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平成29年10月26日 市長定例記者会見

会見項目

  1. 「第4回生活困窮者自立支援全国研究交流大会」の開催について
  2. 特認校へ校区外通学する生徒のデマンド型乗合タクシー運賃無料化について
  3. 台湾・高雄市での観光PRについて

 配布資料

  1. 生活困窮者自立支援全国研究大会in高知 [PDFファイル/591KB] 
  2. 特認校へ校区外通学する生徒のデマンド型乗合タクシー運賃無料化について [PDFファイル/1.72MB]
  3. 台湾・高雄市での観光PRについて [PDFファイル/2.02MB]

会見内容

1. 「第4回生活困窮者自立支援全国研究交流大会」の開催について

 お忙しいところお集まりいただき,ありがとうございます。私から3点ご説明します。


 まず1点目, 「第4回生活困窮者自立支援全国研究交流大会」が,11月11日から12日にかけて本市で開催されます。現在,すでに1,000人を超える方から参加申し込みをいただいており,大規模な大会になることが期待されます。

 大会の内容ですが,11日が全体会,12日が分科会ということになっています。私は,中央大学の宮本太郎教授, NPO法人抱僕(ほうぼく)の奥田知志(ともし)理事長とともに,この大会を主催する「一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク」の共同代表を務めていますので,初日は私もご挨拶をさせていただきます。全体会では,厚生労働省社会・援護局の定塚(じょうづか)由美子局長,東京大学の大森彌(わたる)名誉教授,そしてNPO法人抱僕の奥田さんで基調鼎談(ていだん)をしていただき,その後,自治体関係者でのディスカッション,中央大学の宮本教授をはじめ,厚生労働省の方や元厚生労働省事務次官の村木厚子さんにも加わっていただいてのディスカッションなどを行う予定です。

 分科会につきましては,10講座を予定しています。分科会の4,5の2講座が現地企画ということで,高知の取り組みを中心にディスカッションする内容になっています。

 子どもの貧困も含めて,生活困窮は社会問題になっています。フルタイムで働く前に,少しずつ就労に慣れていただく中間就労の取り組みなど,生活困窮者に対する取り組みは全国的に進んできていますので,そういったことについて,全国規模のディスカッションをしたいと考えています。自主的に地方都市で大会を行うのは今回が初めてということになりますので,期待をしています。

2. 特認校へ校区外通学する生徒のデマンド型乗合タクシー“運賃無料化”について

 2点目は,デマンド型乗合タクシーの関連ですが,お手元の資料にありますように,デマンド型乗合タクシーは,地域でも非常に好評をいただいており,路線バスの赤字解消と同時に,住民の皆さんの移動手段を確保するという意味で,順次拡大をしています。

 今回,ご紹介する取り組みは, 特認校に校区外から通学する生徒がデマンド型乗合タクシーを利用する運賃について無料化するものです。小中一貫の義務教育学校である行川学園も特認校ですが,校区外から21人の生徒が通っています。このうち,バス通学が9人と聞いていますが,この子どもたちが活用できる,生徒のためのデマンド型乗り合いタクシーということで,運賃を無料化して移動手段を確保しようと考えています。

 福井タクシーのご協力を得まして,福井分岐から行川学園まで,デマンド型乗合タクシーを運行し,生徒の皆さんに利用していただくことにしています。これにより,保護者の皆さんの経費の削減にもつながります。利用者がどのくらいになるか,まだ特定はできていませんが,現在,バス通学者が9人いますので,一定数の方がこのタクシーを利用されることになると思います。福井タクシーには,待合所を設けていただくなど,いろいろな便宜を図っていただき,この度,101日から運行を開始しています。

 春野や長浜,御畳瀬・浦戸地域のデマンド型乗合タクシーについてのパンフレットも,お手元に資料としてお渡ししていますので,ぜひご参照ください。

3. 台湾・高雄市での観光PRについて

 3点目はインバウンド観光についてですが,引き続き海外のクルーズ船が相当数入ってきています。昨年度は約30隻でしたが,今年度は約50隻の予定になっており,順調に入ってきていますので,いろいろな企業がクルーズ船とのタイアップを予定しています。

 この度,台湾の高雄市のデパートとのタイアップにより,四国経済連合会の協力のもと, 11月2日から13日にかけて,高雄市で1番大きい百貨店で,よさこい鳴子踊りの披露と四国の物産展を行います。

