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本文

平成28年10月14日 市長定例記者会見

会見項目

  1. 子ども医療費助成の拡充について
  2. 介護予防・日常生活支援総合事業について

 配布資料

  1. 子ども医療費助成の拡充について[PDFファイル/63KB]
  2. 介護予防・日常生活支援総合事業について[PDFファイル/992KB]
  3. 平成28年度全国学力・学習状況調査の結果概要[PDFファイル/1.24MB] 

会見内容

 おはようございます。本日は,私から2件説明します。よろしくお願いします。

1. 子ども医療費助成の拡充について

 子ども医療費助成の拡充ということで,所得制限を設けずに,小学校6年生までの全ての子どもさんの医療費を10月1日から無料化することにいたしました。

 制度の内容としましては,お手元の資料・1にありますように従来の所得制限を外しました。新たに対象者となる小学生は1万5,000人程度で,予算的には年間で約5億2,000万円の財源が必要となります。

 医療費助成を拡充することで医療機関への受診の促進が図られ,特に歯科診療など,早めの治療も可能になると考えています。また,病気を予防するというところも促進していきたいと考えています。

2. 介護予防・日常生活支援総合事業について

 もう一つ,介護予防関連ですが,こちらは制度が複雑で分かりにくくなっていますので,少し詳しくご説明します。資料・2をご覧ください。こちらも10月1日から,新しい制度への切り替えが始まっています。

 65歳以上の高齢者の割合についてですが,2015年の調査で26.8パーセントというのが全国平均の高齢化率です。高知市は27.2パーセントと,全国平均より少し高いという状況です。県内の他市町村はかなり高く,30パーセントに近くなっています。高知市も2020年の段階で30パーセントに近付き,2025年には30パーセントを超えるという推計になっていますので,これに対応する準備をしていく必要があります。現在,概ね65~69歳の,いわゆる団塊の世代の方々が高知市でも人口が一番多く,全国的には約1,200万人と言われていますが,2025年になりますと,この団塊の世代の方々が75歳を超えてきますので,それまでの間に準備をしておく必要があることから,さまざまな制度の見直しがされてきています。

 2ページのイメージ図ですが,地域包括ケアという形を構築していこうと,国・県・市町村ともにこの方向で動いていますが,これを実際に組み立てていくうえでは,いろいろな課題があります。医療と介護と予防が密接に絡んできます。高知県は介護療養型病床数が全国で一番多いのですが,この介護療養型病床は平成29年度末での廃止が法律で決められており,廃止になった後,どういう施設に移行するかということがまだ決まっていません。現在,私も国の特別委員会の委員として見直しの議論を進めているところですが,そういった課題を含めて地域包括ケアのめざすべき姿に到達するまでには,さまざまな課題があると認識しています。

 総合事業についてですが,介護認定における要介護の手前の段階になります要支援1・2が,日常生活支援の総合事業に移行することになりました。その仕組みを4ページに記載しています。介護保険の中での予防給付,要支援1・2の部分が,右側の介護予防・日常生活支援総合事業に移行していきます。もう一つ,下段の地域支援事業の包括的支援事業という中に,1から4まで,この中にも生活支援体制整備事業というものがありますが,認知症を含めて包括的支援事業というくくりのグループに移行していく予定です。

 5ページは,日常生活支援総合事業と生活支援サービスの充実を図るため,各市町村の実態に応じて,きめ細やかに民間などの多様な主体でいろいろなサービスを提供できるようにしよう,ということをイメージ図にしたものです。民間サイドもこの方向に添って動き出していますので,それを支援する形になる予定です。

 6ページですが,上段右半分の表に「通所型サービスC」とあります。これは,3~6カ月間の短期集中サービスで,いわゆる単身の高齢者の閉じこもり予防や,運動機能の改善など,さまざまな社会参加をしていただくもので,今後,創設していく事業です。下段の訪問型サービスにつきましては,本年10月1日から切り替えが始まっていますが,来年の9月末までの間に順次切り替えていくことになっており,それぞれご本人やご家族の希望をお伺いしながら,切り替え作業を行っています。現段階では,少し制度が複雑になって分かりにくくなっている状況です。

