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○高知市議会だより183号(HTML版・平成23年11月1日発行)

表紙写真:よさこいおもてなし隊「いちむじん」(高知駅南口 こうち旅広場にて)

本文

1.高知市議会からのお知らせ

 録画DVD等の貸し出し

 本会議の中継放送を録画したDVD等の貸し出しを行っています。
 貸し出し準備に時間を要することから、ご希望の方はあらかじめ、議会事務局までお申し込みください。

 (電話 823‐9400)

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2.9月定例会の概要

 9月定例会(第429回)を9月9日から28日までの20日間の会期で開催しました。

 初日は、市長が一般会計補正予算、市税条例等の一部改正議案など20件の議案について提案理由説明を行いました。

 続いて財務部長、水道事業管理者が一般・特別会計と水道事業会計の決算認定議案の概要説明をそれぞれ行いました。

 14日から始まった個人質問には16人(うち7人が一問一答方式を選択)が立ち、南海地震対策、再生可能エネルギー推進策、中山間地域振興策、環境行政、防災教育などについて質問を行いました。

市長提出議案

 報酬並びに費用弁償条例の一部改正議案など、22件の議案をすべて原案のとおり可決または認定しました。

 最終日には、公平委員会委員および固定資産評価審査委員会委員の選任議案、人権擁護委員推薦についての諮問議案が追加提案され、いずれも同意または異議なき旨答申しました。

議員提出議案

 合併特例債の発行期限の延長を求める意見書など11件の意見書議案を提出し、うち8件を可決しました。

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3.9月定例会を振り返って(会派の意見)

市民クラブ

チャレンジ塾で進路保障を

 長尾和明議員は、野田内閣発足について市長の所感を問うとともに、保育行政、環境行政、新しい防災教育、再生可能エネルギー法案などについての考えをただした。

 公立・私立保育園88園の耐震化計画について、市長は、民間園舎が多く課題もあるが、各園舎の耐震化を急がなくてはならない。国の動向を見ながら取り組んでいくと答弁した。

 竹内千賀子議員は、就労対策の特命随意契約の廃止や高知チャレンジ塾、南海地震対策、原発等について質問した。

 チャレンジ塾については貧困の連鎖を断ち切るためにも大いに期待するとしたのに対し、市長は、学力保障をすることで進路保障につなげることができる。本市独特の課題を克服するための大きな取り組みであるとの考えを示した。

 また、被災後に欠かすことのできない非常用貯水槽の課題では、運用を再検討するとの答弁があり、独居高齢者の震災対策では、地域との連携やコミュニティの再構築で共助の体制づくりの必要性を訴え、理解を得た。

新こうち未来

川村貞夫議員、土居ひさし議員、上田貢太郎議員、福島明議員の4氏が登壇!

 川村貞夫議員は、防災教育に関して、本市を取り巻く里山の整備を提案。新人職員研修として、よさこい踊り、森林ボランティア活動への参加を提案。また、再生可能エネルギーの積極推進も求めた。土居ひさし議員は、財政再建問題に関して、全庁的な債権管理システムの導入を要望。また、組織の効率化、目標管理制度のさらなる充実を求めた。そのほか、旧高知市の中山間地域の整備を求め、「土佐山、鏡地区と同様に進める」との答弁を引き出した。上田貢太郎議員は宮城県の被災地救援ボランティア活動の経験を踏まえ質問。職員の被災地への派遣状況を問い、自主防災組織の人員・予算の拡大、長期浸水対策や高台移転など都市計画の見直し、合併特例債の期限延長について考えをただした。福島明議員は、台湾への観光プロモーションの成果を問い、電力事業に関する規制緩和の推進、アーケード内広告物のルール作りを求めた。さらに防災対策、障害者雇用の拡大も要望した。

新風クラブ

多士済々 3氏が市政課題をただす!

