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市長から職員の皆さんへ(令和5年 年頭あいさつ)

  市民の皆様、職員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 卯(う)年の令和5年となりました。この年末年始は、天候が比較的穏やかな日が続くなかで、保健所や環境部、消防署所などの部署によっては勤務の方もおられたかと思います。年末年始の業務、本当にご苦労様でした。

 コロナ禍において迎えるお正月も3回目となり、普段から申し上げている「基本的な感染防止対策」を継続していただきながら、年末年始を過ごしていただいたものと思います。

 一刻も早いコロナ禍の収束を心から願い、昨年から実施している保育料や給食費、水道料金の減免などの物価高騰対策を進めながら、感染症の拡大防止と地域経済の再生の両立を図り、市民の皆様の生活を支えていくために、職員の皆さんと力を合わせ、まい進してまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。

 それでは、2023(令和5)年の主な行政課題への対応について、順次申し上げます。

 

あんしんのまちづくり 

 まず,「あんしんのまちづくり」について申し上げます。

 大規模災害が発生した場合、避難所運営や救助救出の活動、インフラ復旧などの応急・復旧対策はもちろんですが、「被災後のまちを再建する復興対策」が必要となります。

 東日本大震災では、発災後の「復興計画の策定」に時間を要したために、復興が長期化した自治体もあり、仮に復興の期間が遅れますと、住民の皆様や事業者が再建を諦めて、まちを離れ、人々が離散し、まちの活力は失われ、まちの存続自体が危ぶまれます。

 このため、被災前から復興計画案を策定し、地域住民の皆様との合意形成を事前に図りながら、「事前復興まちづくり計画」として取りまとめておくことが極めて重要であり、本市では、昨年5月からプロジェクトチームを立ち上げ、組織体制などについて協議しており、令和5年度から本格的に計画策定の取組を進めてまいります。

 併せて、南海トラフ地震への備えとして、平成18年度から事業を開始し、総額約120億円の事業費を投じた本市屈指の大型事業である、水道の「送水幹線二重化事業」が、昨年5月に、全ての工事が完成し、8月には新旧2ルートの送水幹線による運用を開始しています。

 本事業の完成によりまして、市内約20万人の暮らしを支える大動脈の送水幹線が二系統化され、非常時のバックアップ機能を確保することができました。

 さらなる備えとして、南海トラフ地震発生時には、津波浸水や長期浸水のため、長期間に渡り庁舎機能の喪失が想定される上下水道局本庁舎については、その移転に向けて令和3年12月から着手しており、今年の2月末の完成を経て、今年4月からの新庁舎の開庁を目指します。

 上下水道局には、市民生活に欠かすことができない重要なライフラインを担う事業者として、発災直後から応急給水・応急復旧に対応できる「災害対応拠点となる庁舎」の確保が求められておりますので、本庁舎を針木浄水場の北側へ移転し、災害リスクの軽減と、発災時の初動対応力の確保を図ります。

 

あんぜんのまちづくり 

 次に,「あんぜんのまちづくり」について申し上げます。

 公共交通の確保・維持のため、今後10年の交通施策全般を示すマスタープラン「高知市交通基本計画」と、路面電車・路線バスなど公共交通の5年間の実施事業を登載したアクションプランである「高知市地域公共交通計画」を昨年3月に策定し、公共交通が抱える利用者の減少や運転手の不足、設備の維持管理費等の多くの課題に向き合い、将来に渡り持続可能な公共交通体系のあり方を検討するとともに、両計画に基づく取組をスタートさせています。

 市内の公共交通網を維持するための取組の一つとして、幹線は路線バス交通が担い、周辺エリアは「乗合タクシー」が担う乗り換え型の交通、いわゆる高知市型「コミュニティ交通」の構築を順次進めています。

 「コミュニティ交通」の取組の第一歩として、昨年10月から、春野地域のデマンド型乗合タクシーについては、ご自宅の近くやバス停、量販店などで乗り降りできる「エリア型運行」にリニューアルし、地域内交通の利便性向上を図っておりますので、交流の活性化等につながることを期待しています。

 さらに、昨年度に好評いただいた「運賃無料デー」に引き続き、今月末までの日曜・祝日に、市内を運行する路面電車・路線バス・デマンド型乗合タクシーの全線をICカード「ですか」の利用であれば10円で、現金支払いであれば100円でご利用いただける「日祝電車・バス等ワンコインデー」を実施しています。

