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市長から職員の皆さんへ(平成29年 年末あいさつ)

 市民の皆様,職員の皆さんおはようございます。

 職員の皆さんには,日々,それぞれの職務に真摯に取り組んでいただいておりますことに,感謝申し上げます。

 市民の皆様や議会の皆様に多くのご支援・ご協力をいただきながら,職員の皆さんとともに,南海トラフ地震対策や地方創生の推進など,「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」に取り組んだ一年でありました。

南海トラフ地震対策

 まず,本市の最重要課題であります南海トラフ地震対策について申し上げます。

 平成28年度に概算事業費約600億円で事業採択された「高知港海岸 直轄海岸保全施設整備事業」,いわゆる「浦戸湾の三重防護」が,平成29年度から本格的に工事着手となりました。

 本年5月14日には,総合あんしんセンターにおいて,国土交通副大臣や地元選出の国会議員の方々などのご臨席を賜り,三重防護の工事着工式典が行われました。

 市内には,高知県全体の約46パーセントの人口が集中しており,特に浦戸湾周辺には,行政機関や学校,病院などの重要施設が多数設置されている一方で,この地域の海岸保全施設では,老朽化が進み,機能低下が顕著になっている施設も一部あるため,三重防護への工事着手は,本市の生命線とも言える極めて重要な事業となりますので,その進捗に大きな期待を寄せており,毎年度の確実な予算獲得をめざし,今後とも国に対して強く働きかけてまいります。

 また,昨年4月に発生した熊本地震での家屋倒壊を教訓として,本市における住宅の耐震化をさらに促進するため,本年6月から「木造住宅耐震化の補助額の上限額を92万5千円から110万円に増額し,一般的な工事費が120万円の場合の個人負担を10万円にまで軽減する」こととしました。

 その効果として,本年11月末現在で既に416件の申請を受け付けており,昨年の11月末と比較すると,約1.6倍になっています。 

 再来年度以降の国の補助について現時点で未確定な部分もありますが,地震対策は先送りのできない喫緊の課題であり,県市連携会議の場でも,年間600棟の木造耐震化の実施を目標に掲げていますので,国の動向を注視しながら,県市連携のもと,取組を推進してまいります。

北消防署の開署

 次に,北消防署について申し上げます。

 昨年3月から,イオン高知の東側敷地において建設工事を進めていた北消防署は,本年9月30日に地元町内会長をはじめとする皆様のご臨席を得て,開署式を執り行い,10月1日から業務を開始しております。

 北消防署では,マンションや事務所等の中層階が地震でつぶれる「パンケーキクラッシュ」を想定した全国初の訓練装置の設置や,救急車の一部を切断した「カットモデル」を四国内の消防本部として初めて設置するなど,先進的な消防訓練設備を備えており,隊員の災害時における実践力をさらに磨き上げていくとともに,市民の皆様が体験できる浸水時の歩行体験施設もありますので,積極的な活用を促進し,防災意識の向上を図ってまいります。

東部総合運動場 多目的ドーム(しらさぎドーム)の完成

 次に,東部総合運動場の多目的ドームについて申し上げます。

 昨年4月から,東部総合運動場において建設工事を進めておりました多目的ドームは,9月9日に地元関係者の方々やオリックス球団社長など多数の皆様方のご臨席を得て,落成式を執り行い,9月12日から供用を開始しております。

 ドームの愛称については,地元の青柳中学校と介良中学校の生徒の皆さんから公募し,「しらさぎドーム」に決まりました。

 白い膜屋根が特徴の「しらさぎドーム」の床には,神宮球場と同じ人工芝を敷き詰めており,照明は全面LEDを使用しています。

 野球やサッカー,フットサル,ハンドボールなど,多くの市民の皆様にご利用いただいており,11月のオリックスバファローズの秋季キャンプでも大好評でした。

 また,「しらさぎドーム」は,南海トラフ地震など大規模災害発生時には,全国各地から輸送されて来る救援物資等の集積・荷さばき場としても使用するなど,防災機能面の強化を兼ねた施設となっています。

 2020年には,東部総合運動場の南を走る高知東部自動車道と高知自動車道がつながりますので,高知南インターチェンジから近い利便性の高い立地を生かし,全国大会等の誘致やスポーツツーリズムの推進に取り組みます。