 清水おさむ議員 国・県からの大幅な権限移譲や義務付け・枠付けの見直しに対しては遺漏なく対応を進める。市職員の段階的定年延長については国の動きに合わせ遅滞なく導入する。被災地支援条例の制定については必要性を認識しており、他市の事例を参考に前向きに検討する等の答弁を引き出した。

 平田文彦議員 南海地震対策について集中質問を行った。防潮堤整備に向けた国土交通省や県に対する積極的な働き掛け、種崎地域への避難タワーの追加設置、学校など避難施設屋上へのヘリサインの表示整備などを指摘。これらハード面整備への取り組みについて執行部から前向きな答弁を引き出した。

 和田勝美議員 Tpp問題、消防署所の再編整備問題、教育行政について執行部の方針をただした。特に本市北部の人口増に対応するため「北消防署」の早期整備を強く求めた。市立小中学校生徒の学力・学習状況調査の結果を公開すべきとの指摘に対して、今回から実施するとの教育長答弁を引き出した。

公明党

市民の生命を守るため

 公明党は3名の議員が登壇し、市長の政治姿勢や防災・健康政策などについて個人質問を行いました。

 寺内憲資議員は、事務執行状況を評価するために参考となる「平成22年度包括外部監査」の結果をもとに質問。外部監査人からの指摘事項をどのように改善し、どんな形で市民に公表するのか、市長と執行部に迫りました。

 高橋正志議員は、南海地震対策を中心に質問。「本年度中には津波避難ビルの指定目標60~70施設が達成の見込みとなる」との総務部長答弁に対し、春野地域での指定が全く行われていない現状を指摘し、早急な取り組みを要望しました。

 西森美和議員は、就学前のアレルギー疾患対策について、医師の診断に基づく給食のアレルゲン除去や、重篤なショック症状を想定した訓練の実施等を求め、今年度中に「食物アレルギー対応の手引」を作成し、研修を充実するとの答弁を得ました。

日本共産党

命と暮らしを守り、地元業者の仕事をつくる市政を!

 下本ふみお、下元ひろし、細木良、はた愛の各議員が質問を行いました。岡崎市政8年間を振り返り、53億円を超える(国保分を除く)市民負担による財政再建であると指摘しました。また、国保の窓口負担の軽減を就学援助世帯へ拡大するよう求め、「学校・警察連絡制度」の導入には反対しました。

 経済・雇用対策については、住宅リフォーム助成制度での仕事づくり、地元業者や労働者への公正な賃金確保、入札・契約制度の改善を求めました。また、保育園の防災対策を進めるための予算枠設置を求め、放課後児童クラブの待機児童については「改善に努力する」と約束させ、自然エネルギー供給地としての中山間振興を提案しました。

 平成22年度決算については、同和事業の継続などを指摘し反対。補正予算は、学校給食調理業務等の民間委託拡大を指摘し、修正案を提出しました。

みどりの会

 近森議員が議会に入り5カ月、経営者の視点で市政をチェック。48項目の指摘のうち30項目は予算化と改善。市民陳情や不満を次々に解決しています。専門は商工観光、医療福祉、教育、環境、防災、農水です。市民の皆さまの陳情をお待ちしています。

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4.質問および答弁

(1)震災対策の進展状況 -命を守り抜く避難を-

 本年3月11日に発生した東日本大震災から半年以上が経過しましたが、被災地はいまだに避難生活を強いられるなど厳しい状況にあります。本市は消防職員や保健師等の派遣に加え、技術職員を長期派遣するなど支援活動を継続しています。

 一方、本年4月に立ち上げた南海地震対策再検討プロジェクトチームでは、優先課題の洗い出しを急いでおり、順次取り組みが進められています。

 今定例会では、避難場所や避難経路を地域へ周知徹底するための津波避難計画策定や、避難所の防災用資機材の整備に関する予算議案等が市長から提案され、活発な質問戦が繰り広げられました。


避難時の課題

【問】9月4日に実施した県下一斉の津波避難訓練で明らかとなった諸課題について聞く。

【答】この訓練は自主防災組織等が中心となって計画を立て、行政が支援する形で行われ、当日は、市民や地域の各団体等、約2千5百人の参加があった。

 課題としては、

  • 高齢者が多く、急斜面を上がることが困難
  • 避難先に、座って休む場所や雨を避ける場所がない
  • 夜間避難のための照明設備が少ない

などが挙げられている。

 今後、地域住民はもとより合同で訓練に参加した警察・自衛隊・病院等の関係機関と意見交換を行い防災対策に生かしたい。

【問】津波避難計画策定および避難路確保について聞く。

【答】今定例会では三里地域をモデル地区に、民間のノウハウを活用した津波避難計画の策定事業を提案したが、今後は他の地域での計画策定も積極的に推進していく。その際、県補助の対象となる避難誘導灯や手すりの設置、段差解消などの内容を地元に説明しながら県補助を積極的に活用していく。