 「ワンコインデー」の運用に先立ち、ICカード「ですか」の無料配布キャンペーンを実施し、9月から2か月余りで、申込みが予定枚数の2万枚に達しましたので、公共交通に対する市民の皆様の潜在的なニーズの高さを実感しています。

 「ワンコインデー」の期間中に、公共交通をご利用いただき、中心商店街やプレオープンした桂浜など様々な場所を訪れていただくとともに、キャンペーン終了後も多くの市民の皆様に継続してご利用いただくことを期待しており、みんなで利用して持続可能な公共交通にしていきたいと考えますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

 また、公園整備では、高知城の丸ノ内緑地の整備を進めており、今年3月の完成を目指し、整備の最終段階にさしかかっています。

 今回のリニューアル工事では、施設の老朽化のほか、樹木も繁茂している状態でしたので、安全面や防犯面にも配慮し、「芝生広場」を中央に配置し、四阿(あずまや)や多くのベンチを緑地内に配置するなど、市民の皆様や高知城を訪れる方々の憩いの場として、さらにはイベントスペースとしても活用できるようにしております。

 近隣の藤並公園におきましても、まちなかの公園として、木陰を確保するとともに、キッチンカーなどが出店できるオープンスペースの整備など、中心市街地の賑わいの創出や回遊性の向上が図れるよう、令和5年度末の完成を目指し、整備を進めてまいります。

 

すこやかなまちづくり

 次に、「すこやかなまちづくり」について申し上げます。

 昨年4月に、北部地域塩田町の保健福祉センター1階に開設した子育て支援拠点施設「こもれびテラス」は、妊娠、出産、就園、就学に至るまでの子育て期の不安や悩みを相談できる施設となっており、愛称の由来である木々の間から日差しが優しく差し込むテラスや、全面ガラス張りの開放的なプレイルーム、乳児のお子さんがハイハイできる畳コーナーなどが人気で、多くの親子の方々にご利用いただいています。​

 オープンから半年間で、約3千5百人の子育て中の親子の方々が、相互交流や子育て相談等でご利用されるとともに、妊婦さんには、母子保健コーディネーターが相談支援のために寄り添い、妊娠届出の受付や母子健康手帳の交付等を行っており、妊娠早期から出産・子育て期における身近な場所での相談支援の拠点として、地域に広く認知されてきています。

 今後も「こもれびテラス」をはじめ、様々な場面で、「妊娠中から子育て期」にかけて、切れ目のない支援を行うとともに、地域で交流・相談・情報提供が受けられる場を提供することで、子育て家庭が孤立しないようにしながら、子育てについての不安感や負担感が解消できるように丁寧に取り組んでまいります。

 

にぎわいのまちづくり

 次に、「にぎわいのまちづくり」について申し上げます。

 昨年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2年連続中止となっていた「よさこい祭りと高知市納涼花火大会」を、3年ぶりに開催することができました。

 よさこい祭りは特別演舞という形ではありましたが、県内外あわせて96チーム、約6千6百人の踊り子にご参加をいただき、本場高知のよさこいを盛り上げていただきました。

 もし、3年連続中止となっていれば、よさこい関連産業の事業継承が危ぶまれるほか、参加チームや会場運営の継承等も難しくなりますので、特別演舞を開催できたことは意義深いものとなりました。

 いよいよ今年は、第70回記念大会のよさこい祭りとなります。

 安全・安心な開催を基本として、すべての競演場・演舞場を会場とした通常開催を目指し、よさこい祭振興会や高知県など関係機関と連携して的確に準備を進め、本場高知のよさこい祭りを全国に発信していくための企画も検討してまいります。

 また、本年4月からは、NHK連続テレビ小説「らんまん」の放送が始まります。放送開始にあわせて、3月25日から開催される観光博覧会「牧野博士の新休日~らんまんの舞台・高知~」に向けて、草花をテーマにした観光地づくりや県外へのPRなどの準備が、現在進められています。

 本市では、博覧会のメインエリアである牧野植物園や、インフォメーション機能を担う桂浜公園など、博覧会における重要な拠点がありますので、多くのお客様を呼び込み、県内の周遊につなげるハブ的機能を果たすとともに、観光客の満足度の向上を図る必要があります。

