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第415回高知市議会定例会市長説明要旨(平成21年6月18日)

第415回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 不適正支出

まず最初に,本市教育委員会及び市立学校で不適正な会計処理が発生しましたことを市民の皆様,議員の皆様方に深くお詫び申し上げます。

この事件は,先月27日に本市の学校教材等の納入業者であります有限会社高知文教社が破産申立ての手続に入りましたことから,債権債務を調査しておりましたところ,教育委員会事務局と一部の学校におきまして,業者の口約束を信用し,物品の納品がなされていないにもかかわらず,公金を支払いしてしまったという,会計規則に反した不適正な事務執行が判明しました。

同社は60年以上にわたり学校の教材備品の取引を行ってきた業者でありますが,今回の事案は不適正な事務執行が行われており,平成17年度の市議会における不適正発注等に関する調査特別委員会でも厳しくご指摘いただき,以後適正な事務が執行されるようチェック体制を強化していたにもかかわらず,再びこのような事態が発生したことを誠に申し訳なく思います。

判明時点で納品がなかった既支払い分1,259,860円につきましては,物品が納入済みで同社に支払いをしなければならない未払い分960,648円と相殺した上で,残余債権299,212円を関係職員が高知市に代位弁済することによりまして,完済されております。

今回の事案は,事務処理の基本ルールが徹底されていなかったことに起因しており,再発防止に向けまして,関係法令の遵守の徹底と二重チェック体制の強化を図ってまいります。

2 国政・経済の動向

次に,国政及び経済の動向について申し上げます。

去る5月25日に内閣府が発表しました月例経済報告において,「景気は厳しい状況にあるものの,このところ悪化のテンポが緩やかになっている」と若干表現が緩和された形になってきており,また,昨日公表されました6月月例報告では,景気の「悪化」の表現が7か月ぶりに削除され,景気判断は2か月連続の上方修正となっています。

一方,日本銀行の高松,松山,高知の各支店が発表した四国4県の5月の金融経済概況では,愛媛,香川,徳島の3県では判断を上方修正したものの,本県においては,「悪化している」と据え置かれています。

先月29日には,雇用・金融対策や,グリーン家電の普及加速などの低炭素革命,子育て応援特別手当の拡充などの健康長寿・子育て,農業支援や公共事業などのインフラ整備のほか,地方公共団体への臨時交付金の創設など,過去最大となる14兆6,987億円の財政支出を盛り込んだ国の平成21年度補正予算が成立し,景気の下支え効果が期待されているところです。

市内の多くの民間企業では赤字決算や減収減益決算が計上されることとなっており,法人関係を中心とした税収減が懸念されていますので,国の補正予算等を効果的に活用し,地域経済の下支えを図ってまいらなければならないと考えております。

去る6月3日に財務大臣の諮問機関であります財政制度等審議会が取りまとめた建議であります「平成22年度予算編成の基本的考え方」では,「今回の国の補正予算により創設した地方公共団体への交付金は臨時異例の措置とするべき」とされており,また,今後の地方行財政の在り方として,「地方交付税に標準的経費以上の財源を求めることは適当でなく,地方が新たな行政サービスを行うためには,超過課税あるいは歳出削減により独自に財源を確保して行うべき」とされておりますが,この意見は地方の命綱であります交付税をはじめとする地方財源確保の観点からは容認できない点があります。

本来,国においては,三位一体改革で一方的に削減した5兆円の地方交付税を速やかに復元すべきであり,財政難にあえぐ地方公共団体にとって受け入れることができない意見であり,交付税の復元を強く国に対して要求してまいります。

今月16日に原案が決定されました骨太方針2009におきましては,「地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税,地方交付税等の一般財源の総額を確保していく」とする一方で,「不断の行政改革の推進と無駄排除の徹底を継続する」方針が示されており,平成22年度の地方財政につきましては,なお厳しい状況になるものと考えます。

