直しの動きが続いていることが確認できる」とした一方で,今後の先行きについては,「依然として経済はコロナ前の水準を下回った状態にあり,足下における国内の感染者数の増加による個人消費への影響など,下振れリスクに十分な注意が必要である」との認識を示しています。

 県内経済の状況では,先月11日に公表された日本銀行高知支店の金融経済概況において,「新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも,個人消費や観光分野などを中心に持ち直しつつある」との判断がなされています。

 こうした経済状況の下,菅総理は先月10日の閣議において,雇用対策や消費喚起策などを盛り込んだ新たな経済対策の策定と第3次補正予算の編成指示を行い,新年度当初予算と補正予算とを合わせ「15か月予算」として一体的に編成し,切れ目のない財政出動で景気回復に注力する方針が示されました。

 現時点では,第3次補正予算に関する詳細はまだ明らかになっておりませんが,新型コロナウイルスのワクチン確保や接種体制の整備,雇用調整助成金の延長,防災・減災のための国土強靱化の拡充など,本市にとりまして極めて重要な内容が盛り込まれるとともに,大型の補正予算になるとの報道もなされています。

 また,知事会とともに全国市長会等から国に対し強く要請している「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の上積みについては,私も官邸に出向いて,加藤官房長官をはじめとする幹部の方々に直接要望しておりますので,今後の国の動向を注視しながら,情報収集に努め,補正予算の内容が最大限活用できるよう的確に対応してまいります。

2 本市の財政見通し

 次に,本市の財政見通しについて申し上げます。

 本年度の普通交付税及び臨時財政対策債の算定結果については,当初予算計上額を5億7千万円程度下回るとともに,市税収入についても新型コロナウイルスの影響などにより,歳入予算額には届かない見通しとなっているなど,非常に厳しい収支が見込まれます。

 このため,新型コロナウイルス対策として,市民の方々や事業者の皆様を支援するための予算を迅速に執行するとともに,不要不急の経費については,支出を極力控えるよう庁議等の場において指示し,12月補正予算の編成方針において明記した上で,本年度の執行を見送る予算については,減額補正分として今議会にお諮りしています。

 また,令和3年度の当初予算編成では,市税をはじめとする一般財源総額の大幅な減収が見込まれますので,「高知市財政健全化プラン」の基本方針の下,事業の優先順位を厳格に付けながら,SDGsにも掲げる誰一人取り残さない「高知市型共生社会の実現」に向けた取組を着実に推進するための予算編成としてまいります。

 国におきましても来年度当初予算の編成作業が進められていますが,南海トラフ地震対策などのハード整備に取り組んでいく上で課題となっておりました財源確保に関して,今年度末に終了する「防災・減災,国土強靱化のための3か年緊急対策」については,菅総理が今月1日に,事業規模15兆円の新たな5か年計画の取りまとめを指示されるとともに,「緊急防災・減災事業債」についても,来年度以降延長される方向性となっており,今月中にも閣議決定される見通しとなりました。

 浦戸湾三重防護の進捗に関わる,これらの重要な制度延長に向けまして,自民党の二階幹事長をはじめとする幹部の方々と直接面会して,積極的に要望活動を行ってまいりましたが,令和3年度以降につきまして,市民の皆様の生命と財産を守るためのハード整備に取り組んでいくための財源確保に一定の目途が立ちましたので,ご支援をいただきました高知県選出の国会議員の皆様や市議会の皆様に感謝を申し上げます。

3 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の発生状況は,県内では比較的落ち着いた状況が続いておりましたが,先週から感染者数が急増しており,高知県から昨日公表されました県内における感染者数は累積で246名,このうち高知市では累積で162名の感染となっていますので,直近の県内の感染動向に留意しながら,濃厚接触者の追跡調査を積極的に行い,クラスターの発生防止に全力を挙げてまいります。

 全国的にも10月以降の新規感染者数は増加に転じ,11月以降は,北海道,大阪,愛知,東京など大都市圏を中心に加速度的に感染者が増加するなど,第3波が到来し感染が全年齢層に広がってきています。