 また、今後の計画策定の中で、避難時に危険な塀の改修や撤去など、さまざまな問題点を抽出した段階で、県に対し支援の協議を行っていく。

避難所の整備

【問】ヘリサインの整備について聞く。

【答】ヘリサインは災害時、上空からの救助や支援をより迅速かつ効果的に行うため、避難場所などの建物屋上に目印となる施設名等を表示したものである。

 大規模災害時には、他県から応援ヘリコプターが多数集結し活動することが予想されるため、今後導入に向け、県や関係機関と協議を進める。

【問】現在の津波避難ビルの数と収容人数、今後の設置目標数について聞く。

【答】9月16日現在、緊急避難場所として指定している津波避難ビルは38カ所、収容人数は約3万2千人となっている。本年度中に30カ所の追加指定を目標にしており、来年度以降も継続して指定を行う。

【問】津波避難ビルにおける防災用資機材の整備状況を聞く。

【答】防災用資機材の管理場所と規模については、それぞれの施設の状況により、施設の管理責任者と協議の上、個別に決定していく。

 また、資機材の取り扱いに関する具体的なルール等については早急に基本方針を取りまとめ、管理責任者と文書で確認した上でマニュアルも作成し、明確に周知できるよう対応していく。

福祉避難所

【問】介護を要する高齢者や障害者などの要援護者を受け入れる福祉避難所の設置計画について聞く。

【答】現在、バリアフリー化されている市の施設7カ所を福祉避難所に指定しているが、十分な対応が困難であるため、3カ所の民間の特別養護老人ホームと年内の協定締結に向け協議を進めている。

 また、障害者団体等から要望のあった特別支援学校等についても指定を検討しており、公共・民間施設を含めて福祉避難所の設置拡大を進めていく。

【問】福祉避難所の利用対象者の把握および周知はどのように行うのか。

【答】利用対象者となる要援護者については、現在進めている災害時要援護者支援地域活動モデル事業による個別の支援計画の作成とともに、整備中の災害時要援護者支援システムの活用等により把握に努める。

 また、福祉避難所は、災害時に一般的な避難所での避難生活が困難な方に対し、障害や介護度に応じた支援ができる状況を整えた後に開設するが、対象者が利用可能な福祉避難所を事前に把握できるよう、その特性に合わせた周知が必要と考える。

高台への避難訓練

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 (2)中山間地域振興対策

 鏡・土佐山の両地区における平成17年度と22年度の人口を比較すると、鏡地区は8.4%の減、土佐山地区は12.2%の減となっています。

 人口減の状況が進むと集落機能が大幅に低下し、地域の保全ができず産業も守れないため、土佐山百年構想などのさまざまな施策を展開して、定住人口や交流人口の拡大につなげていくことが重要です。


【問】ユズ皮について関係機関と連携し、付加価値を付ける取り組みができないか。

【答】ユズの産地化は、本市の農業振興の柱の一つである。

 平成22年度のユズ搾汁残渣(さくじゅうざんさ)は約600トンあり、このうち約150トンは化粧品・食料品の香料等に利用されるユズオイルやドレッシングなどの加工原料として県内の関係業者に出荷している。残る約450トンは、財団法人夢産地とさやま開発公社や民間業者で堆肥化処理を行ったと聞いている。

 現在、県工業技術センターでは、かんきつ類からオイルを抽出する技術や、その機械の製造技術が確立されていることから、今後、関係する土佐山柚子生産組合などと連携を図り、ユズ皮のさらなる有効活用の可能性や販売ルートの確保について取り組みを進めていく。