 8ページに「地域ケア会議」について概要を記載しています。各センターでの開催となっていますが,東西南北の各エリアに,それぞれ拠点となる地域高齢者支援センターがありますので,各エリアでのさまざまな事例について検討し調整する会議を設けています。今後,この「地域ケア会議」の密度を濃くしていかなくてはならないと考えています。

 最後に9ページですが,生活支援体制整備事業の中で,全市的にプロデュースを行う生活支援コーディネーターを2人配置し,市域全体に関わる「協議体」を設置しています。これは第1層ということになりますが,各地域にどの程度まで落とし込んでいくかということも今後の課題になってきます。

 介護保険,介護給付につきましては,制度発足以来,年々速いスピードで予算が伸びてきていますので,財務省を中心とするプライマリーバランスの黒字化の中で,財政審では2019年度までの集中改革プランに添い,介護保険の歳出予算をどの程度まで抑制していくかという議論がされています。今回の要支援からの切り替えは,おそらく第一段階と見ていると思いますが,次の第二段階,例えば,保険料の支払い年齢を現在の40歳から35歳に引き下げるかどうかや,要介護1・2を介護保険から外すかどうか等,かなり問題があるような議論がされていますので,そこを注視しながら,全国市長会を通じて意見を述べていきたいと考えています。 

質疑応答

(記者)

 9月末に出された全国学力テストの高知市の結果について,どのように受け止めているかをお伺いします。その上で,テスト開始から10年目という節目を迎え,自治体や学校の中にはテスト対策といった本来の目的とは違った方向に向っている学校もあり,このことに賛否両論ある状況ですが,この10年間の高知市の教育現場での,学力テストの成果や今後についてどのようにお考えであるかお聞かせください。

(市長)

 お手元の資料・3になりますが,平成28年度の結果について,高知市・高知県・全国の比較をまとめています。結論から言いますと,改善してきているということが顕著に表れています。

 小学校6年生は,国語A・B,算数A・Bそれぞれ全国平均に届くところまで来ていますので,かなり改善してきています。

 国語Aにつきましては,都道府県別に見ますと,高知県が全国第5番目ということが報道されました。市町村別のランキングはありませんが,高知市の国語Aの正答率76点は,教育委員会によると概ね全国8番目相当と聞いていますので,やはり上位にいます。

 しかし,課題もはっきり見えています。今回は中学校も改善されてきましたが,中学校3年生の数学A・Bを見ていただくと分かりますように,まだ全国との正答率の差がマイナス7.7ポイントもあります。これを県全体で見ましても,高知県の数学Aの平均点が58.5点ですので,4ポイント下回っています。県全体の中学校の学力レベルを上げていくためには,県下の約4割の生徒数を持つ高知市の頑張りにかかっていますので,この数学A・Bの対策を平成29年度からもしっかり取っていくことにしています。

 この10年間で,それぞれ学校現場の努力と,そして,問題点についての課題を押さえることで改善をしてきました。全体的に家庭での学習時間が増えてきていますし,全国平均より多いというデータもありますので,学習習慣がついてきたということは確実に言えると思います。その上で,やはり数学が弱いということがはっきり出てきていますので,数学の強化を図っていくことが課題だと認識しています。

 平成29年度からの取り組みについて,教育委員会からポイントを少し説明します。

(教育次長)

 お手元の資料の最後のページに,「学力向上アクティブ・プラン」について記載しています。

 上段両サイドにありますように,現在,平成29年度までの高知市学力向上第二ステージとして動いていますが,次年度の結果を待たずに次の動きへということで,今年度後期を含み,平成29~32年度に向けて「アクティブ・プラン」として3つの提案をしています。

 一つ目は,各事業のPDCAを回していくことですが,先ほど市長の説明にありましたように,方向性としては今の方向性で間違いないと思っていますので,これをより確かなものにしていくための取り組みとしてお示ししています。今後,教育委員会の職員がそれぞれ全ての学校を回り,進捗状況等を確認しながら,取り組みを確かなものにしていきたいと思っています。また,具体的な提案としては,2~3にあるような形で提案していきたいと思っています。

 二つ目は,それぞれ学校が必要としているものが変わってきていますので,これまで,どちらかというと全ての学校にこういう取り組みを,という形で進めてきましたが,個々の学校の条件に応じた教育委員会としての提案をしていくことを考えています。