 デパート側は,よさこいを踊りたい方の募集をすでに始めていますが,4日5日の土・日曜日にかけて,合計6回,延べ人数で約150人の地元の方々と一緒によさこいを踊ることにしており,大いに高知の観光振興につながることと期待しています。踊っていただいた方には,記念のメダルと台湾語表記の認定証をお配りする予定です。昨年11月にも訪問しましたが,その際も相当な混雑でしたので,今回も賑わうことと期待しています。

 物産展には,高知県から6社が出展を予定しており,鰹のタタキの実演や,日本酒などの販売を行います。久礼の田中鮮魚店も出展する予定ですので,非常に美味しいタタキを現地で振舞うことができると思います。

 私からは以上です。

質疑応答

(記者)

 1022日に衆院選が行われ,高知県からは前回を上回る数の国会議員が選出されました。当選した議員に対して,市長がどのようなことを期待されるか,教えてください。

(市長)

 今回,小選挙区では,報道もされましたようにドラマがありました。もう一つの特色としては,比例区の四国の定数は6ですが,その定数6のうち,高知県選出の方4人の当選が決まりました。四国全体の有権者数は約330万人,高知県の有権者数は約62万人です。割合としては,高知県の有権者数は約2割しかありませんので,そう考えますと,四国の定数6の中で4人が入ったということは,非常にうれしく感じます。

 今回,様々な政党の方が,小選挙区,比例区含めて当選されました。無所属の広田さんも,無所属の会という新たな会派を作られる方向で行動されていますので,私どもといたしましては,与党,野党いろいろなところにチャンネルを持つことができます。立憲民主党を含めて,それぞれ,ベテランの方々が国会議員になられましたので,チャンネルが非常に広がったということで,高知県にとって良かったと思います。また,国会議員が2人増えましたので,良い結果だと思っています。

 今後,首班指名から始まり,いろいろな政治的な動きが活発になると思います。臨時国会,通常国会がどのような動きになるか分かりませんが,これからの動きを注視しながら,地域の活性化と社会保障の充実,そこを各政党に強く働きかけていきたいと考えています。

(記者)

 投票率に関してですが,今回も高いとは言えない投票率を記録しました。今後,投票率を上げていくために,市としてどのような対策が必要だとお考えでしょうか。

(市長)

 今回は,予想以上に期日前投票をされる方が多く,異例であったと思いますが,たかじょう庁舎やイオンの旭店の期日前投票所では,お待ちいただく時間が非常に長くなりました。一つは台風の影響があったと思いますし,もう一つ,政治的な関心も高かったと思います。

 事務的にはかなり繁忙になり,少し誘導ミスなども生じましたが,全体として,まずまず順調であったと思います。選挙当日,午前中は出足が良かったのですが,やはり台風の影響で,午後2時以降,投票に来られる方の足が止まりました。前回の衆院選の投票率は46.60%でした。今回はそれを上回りそうな勢いでしたが,結果的には0.23ポイント下回る46.37%となりました。しかし,大まかには前回並みと言えますので,台風の影響は受けたものの前回並みの投票率があったということは,市民の関心は高かったと考えています。

 18歳,19歳の投票率のデータはまだ細かく見ていませんが,18歳と19歳では少し傾向が違うようですので,そこを詳しく分析して,若い方々の投票率,そして全体の投票率の底上げを図っていかなければならないと思っています。

(選挙管理委員会事務局長)

 18歳,19歳の投票率の数字が出ましたので,ご説明させていただきます。

 18歳の投票率は43.41,19歳が23.46,合計で33.45%になっています。全体の投票率は,先ほど市長が申し上げましたように46.37%ですので,12ポイントあまり低くなっています。

 昨年の参院選では,18歳の投票率は35.51,19歳が25.23,合計で30.40%です。比較しますと,全体の投票率は3ポイントあまり上昇していますが,18歳が一定上昇している一方で19歳が下がったという特徴が出ています。

 なお,18歳を高校生相当とそれ以外で区分しますと,高校生相当は55.69,それ以外が26.83%となっており,高校生に当たる方の投票率がかなり高い傾向が出ています。昨年の参院選でも同様に,53.64%という数字が出ていますが,その方たちが今回19歳になると23.50%と,残念ながら1年経過すると非常に投票率が下がっているという結果が出ています。18歳,19歳のデータについては以上です。