観光振興

 次に,観光振興について申し上げます。

 本年3月4日,俳優の高橋英樹さんや広末涼子さんをお迎えしたオープニングセレモニーを皮切りに,2か年にわたる「志国高知 幕末維新博」が開幕しました。

 高知市では,「龍馬の生まれたまち記念館」及び「自由民権記念館」が博覧会の地域会場となっており,新設備の導入や企画展を順次実施中です。

 幕末維新博開幕後の県内全会場の来場者数は,12月5日時点で132万人を超え,市内での宿泊者数が増えてきており,幕末維新博を中心とした誘客が好調に推移しています。

 来年4月からは,幕末維新博の第二幕が開幕し,そのメイン会場の一つである,高知県立坂本龍馬記念館がリニューアル・オープンしますので,県とも連携して,さらなる誘客に取り組みます。

 さて,本年4月12日,よさこい全国大会の審査員長を第1回から第16回大会まで精力的に務めていただいた,「南国土佐を後にして」で知られるペギー葉山さんが,急逝されました。

 県民の皆様がこれまで親しくお付き合いをさせていただいた大切な方を失いまして,本当に残念です。

 先月20日には,「ペギー葉山さんを偲ぶ会」を県と共催し,名誉高知県人としてご活躍いただいたペギー葉山さんに対します感謝を込めた式典となりました。

 当日は,ノンフィクション作家の門田隆将(りゅうしょう)さんの講演や,長年,ペギー葉山さんの大ファンであったシンガーソングライター小椋佳さんにペギー葉山さんの名曲を披露していただき,「南国土佐を後にして」を会場の県民・市民の方々と熱唱いたしました。

 フィナーレは,ペギー葉山さんにふさわしく,賑やかに感謝の意を込めて,過去のよさこい全国大会でペギー葉山賞を受賞した各チームによるよさこい鳴子踊りの披露を行うとともに,正調よさこいの総踊りで,ペギー葉山さんをお送りいたしました。

 改めまして,ペギー葉山さんのこれまでのご功績に深く感謝を申し上げ,ご冥福をお祈りいたします。

中山間振興 

 次に,中山間振興について申し上げます。

 本年10月,「第5回全国プラチナ大賞」の最終発表と審査会が行われ,本市が提出した「土佐山百年構想」が,大賞に次ぐ「優秀賞」を受賞することができました。本市としては,一昨年の「こうちこどもファンド」での審査委員特別賞の受賞に続いて,2回目の受賞となりました。

 「プラチナ大賞」は,直面する少子化による人口減少や高齢化など,先例のない課題の解決を目指す社会を,「プラチナ社会」と定義付けした上で,全国各地の取組を表彰し,広く社会に発信することを目的とした事業であり,今年で5回目の開催となります。

 今年の「プラチナ大賞」には,全国の自治体や企業など46団体から応募があり,1次審査を通過した本市を含む10団体が 最終発表を行う審査会に参加いたしました。

 最終審査会において,「土佐山百年構想」は,土佐山地域の先人の方々が培ってきた「社学一体」の理念を継承し,中山間地域を守り育てていくために,「社学一体・小中一貫教育プロジェクト」,「まるごと有機プロジェクト」,「交流・定住人口拡大プロジェクト」という3つの柱となる取組を連携させ,活力ある持続可能な地域づくりのモデルとなる中山間振興に向けた取組であることを発表いたしました。

 それぞれの中山間地域には,土佐山地域の「社学一体」の理念のように,次の世代を想い,未来に残したい大切な地域資源が必ずあると思いますので,そうした資源を活用し,地域振興のための取組を継続していただけるよう,本市として積極的に支援してまいります。

 鏡地域では,大津にある高知県食品工業団地と連携して,高知のソウルフード,イタドリを全国に売り出す取組を始めました。

 首都圏での商談会で,高知のイタドリをPRしたところ大好評で,多くの引き合いが来ていることから,栽培イタドリの生産を熱心に行い,加工技術のノウハウを持つ鏡地域を中心に,生産拡大と併せた販売促進や新たな商品開発を行うこととしております。

 中山間地域における有望品目の一つとして,耕作放棄地対策としても効果があることから,積極的な支援を行ってまいります。

デマンド型乗合タクシー

 次に,デマンド型乗合タクシーについて申し上げます。

 利用者が少なくなった路線バスに代わる地域の公共交通として,「デマンド型乗合タクシー」の導入を進めており,平成24年の鏡・土佐山地域,平成28年の春野地域に続き,今年は行川,御畳瀬,浦戸,長浜,円行寺の各地域で導入を図りました。