【問】鏡地域の活性化について聞く。

【答】鏡地域は本市北部の中山間地域として、農地の管理や森林の保全を通して自然環境を守り、水源の涵養(かんよう)などの公益的役割を果たす重要な地域である。

 地域の活性化のため、過疎地域自立促進計画に登載された事業の着実な推進はもとより、都市部との交流促進を目的とした拠点施設「鏡文化ステーションRio(リオ)」の活用や「吉原ふれあい交流館」での交流イベントの充実、市民の森の整備なども着実に推進する。

 さらに土佐山百年構想事業の拡充・展開を図る中で、鏡地域を含めた本市の中山間地域の定住・交流人口の拡大等を図りたい。

【問】県の地域支援企画員の本市での活動と、鏡・土佐山地域への重点配置について聞く。

【答】地域支援企画員制度は、県産業振興計画の地域アクションプランに盛り込まれた取り組みの支援、住民活動のサポートや情報提供などを目的としている。

 本市には4人が配置され、市職員と連携をとりながら、地域アクションプランの推進を支援している。

 鏡・土佐山地域への重点配置については、土佐山百年構想実施事業を本市地域アクションプランに組み入れる予定であり、今後事業の推移を見ながら県と協議していきたい。

【問】合併前の旧高知市の中山間地域に対する取り組みについて聞く。

【答】旧高知市の中山間地域については、地元要望のあった道路拡幅工事等ハード事業はほぼ完成している。

 また、七ツ淵地区の集落営農への長期的支援や行川地区のショウガ予冷庫の整備、円行寺地区の畜産経営の多角化支援などを順次実施してきた。

 今後も鏡・土佐山地域と同様に、地域の特産品を生かしながら地域振興を展開していきたい。

ユズ搾汁施設の作業風景

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(3)再生可能エネルギー推進

 本年8月に、再生可能エネルギー特別措置法案が国会で可決されました。これは太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの5つの再生エネルギー源を用いて発電した電力を、国が指定した価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務付け、再生可能エネルギーの利用拡大を図るものです。来年7月の施行に向けて、制度の具体化や運用が検討されています。


【問】再生可能エネルギーへの転換の考えについて聞く。

【答】再生可能エネルギー特別措置法の成立により、新規事業参入者の増加など、同エネルギーの普及促進が期待される。

 それぞれの買い取り価格の設定により、普及状況への影響が予想されるため、今後の調達価格等算定委員会での審議状況や、事前に告示される価格設定等を注視していく。

【問】本市での具体的施策について聞く。

【答】本市が平成20年度に実施した自然エネルギー量の調査では、高知の自然条件の中で、特に太陽光エネルギーと小水力発電等の利用可能性が高いとの結果が出ている。

 太陽光エネルギーの買い取り価格の設定が他のエネルギーと比べて高くなると、そこに企業が集中する可能性もある。企業の動きも踏まえ、行政も集中的に取り組むことが重要であり、具体的施策を詰めていく。

 また小水力発電については、県の新エネルギー導入促進協議会に加え、本年3月に民間団体と研究者で設立された「高知小水力利用推進協議会」にも今後加入し、その可能性について積極的に研究、検討したい。

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(4)子どもたちに夢や希望をかなえる力を!「高知チャレンジ塾」開始

 平成20年度を「授業改革元年」と位置付け、以来、全小中学校で実施してきた授業の質を高める取り組みや県・市協働による支援策等により、本市の児童生徒の学力状況は小学校では全国水準を維持し、中学校でも改善されています。

 しかし、学校ごとには、その規模や生徒指導上の課題など個別の実態があり、中でも家庭の経済状況が子どもたちの学力に大きく影響していることから、生活保護世帯の中学生を対象に「高知チャレンジ塾」を開催し、学習支援を行うことになりました。


【問】高知チャレンジ塾の事業概要を聞く。

【答】本事業は、教育委員会が委託予定の高知チャレンジ塾実行委員会と市福祉管理課が雇用予定の就学促進員の連携により開催し、生活保護世帯の中学生の学力向上を図り、高校進学率を高めることで将来の選択肢を豊かにし、ひいては生活保護の連鎖を防止することを目的としている。

 本年度はモデル的に5地域で開催し、段階的に広げていく予定である。

【問】就学促進員の役目を聞く。

【答】ケースワーカーと一緒に生活保護世帯の中学生の学習意欲を喚起し、本事業への参加を働きかけるとともに、進学先の情報提供や進学、就学継続のための貸付制度利用の支援などを行う。

