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男性のHPVワクチン接種について
HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症について
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスで200以上の種類があり、主に性的接触によって感染するウイルスです。
このウイルスは、子宮頸がんの患者さんの90%以上で見つかることが知られており、女性のみが感染すると思っている方もいますが、性交渉を経験する年頃になれば、男女を問わず多くの方がHPVに感染します。
感染しても約90%の確率で、2年以内にウイルスは自然に排除されるとされていますが、自然に排除されず、数年から数十年にわたって持続的に感染した場合には、がんになることがあると報告されています。
そこで、Hpv感染による子宮頸がんの予防を目的として、小学校6年生から高校1年生相当年齢の女子を対象にHPVワクチンの「定期接種」が行われています。
男性のHPVワクチン接種について
HPVが原因となる疾患には子宮頸がん以外にも、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなど、男性が発症するものもあります。HPVワクチンを接種することでこれらの疾患への予防効果が期待できます。加えて、男性がワクチン接種による感染予防をすることで、性的接触によるHPVへの感染から女性を守り、子宮頸がん等の疾患の予防にもつながります。
男性が接種できるワクチンの種類や接種費用について
国内で使用されているHPVワクチンには2価、4価、9価の3種類がありますが、そのうち男性への接種が承認されているのは4価ワクチン(商品名:ガーダシル)と9価ワクチン(商品名:シルガード9)です。現在、男性へのワクチン接種については、個人の判断で接種する「任意接種」として接種できます。予防接種による効果や副反応などについて、十分理解した上で接種の判断をしてください。
なお、法令等に定められた「定期接種」ではありませんので、接種費用は全額自己負担となります。
接種医療機関について
男性のHPVワクチン接種は、「任意接種」に該当するため、接種を希望される場合には医療機関へ直接お問い合わせください。(接種が可能な医療機関は,、厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」等でご自身で検索してください。)
健康被害救済制度について
「任意接種」により健康被害が起きた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく補償の対象となります。詳しくは下記のページをご確認ください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 健康被害救済業務について
関連情報
男性のHPVワクチンの定期接種化については、国の審議会において議論されています。
参考資料:第24回 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会 (令和6年3月14日開催)