 最後に三つ目として,ご承知のとおり学習指導要領の改訂がほぼ固まり進んでいます。やはり,それに向けた取り組みを見据えないと学力向上に繋がりませんので,これをアクティブ3として,以上の三つの方向性を確かなものとしていくために,本年度の後半から取り組みを進めたいと考えています。

(市長)

 補足として申し上げますと,それぞれの教科担任ごとの教職員の年齢構成を見ますと,数学や算数を教える先生方の年齢が比較的若いことが分かります。そうすると,経験が浅いということもありますので,ベテランの先生を通じて,いわゆる教育力を上げていくことも課題の一つだということが分かってきました。今後,学校現場ではそういう工夫も行っていくことにしています。

(記者)

 高知市は,先月県と共同で2019年の秋に開かれる,ラグビーワールドカップ日本大会の期間中に,参加チームが滞在する公認キャンプ地に応募されたということですが,選定への期待と課題についてお聞かせください。

 (市長)

 県議会でも,質問に対して執行部が答えられていましたが,去る9月9日付で高知県知事との連名により,組織委員会に応募書類を提出しました。

 キャンプについては,事前キャンプと,ラグビーワールドカップの大会期間中に滞在する公認キャンプがあります。公認キャンプにつきましては,参加チームに対する働きかけはできないことになっていますので,県とともに事前キャンプについての誘致活動をしているところです。

 やはり,ターゲットを絞る必要がありますので,県議会の中でも答弁されていたと思いますが,トンガ王国・サモア独立国・アルゼンチン共和国の3カ国を候補として絞り込んできています。

 それぞれ大使館への訪問等を通じて事前キャンプの誘致活動をしており,今後,さらに精力的に,県・市でともに活動を進めていきたいと思っています。

 施設も充実しておりますので,ぜひ実現をしたいと考えています。 

(記者)

 生活援助に関してお伺いしたいのですが,要介護度が軽度の高齢者に関して,厚生労働省は一昨日総合事業への移行を見送る方針を示しましたが,この件に関する評価をお願いします。

(市長)

 今回の要支援1・2の総合事業への移行についても,財源がはっきりしなかったために,私を含めて全国市長会から厚生労働省にいろいろな質問と確認をしました。最終的に,当時の厚生労働大臣が財政面は国が責任を持つ,市町村には迷惑をかけないと言われたことで,全国市長会としては一応了承したところです。

 しかし,この10月1日からその作業が始まったばかりにも関わらず,要介護1・2を介護保険から外すというような新しい話が出てきましたので,全国市長会,町村会ともに,そういう話は今の段階で説明を聞くことはできないということを強く申し入れをしまして,一度見送ったというところです。

 これは,財務省を中心とする財政審で前向きに検討をしているようですので,今後,また出てくる話だと思います。

 (記者)

 一度見送ったことについては評価されるということでしょうか。

(市長)

 現段階でこの話を出してくること自体がおかしいと思っていますので,評価ということではなく,当然だと考えています。

 (記者)

 今後,また,財務省が提案してくる可能性もあるということですが,今後についてもやめてほしいということでしょうか。

 (市長)

 現在,さまざまな介護施設に入所されている方は,要介護度4~5が中心になっています。要介護1・2は,どちらかというと在宅を含めた支援になっていますので,それをどういう形で介護保険の中で立て付けていくかということは一つの課題だと思います。しかし,そういったことは,現場で介護保険の保険者として,いわば保険を預かっている市町村の意見を聞かずに,一方的に財政審が決めることではないと思っています。今後,財源の問題も含めて,市町村としての意見をしっかり述べながら,最終的にどうしていくかということを決めなければならないと思っています。

(記者)

 子ども医療費助成の拡充についてですが,市長は以前,現在の任期中に,最終的には助成の対象を中学生まで広げたいというお話をされていたと思いますが,現時点でのお考えと,具体的な期限のめどがありましたらお聞かせください。

 (市長)

 今回の小学校6年生までの拡大によって,年間で約5億2,000万円の財源が必要になります。これには,国庫補助がありませんので,全て税金の持ち出しになります。中学生まで拡大した場合,いくらになるかというと,約2億円必要になります。始めれば毎年2億円が財源の負担になりますので,今のところ財源のめどがついていません。