(市長)

 今,18歳,19歳の投票率について数字が出ました。学校で投票に行くようにという啓発をしていますが,やはり,高校を卒業すると投票率が低くなるようですので,そこが一つの大きな課題だろうと考えます。若い方々が投票に行きやすい仕組みを,さらに作っていかなければならないと考えています。

(記者)

 今回,日本全体の衆院選の結果としては,与党の大勝ということになりました。この点について結果の受けとめをお願いします。

(市長)

 自民党の方々が各所でコメントを出していますが,自民党として非常に多くの支持をいただいたとは言われず,森友学園等含めて批判はあったということを言われています。自民党はほぼ横ばい,公明党は少し減らして立憲民主党が大幅に伸ばしたというのが,数字上の結果ということになっています。

 新しい政治的な動きを含めて,いろいろな会派が協議を始めたところですが,民進党が大きく分裂をしましたので,今後,野党の統一会派の枠組みといったところなど,注視していかなければならないという認識を持っています。

 これから平成30年度の予算編成が始まりますし,税制改正も始まります。地方財政へも影響する消費税の取り扱いがどうなるのかということもありますので,今後,野党の統一会派の枠組みや,これからの税制論議,また, 社会保障の削減の動きが当然出てきますので,当面は注視しながら,全国市長会として動いていきたいと考えています。

(記者)

 今回の選挙戦は,どのような国民の意思が表れたとお感じになっていますか。

(市長)

 難しい質問ですが,私自身が感じている国民の一番大きなニーズは,やはり社会保障を安定的なもの,充実したものにしてほしいということだと思います。もう一つ,経済対策もありますが,若い方,そして皆さんの中に漠然とした不安があるのも,やはり,これからの社会保障がどうなるのか,確定的に見えないためであり,そういう不安が日本全体を覆っているという認識を持っています。与党野党それぞれ票の動きがどういうふうにそこへ評価されて出たのかということは少し分からない部分もありますが,ニーズとしては社会保障の充実ということを強く望まれているという認識を持っています。

(記者)

 今の安倍政権の評価が,どのように表れた選挙だったとお考えになっていますか。

(市長)

 解散前後で議席数は同じですので,結果的に数字だけを見ると信任されたという認識になると思います。しかし,安倍総理に対する批判は強いものがありますし,それは自民党内部でも承知されています。今後の説明責任をしっかり果たしていかなければならないということを自民党自体も感じていますので,そのことは大事だと思います。

(記者)

 高知2区に関して,山本有二候補が小選挙区では敗れ,自民党が長年守ってきた小選挙区の議席を失うことになりました。この点について市長の受け止めはいかがでしょうか。

(市長)

 事前のさまざまな調査結果などで,いろいろと言われていましたが,結果がどうなるのか本当に予測がつきませんでした。実際の投票結果を見ると,思っていた以上に票が開いたという認識を持っています。1対1ということで,自民か反自民かという構図がはっきりしたということがありますが,2万票近く票が離れた要因についてはいろいろあると思います。一言では言えないですが,野党が統一候補にしたことの影響はかなり大きかったと思います。

(記者)

 希望の党の小池東京都知事が,大阪府の松井府知事,愛知県の大村県知事と,地方分権改革で連携する三都物語というものを発表されています。地方分権改革の動きを歓迎する声がある一方で,都会目線ではないかという批判的な見方もありますが,岡崎市長としてはどのようにご覧になっていますか。

(市長)

 希望の党は,今日も3時間くらい党議をしていたようですが,おそらく多くの課題を抱えていると思いますので,注視していく必要があると思います。いわゆる地域政党のような形で動き始めていますが,地域主体で関心を持っていただくこと自体は,良いことではないかと思っています。

 例えば,ヨーロッパなどでは,市長が地域政党を持っていたり,市長が国会議員を兼務していたりする制度もありますので,日本とは制度が違いますが,関心を持っていただくことは良いと思います。

 しかし,今は大都市が中心になっています。私どもは全国市長会で結集して動きますが,やはり対東京ではなく地方がないと,日本全体が成り立ちませんので,地域が主体ということを常に意識しながら,全国市長会の中で動いていきたいという認識を持っています。

(記者)

