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市長から職員の皆さんへ(令和2年 年頭あいさつ)

 市民の皆様、職員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 令和2年となりました今年の年末年始は比較的穏やかな日が続きましたが、部署によっては勤務の方もいたかと思います。新年早々の業務ご苦労様でした。

 新しい時代の令和も2年目を迎えますので、新たな思いで市民の皆様の幸せのために力を合わせて邁進していきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 さて、昨年は、「高知市制施行130周年」という節目の年にあたりまして、待望の高知市役所新庁舎が完成いたしました。先月28日には、浜田省司高知県知事をはじめ、県選出の国会議員の皆様、県下の市町村長の方々、桑名県議会議長をはじめとする県議会議員の皆様、田鍋市議会議長をはじめとします市議会議員の皆様、各市民団体の皆様方など、大勢の方々にご参加いただき、盛大に落成式典を開催することができました。

 同日午後からは、新庁舎のお披露目会として一般公開を行い、約2千人の皆さんが見学に訪れ、新庁舎の完成に対するお祝いの言葉などをいただき、新庁舎への期待の大きさを強く感じたところです。

 各分野からの市民の皆様のご期待にしっかりと応(こた)えていくことができますように、市民サービスの一層の向上に向けて、丁寧な対応を心がけるようにお願いいたします。

 この市役所新庁舎の完成につきましては、市民の皆様や、市議会をはじめとします関係機関の皆様方の、ご協力とご支援によるものであり、改めて深く感謝を申し上げます。

 いよいよ新庁舎への本格的な移転作業が今週から始まりますが、市民の皆様が利用しやすい新庁舎として、より質の高い市民サービスの実現に向けて、職員の皆さんとともに、全力で取り組んでいく決意を新たにしております。

 

 昨年11月に実施されました市長選挙では、新たなまちづくりに取り組むため、高知市の将来像として「躍動感みなぎる幸せ実感都市・高知」の実現をテーマに掲げ、今後4年間で「あんしん」、「あんぜん」、「すこやか」、「にぎわい」、「共につくる」という5つの基本政策に基づく36の施策と、111の事業に取り組むことを市民の皆様にお約束しております。

 令和2年度の予算編成における査定での活発な議論を踏まえて、それぞれの施策に取り組んでまいりますので、重要施策について順次申し上げます。

あんしんの高知市

 まず、基本政策の1点目の「あんしんの高知市」について申し上げます。

 南海トラフ地震等の災害対策の総仕上げに向けて、「生命を守り」、「守った生命をつなぎ」、被災しても「迅速に復旧する」ことが特に重要になります。

 津波を防ぐための、浦戸湾の三重防護対策については、国の補正予算措置もあり、国や県と連携して順調に事業が進んでおりますので、令和13年度の完成を目指し、国に対し積極的に働きかけてまいります。

 三重防護が完成しますと、レベル2の津波でも避難できる時間を一定確保することができますので、住宅の耐震化の促進や、緊急輸送道路の沿道における建築物の耐震化を推進するとともに、老朽住宅の除却や倒壊の危険性が高いブロック塀等の安全対策を促進し、住民の皆様方の避難路を確保します。

 また、高齢者や障がい者など、避難時に配慮を要する方々の避難支援対策を急ぐとともに、避難所のトイレ等の環境対策を推進し、国等にも避難所の環境整備の提言を行い、保健活動を充実させていくなど、災害関連死ゼロを目指す対策に全力で取り組みます。

 さらに、万が一被災した場合、まち全体を速やかに復興できることが重要ですので、復興計画の事前策定に向けた検討を進めます。

あんぜんの高知市

 次に、2点目の「あんぜんな高知市」では、まちのインフラ整備やバリアフリー化を積極的に進め、暮らしの利便性と快適性を重視したまちづくりを進めます。

 まず、旭駅周辺の土地区画整理事業については、電車通りから南側の下島地区において、昨年9月に全体工事が概成したことから、新しい住宅が早々に建設されるなど、新しい町並みが形成されてきています。

 JR旭駅東側の中須賀地区では、昨年9月から、エリア東側の一部から移転交渉に着手しましたので、本年3月から本格的な工事に着手するとともに、下島町に都市再生住宅56戸の第2号棟を本年12月末の完成を目指し建設中です。