 もう一つ理由があり,保育園に第2子が同時入所した場合の保育料の無料化を,全国の県庁所在都市で初めて適用しました。現在,保育園・幼稚園・認定こども園に同時入所した場合,第2子は,いわゆる「ただ」にしています。財源的には,これに約3億円必要です。そうしますと,今回の小学生6年生までの医療費助成拡充の約5億円と合わせて,約8億円になります。見方は一つではありませんが,今後の少子化に向けた対策としては,第2子の保育料無料化の方が対予算の効果が高いと思いますので,当面はその二本立てで状況を見ながら,最終的にどうしていくについては,議会のご意見も伺いながら判断していきたいと思っています。

(記者)

 都市計画マスタープランに係る決裁文書の事後作成について,何点か伺います。

 先の市議会での質問に対して市長が答弁されていた中で,平成26年3月の時点で決裁が抜かったことは課題であり,反省があるといった主旨の発言があったと思います。一方,私たちが考えた時,今年作成した文書に2年前の日付を書き入れるという,そちらの方がむしろ問題ではないかと思うのですが,改めて,市長のお考えを示してください。

(市長)

 先ず,マスタープランという基本計画の策定に係る大事な決裁を取り抜かるということは,基本的にあってはならないことですので,それは,文書管理上反省すべき点だと思います。

 その上で,事実上の意思決定につきましては,都市計画マスタープラン策定委員会の副委員長から報告をお受けした場で,この計画に基づき,今後,真摯にこの計画を実行していくということを私からお答えし,それが文書にも記録されていますので,その日を事実上の意思決定を行った日と認識しています。決裁を取り抜かっているということで,方法は二通りあったと思いますが,総務部とも相談をした結果,やはり事実上の意思決定の日で決裁をきちんと取ることにしたものです。

 いろいろご批判があることは承知していますが,問題は決裁を取り抜かったことにありますので,文書管理の徹底を図ってまいります。また,9月議会の討論の中で,細木議員から公文書管理条例を制定したらどうかというご意見もいただきましたので,文書管理について,具体的に改善していきたいと考えています。

(記者)

 つまり,平成26年3月7日の日付については,誰かが誤ってその日付にしたものを見抜かったということではなく,現在の日付か,それとも事実上の意思決定といわれる日か,どちらにするかを総務部・法務担当と諮った上で,組織として判断したということですね。

(市長)

 そうです。

(記者)

 取材の中で弁護士の方などにお聞きしますと,事実上の意思決定があるのなら,「事実上の決裁はされているが,文書での決裁を取り抜かったため,改めて決裁を取ります」ということを別記した上で,その時点の日付にすれば何の問題もなかったのではないかというご意見もあったのですが,平成26年3月7日の日付にしたことについて,問題意識や反省はないでしょうか。

 (市長)

 決裁を取り抜かった点での反省はありますが,事実として残すために決裁文書を作成することについて法的な問題はないと聞いていますので,事実上の意思決定の日とすることは組織として決定しています。

(記者)

 市議会でも違法性はないという主旨の答弁をされたかと思います。今,私たちはこれが問題になっているから分かっていますが,あの決裁が永年保存で残るとして,例えば,10年,20年後に事情を全く知らない方が開示請求して文書を取ったとすると,平成26年3月7日に文書が作成され,その日のうちに決裁欄の皆さんが判を押したと読み取ります。しかし,実際はそうではなく,判を押したのは今年であり,行政が事実と違う文書を作成するということは,やはり問題があるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。

 (市長)

 今現在の日付で,こういう事実上の決裁があったということを記載して残す方法と,取り抜かった当時の決裁権限者で決裁を取る方法と,二通りの方法があったと思います。今回は,事実上の決裁の日に,当時の決裁権限者で,それが可能だということを確認して決裁を取りました。

 ただし,今後,今回のような事例があった場合,決裁文書への記載の仕方については文書管理の上で改善の余地があると考えていますので,全庁的な統一基準を決めていきたいと思います。

 (記者)

 それでは,方法として間違ってはいないけれど,一考の余地があるので基準を作っていきたいということでしょうか。

(市長)

 決裁の取り抜かりは,あってはならないことですが,あった場合にどう記載をするかについては全庁的に統一をしていきたいと考えていますので,法規文書係を含めて検討を始めています。

(記者)

 総務部と相談して最終的に判断されたということですが,日付についての判断は誰がされたのでしょうか。

 (市長)