今後,国の22年度予算の概算要求基準が設定されるまでには,国政選挙と相まって様々な論議がなされることと思いますが,情報収集に鋭意努め,全国市長会等あらゆる手段を通じまして,地方財源の強化充実を強く訴えてまいります。

3 財政再建に向けた取組

次に,財政再建に向けた取組について申し上げます。

本市の危機的な財政状況の説明と,これからのまちづくりの在り方について,市民の皆様のご意見を広くお伺いするため,5月1日から順次開催しております地域説明会は,直近の6月12日の横浜小学校で17回を数えました。

各地域の皆様からは,「市民に負担を求めるその前に市が限界まで経費を削るべきである」,「市の職員の給料が高すぎる」など,市の内部努力の徹底とともに,職員数や人件費の削減に関する厳しいご意見を多数いただいております。

また,「なぜ固定資産税なのか」といったご意見とともに,「公平に市民が負担するためには所得に応じた負担を求めるべきではないか」といったご意見もいただいております。

ごみ処理の有料化に関しては,「これまで築き上げてきた高知方式が崩れる」,「分別が徹底されなくなり,不法投棄が増える」などのご意見も多くいただいているところです。

ごみ処理の有料化につきましては,財政再建に向けた地域説明会よりもさらに小さい単位で,7月から10月にかけて環境部を中心に地域の皆様方に再度ご説明することとしております。

本市のさらなる内部努力に関しましては,新定員適正化計画に基づきまして,実人員を2,700人にまで削減することや,本年8月の人事院勧告等の内容を踏まえまして職員給の独自減額の減額割合を具体的に検討し決定してまいります。

ぎりぎりのところまで管理的経費の内部削減努力を重ねてまいりますが,最終的に財源不足を来す部分につきまして,市民の皆様方にご負担をお願いせざるを得ないところもありますので,全28箇所の説明会での様々なご意見を踏まえまして,議会の皆様方のご意見もお伺いしながら,最終案を決定してまいりたいと考えておりますので,今後とものご指導をお願いいたします。

今般の説明会でいただきましたご意見と回答内容につきましては,その主なものについて,本市のホームページや広報「あかるいまち」7月号でもお知らせすることとしております。

4 行財政改革の取組

次に,行財政改革の取組について申し上げます。

まず,技能労務職員に対します国の行政職俸給表二表の導入についてです。

本市では,清掃員,学校用務員,給食調理員などの技能労務職員につきましては,これまで一般行政職員と同じ給料表を適用してきたところですが,平成19年3月に策定いたしました行政改革第2次実施計画に基づいて,国の行政職俸給表二表に準拠することについて検討を進めてまいりました。

この間,国の骨太方針2007におきまして,地方公共団体の技能労務職員については,地域の民間給与をより一層反映させることが課題とされ,総務省において研究会を設置し検討した結果,国の行政職俸給表二表を援用することが妥当との見解が示されています。

これらのことから,本市の技能労務職員につきまして,国の行政職俸給表二表に準拠した給与体系とするため,職員団体と基本方針の協議を進めてきたところですが,平成22年度からの制度導入につきまして,基本合意が得られましたので,今議会におきまして関係する職員給与条例の改正をお諮りするものです。

平成22年度からの具体的な運用につきましては,職種変更や現給保障などの課題が残っておりますが,高知県など先行した取組を参考にしながら,円滑な制度移行に向けまして精力的に取り組んでまいります。

次に,先般,行財政改革特別委員会でもご報告いたしましたが,市民会館につきまして,運営体制の見直しを行い,来年度から正職員数を14名削減し,人件費を約8千万円程度削減することとしています。

また,本年9月から大丸にあります帯屋町窓口センターを閉所することで,人件費等のコスト削減を図ることといたしました。

さらに,水道料金等徴収業務につきましても,平成23年1月から民間事業者に包括委託を図ることで,正職員等27名程度を削減し,年間約9千万円程度の経費削減を図ることとしております。