 現在のところ,政府として,感染予防対策と社会経済活動を両立させていく基本姿勢は崩していませんが,GoToトラベル事業の内容が一部見直されたように,今後の感染状況によっては,社会経済活動に一定の制約が課せられる範囲が広がる可能性もありますので,そうした事態を回避するためにも,国民が一丸となって感染防止対策を徹底していくことが大切です。

 本市では,新型コロナウイルス感染症の第3波と季節性インフルエンザとの同時流行に備えて,インフルエンザの予防接種費用の助成を行っており,特に重症化しやすい65歳以上の高齢者のインフルエンザの予防接種費用を県市の助成により無償化するとともに,1歳児から高校生までの接種費用の助成を市独自で拡充し,市民の皆様の予防接種勧奨に努めています。

 新型コロナウイルスの第3波に備えた検査体制としては,市民の皆様が発熱した場合などに,速やかにPCR検査や治療が受けられる県内の検査協力医療機関について,今月3日現在で市内74か所まで拡充することができており,今後も県及び関係機関と緊密に連携し,体制の強化を図ってまいります。

 今議会では,国制度を活用して,新規に施設へ入所される高齢者の方々を対象としたPCR検査の費用助成についてお諮りしていますので,予算のご承認がいただけましたら,高齢者施設等におけるクラスター発生の防止に向けた取組を支援してまいります。

 さらに,切望されている新型コロナウイルスワクチンについては,現在,世界各地で開発が進められており,国内においては,ワクチン量の確保に向けて,今月2日にイギリスでワクチン承認を受けたファイザーを含む海外の大手製薬企業2社との基本合意や1社との契約締結を行っており,令和3年の前半までに,すべての国民の皆様へ提供できる数量の確保と,全国における流通体制の整備を目指しております。

 重要なワクチンの円滑かつ迅速な接種に向け,先の臨時国会で成立した改正予防接種法に基づき,市町村が実施主体となって,住民の皆様への接種勧奨や個別通知を行う必要がありますので,国の動向に十分留意しながら,接種体制の構築に向けた準備を精力的に進めてまいります。

 できるだけ早い段階でのワクチン接種とその効果を期待するところですが,市民の皆様におかれましては,これまでと同様に日常生活における三密の回避や定期的な換気を心掛けていただくとともに,マスクの着用,手洗い,消毒などの基本的な感染予防対策の徹底をさらにお願いいたします。

 次に,事業者支援給付金の状況について申し上げます。

 国の持続化給付金を補完する形で,本市が独自に創設した事業者支援給付金は,原則として事業収入の減少率が前年同月比20パーセント以上50パーセント未満となっている事業者の方々を対象に,中小法人等には上限20万円を,個人事業者には上限10万円を給付するものです。

 当初は対象事業者数を約4,800件と想定し,5月臨時会において補正予算のご承認をいただいておりましたが,今月3日時点での申請件数は1,289件,このうち支給件数は1,096件となっており,当初の見込みを大幅に下回る状況となっています。

 こうした現況を踏まえ,本年7月17日から8月7日にかけて実施しました「新型コロナウイルス感染症に関する事業者向けアンケート」の結果や,6月5日の申請受付開始から現在までの申請状況等に基づき,支給対象となる事業者数を全体で2,088件と見込んでおります。

 このため,今議会では4億5,500万円余りの減額補正予算をお諮りし,財源となる「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の減額分につきましては,事業者の皆様や市民の方々を支援するための予算として組替えを行いたいと考えます。

 また,「新型コロナウイルス感染症に関する事業者向けアンケート」の結果では,国の持続化給付金や雇用調整助成金と比べて,「本市の事業者支援給付金制度を知ら ない」と回答された事業者の割合が高いことから,今後の給付件数の増加を図るため,広報あかるいまちや関係機関のご協力をいただき情報提供を行うとともに,今月10日からはテレビCMを放送するなど,さらなる制度周知を図り,来年2月末の申請期限に向けて,給付件数の増加を目指してまいります。

4 デジタル化の推進

 次に,デジタル化の推進に関する取組について申し上げます。

 本市では,職員のワーク・ライフ・バランスの推進や,新型コロナウイルス感染拡大等による非常時等での行政機能の継続を目的に,テレワーク環境の整備を進めており,7月臨時会におきまして関連予算のご承認をいただき,30台のテレワーク端末による試行運用を行っています。

