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第493回高知市議会臨時会市長説明要旨(令和4年11月2日)

 第493回高知市議会臨時会市長説明要旨

 

令和4年11月2日

 第493回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

 まず,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 先月25日に公表された月例経済報告では,「景気は緩やかに持ち直している」とする一方で,今後の先行きについては,「物価上昇や供給面での制約,金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある」との認識が示されています。

 直近の物価動向は,総務省が先月21日に発表した9月の「消費者物価指数」において,ウクライナ危機を背景とする資源高や,急速な円安の進行を要因とする電気・ガス代,食料品の値上りの影響により,生鮮食品を除く指数が前年同月比3パーセント上昇し,消費税増税が影響した平成26年度を除くと,平成3年8月以来,31年1か月ぶりの高水準となっています。

 伸び率の上昇が13か月連続となるほか,特に,本年4月から6か月連続で伸び率が2パーセントを超え,急激な物価の上昇による家計への圧迫が一段と強まっている一方で,厚生労働省が先月25日に発表した8月の「毎月勤労統計調査」では,物価の影響を考慮した実質賃金は前年同月比「1.7パーセントの減少」となり,5か月連続のマイナスになるなど,賃金の伸びが物価の上昇に追い付いておらず,このような状況が続くことによる景気の下振れリスクが懸念されます。

 こうした経済状況の下,先月3日から第210回臨時国会が始まりました。

 今国会の開会日に行われた所信表明演説におきまして,岸田総理は経済再生を「最優先の課題」と位置付け,電気料金などの物価高対策や「構造的な賃上げ」に全力を挙げる方針を発表しています。

 先月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」では,エネルギー・食料品等の価格上昇が続き,実質所得の低下や消費者マインドの低下を通じた消費への影響,企業収益の更なる下押しによる設備投資への影響等が懸念されることなどから,「物価高・円安への対応」,「構造的な賃上げ」,「成長のための投資と改革」を重点分野とした総合的な対策が求められていると表明されました。

 その上で,「物価高騰・賃上げへの取組」,「円安を活かした地域の『稼ぐ力』の回復・強化」,「新しい資本主義の加速」,「国民の安全・安心の確保」を経済対策の4つの柱とし,この経済対策の裏付けとなる令和4年度第2次補正予算を速やかに編成し,年内の早期成立に全力を挙げて取り組む方針が示されています。

 第2次補正予算の内容につきましては,現在,国会で論戦が行われていますが,ガソリン価格を抑える補助金の継続に加えて,電気・都市ガスの価格抑制策を導入するとともに,新たに子育て支援策の拡充のための出産準備金を支給する方針であることなどが報道されていますので,直近の国の動向を注視し,的確に対応してまいります。

2 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 第7波となる新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け,国は9月26日からオミクロン株の特性を踏まえ,発生届の対象者を全国一律で「4類型」に重点化いたしました。

 具体的には「65 歳以上の方」,「入院を要する方」,「重症化リスクがありコロナ治療薬の投与又は酸素投与が必要と医師が判断する方」,「妊婦の方」とされており,重症化リスクの高い方に限定することにより,保健医療体制の強化と重点化を図ることとしています。

 一方で,発生届の対象外となる重症化リスクが比較的低い方々につきましては,体調の急変等に即応できるよう,県の設置する「陽性者フォローアップセンター」により,健康相談や支援物資の受付等を担うこととしています。

 直近の感染状況については,10月以降の陽性者数は「300人弱から100人前後」で下げ止まっており,今後,インフルエンザとの同時流行等が心配される中で,海外ではオミクロン株の複数の新たな亜系統である「BQ.1」,「BQ.1.1(通称ケルベロス)」,「BF.7」,「BA.4.6」,「XBB(通称グリフォン)」などが急拡大しているとの報告もされており,第8波への備えが重要になりますので,高知県や関係機関等との的確な連携・協力の下,医療提供体制の充実・強化に全力で取り組んでまいります。

 新型コロナウイルス感染症は,毎年,年末年始に感染が拡大してきたことから,国は,2回目接種を受けた12歳以上のすべての方々が,今年中にオミクロン株対応ワクチンを接種できるように,各自治体に対して接種体制の確保を要請していますので,これを受けまして,本市では去る9月26日から,オミクロン株対応ワクチンの接種を開始しています。