同時に,こうした取組と並行して,全庁的に事務事業見直しの徹底化を進めておりまして,全庁での危機意識の共有化はもとより,全職場での財政再建に向けた取組を徹底してまいります。

5 新清掃工場損害賠償請求の和解

次に,新清掃工場本体整備工事の入札談合事件に係る損害賠償請求訴訟の和解について申し上げます。

本市は,平成10年8月17日に実施した新清掃工場本体整備工事の指名競争入札におきまして,三菱重工業株式会社など応札業者5社の談合による受注調整行為により不公正な価格提示がなされ損害を受けたと判断いたしまして,受注業者である三菱重工業株式会社を被告とする損害賠償請求訴訟を平成20年2月18日に東京地方裁判所へ提訴し,裁判を進めてまいりました。

去る6月4日に事件を所管します東京地方裁判所から和解勧告がなされまして,その勧告内容を検討しましたところ,同種裁判の判決事例と比較しまして,ほぼ同等の損害回復が図られるなど,和解協議における本市の主張が概ね認められているものと判断し,この和解勧告を受諾したいと考えております。

和解協議で本市が主張してまいりましたのは,損害回復において第一に,協定書に定められている損害の最低額である契約金額の6パーセント,金額に換算すると17億9,550万円でありますが,この額が確保されていること,第二に,工事代金の最終支払日である平成14年4月30日から和解協議において双方が合意するまでの年利5パーセントの遅延損害金が確保されていることなどであります。

勧告では原告・被告双方が平成10年12月15日に交わした協定書を踏まえまして,「解決金として24億4,532万3,425円を平成21年9月30日限り,支払う。」とされております。

東京地方裁判所はこの解決金の内訳について明らかにしておりませんが,市の解釈としては契約金額の6パーセントに相当する損害金のほか,約7年間分の遅延損害金等が含まれているものと考えておりまして,事件の早期解決なども踏まえ,勧告を受諾することを総合的に判断したところであります。

今定例会にお諮りしております和解に関する議案につきまして,議会のご承認がいただけましたら,次回期日である来月27日に被告の意思確認を経て和解が成立する見込みであります。

6 高知医療センター

次に,高知医療センターの運営について申し上げます。

本年1月に,尾崎高知県知事とともにオリックス本社を訪問いたしまして,経営改善に向けた協力要請を行い,企業団とSPCである高知医療ピーエフアイ株式会社の双方がPFI事業の最初の原点に立ち返って経営企画協議会で協議を進めていくこととしておりました。

先日その協議の中で,SPC側から「平成23年度の経常収支の黒字化に向けて企業団の期待に沿った材料費や委託料の削減効果を短期間で達成することは困難である」との説明がありました。

その上で,SPCとして,医療センターの経営改善を考えた結果,「SPCの運営経費が当初の提案よりも割高になっている」との企業団からの指摘も踏まえれば,「SPCが業務を離れ,諸経費の削減により協力することも一つの方法ではないか」と判断したので,今後「双方合意によるPFI事業の終了」を議題として,経営企画協議会で協議を行いたいとの提案があったところです。

病院企業団としては,SPCが材料費や委託料を直ちに削減することが困難であるとする以上,「合意によるPFI事業の終了」も選択肢の一つであると判断し,今月16日に開催されました企業団臨時議会で報告されたところであります。

構成団体の高知市としましても,「合意によるPFI事業の終了」は,経営改善が喫緊の課題であり,大幅な経費の削減に取り組まなければならない医療センターにとりまして,経費の削減と経営改善につながる具体的な一歩になるものと判断します。

今後は,病院企業団とSPCが契約終了に向けた具体的な条件協議を進めることになりますが,構成団体として高知県とともに,その協議状況を見極めながら医療センターの抜本的な経営改善が果たせるよう,積極的に支援してまいります。

