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市長から職員の皆さんへ(平成30年 年末あいさつ)

 

 市民の皆様,職員の皆さんおはようございます。
 平成最後の仕事納めに当たり,一言ごあいさつ申しあげます。
 職員の皆さんには,課題が多い中,日々,それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいておりますことに,感謝を申し上げます。
 特に今年は,全国各地で,地震や豪雨,台風,猛暑などの自然災害 が相次いで発生し,多くの人々が被災されています。心からお見舞いを申し上げます。
 改めまして,災害に対する事前の予防対策の重要性を痛感しており,組織をあげて,防災・減災対策に万全を期してまいります。
 市民の皆様や議会の皆様のご協力をいただき,職員の皆さんとともに,「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」に積極的に取り組んだ一年でありましたので,施策ごとに順次申し上げます。

 

れんけいこうち広域都市圏の形成と推進

 まず,最初に,全国でも初めてとなる,県内全市町村と高知県が参画した「れんけいこうち広域都市圏」の取組について申し上げます。
 全国各地で,急速な人口減少や超高齢社会という切実な課題に直面しておりますが,高知県においては人口の自然減少で15年先行し,高齢化率の進展では10年,全国に先行していると言われています。
 今後ともに,持続可能な経済活動の維持や,地域住民の皆様が安心して暮らしていくためには,人口減少や少子高齢化の克服に向けた積極的な取組がさらに重要になります。
 高知市は,県内人口の約46%が集中する全国でもトップクラスの一極集中の都市となっておりますので,県内で生産される1次産品の消費に占める本市の割合は高く,高知県内の一大マーケットとなっております。高知市と県内市町村との関係は,社会経済的なつながり が強く,互いに補完する関係にあります。
 こうしたことから,国の新たな連携中枢都市圏の制度を活用して,全国で初めてとなる県全体を対象とする新たな圏域を形成し,県の支援を受けて,オール高知で,「経済成長のけん引」,「高次の都市機能の集積と強化」,「生活関連機能サービスの向上」に取り組んでいるところです。
 高知市と県内33市町村との連携協約と併せまして,高知市と高知県との連携協約を締結し,現在,20項目の連携事業について取組を開始しています。
 人口減少に対する重点的な施策として,二段階移住の促進を強力に進めているほか,産業振興の分野では,日曜市に各市町村の小間を設置し,各地域の特産品の販売やPRなどを本年7月から行っています。
 また,圏域内の事業者や市町村職員と一緒に県外の展示会に出展したり,県外のバイヤーに対して高知市から他市町村の特産品を含めて事業提案するなど,市町村の枠を越えた取組を行い,圏域全体の産業振興を図ってまいります。

 防災関係では,これまで高知市だけで開催しておりました「防災人づくり塾」について, 圏域内の6か所にリアルタイムで配信するサテライト会場を設置し,圏域内の多くの方々に受講いただいています。
 こうした取組を通じて,高知市がリーダーシップを発揮し,市町村や県と連携しながら,オール高知で人口減少や,少子高齢化社会に対応するまちづくりに取り組んでまいります。

 

南海トラフ地震対策

 次に,本市の最重要課題であります南海トラフ地震対策について申し上げます。
 昨年度は,計6回にわたって「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」 をテーマとして,「市長と語ろう会」を開催いたしました。
 南海トラフ地震の発災後に,長期浸水被害が想定される「下知,江ノ口,潮江,高須,大津,介良」地区の皆様を対象に語ろう会を開催し,多くの皆様から,津波避難ビルの指定の促進,地域における避難訓練などの経験を踏まえた避難路の整備,保育園児や高齢者等の避難行動要支援者に対する具体的な支援策などについて,ご意見を多くいただいており,実り多い意見交換会となり,感謝しています。
 長期浸水エリアにおける救助・救出計画の策定や,津波からの避難の在り方,避難行動要支援者への支援体制の構築など,地域の皆様からいただきました貴重なご意見や,ご提案を具体的に施策に反映させてまいります。

 国においては,南海トラフ地震の想定震源域に当たる「高知沖から日向灘」までの海底に,海底地震・津波観測網「N-net」を設置する方針を決定いたしました。
 文部科学省では今後5年間で約175億円の予算計上を見込んでおり,海底で異常が発生した場合には,津波などの情報をより早く正確に伝えることが可能になりますので,N-net の整備により,防災力の向上につながることが期待されます。
 また,平成29年度から本格的に工事着手しております,「高知港海岸 直轄海岸保全施設 整備事業」,いわゆる「浦戸湾の三重防護」の進捗状況ですが,港湾施設である第1ラインでは,国及び県の事業として,防波堤の延伸と強い構造への補強などが進められており,第2ライ ンでは,国の直轄事業として,高知新港の東側から種崎千松公園までの防潮堤の整備が進め られております。
 第3ラインでは,県の事業として,若松町の防潮堤や新田町の護岸工事が着手されています。
 これらの三重防護の整備については,国の平成30年度補正予算でさらに工事が加速するものだと考えており,今後も引き続き,国及び県と連携を密にして,着実な事業実施を促進してまいります。