 まず,重症化リスクが高い高齢者のうち,4回目接種が未接種の方について優先的に接種を進めてきましたが,先月3日には,2回目接種を済まされた50歳代の方に接種券を発送し,11日には同じく12歳から49歳までの方に発送いたしました。

 また,先月21日には,オミクロン株対応ワクチンの接種間隔が「5か月から3か月に短縮された」ことに伴い,この夏に4回目接種を済まされました60歳以上の方々の多くが,12月末までの接種が可能になりましたので,本市においても先月24日に5回目の接種券を発送いたしました。

 ファイザー社製ワクチンの種別につきましては,市民の皆様のご要望の高い「BA.4-5対応型」ワクチンを優先的に使用するため,10月下旬から「BA.1対応型」ワクチンからの切替えを順次進め,現在は,すべて「BA.4-5」ワクチンの接種に切り替えています。

 接種体制につきましても,各医療機関での個別接種に加えて,高知県と合同で,先月29日から「土曜日,日曜日及び祝日」に南別館での集団接種を実施しており,接種機会の拡大を図っています。

 さらに,生後6か月から4歳までのいわゆる「乳幼児接種」につきましても,新しいワクチン供給が今月上旬から始まりますので,本市でも11月16日から接種開始することとし,本日接種券を発送する予定です。

 これらのコロナワクチン接種の推進は,第8波の「感染拡大防止の切り札」になると考えていますので,接種を希望されるすべての皆様が「年末までに接種できる」ように,市医師会等の各関係機関や医療機関のご協力をいただき,円滑な接種体制の構築を鋭意進めます。

3 補正予算・予算外議案

 以下,今議会における議案についてご説明を申し上げます。

 今回の臨時議会に提出しました議案は,予算議案2件,条例議案1件,その他議案1件です。

 今回の補正予算は,9月補正予算に続く「コロナ禍における原油価格・物価高騰対策」として,9月20日に閣議決定された国の予備費を活用して実施する住民税非課税世帯等に対する「価格高騰緊急支援給付金」の給付をはじめ,「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した「子育て世帯の負担軽減」を図るための施策等を中心に予算計上いたしましたので,その主な内容について順次ご説明いたします。

 まず,住民税非課税世帯等への「価格高騰緊急支援給付金給付事業」について申し上げます。

 当該給付金は,電力・ガス・食料品等の価格高騰による負担増を踏まえ,特に家計への影響の大きい「住民税非課税世帯の方々,約5万2,000世帯」を対象に1世帯当たり5万円の現金給付を行うものです。

 本市では,給付金の早期給付に向けまして,給付事務に係る補正予算を先月11日付けで専決処分させていただき,コールセンター業務や発送物の印刷,封緘発送業務,各種申請書の審査等を一体的に行う総合委託契約等を締結し,精力的に準備作業を進めています。

 この給付金の対象世帯は,本年2月から実施しています「住民税非課税世帯等臨時特別給付金」と同様に,基準日となる本年9月30日時点において,令和4年度の住民税均等割が世帯全員非課税である「住民税非課税世帯」に加えまして,「令和4年1月から12月の間」に予期せず家計が急変し,非課税世帯と同様の経済事情にあると認められる「家計急変世帯」が対象となり,本市では合わせて約5万6,000世帯が対象になると見込んでいます。

 関連議案のご承認をいただけましたら,本年11月下旬には,「非課税世帯への確認書の送付及び家計急変世帯向け申請書の配布」を行い,12月上旬の給付開始を目指し,特に「家計急変世帯」の要件や申請方法等が分かりやすく伝わるよう周知方法を工夫しながら,鋭意,準備を進めてまいりますので,よろしくお願いいたします。

 次に,子育て世帯への重点支援策について申し上げます。

 ウクライナ危機を背景とする資源高や急激な円安進行を要因とする「電気・ガス代,食料品等の値上り」の影響により,直近の「消費者物価」は大幅に上昇しており,育ち盛りのお子さんを抱える子育て世帯には重い負担となっていることから,今回,「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し,今年度限りの臨時特例措置として,子育て世帯を多様な角度から積極的に支援し,負担軽減を図ることといたしました。