 桂浜では今年度から指定管理者による運営がスタートし、昨年10月に約40年ぶりの商業施設のリニューアルを終え、プレオープンした桂浜公園は、昨年秋以降のお客様の入場数が、コロナ以前の令和元年の約1.2倍になっており、非常に好評です。

 今年3月にはグランドオープンを迎える桂浜公園では、桂浜の自然を体感できる新たな展望スポットや椿の小径などの散策路の整備に取り組むほか、草花を用いたオブジェや装飾により観光客を歓迎し、博覧会を盛り上げてまいります。

 また、今回、提案事業の採択にはならなかったオーテピア西敷地の利活用方針につきましては、市民の皆様や市議会の皆様、中心商店街の関係者の皆様などのご意見を十分に踏まえて、一定の時間をかけて検討しなければならないと考えておりますので、その間の暫定利用については、予算査定の場で論議してまいります。

 

共につくるまちづくり

 次に、「共につくるまちづくり」について申し上げます。

 昨年11月には、買い物ついでにマイナンバーカードの申請をしていただける窓口として、「イオンモール高知」に常設の「マイナンバーカード特設窓口」を開設しており、今年2月まで運用を続け、マイナポイントの申込サポートも行っていますので、ぜひご利用いただきたいと思います。

 さらに、マイナンバーカードへの関心や普及を促進する取組として、マイナンバーカードをお持ちの高知市民の方を対象として、最大2万人に1万円の商品券が当たる本市独自のキャンペーンを実施中ですので、ご応募いただきたいと思います。

 マイナンバーカードを利用したサービスも増えてきており、昨年3月からは、マイナンバーカードを利用した住民票及び印鑑登録証明書をコンビニなどで交付するサービスを開始し、利用件数も増加傾向にあります。

 今年2月からは、スマートフォンなどから、転出などの手続きができる「引越しワンストップサービス」が始まる予定であり、マイナンバーカードで本人認証を行うことで、住民票の転出手続き時の来庁が不要となります。

 また、「誰もが安心して、いきいきと自分らしく暮らせる支え合いのあるまち」を基本理念に、「高知市型共生社会」の実現に向けた取組を精力的に進めてまいります。

 令和元年度からモデル地区で実施してきた「ほおっちょけん相談窓口」については、昨年は市内全域104か所にまで広がっています。

 「ほおっちょけん相談窓口」は、誰でも、どんなことでも相談できる窓口として、市内の薬局や社会福祉法人にご協力いただき設置しており、特に高齢者の皆様からの相談が多く寄せられています。

 各地域では、「ほおっちょけん相談窓口」の設置をきっかけとして、住民や団体、企業など、多様な主体の方々が集まり、相談内容を分析し、解決方法について話し合いが行われています。

 昨年の「高知市型共生社会」をテーマに実施した「市長と語ろう会」でも、各地域の様子が見受けられ、地域ごとに「わがまちならでは」の住民主体の活動が進んでいることを実感し、今後も、地域の活動を全力で支援してまいります。

 多様な主体の皆様と連携・協働して、息の長い取組が必要となりますので、職員の皆さんも協働して取り組んでいただきますようにお願いいたします。

 

新たな年を迎えて

 最後になりますが、予算編成について申し上げます。

 16か月予算となる国の大型経済対策などの情報も的確に把握するとともに、大変厳しい状況にある財政状況を踏まえながら、令和4年度補正予算及び令和5年度当初予算の編成作業につきまして、今月から本格的な議論を行うことになります。

 令和5年度当初予算の編成方針では、「新型コロナウイルス対策、高知市型共生社会の実現、南海トラフ地震対策、人口減少対策」をはじめとする、重要な課題を予算編成の柱として位置づけていますので、様々な課題に向き合う予算を編成してまいります。

 職員の皆さんには、職場でチームワークをしっかりと組んでいただき、市民の皆様の思いに寄り添い、一丸となって市政を進めていただきますことをお願いいたします。

 今年一年が市民の皆様、職員の皆さんにとって、様々な可能性が広がる良き年であることを、そして、幸せ多き「らんまんな年」になりますことを心からご祈念申し上げ、年頭にあたってのご挨拶といたします。

 今年もどうかよろしくお願いいたします。

令和5年1月4日        
市長サイン