 

オーテピア開館と中学校給食の開始

 次に,新図書館等複合施設オーテピア及び学校給食センターについて申し上げます。
 完成までに約8年の歳月を要したオーテピアは,本年7月24日の開館以後,乳幼児から高齢者の方々まで,幅広い年代層の皆様に利用されており,12月26日には,来館者が50万人を突破し,中心市街地活性化にも大きく寄与しています。
 図書館における新規登録者数も既に1万5千人を超え,これまで図書館を利用されていなかった方々が多数登録していただいており,さらに多様なサービスを提供しながら,市民の皆様の生涯学習や,文化活動を積極的に支援してまいります。
 また,平成29年度から針木地区と長浜地区に整備を進めてまいりました二ケ所の給食センターが,6月に竣工し,9月25日から,これまで給食が未実施であった,すべての中学校13校での給食が始まりました。
 本市の念願でありました「全ての市立学校での給食実施」を実現することができ,うれしく 思っています。
 給食は,単に昼食の提供だけではなく,子どもたちが食に興味や関心を持ち,食に関する様々な知識を身に付ける食育の面も強くありますので,教職員の方々と連携を図りながら,安全安心でおいしい給食を提供するとともに,給食を活用した食育にも取り組んでまいります。

 次に,去る10月28日には,16年ぶりに天皇皇后両陛下のご臨席を賜り,高知市及び土佐市において,「明治150年記念第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」が開催されました。
 「かるぽーと」での式典行事は,県内外から680名を超える方々をお迎えし,豊かな水産資源の育成を願う両陛下からは,「稚魚等のお手渡し」が行われ,県内漁協の代表者に対して,アマゴやニホンウナギなどの稚魚が手渡されました。
 両陛下のご来高中には,市内各地の沿道において,多くの県民・市民が小旗を振ってお出迎えを行うとともに,28日の夜には県民有志1,200名による「ちょうちん奉迎」が行われるなど,歓迎ムードに包まれました。
 三大行幸啓としては最後のご臨席となりました今回のご来高が,両陛下にとって良き思い出となりますことを祈念いたしますとともに,お迎えをしていただきました県民・市民にとりましても,記憶に残る大会になったと感じています。

 

産業団地

 次に,高知中央産業団地につきまして申し上げます。
 操業環境の悪化や,南海トラフ地震対策等による市内企業等の転出が危惧されるなか,市内企業の市外への転出防止や,企業立地の促進に向けて,高知県と共同で取り組んできた,一宮の産業団地の整備が,完了いたしました。
 7月から分譲の公募を開始し,現地説明会や譲受人の審査を経まして,一宮地区の団地分については,全ての区画の売却先を決定し,譲渡契約が完了いたしました。
 製造業以外の移転需要も高まってきていることから,隣接する布師田団地の用地については,高知県との共同開発に向けて,今年から事業に着手していますので,スピード感をもって対応してまいります。

 

新図書館西敷地利活用

 最後に,新図書館西敷地の利活用について申し上げます。
 新図書館西敷地の利活用につきましては,「新図書館西敷地利活用事業基本協定締結に係る妥当性検討委員会」の報告を踏まえ,本年9月6日に方向性を決定し,市民の皆様にご理解を深めていただくため,10月14日,及び17日にオーテピアで説明会を開催いたしました。
 これまでの事業検討経過や優先交渉権者から提案された事業概要等について,ご説明を行い,ご参加いただきました皆様方からは厳しいご意見も数多くいただいております。
 選定された提案事業については,高知大学等との複合機能を有し,隣接するオーテピアや高知県立大学とともに,知の拠点として産学官の連携強化が図られ,商店街との新たなコミュニティによる産業の活性化などの可能性を秘めています。
 中心市街地活性化基本計画の評価指標である「居住人口」及び「歩行者交通量」の増加など,中心市街地活性化のためのまちづくり,にぎわいの創出に寄与する事業となることが期待されます。
 12月議会におきましては,議会の皆様から様々なご意見・ご提案をいただきましたので,これらの意見を踏まえながら,さらに事業の内容について周知を図る方法を具体的に検討しながら,理解を広めてまいりたいと考えています。

 

新たな年に向けて

 さて,来年は,高知市制施行130周年という節目の年を迎え,元号も新しくなります。建設中の新庁舎については,来年中の完成をめざし,鋭意工事を進めています。
 元号も新しくなりますので,新たな時代へ向けて,「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」の実現のため,新年度の事業については,これから本格化する平成31年度当初予算の編成の中で議論を深め,重点施策に積極的に取り組んでまいりますので,ご協力をよろしくお願いいたします。
 市民の皆様や職員の皆さんが,穏やかな新年を迎えられ,来年が輝ける年となりますように,心からお祈りを申し上げまして,年末のあいさつといたします。
 一年間おつかれさまでした。