 情報公開請求がありましたので,その段階で総務部と協議をしまして,その協議の場で組織として決めました。

 (記者)

 情報公開請求があった時には,市民の方から道の駅に関する公開質問状が出ていたと思います。道の駅に関しては,いろいろと疑念が持たれているような状況の中で,それに関連する文書を作った形になりますので,見方によると文書が存在しないことを取り繕うために作ったのではないかとも受け取れますが,その点はいかがでしょうか。

 (市長)

 都市計画マスタープランの中には,道の駅という表現はありません。全体としてビジョンを示している計画であり,道の駅を造るというようなことは書いていません。都市計画マスタープランという重要な基本計画に係る決裁を取り抜かっているため取り直したということであり,そこに他意はありません。

 (記者)

 今年7月に高知市の手話言語条例が施行されました。3カ月経過し,いろいろと現状が変わってきているということですが,市長から見て,どのように変わってきているかお聞かせください。

(市長)

 手話言語条例を制定しているのは,四国では本市と徳島県三好市の2市だけです。市議会からも質問を受けましたが,なぜ手話言語条例をやるのかと問われると,基本的にはやはり災害対策です。次の南海トラフ地震が起こった際には,手話しか使えない方も避難所に来られますので,そのことを考えますと,手話という言語をできるだけ多くの職員や市民の方々に,精通とまでは言いませんが,簡単な日常会話程度はできるようにしていただきたいと思っています。

 手話は本格的に習得しようとすると奥が深く,かなり難しいので私も簡単な部分から覚えようと思っていますが,現在,職員研修を実施していますので,順番に広げていく必要があると考えています。各部局の全ての課で研修ができているかというと,そこまではまだできていませんので,これから広げていきたいと考えています。

 また,市民の方々についても,ボランティアでやってみたいという方も潜在的にはいらっしゃると思いますので,市民研修の機会はさらに広げていきたいと思っています。日常的な,簡単な部分で構わないので,できるだけ裾野を広げていかなければならないと考えています。

(記者)

 市役所の中では,研修の回数を増やして実施しているところもありますが,今後,市民にも研修を拡充していきたいということですね。具体的にはまだこれからだと思いますが,市長のイメージとしては,どういった内容の研修を開催することで広げていきたいとお考えでしょうか。

(市長)

 施行されて3カ月ということで,やはり研修機会を広げていかなくてはなりません。職員研修については,今後も呼びかければ自然に広がっていくと思っていますが,特に市民研修の場合は,どのエリアまで落とし込んでいくかという問題があります。そこを含めて,市民研修の今後の実務的な実施方法について,さらに現場と詰めていきたいと思います。

 所管の部長に補足をお願いします。

(健康福祉部長)

 市長の話にもありましたように,手話自体がなかなか難しく,また,日常的に使っていないとすぐ忘れてしまうということころもありますから,基本的には理念条例として,手話に対して,そして,聴覚障害者の方が市民の中にいますよ,ということに対して理解をしていただくということが非常に重要なことだと考えています。手話や聴覚障害者の方に対する関心を持っていただく意味で,市民の皆さんが参加する手話研修というものを,今後も定期的に開催したいと考えています。

 市民の皆さんの中に,手話を言語として活用している方々がいるという理解を広げていくことが,この条例の本来の趣旨になってくるだろうと考えています。

(記者)

 そうした上での質問ですが,市役所での取材の中で,挨拶やお礼のような簡単な手話を使用することについて,テレビカメラの取材を拒まれたところもありました。市が手話の普及を推進していく責務を自ら条例の中に盛り込んだにも関わらず,一人の市民である市職員がそういう対応を取ったことには非常に問題があると思います。このことについて,市長はどのようにお考えですか。

(市長)

 報道を見ましたが,高知市役所の全ての窓口で手話ができるという誤解を生じては困るというようなことを担当部局が言っていたと思います。そこまで厳格に考えなくても,「いらっしゃいませ」とか「おはようございます」程度の手話は,おそらく覚えることができますので,本当に簡単なところから入っていくようにした方が良いと思います。簡単な手話で構わないので,できるだけ多くの職場に広げていけるよう,徹底していきたいと思います。

(記者)

 一部では朝礼で手話を取り入れるなど,非常に素晴らしい取り組みをされているところもありました。そうした取り組みを含め,本当に簡単なところからできるというと,市長としては,どんなことを市職員に求めていきたいと考えますか。