 併せて、いじめや不登校、引きこもり等の課題がある世帯に対しては、地域や学校等の関係機関と連携し「社会的な居場所づくり」を行い、子どもたちが生活力や社会性を身に付けるよう支援する。

【問】対象者について聞く。

【答】本事業の経費はすべてセーフティネット補助金による国費のため、生活保護世帯の中学生が対象となる。しかし、国の補助金の対象外となる非課税世帯や一人親世帯の中学生等についても、同塾にボランティアの学習支援員を確保し、幅広い学習支援を図る。

【問】地域の児童館で行っている促進学級との整合性はあるか。

【答】促進学級は子ども会活動の一環として、児童館がある中学校区の中学生を中心に自主的な学習を支援する取り組みである。

 高知チャレンジ塾は家庭環境や貧困問題等の課題に対応する施策であり、子どもたちの夢と希望をかなえるために志を持って学ぶ場として機能することを目指している。

 方法等は違うが、どちらの事業も子どもたちの健全育成と学力・進路保障を目指している。

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(5)徴収率向上のために

〔滞納額〕

【問】平成22年度決算時点における市税等の収入未済額(滞納額)の状況を聞く。

【答】調定額(徴収対象額)に対する収入未済額は、一般会計では

  • 市税全体…約487億9千万円に対し約33億円
  • 保育料…約24億8千万円に対し約1億2千万円
  • 住宅使用料…約11億5千万円に対し約8千万円

また、特別会計では

  • 下水道使用料…約37億2千万円に対し約8千万円
  • 国民健康保険料…約97億1千万円に対し約20億9千万円
  • 介護保険料…約42億7千万円に対し約1億9千万円

以上のような状況となっている。

〔住民税の特別徴収〕
 特別徴収とは、給与を支払う事業主が毎月の給与支払時に、住民税額を従業員等の給与から徴収し、市町村へ一括して納入する制度。特別徴収により、従業員等の個々の納税の手間が省ける、納め忘れがないなどのメリットがあり、滞納の削減も期待される。

【問】特別徴収における今後の取り組みについて聞く。

【答】昨年度から5年計画で特別徴収未実施事業所約7千件を対象として、特別徴収開始の依頼文書を送付するなどの取り組みを進めている。

 来年度以降は、従業員4人以下の小規模事業者への取り組みを進め、平成26年度までを目標に全ての特別徴収未実施事業所に対し詳細な調査を行い、特別徴収実施の拡大に努めていく。

〔徴収事務の一元化〕

【問】市税・税外収入を含めた債権回収への取り組みや徴収事務の一元化の実績と成果について聞く。

【答】平成21年度に設置した関係7課による滞納対策検討会で協議し、22年度から税外収入である介護保険料と保育料の滞納分の徴収業務も税務管理課に移管した。全体の収納率は、介護保険料では21年度93.3%から22年度93.7%に、保育料では92.2%から94.5%に向上し、一定の成果が上がっている。

 同検討会を通じ、関係各課が情報交換や研修を実施することで、交渉・実務能力のレベルアップも図られており、今後も継続して取り組んでいく。

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(6)学校における災害への備え

〔防災教育〕

 東日本大震災の大津波に対し被害を最小限に食い止めた岩手県釜石市の小中学校の取り組みが注目されています。

 日頃からの防災教育がいかに重要か、私たちはもう一度確認する必要があります。


【問】津波被害が想定される地域の子どもたちへの防災教育について聞く。

【答】自らの命を守ることに主体的であれという防災教育の信念のもとに、「想定を信じるな、最善を尽くせ、率先避難者たれ」という避難3原則を教職員や子どもたちに浸透させ、災害発生時にそれぞれが自主的に確実な避難行動を取れるよう取り組む。また、子どもたちへの防災教育は将来の防災活動の担い手を育成するという意味からも、地域の催し等を通じて学習することも大切であり、自主防災組織と連携を図りながら積極的に取り組みを進めていく。