 今回の衆院選の投票率に関連してお伺いします。他都市では,商業施設や病院,駅といった場所に期日前投票所を設けている事例があります。新しく投票所を設ける場合には,システムの導入や,投票の事務従事者の人件費等,300400万円必要になる場所もあると聞いていますが,期日前投票をされる方が今後も増加することが予想される中,高知市として新しく, 商業施設や病院といった所に期日前投票所を増やすということについて,どのようにお考えですか。

(市長)

 全体のバランスが必要だと思います。期日前投票の場合,二重投票を防ぐためにシステムで消し込みをする必要があり,システムに係る経費が課題になりますが,今回の選挙の動きを見ても,期日前投票は増えていくと思いますので,投票率を上げる工夫,そして,若い方々の投票につながる仕組みというものも考えていく必要があると思います。

 ただし,今回は台風の影響もあって期日前投票が非常に多く,待ち時間が長くなりましたし,期日前投票をされた方の消し込み作業で著しく事務量が増えましたので,全体のバランスを考えながら進める必要があるのではないかと思います。後ほど選挙管理委員会事務局から補足説明をします。

(記者)

 バランスというのは徐々に増やしていくという意味ですか。

(市長)

 台風の影響は確かにありましたが,イオンの旭店などでは,投票するまでの待ち時間がかなり長くなりましたので,そういうことも含めて,円滑な投票とミスのない事務処理,そして期日前投票が多くなればなるほど増える選挙管理委員会での消し込み作業,その辺りのバランスという意味です。

(記者)

 例えば,松山市などは商業施設の運営者と協定を結び,突発的な選挙であっても,できるだけ期日前投票に協力していただいているという事例もあります。高知市として,投票率を上げるという意味で,商業施設等との連携や協約,協定を結ぶという流れについて,積極的に考えていくお考えはありますか。

(市長)

 さきほどの補足も含めて,選挙管理委員会事務局から説明します。

(選挙管理委員会事務局長)

 商業施設に設置してはどうかということですが,なかなかハードルが高いということと,事務従事者の不足等,いろいろな問題を抱えています。全体的なバランスを見ながら,可能な限り拡大をしていきたいとは思いますが,今すぐ取り組んでいける状況ではないと思います。

 また,協定の話が松山市の事例として出ましたが,今回は,昨年の参院選,一昨年の市長選で使用したイオンモール高知が使えなかった事情として,突発的な選挙ということがあります。先進事例があるということですので,それも研究して,今後の参考にさせていただきたいと思います。

(記者)

 新しく期日前投票の施設を増やすことには,予算が関係すると思いますが,それについて,市長としてのご意見はありますか。

(市長)

 基本的に,国政選挙は国で経費を持っていただくことになっていますので,市が単独で費用を負担する選挙は,市長選挙と市議会議員選挙ということになります。効率的に行うことが第一ですが,やはり,正確に,できるだけ円滑にということが基本です。

 今回のような突発の選挙の場合,苦労した点がいくつかありますが,一つは投票所の確保です。学校の体育館などはすでに行事予定が入っていたので投票所を振り替えなくてはいけませんでした。もう一つは人の確保です。期日前,そして選挙当日の従事者の確保が難しかったです。システムでカバー出来ればいいのですが,選挙の場合はどうしてもマンパワーが必要です。その辺りを,普段からどう準備しておくのかというところも課題として残ったと思っています。

(記者)

 今回の衆院選の投票率ですが,高知市として見ると,過去最低ということになりますでしょうか。

(市長)

 先ほど投票率を申し上げましたが,0.23ポイント下回っていますので,実質的にはほぼ横ばいですが,正確に言うと過去最低ということになります。

(記者)

 その点につきまして,先ほど,台風があったのでほぼ前回並みというご理解を示されましたが,事実上数値としては一番低くなっています。先ず,その数字の受け止めと,それを具体的にどう改善していくかというところをお聞かせください。

(市長)

 前回の参院選の時から,低投票率は大きな課題だという認識を持っています。昨年の参院選の投票率は全国で最低だったと記憶しています。

(選挙管理委員会事務局長)

 前回の参院選では,全国54.7%に対して高知県は45.52%と,都道府県レベルで47都道府県中最下位です。

(市長)

 その時から,これではいけないという思いを持っていますが,特に参院選では合区反対ということを強く訴えていますので,全国最低の投票率ではいけないということを強く感じました。