 このデマンド型乗合タクシーは,いわゆる空(から)バスの運行といったものを改善できるとともに,路線バスでは入れなかった狭い道路も運行することができるため,自宅近くで乗り降りできるなど多くのメリットがあり,利用者数は,制度導入時からの比較で,鏡地域では1.6倍,土佐山地域では2倍に増加してきています。

 さらなる実施地域の拡大をめざして検討を進めており,来年10月からは,重倉・久礼野地域や布師田・大津・三里の一部地域でも導入を行う予定です。

生活困窮者自立支援全国研究交流大会

 次に,生活困窮者自立支援全国研究交流大会について申し上げます。

 私も共同代表の一人であります「生活困窮者自立支援全国ネットワーク」については,生活困窮者の自立を支援する先進的な取組状況を共有するとともに,制度の充実を図ることを目的に「生活困窮者自立支援全国研究交流大会」を毎年開催しております。

 本年11月,初めての地方開催となる第4回大会が高知市で行われ,北海道から沖縄まで,全国から1,200名を超える関係者が結集いたしました。

 本大会では,高知市が平成25年にモデル事業として,高知市社会福祉協議会等との運営協議会形式で,全国に先駆けて高知市生活支援相談センターを立ち上げ,センターの三原則として,「すべての相談を断らない,支援をあきらめない,解決につながるまで投げ出さない」の基本方針を掲げて取り組んでいることなどを紹介させていただき,全国から高い評価をいただきました。

 全体会や翌日の分科会を通じ,各地での特色ある支援の取組などの情報共有を行う中で,地域における困窮者の早期発見や,見守り機能の必要性と併せて,各制度間の横断的な取組が求められており,行政や関係機関,支援団体との連携体制の強化が喫緊の課題であることが確認されています。

 社会的に孤立し,ひきこもり状態などにある方々が,人とのつながり,特に地域住民との関係性を再構築することが社会とつながる第一歩となることから,関係機関との連携を強めることと同時に,住民の皆様と協働しながら,寄り添い型の支援体制を構築していくための事業なども検討しながら,生活困窮者の自立支援に向けた取組強化を図ってまいります。

子ども子育て支援

 次に,子ども子育て支援について申し上げます。

 本年5月,県産材を使用した木造2階建ての宮前保育園の中に,「病後児保育室ぱんぷきん」を新しく開設し,市立保育園として初めてとなる病児保育事業を開始しています。

 病児保育事業は,病中または病気の回復期にある保育所等に在籍しているお子さんを,仕事などのためにご家庭で保育できない保護者に代わって,一時的にお預かりする事業です。

 これまで市が委託する医療機関など4か所の施設で実施しておりますが,今回の新たな開設により,お預かりできるお子さんの定員が21名から6名増の27名となりました。

 今後におきましても,市民の皆様の様々な保育ニーズに対応できる取組を進めてまいります。

 また,6月には,改築して新園舎になりました市立大津保育園に,市内11か所目となります「地域子育て支援センター おおつ・にじいろひろば」を開設しています。

 地域子育て支援センターでは,子育て中の親子が交流する場の提供はもとより,育児相談などの子育て等に関する相談や支援を行うとともに,地域の子育て関連情報の提供や,離乳食教室などの子育てに関する講習等を実施しています。

 幅広い子育て支援活動を通じて,育児への支援や保護者の孤立化を予防するとともに,子育て家庭を地域で支えていくための身近な地域の子育て支援の拠点となるよう,センター機能の充実を図ってまいります。

新たな年に向けて

 最後になりますが,来年は,いよいよオーテピアが7月24日に開館するとともに,建設中の新庁舎については,来年春頃から地上の工事に入り,建物が立ち上がってまいります。

 さらなる「にぎわいと暮らし安心のまちづくり」の実現に向けて,新年度事業については,これから本格化する平成30年度当初予算編成の中で皆様方との議論を深め,積極的に取り組んでまいります。

 新しく迎えます平成30年が,市民の皆様や職員の皆さんにとりまして,希望の持てる明るい年となりますように,心からお祈りを申し上げ,新たな気持ちで仕事始めを迎えていただけるようお願い申し上げまして,年末のあいさつとさせていただきます。

 今年一年ありがとうございました。