【問】小中学校で行っている防災教育の具体的な内容を聞く。

【答】特徴的な例を挙げると、浦戸小学校では、地元の自主防災組織・保育所とともに地域の地形を考慮した実践的な避難訓練を行っている。また、愛宕中学校では、防災訓練を生徒会が計画運営し、地域や保護者、消防署等と連携しながら実施している。

【問】今後の防災教育の短・中期的な実施案について聞く。

【答】学校独自の取り組みを通して明らかになった課題に対する短・中期的な取り組みとしては、防災教育委員会を設置し、専門家のアドバイスを受けながら高知市版の防災教育カリキュラムを策定し、防災教育の再構築を行いたいと考えている。こうした取り組みを通じ、子どもたち一人一人が率先避難者として主体的に判断し、行動できる力を育んでいく。

〔避難所としての学校の役割〕

【問】災害時には学校が収容の避難所となるため、地域との連携強化や避難所運営についても事前に対策を取るべきと考えるがどうか。

【答】収容の避難所は、配置する市職員だけでは十分に機能しないことも予想される。そのため、地域住民との連携や自主防災組織等との協力体制によって官民一体で避難所の運営ができるよう対策を検討するとともに、学校との連携も不可欠であると考えている。

【問】学校施設の避難所としての機能整備および避難所に指定された学校の出入り口が少ないことから、その整備について聞く。

【答】本市が整備している毛布等の物資を備蓄する防災倉庫は、学校のグラウンドなど主に1階に設置され、津波により水没する恐れがあるため、校舎の高層階への移設を検討する。

 また、学校への出入り口については、今後、自主防災組織の意見を聞き、学校の安全管理面での調整も図りながら検討を進める。

【問】学校施設において、体育館などの天井材の落下防止対策について聞く。

【答】体育館などの改築または耐震工事を行う際は、落下しないと考えられる工法を原則採用している。また照明器具については、屋根の構造体に直接取り付けるとともに、落下防止ワイヤーも設置することで落下防止措置を講じている。また、その他の部材についても、窓等には強化ガラスを使用し、外壁には耐震性がありはがれ落ちる危険性の少ない工法などによる対策を講じている。

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5.休憩室 「協助で守る地域の命」

 本年3月11日の東日本大震災は千年に一度の大震災といわれており、津波により多くの人命が奪われました。

 また、今年は観測史上最大の記録的な集中豪雨が台風によりもたらされ、土砂崩れによる集落の孤立、せき止め湖の出現、堤防の決壊、床上・床下浸水など、「長年住んでいるが初めて」という規模の災害が全国で多く発生しました。

 その中で多くの命を救ったのは、隣近所の助け合いです。さらに大災害になると、しばらくは役所機能がまひしてしまう可能性があることも明らかになりました。

 支援や援助が始まるまでは隣近所で助け合わないといけません。だからこそ、まだ自主防災組織が結成されていない地域では、早期の結成が必要です。そして、地域の住民同士が日頃からのつながりを持ち、支え合いや助け合いの関係が持てる地域コミュニティの再構築が必要です。

 10月2日に、地域コミュニティの再構築を考えるフォーラムに参加しましたが、地域の代表者会には、世代・地区・組織・学校別の代表者の参加が必要だと感じました。

(議会広報委員:門田権四郎)

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6.人事議案

 9月定例会最終日の28日に、市長から公平委員会委員・固定資産評価審査委員会委員の選任議案、人権擁護委員推薦についての諮問議案が提出され、それぞれ同意または異議なき旨答申しました。

■公平委員会委員

  福岡 伸一

■固定資産評価審査委員会委員

  堤  俊治

■人権擁護委員

  小笠原一清

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7.議員の寄附・あいさつ状等の禁止について

 議員の寄附・あいさつ状は公職選挙法で禁止されています

  • あいさつ状(年賀状・暑中見舞い等)の禁止
  • 寄附の禁止
  • 香典や結婚披露宴における祝儀の禁止(ただし、本人が出席の上、通常一般の社交の範囲内であるときを除く)
  • 名刺広告の禁止

など、議員活動に対して法律上制限が加えられています。

 市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします

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8.委員会の活動(7月16日から10月15日まで)