 市営住宅の再編では、老朽住宅の建て替えや小規模団地の集約化に取り組み、空き家対策として生活環境の保全や空き家の有効活用を進めます。

 人口減少や高齢化の進展に伴い、住宅や福祉・医療などの機能を集約させたコンパクトなまちづくりを目指すためには、持続可能な公共交通のネットワークをまちづくりと連動させていく必要があり、バス路線を維持することが困難な中山間や周辺部のエリアでは、デマンド型乗合タクシーを導入するなど、公共交通体系の改善とその維持に取り組んでまいります。

 今後も、鉄道、路面電車、路線バス、そして乗合タクシーの連携等によって利用しやすい公共交通網の形成を図り、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進めてまいります。

 防災面では、市民の皆様の「生命、身体及び財産」をあらゆる災害から守るため、北消防署、中央消防署など拠点となる消防署を順次完成させたことに引き続いて、地域における消防分団の屯所を計画的に整備します。

 本年は、横浜分団屯所の移転建設工事を行い、大規模災害等に対する防災・減災体制の強化を推進します。

すこやかな高知市

 次に、3点目の「すこやかな高知市」では、「子育てへの安心と安全」を中心に、子育て支援の拠点づくりを進め、子育て・教育における環境整備を推進するとともに、高齢者や障がい者の方々の相談受入れの窓口を拡充し、支援体制を強化してまいります。

 昨年11月には、市内で2か所目となる子育て世代包括支援センターを西部地域の地域子育て支援センターに併設して開設しました。今年は、東部地域における整備を進め、関係機関や地域と連携した切れ目のない支援体制となる高知市版ネウボラを推進します。

 さらに、厳しい環境にある子どもたちへの貧困対策等の充実や、保育所、幼稚園、小学校及び地域との連携による子どもの将来を見据えた保幼小の連携を強化します。

 また、新たに、子ども・子育て支援施策として、中学校卒業までの子どもさんを対象に、インフルエンザ予防接種にかかる費用の一部助成を実施し、保健衛生の向上と、子育て家庭の経済的な負担の軽減に取り組みます。

 学校教育の充実では、ここ近年増えております不登校児童生徒の支援対策として、教育支援センターにスクールカウンセラーを配置し、専門的な心理的支援を必要とする児童生徒等への対応や、教育相談機能の充実を図ります。

 また、新しい学習指導要領に対応した学力向上のアクティブ・プランを積極的に推進するとともに、地域や関係機関と連携した、不登校への支援をはじめとする、子どもを見守り、育成する体制を構築します。

 高齢者の方々への支援では、「いきいき・かみかみ・しゃきしゃき百歳体操」の実施等による介護予防事業と保健事業を一体的に進め、加齢に伴う身体的な能力低下等による、いわゆる虚弱高齢者の方が要介護状態に陥らないようにするフレイル対策を充実強化いたします。

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります2025年に向けて、高齢者の方々が住み慣れた地域で、できる限り、希望する生活を送ることができる地域包括ケアシステムの構築をさらに進めます。

障がいのある方々への支援では、基幹相談支援センターを中心とした相談や支援を充実するとともに、生活支援相談センターを拠点とした生活困窮者の方々への支援を強化してまいります。

にぎわいの高知市

 4点目の「にぎわいの高知市」では、中心市街地の活性化に寄与する新図書館西敷地の利活用事業や、はりまや橋周辺の活性化策等の検討を進めてまいります。

 西敷地利活用事業につきましては、昨年2月に事業者の再公募の方針を決定したことから、事業の目的等をご理解いただくことや、事業に対するご意見やご提案を今後の事業実施の参考とさせていただくことを目的として、各種団体の皆様との意見交換会やアンケート調査等を実施いたしました。

 今後は皆様方からいただきました多くのご意見やご提案も踏まえ、事業者の再公募の実施に向けた具体的な準備を進め、高知市中心市街地活性化基本計画第二期計画の最終年度となります令和4年度末には事業を実現してまいりたいと考えております。