 今回の衆院選について,ランキングはよく承知していませんが,決して高いほうではないと思います。やはり,選挙の重要性について,子どもの頃から啓発していく取り組みを,さらに進めていかなければならないと思っています。高校だけではなく,小学校の時から,選挙はこういう仕組みになっていて,18歳になったら必ず選挙に行くようにと教えることが,非常に重要になると思います。

 また,若い方の投票率について,先ほど19歳から極端に落ちるという話がありました。そこをどう引き上げていくか,さらに工夫が必要ですので,選挙管理委員会と議論をしていきたいと思います。

(記者)

 今回の選挙結果を見ると,いわゆる改憲勢力が7割を超える結果になりました。以前,国民の理解が深まらなければいけないということで,2020年の施行は無理だという見解を示されていたと思います。今回の選挙結果をどう見られているのか,国民の理解が深まって,こういう結果になったのか,それとも違う要因だったのか,今後の改憲スケジュールで2020年施行ということが前面に出てくると思いますが,どのように見ていかれるのか教えてください。

(市長)

 与党内部でもいろいろと意見が違いますし,2020年の改憲は無理ではないかという意見は与党の中でもあります。憲法改正の発議には,衆議院,参議院ともに3分の2以上の賛成が必要です。参議院では,まだ改憲勢力は3分の2に達してなかったように思いますので,次の参院選が重要になると考えています。

 条件的にいうと,衆・参両院で3分の2以上の賛成がないと発議できません。与党内も意見が割れていますし,国民投票はヨーロッパで行った事例がありますが,国民投票で失敗したら,その時の首相などは全部退陣していますので,ある意味進退をかけることになります。2020年の改憲というのは,私は無理だと思っています。与党の中でも公明党の意見は,どちらかといえば憲法9条は変えないという意見が強く,与党内部でもまとまるまでに時間がかかると思いますし,3分の2以上となれば,与党以外の勢力とも連携するということになるかと思いますので,とてもじゃないですが,無理だという認識を持っています。

(記者)

 改憲の議論が進んでいくと思いますが,3分の2を超えているからやるというのは拙速すぎるという思いをお持ちですか。

(市長)

 はい。憲法改正は非常に重要な事柄ですので,改正の手続きも全て決まっていますし,国会における衆議院,参議院両方に憲法審査会を設けて議論を随分しています。各政党から意見を聴取して,最後どういう案にまとめていくか,意見集約をしようとしていますが,まだまだ発議までには時間がかかると思います。

 それからもう1点,憲法改正の国民投票は,1条1項ずつ,その項目ごとに投票することになり,1回で全て投票するものではありません。そこも技術的に非常に難しい課題ですので,まだ時間がかかると思います。

(記者)

 高知県にとって,農林水産業というのは非常に大きな位置を占めていると思います。前農林水産大臣が,選挙区での落選ということになりましたが,これは何を表しているとお考えですか。

(市長)

 選挙結果に直接結びつけるものではありませんが,一つには,農林水産大臣就任中のTPPを巡る一連のご発言だと思います。国の動きには,農家の方々もある意味非常に敏感でしたので,その発言をよく覚えています。それが一定の投票行動につながった可能性はありますが,有権者一人一人のお考えまでは分かりません。

(記者)

 結果の票差には驚きましたか。

(市長)

 はい。あれほどの差がつくとは,考えていませんでした。

(記者)

 先の9月議会で,市長に対する警告決議が議会から提出されました。1419で否決にはなりましたが,14という数には重みがあると思います。先ず,警告決議が出されたという事実に対しての受け止めを教えてください。

(市長)

 議会と執行部とは,信義に基づいて,それぞれ議決をお願いしたり,それに伴う採決を行ったりするわけですので,やはり,財産関係の規則の改正について,説明が抜かったということが非常に大きな反省点です。そういう意味で,否決にはなりましたが,警告決議の重さを認識し,十分に反省しなければならないと考えています。基本的には議会で約束したことですので,そこは反省すべきところが多くあるという認識を持っています。

(記者)

 議会答弁に反して説明がなかったというのが,警告決議の直接のきっかけだと思いますが,議員から話をお聞きすると,根底には西敷地の公募型プロポーザルの進め方,情報を出さないということや50年の借地権といったことに対する否定的な見方があるように思います。実際,警告決議の後に,延期を求める陳情の採決があり,1票差というシビアな結果でした。それだけ,議会の中にも西敷地の進め方に対して,もう少しブレーキをかけた方が良いという考え方があるように思いますが,いかがでしょうか。