 現在,新型コロナウイルスの第3波の感染が全国的に拡大していますので,庁内における感染拡大の未然防止を目的とした職員の出勤抑制や,職員が感染者や濃厚接触者となった場合の出勤制限などの事態を想定した準備をさらに進めることが重要です。

 このため,本市では「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」が先月から開始した「自治体テレワーク推進実証実験事業」の情報基盤を活用し,職員のテレワーク環境整備を推進していくこととしています。

 今後も,松島副市長を中心にスピード感を持ってデジタル化の推進に取り組んでまいりますが,デジタル化の進展に伴い,情報漏洩や不正アクセス等のリスクが高まってくることが想定されますので,情報セキュリティ対策を強化していく必要があります。

 そのため,庁内ネットワークにおきまして,許可されていないパソコン等が不正に接続されることを防止するための機器認証システムを導入するほか,職員がパソコンを利用する際の本人確認をより厳格化するため,全職員が保有している勤怠管理用のICカード等を利用したパソコンログオン認証システムの導入などを進めてまいります。

 次に,市立保育所ICT機器導入事業について申し上げます。

 本市の市立保育所・幼稚園には,約2,200人の子どもさんが通園されており,約800人の職員が日常的に勤務しておりますが,事務用パソコンは54台の配置にとどまっており,各保育士や教員が作成する保育指導計画や保育記録,保護者との連絡帳などについては,すべて手書きで行うとともに,システム入力が必要な業務では,事務用パソコンが少ないため順番待ちが発生するなど,事務負担の軽減と効率化が課題となっています。

 こうした課題を解消するため,今議会では,各保育室や教室等に事務用パソコンを導入し,室内のWi-Fi環境を整備するための補正予算を計上し,保育士等の職務効率の向上と事務に要する時間を短縮し,負担の軽減を図るとともに,子どもさんと向き合う時間を確保し,教育・保育の質の向上を目指します。

5 総合計画後期基本計画

 次に,総合計画後期基本計画について申し上げます。

 本市では,平成23年3月に,「森・里・海と人の環 自由と創造の共生都市 高知」を将来の都市像に掲げ,6つの環を施策の大綱として定めた「2011高知市総合計画」を策定しています。

 この総合計画に基づきまして,平成23年度から令和12年度までの20年を計画期間として,市民の皆様の生命と財産を守る南海トラフ地震対策をはじめとする取組や,暮らしを支え,にぎわいを創出する地方創生等の施策を進めています。

 今般,基本構想の前半10年に対応する「前期基本計画」が今年度末で終了することから,令和3年度からスタートする新たな「後期基本計画」の策定作業を進めてまいりました。

 後期基本計画の策定に当たりましては,庁内に「高知市総合計画策定委員会」を設置し,昨年3月に後期基本計画策定方針を定めて,全庁を挙げて原案の策定を行ってきたところです。

 本年度に入り,外部有識者等で構成します「高知市総合計画審議会」において,5月22日に原案の諮問を行った後,計4回にわたり審議を重ね,先月答申をいただきますとともに,市議会の皆様にも随時ご報告を申し上げ,ご意見をいただきながら原案の取りまとめを行うことができました。

 新たに策定します後期基本計画では,ウィズコロナ・アフターコロナの対策やデジタル社会への対応などの社会情勢を踏まえながら,喫緊の課題である南海トラフ地震や少子高齢化・人口減少問題への対策強化をはじめ,「魅力と活力にあふれ,夢や希望を抱いて幸せを実感して暮らすことができるまちづくり」に向けた政策を盛り込んでいます。

 また,国内及び国際貢献の観点から,持続可能な世界を目指すための国際目標であるSDGsに向けた活動にも取り組むこととし,SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」という精神を重視しながら,次世代により良い高知市をつなぐため,「高知市型共生社会の実現」に精力的に取り組んでまいります。

 後期基本計画の推進に当たっては,市民の皆様の立場に立った質の高い行政サービスの提供に努めるとともに,本市のまちづくりに関わる多くの方々との連携・協働を深め,市民ニーズに沿った取組を進めてまいりますので,市議会の皆様のご支援をお願いいたします。