常任委員会

○経済文教委員会

9月定例会

 21、22、26日に、平成23年度収益事業特別会計補正予算など7件の議案と陳情2件の審査を行いました。

 23年度一般会計補正予算と決算の認定議案は賛成多数で可決または認定し、その他の議案は全員賛成で可決し、陳情1件の結果を出しました。

 また、新図書館等複合施設に係る公募型プロポーザル方式による基本設計委託業者の選定についてなど2件の報告を受けました。

 

○厚生委員会

9月定例会

 21、22日に、平成23年度国民健康保険事業特別会計補正予算など4件の議案と陳情1件の審査を行いました。

 決算の認定議案は賛成多数で認定し、その他の議案は全員賛成で可決し、陳情1件の結果を出しました。

 また、中央公園遊具設置についてなど2件の報告を受けました。

10月13日

 完成したエコサイクルセンターの視察をした後、塵芥(じんかい)収集車両施設整備の基本構想について報告を受けました。

エコサイクルセンター視察(日高村)

 

○総務委員会

9月定例会

 21、22、26日に、平成23年度一般会計補正予算など8件の議案と陳情2件の審査を行いました。

 市税条例等の一部改正議案と決算の認定議案は賛成多数で可決または認定し、その他の議案は全員賛成で可決し、陳情1件の結果を出しました。

 また、本庁舎・南別館の耐震診断結果についてなど2件の報告を受けました。

 

○建設委員会

9月定例会

 21、22日に、手数料並びに延滞金条例の一部改正議案など9件の議案と請願2件、陳情1件の審査を行いました。

 指定管理者の指定に関する議案と水道事業会計の決算の認定議案は賛成多数で、その他の議案は全員賛成で可決または認定しました。

 また、請願1件の結果を出しました。

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特別委員会

○都市再生調査特別委員会

9月27日

 中心市街地活性化に向けた取り組みについてなど2件の報告を受けました。

 

○南海地震対策調査特別委員会

8月8日

 南海地震対策ならびに庁舎耐震診断の取り組み状況について報告を受けました。

9月27日

 本庁舎・南別館の耐震診断結果について報告を受けました。

 

○行財政改革調査特別委員会

8月17日

 行政改革第3次実施計画についてなど2件の報告を受けました。

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9.9月定例会で結果の出た請願・陳情

採択

  • 高知市による土地所有権の買い戻しを求める件
  • 学校図書館支援員の配置に関する件

不採択

  • 大規模自然災害に対する防災対策など、住民の安心、安全を支える行政サービスの体制、機能の充実を求める意見書提出の件
  • 高知市の公園の有効活用について

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 10.9月定例会に提出した意見書

○全員賛成で可決した意見書 (1)~(5)

(1)合併特例債の発行期限の延長を求める意見書

 平成の市町村合併に伴う合併特例債の発行期限は、合併から10年という期限が示されてきたが、東日本大震災により被災した東北地方の合併市町村に対しては、発行期限が延長されている。
 近い将来起きるとされている南海地震について、東日本大震災の教訓を生かし現行の地震・津波対策を見直すことが重要であるとの認識から、地震対策に係る特例債の発行期限を東北地方の合併市町村同様に延長することを国に強く求める。

 (2)JR三島・貨物会社に係る税制特例の継続等を求める意見書

 JR四国、北海道、九州のJR三島会社は少子高齢化や地方の過疎化が進む中、各社の努力で何とか経営を維持しており、JR貨物も非常に厳しい経営状況に置かれている。
 各会社の社会的役割といまだに完遂されていない国鉄改革の課題に鑑みれば、税制特例措置を継続し、当該各社の経営自立に向けた安定的な運営と、地域交通や鉄道貨物の確保に向けた道筋を明らかにすることが必要である。
 よって、次年度の税制改正において、JR三島・貨物会社に係る固定資産税、都市計画税を減免する特例措置の継続実施など3項目を国に強く要望する。

(3)再生可能エネルギーの拡大を求める意見書

 核燃料や地球温暖化を進める化石燃料への依存割合を下げ、再生可能エネルギーを拡大することは、わが国の高い技術力や自然環境からすると無理なことではない。しかし、再生可能エネルギーは小規模かつ地域に偏在する資源が多く、全国一律の施策では地域特性を十分に生かせない。
 よって、再生可能エネルギーを拡大するため、ポテンシャル調査を初め、それぞれの地域に適した自然エネルギーの利用促進を図る法的整備と資金的な支援策を講じるよう政府に強く求める。