 産業振興では、市内製造業等の操業環境の整備と企業誘致に向けまして、(仮称)高知布師田団地の早期完成を目指すとともに、新たな産業団地の整備検討を進め、観光振興では、自然景観と歴史資源を活かした桂浜公園の再整備を早急に進めます。

 また、さらなる宿泊者数の増加につながる新たな夜の観光資源を掘り起こし、各市町村と連携した自然体験型周遊ルート商品の造成を行うなど、広域観光を推進します。

 農林漁業の振興では、新たに策定する「第13次高知市農業基本計画」等に基づく福祉分野と連携した農福・水福連携等による担い手の育成に取り組み、イタドリなどの地域特性の強みを活かした農業を支援するとともに、森林環境譲与税を活用した森林整備を進める林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を推進します。

共につくる高知市

 最後に、5点目として「共につくる高知市」について申し上げます。

 団塊の世代の方々が後期高齢者となります2025年や、すべての分野で担い手が減少する2040年を見据え、「高知市型共生社会」をつくっていく必要があります。

 このためには、地域のコミュニティや防災対策、福祉を支えるリーダー養成をさらに進めてまいります。

 また、行政と民間・地域が一体となり、きめ細やかな支援サービスを構築するため、本年度から各地域における高齢者や子育て、障がいのある方々などに対する、各地域におけるそれぞれの支援サービスを、スマートフォンなどから一目で確認できる、地域情報を網羅した、全国初のシステムの構築に取り組んでおり、来月2月頃からの情報提供サービス開始に向け、準備を着実に進めてまいります。

 また、地域活動の拠点整備として、総合あんしんセンター内に「高知市社会福祉協議会」や「高知市生活支援相談センター」等を配置して、地域活動に関する情報の提供・相談・研修などを充実させるとともに、老朽化が進む木村会館を旭地区のコミュニティセンターとして整備し、機能の充実を図ってまいります。

 昨年11月5日には、地域の薬局や社会福祉法人のご協力をいただき、市内5つのモデル地区において、26か所の地域相談窓口を開設しました。

 この相談窓口は、地域で生活上の課題を抱える人の困りごとをいったん受け止めて、深刻化する前に、適切な支援につないでいく取組であり、市民の皆様に親しみを持っていただきたいとの思いを込めまして、名称を「ほおっちょけん窓口」としております。

 今後、この相談窓口に集まる「地域の困りごと」の内容を分析し、明らかになった地域課題を関係者の皆様と共有しながら、地域が主体的に課題解決に取り組んでいく仕組みづくりを広げていきます。

 また、ごみ出しが困難な方を支援する「ふれあい収集」を、平成30年10月に長浜、御畳瀬、浦戸の3地区で試行的に開始し、現在10地区において実施していますが、この試行実施を踏まえ、今年は対象地域を市内全域に広げていく予定としております。

 なお、これまでに高知市政で培ってきた地域コミュニティ活動を大切にしながら、さらなるまちづくりを力強く進めていくため、市民主導による地域活動に対して、市税の1パーセントを還元・活用できる仕組みを、令和3年度からの実施に向けて構築してまいります。

 これらの施策により、地域と一層の連携を図りながら、人と人が寄り添い、生涯を支え合って楽しく過ごすことが可能な共生社会を作り上げてまいります。

新たな年を迎えて

 最後になりますが、平成から令和に入り、新しい時代に向けて、市民の皆様の声をしっかりふまえたうえで、新たな政策を作り上げていくことが重要となります。

 地方創生への具体的な課題や南海トラフ地震対策など、今年も取り組むべき多くの課題があり、本市だけでは解決できないこともありますので、浜田省司新知事※をはじめとする、高知県とのさらなる連携を進めるとともに、国からの支援策を積極的に活用し、今年一年、全力で市政に向き合ってまいりますので、職員の皆さんには、市民の皆様方の思いにしっかり寄り添っていただき、ともに市政を進めていただきますことを心からお願いいたします。

 今年一年が職員の皆さんにとって、発展する良き年でありますことを、そして市民の皆様方がこの一年幸せ多き年になりますことを心からご祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

 今年もどうかよろしくお願いいたします。

 

 

※高知県知事名「はまだ」の「はま」は、一部ブラウザ上で正しく表示されないために、便宜上「浜」の字で表示しています。