6 地方創生

 次に,長浜・御畳瀬・浦戸地域の振興について申し上げます。

 本市の沿岸部に位置する長浜・御畳瀬・浦戸地域は,市内でも特に人口減少と高齢化が急速に進んでいることから,人口減少への対応と地域振興による地方創生の取組を重点的に進めることを目的に,本年3月に,令和2年度から6年度までの5か年計画である「高知市長浜・御畳瀬・浦戸地域振興計画」を策定しました。

 この計画では,地域の皆様や県立大学の学生,地域外からの移住者の方々からいただいたご意見等を踏まえ,「歴史や風土を活かし住む人・訪れる人に笑顔があふれるまち」を地域の将来像に掲げ,6つの方策と15の取組事業を盛り込み,地域と行政がともに取り組むこととしています。

 地域の方々からは,「高齢化が進み,地域活動の担い手が少ない」ことや「地域外の方々にも計画に関わってほしい」等の多くのご意見をいただきましたので,計画初年度となる今年度は,地域活動の担い手となる人材を発掘・育成することを目的として,平成24年3月に閉校した旧御畳瀬小学校を新しい学び舎として,地域おこし学校「こうちみませ楽舎」を10月24日にプレ開校いたしました。

 「こうちみませ楽舎」では,魅力的な資源が豊富な長浜・御畳瀬・浦戸地域をフィールドに「地域づくり」を学び,そこから生まれたアイデアを形にする「学び」と「実践」の学校として,今年10月から来年1月までの間に6回にわたる講座の開設を予定しています。

 楽舎の校長には,釣りバカ日誌のモデルとなった黒笹慈幾先生をお迎えし,御畳瀬小学校の活用プランづくりを学ぶ「廃校再生プロジェクト」と,地域全体の観光商品や体験プログラムづくりを学ぶ「地域再生プロジェクト」の2つの教室を開催いたします。

 これらの教室には,小学生から80歳代までの幅広い年代にわたる47名の方々が参加しており,その中には御畳瀬小学校の卒業生や地域にお住いの皆さん,地域づくりに関心を持たれている県外の方々も参加されています。

 プレ開校となる今年度は,地域の皆さんの想いや歴史文化などの魅力に触れながら地域づくりを学んでいただき,本格的な開校となる来年度からは,活動内容を「学び」から「実践」へつなげ,地域の活性化へと発展させていきたいと考えています。

7 南海トラフ地震対策

 次に,南海トラフ地震対策について申し上げます。

 本市では,災害対策本部の対応力向上を図るため,毎年度「災害対策本部図上訓練」を実施するとともに,関係機関が行う実践的な災害応急対策と連携した「総合防災訓練」を実施し,防災体制の総合的な強化を図ってまいりました。

 しかしながら,従前のような大規模な訓練を実施いたしますと,大勢の参加者が集まり,密集した状況が発生することから,新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため,本年7月予定の「災害対策本部図上訓練」の開催は見送ることといたしました。

 また,国土交通省が先月7日,高知新港で実施する予定でありました「令和2年度大規模津波防災総合訓練」には,高知県とともに本市も主催者として参加する予定でしたが,今年度の開催は見送られることとなりました。

 今年度は新型コロナウイルスの影響により,大規模な防災訓練の実施が難しい状況となっていますので,インターネットを活用したリモートでの開催や参加人数を制限し,新型コロナウイルス対策を徹底した上で,小規模な各種防災訓練を開催しております。

 先月12日には,国土交通省四国地方整備局,高知県及び本市が主催する「令和2年度南海トラフ地震津波防災総合訓練」を実施しました。

 当日の訓練では,参加者数を制限するとともに,訓練項目を南海トラフ地震発生後の長期浸水への対応に限定して,高松市にある四国地方整備局災害対策室と総合あんしんセンターをオンラインでつなぎ,被災状況の情報共有や長期浸水に対する関係機関のオペレーション訓練を行いました。

 訓練で得られた成果として,関係機関と連携し,被災状況を踏まえた的確な止水・排水対策や,道路啓開,救助救出を実施するための初動対応を確認・協議できたことにより,情報共有や対応の在り方について課題を明確にすることができました。