(市長)

 西敷地につきましては,検討委員会でアンケートを取り,アンケート結果で上位の4項目を中心に方針を立てています。プロポーザル方式で事業決定することについて,賛否両論あるということは承知していますが,民間からの,地域活性化に向けたさまざまなアイデアを頂きたいということで,プロポーザルを募集することになっています。頂いたプロポーザルは,第三者委員会のような形で評価をして,第一順位の交渉権者を決めましたら,議会にそのことを報告するとともに意見をいただくという流れになっています。

 一旦立ち止まって,白紙に戻したらどうかというご意見もありましたが,市民のアンケートも取りながら進めていますので,順次手続きを踏みながら,次のステップへ進もうとしているところですので,その方向で進んで行きたいと思っています。

(記者)

 やめる,延期するということは,もうないということですか。

(市長)

 今の段階では,ありません。

(記者)

 もう1点,プロポーザルの審査をした結果,基準点に満たなかった場合,決定しないことになっていたと思いますが,満足のいく提案がなかったという場合は,再度プロポーザルをやるのか,あるいは,一旦立ち止まって考える余地があるのか,いかがでしょうか。

(市長)

 制度的な部分は,商工観光部長から説明します。

(商工観光部長)

 プロポーザルの審査を行った時に,基準点を満たさなかった場合,そのプロポーザル自体はなくなります。その後,もう一度やるのか,もしくは一旦立ち止まるのかというところは,行政の中で検討して方向性を決めていくことになります。

(記者)

 そうしますと,今後,市議会,あるいは市民の中でも反対の声が広がってくる可能性も考えられます。そうなった場合に,市長として,今回の提案は基準に満たなかったので一旦広場にします,といった決断をされる余地がありますか。

(市長)

 これから審査が始まるところですので,今の段階でそういうことは全く考えていませんが,審査した結果,全ての提案が基準のラインを下回った場合,その時点で議会と相談して決めるということにしたいと思っています。今はまだその段階ではありませんので,審査の状況を見守るということになると考えます。

(記者)

 それでは,議会と相談するということですね。

(市長)

 もし,出てきた案が全て基準のラインを下回った場合には,次のステップをどうするかということを,議会と相談します。

(記者)

 今,意向受付が終了して本公募に入っている段階だと思いますが,受付は4件ということで良かったでしょうか。また,今朝の高知新聞の投書に,図書館の建物のボリュームというものが,市民にもじわじわと実感が湧いてきた今,西敷地をどう使うか考えるべきだというような意見が出ていました。3月まで蓋をしたまま何も出さないという,途中のやり方は変わりませんか。

(市長)

 件数からお答えします。

(商工観光部長)

 参加意向申し出の申請があった件数につきましては,4件です。

(市長)

 これは,参加意向の申し出であって,まだ具体的な案が出てきている段階ではありません。具体的な提案の締め切り日を,部長からお伝えします。

(商工観光部長)

 事業提案申請の受付が,1030日月曜日から128日金曜日までになっています。

(市長)

 そこが具体的な事業の提案になりますので,そこで出てきたものを第三者審査委員会で審査するということになります。今朝の投書も読みましたが,今の段階で,全て白紙撤回してやめるということは考えていません。

(記者)

 途中の説明や,情報の出し方についても変わりませんか。

(市長)

 審査期間中は情報を出せませんので,一定のある段階で,議会に報告するということにしています。

(記者)

 今までと変わらないということですか。

(市長)

 はい。

(記者)

 今日の午前中に, 増田寛也元総務大臣らの研究会が,所有者不明の土地が2040年に全国で約720万ヘクタールに達するという推計を発表しました。この発表によると,経済的損失は2017年から40年の間に約6兆円に上るとされ,国や地方の財政にとって大きな損失となるとされていますが,市長としての受け止めと,これについて,国などに求める対策はどういったものがありますか。

(市長)

 所有者がはっきりしない土地,特に山林で,全国的にいろいろな事件が起こっています。山林は所有者もあまり行きませんので,何十年振りに行ったら全部木が切られていたというような, 他人の森林を勝手に切ってしまう盗伐があちこちで起こるようになってきました。所有者がはっきりしていなかったり,所有者はわかっていても勝手に切っていかれたり,そういう事件が発生しています。