 (市長)

 「おはようございます」や「ありがとうございます」などの挨拶は,比較的簡単に覚えられますので,そういうところから広げていきたいと思います。

(記者)

 もし,窓口に来られた方が簡単な手話を使われたら,手話で対応するということでよろしいですか。

(市長)

 はい。

(記者)

 海老ノ丸の食肉センターについて伺います。高知市を含む事務組合が設置しており,現在,存廃を議論されています。事実上,今の体制ではかなり厳しいという議論の流れになっていますが,その結論が出る前に,知事は県が存続に向けて主体的に関わっていくということを表明されました。これによってステージが変わり,高知市には,存続を前提に協議する場に参加してくださいという要請が来ることになると思うのですが,その対応,あるいは,これまで廃止を議論してきた経緯を踏まえて,どういうところがポイントになるのかというところをお聞かせください。

(市長)

 食肉センターは28市町村による一部事務組合方式で,先ず組合があって,実際に運営しているのは食肉公社という第三セクターです。これまで経常的なランニングの赤字が発生しており,毎年赤字の補てんをしてきましたが,これ以上は困難だということで,現在,「食肉センターの在り方検討委員会」で議論をしており,最終の出口に差し掛かっています。赤字を毎年28市で補填していくことは限界に近い状態ですので,廃止をするのか,新しい枠組みで行くのかというところを含めて,最後的に報告書をいただくことになっています。

 県は9月議会において,存続をして欲しいという知事の強い意向を出してきました。土佐赤牛がかなり広がってきていますし,取引も増えていますので,おそらくそこを睨んでのことだと思いますが,ランニングを黒字に持っていけるかということについては,かなり難しい面もあります。

 在り方検討委員会の最終報告を受けて県・市であらためて協議しますが,現在の,一部事務組合が設置している在り方検討委員会が終了した後に,どこが主導するのかは分かりませんが,新しい検討委員会が立ち上がり,その場で,例えば県がどの程度支援するのかなど,県の考え方も確認しながら議論を進め,最終の出口を具体的に絞り込んでいくという形になるかと思います。高知市だけの問題ではなく,28市町村の関係がありますので,本市と四万十市にある食肉センターの両方を残すのかといったことなど,いろいろな議論が出てくるのではないかと思っています。

 本市としては,28市町村の関係がありますので,この場で結論的なことは言えない状況です。

(記者)

 次の,県が主導する検討委員会にも,高知市としては参加をされるのでしょうか。

(市長)

 県が主導するとは決まっていません。どこが主体で立ち上げるか,まだ決まっていないと思いますが,高知市が参加することは間違いありません。

(記者)

 新図書館西敷地についてですが,先日,第4回の利活用検討委員会がありました。今回の委員会でも,市が示した前提である民活と定期借地権についての異論が出され,委員長からもプロポーザルではない形でできないかという発言がありました。やはり,市が前提として枠をはめ過ぎたのではないかと思うのですが,それについてのご認識と,併せまして,11月頃にアンケートを実施するとのことですが,例えば,道の駅でしたら説明会を開いてからアンケートを進めようとしていますが,西敷地については説明会というお考えはないですか。

(市長)

 西敷地の場合は全市的な話になると思いますので,アンケートの取り方の手法もありますが,それを全市的に説明する予定は,今のところありません。ただし,アンケートを実施する前には,何らかの方法で事前に分かりやすい形でお示ししたいと考えていますが,全市的な説明会については,今のところ考えていません。

(記者)

 市の中心部でも同じですか。

(市長)

 中心部についても,今のところ考えていません。例えば,図書館であれば関係団体や利用者の団体などにお集まりいただくことができますが,西敷地の場合は,そのような団体が特定できませんので,今のところ説明会は考えていません。

 条件設定についてですが,議会でも繰り返し申し上げていますが,なぜ追手前小学校を新堀小学校と統合したかと言いますと,やはりこの用地を中心市街地の活性化に寄与するように使いたいためです。西敷地も含めた旧追手前小学校の敷地については一定の高度利用を含めて,できるだけ有効活用を図りたい旨を説明してきました。ただし,定期借地権に関しては,50年と決まったものではありません。借地権の設定についてもプロポーザルの提案に含まれてくるものと思われますので,一定の想定の元で,定期借地権の設定についても考えていくということを申し上げています。議論の余地がないほど条件を絞っているということはありませんので,現在,利活用検討委員会では幅広い議論をしていただいていると認識しています。