 まず,1点目として,「保育所や認定こども園などの保育料の負担軽減」について申し上げます。

 現在,「3歳児から5歳児までの保育料」は,令和元年10月から国の「幼児教育・保育の無償化」の制度が開始されたことに伴い無償となっていますが,「3歳未満児」については,従来どおり保育料をご負担いただいております。

 本市の保育料につきましては,国の8階層をさらに「15階層に細分化する」ことによりまして,各階層で独自軽減を図るとともに,多子世帯への同時在園による軽減では,平成11年度から第3子以降を無償化し,平成26年度には,さらに第2子以降を無償化するなど,国に先駆けて,保育料の負担軽減を進めております。

 直近の急激な物価高騰の影響を踏まえ,新たに「本年12月から来年3月までの4か月間」については,市立及び民営保育所,認定こども園などに通う推計約2,300人の児童の「保育料を全面的に無料とする」ことにより,子育て世帯の保育料の負担を最大で3億1,000万円余り免除するものです。

 次に,2点目として,「小中学校等の給食費や保育所等の副食費などの負担軽減」について申し上げます。

 現在,食材の価格高騰に伴う「給食費等」への対策として,今年度については「食材の価格高騰見合い分」を本市が負担することとし,本年6月議会でご承認いただいた予算を活用して,給食費を据え置き,市立小中学校・特別支援学校・保育所,民営保育所等において,これまでどおり栄養バランスや量を確保した給食を提供し,子育て世帯の負担軽減を図っています。

 現在の給食費については,市立小中学校等においては,1食当たりの価格を設定し,小学校では1食当たり250円,中学校では280円などとしています。

 保育所等の給食費は,3歳未満児は公定価格に含まれておりますが,3歳以上児については,従来から,ごはんなどの主食はご家庭から持参していただき,「おかずである副食」については,令和元年10月から,原則「月額4,500円の副食費」を実費徴収しています。

 今回,先ほど申し上げました保育料の負担軽減と同様に,新たに「本年12月から来年3月までの4か月間」,市立小中学校等に通う「推計約14,400人の児童生徒の給食費を無料にする」とともに,市立や民営保育所等に通う「推計約5,300人の3歳以上児の副食費等」について,最大で月額4,500円を免除することにより,子育て世帯の給食費等の負担を最大で3億3,000万円余り免除するものです。

 最後に,3点目として,「放課後児童クラブの保護者負担金の負担軽減」について申し上げます。

 現在,公設の放課後児童クラブでは,保護者負担金は月額8,100円とし,民間の児童クラブでは,各施設ごとに月額等の設定を行っています。

 この保護者負担金について,新たに「本年12月から来年3月までの4か月間」,公設や民間の放課後児童クラブに通う「推計約3,200人に対して,最大で月額8,100円を免除する」ことにより,子育て世帯の負担を最大で1億円余り免除するものです。

 これらの負担軽減策について,合計で最大7億4,000万円余りを予算計上し,円安の急速な進行等による物価高騰で悲鳴をあげている子育て世帯の家計への支援として実施してまいります。

 次に,「水道料金の減免」について申し上げます。

 本市では,コロナ禍における原油価格高騰に伴う電気及びガス料金を含む物価上昇の影響を受けている市民生活を支援するため,「水道メーターの口径13ミリメートル及び20ミリメートルの契約者」を対象に,「9月から12月までの4か月間」,水道料金の基本料金を80パーセント減額する措置を本年6月議会でご承認いただき,9月1日以降の検針分から順次減免を実施しています。

 先月21日に高知県から発表された令和4年9月分の「高知市消費者物価指数」の調査項目である「光熱・水道」では,「対前年同月比で4.9パーセント増」と,調査項目の中で最も上昇率が高く,市民の皆様の光熱費負担が増していることから,12月31日の検針分までとしていた現状の減免制度を「来年2月28日の検針分まで2か月延長」することとし,引き続き市民の皆様の生活を支援してまいります。

 次に,「公共交通緊急支援事業費補助金」について申し上げます。

 長引くコロナ禍による公共交通利用者の落ち込みに加え,原油価格高騰等の影響もあり,公共交通事業者は,大変厳しい経営状況に置かれています。

 このため,本市では,先の7月議会でお認めいただきました「日曜・祝日 電車・バス等運賃ワンコインデー」や「ICカード『ですか』の無料配布キャンペーン」の実施に係る費用を支援するなど,利用促進を図っており,9月に開始しました「ですか」の無料配布キャンペーンでは,2万枚の配布枠に対し,現時点で既に1万8,000枚を超える申込みがされていると伺っています。