(4)平成24年度以降の子宮頸がん等予防ワクチン接種助成制度及び妊婦健診への財政支援の継続を求める意見書

 女性・母体の健康を維持し、子供たちの命を守る施策の重要性は明白である。特に少子化を受けて、子供を安心して生み育てられる社会環境の向上のため、国が必要な措置を講じることが求められている。現在、期限付きではあるが実施されている子宮頸がん等予防のワクチン接種を助成する交付金および妊婦健診の公費負担制度の事業は効果を上げている。
 よって、平成24年度以降も子宮頸がん等予防のワクチン接種助成制度および妊婦健診への財政支援の継続を政府に強く求める。

(5)学校施設の防災機能向上のための新たな制度創設を求める意見書

 学校施設は、児童・生徒の学習・生活の場であるとともに、多くは災害時に地域住民の避難場所となるため、安全性、防災機能の確保は重要である。
 よって、新築・改築時のみ整備できるとされている貯水槽・自家発電設備等防災設備整備の単独事業化等、学校施設の防災機能向上のための新たな制度を創設するなど3項目を実施するよう政府に強く要望する。

○賛成多数で可決した意見書 (6)~(8)

(6)円高・デフレを克服する経済対策を求める意見書

 日本経済は円高・デフレ傾向が長期化し、東日本大震災による経済情勢の悪化も懸念されている。歴史的水準の円高は地域の製造業、観光業に大きな打撃を与えており、この状態を放置すると地域経済は悪化の一途をたどることとなる。日本経済全体の復興が被災地の復興につながるとの考えのもと、今こそ抜本的な円高・デフレ対策に取り組むべきと考える。
 よって、円高の痛みを直接受ける輸出産業への痛みを緩和する施策を打ち出すなど4項目の実現を国に強く要望する。

(7)電力多消費型経済からの転換を求める意見書

 電力多消費型経済社会からの転換を図り、省エネ・節電が日常的、安定的に実施できる社会を早急に実現する必要がある。
 よって、電力消費の低減対策とともに、家庭での省エネ、エコ化の早期推進のため省エネポイント(仮称)の創設、省エネ型家電への買い替えや事業所等への支援措置などを早急に決定、実施するよう政府に強く求める。

(8)大規模災害時に備えた公立学校教職員派遣制度の創設を求める意見書

 大規模地震や豪雨等の非常災害時において被災地に派遣された教職員は、現地の学校現場における復旧支援に大きく貢献してきた。一方で、派遣について国の明確なスキームが存在しないため、さまざまな問題が浮き彫りとなっており、大規模災害時に備えた教職員派遣制度の構築を求める声が高まっている。
 よって、迅速かつ適切な教職員派遣を行うために、派遣教職員情報のデータベース化や、被災地とのマッチング支援などを図る公立学校教職員派遣制度の創設など3項目の速やかな実施を政府に強く要望する。

○否決した意見書 (9)~(11)

(9)放射線から国民を守るため必要な措置を講ずることを求める意見書

(10)子ども・子育て新システムの撤回を求める意見書

(11)高校授業料無償化を維持し、さらなる教育費無償化の前進を求める意見書

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11.会派の構成と電話・ファクス番号

市民クラブ

7人

電話 823-9402

ファクス 802-3055

新こうち未来

7人

電話 823-9406

ファクス 822-8119

新風クラブ

7人

電話 823-9401

ファクス 871-2811

公明党

6人

電話 823-9403

ファクス 871-2485

日本共産党

6人

電話 823-9404

ファクス 823-9558

みどりの会

1人

電話 823-9476

※ファクス 823-9350

 ※議会事務局直通のファクス番号です

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12.編集後記

 16人が個人質問に立った9月議会。執行機関に強いリーダーシップを求めながら、一方でそのリーダーシップの暴走を阻止する役割を担う議会。我々議員には、常識的なバランス感覚が求められていると改めて感じた20日間でした。(議会広報委員)

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