(記者)

 大橋通などの中心市街地から異論が出ていることを,もう少し捉えられた方が良いのではないかと思います。

(市長)

 全面的に広場で残すことは市として考えていませんが,建物と一定の広場という形は当然あり得ますので,そのような提案も出てくる可能性があると思います。いろいろなプロポーザルの提案を見て,最終的に決めていきたいと思っていますが,議論そのものを制約するつもりはありません。

(記者)

 子ども医療費の件ですが,県内でも全国的に見ても遅い段階になったと思うのですが,このことについてご意見をお願いします。

 また,第2子の保育料無料化を先に実施されたことについて,全国的には医療費無料化が先という市町村が多い中で,高知市は,なぜ,あえて順番を逆にされたのか教えてください。

 (市長)

 子ども医療費の助成について,県内では,言われるように中学生までのところが多いのですが,本市とは子どもさんの数が圧倒的に違いますので,財政負担が非常に大きく違います。小学校6年生までの助成が,一定のスタンダードになっていることは承知していましたが,先ほどご説明しましたとおり,年間約5億円の財源が必要になります。財政的な負担が大きいため,いろいろな協議を重ねてまいりましたが,最終的に財源を確保できたことにより実施することになりました。現在,中核市は45市ありますが,子ども医療費の助成を何歳までとしているかを見ますと,小学校6年生までが12市,就学前まではわずか2市,あとは中学・高校生までとなっています。

 後段については,少子化対策として第2子,第3子をさらに考えていただくきっかけになるためには,保育園や幼稚園の第2子無料化の方が効果は高いと考えますので,そちらにウエイトを置いているということです。中学生までの医療費助成については,状況を見ながら考えていきたいと思います。

(記者)

 費用対効果が大きいということについては,そういう結果が出ているのでしょうか。

(市長)

 夫婦二人で何人の子どもさんを望んでいるかについて,国が行った調査によりますと平均1.8人というデータが出ています。そうしますと,できれば二人を望まれているということですので,二人目を考えるきっかけにしていただきたいということから,二人同時入所すると6~7万円に上る保育料の経済的な負担を軽減する方に重点を置いて進めたということです。

(記者)

 ごみ収集車の事故の件で,原告の方が市長への面談を望まれているということですが,これについてはどのようにお考えでしょうか。

(市長)

 相手方の弁護士を通じて,会いたいというご希望をいただいています。相手方の意向もありますので,現在調整中です。

(記者)

 全国知事会の「憲法と地方自治研究会」が参議院の合区解消に向けて,参議院は地域代表と規定した憲法改正草案を盛り込んだ最終報告案をまとめましたが,これに対する所感・お考えをお聞かせください。

(市長)

 昨日,徳島県で行われた四国市長会でも,徳島県市長会と高知県市長会が合同で合区解消の議案を出し,併せて特別決議を行いました。議案については,全国市長会に上げていくことになる予定です。ご質問の知事会の方は憲法改正まで睨んだ提案ということになっています。しかし,実務的に考えますと,国会の発議がありますし,国民投票がないと改正できませんので,相当な時間がかかると思います。市長会では憲法改正には触れていません。例えば国会法の改正など,法律の改正に基づいてできるという考え方もありますので,憲法改正という文言は入れていませんが,地域代表の声が少なくなるということを看過することはできません。現在,合区は高知・徳島,鳥取・島根だけですが,さらに広がっていきますので,当然合区は解消していかなければならないという文言にしています。

(記者)

 知事会の最終報告案については,どのようなお考えですか。

(市長)

 尾崎知事も発言されていると思いますが,知事会がそこまで踏み込んで,知事会としての働きかけをしていますので,四国市長会は憲法改正まで謳い込んではいませんが,歩調を合せて同じ方向で動いていきたいと思います。ただし,憲法改正は時間がかかると思います。

(記者)

 そうしますと,同じ歩調で動いていくということで,方向性は評価されるけれども,時間がかかるので別の方法を考えるということでしょうか。

(市長)

 実務的には,別の方向を考えるという形で議論していくことになると思います。

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