 また,先月26日には,物資配送拠点である春野総合運動公園において,昨年度策定した「高知市物資配送計画」に基づく訓練を高知県とともに実施し,高知県トラック協会のご協力もいただきながら,実際の物資配送を想定したトラックからの物資の荷下ろしや仕分け,国の「物資調達・輸送調整等支援システム」を使用したオペレーションを行うなど実践的な訓練となりました。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため,これまでのような大規模訓練の実施が難しい状況にありますので,感染症対策を徹底した上で,南海トラフ地震をはじめとする自然災害への備えとして,今後も実践的な防災訓練に精力的に取り組んでまいります。

8 観光振興

 次に,観光振興について申し上げます。

 今月19日からオーテピア西敷地において,水中アート展覧会「アートアクアリウム展~高知・金魚の海~」が開催されます。

 この展覧会は,「金魚が泳ぐ和」をモチーフとした水槽に,LEDライティングやプロジェクションマッピングなど最新の演出技術を施した新感覚の水中アート展覧会で,本県の天然記念物でもある「土佐錦魚(トサキン)」の展示も予定されるなど,高知らしさあふれる展示が行われます。

 全国的な人気のある本展覧会を観光のオフシーズン中に開催することにより,新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ地域経済の早期回復につなげていきたいと考えております。

 イベントの開催に当たりましては,新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底し,来場時の体温測定やマスクの着用,手指のアルコール消毒を徹底することはもちろんのこと,入場者が密集する状況を避けるため,ソーシャルディスタンスが確保できるようにチケットはすべて日時を指定することとし,入場される方々が分散して観覧できるよう工夫しています。

 また,扉や窓を開放し,常時空気を入れ替えるとともに,会場内に空気清浄機を設置することで密閉回避の対策を行うほか,WEBでのチケット販売を取り入れ,入館時の接触低減を図るなどの感染防止対策を徹底することにより,来場者の皆様に安心して展覧会を楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。

 アートアクアリウム展は,これまで都市圏を中心に全国で開催され,累計観覧者数が1千万人を超える人気の高い展覧会であり,四国では初開催となりますので,新たな観光需要を創出し,新型コロナウイルス感染症で疲弊した地域経済の再生につなげていきたいと考えています。

9 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出しました議案は,予算議案8件,条例議案15件,その他議案10件です。

 まず,今回の補正予算では,新型コロナウイルスの影響により,連続する3か月の売上げが対前年比で30パーセント以上減収となった中小事業者等に対し,事業継続と雇用維持を支援するため,事業所税(資産割)の納税額に応じた支援金を給付するための経費や,感染症の影響による外出の自粛や通勤・通学等の移動機会の減少に伴い利用者数が落ち込み,厳しい経営環境に立たされている「とさでん交通」における市民生活に密着した路面電車の運行を支援するための経費を計上しました。

 また,屋外観光需要が高まっている状況を踏まえ,県の補助制度を活用し,令和4年度以降に予定していた桂浜公園の魅力向上につながるリニューアル整備を前倒しすることとし,観光案内所やバス待合所の空調設備改修による換気機能の向上,公衆トイレの洋式化や休憩所のビュースポット整備等に係る予算などを増額する一方,新型コロナウイルスの影響により,事業規模の縮小や中止となったイベント経費など執行不用となる予算を減額いたします。

 議会の皆様には,厳しい財政状況をご理解いただき,視察や出張旅費,交際費など議員活動費の減額にご協力を賜り,感謝を申し上げます。

 また,人件費補正では,新陳代謝や人事院勧告に伴う給与改定などにより,全会計で6億5千万円余りを減額するものです。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計  8,000万円の減額

 特別会計  6,901万5千円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で3,030億2,116万6千円となり,この補正予算の財源として,特定財源では国庫支出金や市債等を充当し,一般財源については財政調整基金を減額いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,機構改革や法令の改正に伴うものなど15件です。

 このうち,市第133号高知市事務分掌条例の一部を改正する条例議案のほか,市第134号議案から市第136号議案までにつきましては,令和3年度の機構改革として,文化・スポーツ等に関する事務を教育委員会から市長事務部局へ移管することに伴い,関係規定の整備を行うものです。

 その他の議案は,土佐市との消防指令業務の共同運用に向けた協議会の設置に関する議案や指定管理者の指定に関する議案など10件となっています。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。