 明日11月3日の文化の日からスタートする「運賃ワンコインデー」では,「ですか」を利用すると運賃10円で乗ることができますので,利用を喚起することで,多くの市民の皆様にご利用いただき,公共交通の利用促進を図るとともに,地域経済の活性化につながることを期待しています。

 本市の公共交通の中心的な役割を担う「とさでん交通」の路線バスの利用状況は,コロナ禍前と比べて大きく減少しており,こうした取組を進めることにより,令和2年度は令和元年度対比で30パーセント減少していた状況から,令和3年度は25パーセント減少,今年度の直近値でも20パーセント減少となるなど,徐々に回復してきてはいるもののコロナ禍前の水準までには回復しておらず,依然として路線バス事業は厳しい状況に置かれています。

 このため,今回の補正予算では,複数の市町にまたがる「広域的なバス路線」について,高知県及び沿線市町と協調して,本来事業者が負担する運行費用の一部を支援することにより,市内外の通勤・通学や通院など日常生活の移動手段となる公共交通を支える予算を計上しています。

 次に,「鉄道軌道輸送対策緊急支援事業費補助金」について申し上げます。

 路面電車につきましても,バスと同様,その利用者数は回復しておらず,厳しい状況が続いています。

 このため,レールや枕木,電線,電柱のほか車両そのものなど,施設等の老朽化が著しく進んでいる状況にあるにもかかわらず,これらの施設等整備に対しては必要最低限の維持・更新しかできていない状況にあります。

 こうした中で,今年2月23日に鏡川橋から蛍橋の間を東進中の路面電車が脱線する事故が発生しており,輸送の安全・安心の確保への対応が必要になっています。

 このため,今回,市内外の通勤・通学や通院にご利用されるほか,地域経済の活性化や観光の面からも重要な役割を果たしている路面電車の運行を確保するため,高知県及び沿線市町と協調して,本来,「事業者が負担する施設等の整備に要する費用の一部を支援する」ことにより,誰もが安全に安心して利用することのできる公共交通を提供してまいります。

 

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計           36億4,500万円の増額

 水道事業会計 200万円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,917億2,588万8千円となり,この補正予算の財源として,特定財源である国庫支出金や市債等を充当し,一般財源では繰越金を充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,市第110号「高知市放課後児童健全育成条例の一部を改正する条例議案」1件です。

 この議案は,前段申し上げました放課後児童クラブの保護者負担金の免除にかかる規定の整備を行うものです。

 その他議案は,令和4年度高知市一般会計補正予算についての市長専決処分の承認議案1件です。

 この議案は,今議会に提出しております「価格高騰緊急支援給付金」の給付に向けた体制整備を速やかに進めるため,市民の皆様からのお問い合わせに対応するコールセンター業務等の総合委託費をはじめとする事務費に係る補正予算を先月11日付けで市長専決処分しましたので,市議会のご承認を求めるものであります。

 報告1件につきましては,法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出いたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。

 

 最後になりますが,本市職員が「器物損壊罪」の容疑で逮捕され,警察の取調べを受けていることにつきまして,ご報告とお詫びを申し上げます。

 今回の不祥事は,今年7月13日の深夜に,市内の駐車場において乗用車を傷つける等の器物損壊事件が発生したことを受けて,高知南警察署が捜査を進めた結果,当該職員が10月24日に通常逮捕されたものです。

 当該職員は,その後,釈放されてはいますが,引き続き,警察による任意での取り調べが断続的に行われていますので,本市としましては,捜査に全面協力するとともに,その動向を見守っている状況にあります。

 組織を挙げて綱紀粛正と服務規律の徹底に取り組んでいる最中に,職員が逮捕される事態となったことにつきましては,市政に対する信頼を著しく損なうものであり,市民の皆様や市議会の皆様方に深くお詫び申し上げます。

 なお,当該職員に対しては,本市として改めて事実確認等を行った上で厳正な対処を行うとともに,今回の事件を受け,改めて,職員一人ひとりが公務員としての自覚と強い使命感をもって規律ある行動をとることを徹底し,組織一丸となって信頼回復に取り組んでまいります。