 それからもう一つ,本市も含めて空き家が非常に多くなっています。空き家がどのくらいあるのか,実態調査はしましたので,特定空き家など,これから順次手続きを踏んでいきたいと思います。

 相続人がどうしても不明の場合や相続をしない場合などがありますが,所有者不明の土地や建物は,非常に大きな損失になると思います。特に高知では中山間地域が多く,例えば,ユズの畑で後継者がいない場合,ユズが勝手になって勝手に落ちていますので,非常にもったいない状況になっています。高知ではクリも昔の方が多く植えていますので,今たくさん実っていますが,取る人がいないために下へ落ちて,結果的にイノシシが食べています。経済的に大変もったいないことですので,一定何らかの仕組みを構築していかなければならないという思いはあります。

 農林水産部を中心に,例えば農地台帳や森林台帳といった台帳を整備し,GPS対応でデータ化していけば,一定は防げると思いますが,全国的にそこまで追いついていませんので,今後はそういったことが進んでいくと思います。

(記者)

 衆院選の話に戻りますが,先ほど,県関係の国会議員が増えてチャンネルが広がったということを言われていたと思います。今回は野党の方が増えたことになりますが,具体的にそのチャンネルが増えたことで,どのような部分に期待するのか,お伺いします。

(市長)

 野党だけではなく,山本有二さんは,ご承知のとおり道路政調会長をされていましたので,社会資本整備に強い方です。比例区で当選されましたので,道路整備等,お頼みする点があると思います。

 また,社会保障については,診療報酬の2%以上の引き下げや,介護報酬の引き下げといった案が出ています。財務省が経済財政諮問会議に,社会保障の経費を抑えなければいけないということを言わせて,財務省がそれを元にして切るという構図ですが,平成30年度は,医療と介護の報酬が同時改定されます。財務省は両方下げる方向で動くと思いますので,全国で一番医療機関とベッド数の多い本市には影響が大きいです。2%下げでも病院はかなり厳しいですし,介護施設も何%かまだ分かりませんが下げる方向で動きますので,今人手が足りない上に,さらに離職して大変になります。それにどう歯止めをかけていくかが課題になりますが,与党内では,石田先生が公明党の政調会長として,自民党の案に対して,そこまで下げてはいけないということをかなり言われてきています。そういうチャンネルも含めて, 野党も与党も,いろいろなチャンネルが増えるということは,市にとって良いことだと考えています。

(記者)

 衆院選の結果について,今回,広田さんという無所属の候補の方が当選されました。会派は,今日作られたようですが,どうしても政党政治ということになってくると思います。その中で,広田さんという無所属の議員に期待する部分や,今後求める部分があれば教えてください。 

(市長)

 国会のルールとして,一人会派では国会の中で質問できないことになっています。無所属の会は,今日の段階では10人と報道されていますが,もう少し増えると思います。その無所属の会という会派に所属されますが,ベテランの議員の方もその中に多くおられますので,そこを注視していきたいと思っています。無所属の会は,政党交付金が下りる基準になる1月1日までに結成届けが出されると思いますが,この後見ていく必要があるのは,院内統一会派です。会派は別々で同じ行動をする院内統一会派をどこと組むかということに,ある意味注視していかなければならないと考えています。

(記者)

 診療報酬について,市長としては,明確に引き下げに反対ということでよろしいですか。

(市長)

 難しいところではあります。薬価については,非常に高価な薬がありますので,薬価基準が下がるのはやむを得ない部分もあると思います。しかし,診療報酬は,医師の技術料が下がってしまいますので,そうすると,どこにしわ寄せがくるか分かりません。診療報酬は非常に項目が多くありますので,点数の振り付け方によりますが,例えば2%下げる場合に,大病院に大きく影響する場合と,小さな診療所に影響する場合があります。診療報酬の改定の際にどこにしわ寄せがくるか,それは毎回違います。ですから,技術料を下げるのは,あまり賛成出来ません。国民健康保険とのバランスはありますが,医師確保の問題もありますので,技術料を下げることには賛成しません。

 もう一つ,介護についても,高知県内に介護の従事者は非常に多く,一つの産業につながっています。介護報酬も下げすぎると,離職が始まりますので,そこはあまり下げないほうが良いと思います。どこまで抑制基調で動くかというところは,注視していかなければならないと思っています。

(記者)

 今の財務省の流れには否定的ということですか。

(市長)

 はい。それには反論していきます。

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