7 定額給付金給付状況・DV被害者特例給付制度

次に,定額給付金と子育て応援特別手当の給付状況及びDV被害者への特例給付金事業について申し上げます。

定額給付金と子育て応援特別手当は,本年4月6日から申請の受付を開始しまして,支給決定者の方々には5月13日から順次口座振込を行っております。

6月11日現在の給付状況は,定額給付金は143,280件,48億6,068万4千円,給付率は約93パーセントとなっており,子育て応援特別手当は4,233件,1億5,487万2千円,給付率は約95パーセントとなっております。

給付金等の申請期間は10月6日までとなっておりますが,給付率の向上を目指し,今後は未申請者の方々に対します周知に一層努めてまいります。

また,DV被害者への特例給付金事業は,DV被害者の方が居場所を知られることを恐れ,住民票を移せずに避難している場合には定額給付金等が行き渡らない可能性があることから,生活支援や子育て支援の趣旨に基づき,本年2月1日に市内に居住し,高知県女性相談支援センター等でDV被害についての相談に関する証明が受けられるものなどについて単独事業として支給しようとするものであります。

8 元気再生プロジェクト事業・有機農業振興

次に,元気再生プロジェクト事業について申し上げます。

昨年度,国に提案・応募し採択されました「地方の元気再生事業」は,本市の強みである「環境」や「食」を軸に据えながら地域活性化を図るもので,本年度も国の内示を受け,引き続き実施してまいります。

本年度のプロジェクトは,第一に「森里海再生100年事業」として民有林の保全を目指した「民有林版協働の森事業」や漁業体験,鏡川源流を探索するエコツアー等を行います。

第二に「天然アユ100万尾復活事業」としてアユ産卵地整備等を組み込んだエコツアーや鏡川天然アユ生態調査事業を行い,第三に「土佐食の旅100事業」として有機農業実践農家の調査や日曜市ガイドブック秋・冬編の作成,土佐の食ブランド化の推進を行うものであります。

また,この元気再生プロジェクトで昨年度実施いたしました「眠れる資源再発見事業」によりまして,廃棄物系のバイオマス資源は年間約7万トン,未利用バイオマス資源は約8万2千トンあり,そのうち利活用されていないのは,廃棄物系バイオマス資源で2割弱,未利用バイオマス資源で9割弱との成果報告がなされております。

この未利用バイオマス資源のうち賦存量の大きなものに竹が挙げられており,今春策定されました県の産業振興計画に基づく高知市地域アクションプランにおきましても,竹バイオマスタウン構想の実現を掲げております。

竹バイオマスにつきましては,合併前の春野町からその構想を引き継いだところでありますが,今般,対象を市域全体に広げ,竹以外の林地残材,製材残材などのほか,廃棄物系バイオマス資源の利活用も含めて,新たに「高知市バイオマスタウン構想」を策定することといたしました。

具体的には,廃棄物系バイオマス資源では堆肥利用の促進啓発を行い,未利用バイオマス資源では,竹林管理及び資源収集運搬事業によって原料を供給し,住宅用各種床材の生産や竹成分抽出製品の生産を行うほか,林地残材等による木質ペレット化事業を計画しております。

この構想が実現されますと,年間約30億円の地域産業の創出や約90人の新規雇用の創出とともに,荒廃した竹林・森林の適正管理,山の再生につながる農林水産業の元気再生,Co2削減などの効果が見込まれ,今後,中国四国農政局との協議を進め,今年度内の「バイオマス・ニッポン総合戦略会議」における認定公表に向けて,精力的に取り組んでまいりますので,ご支援賜りますようお願いいたします。

次に,有機農業等ECO農業の推進について申し上げます。

昨年度,有機農業実践者などで構成するECO農業推進検討委員会を立ち上げ,専門的見地からご助言等をいただきました。

その検討内容を踏まえ,このたび有機農業等ECO農業の推進を図る新たな施策として「有機市民農園」の開設と,地方の元気再生事業による「ECO農業関連商品『畑から食卓まで』プロジェクト」に取り組むことといたしました。

まず,「有機市民農園」につきましては,消費者である一般市民の方々に有機農業に関する情報や接する機会を設けることにより,有機農業や有機農産物の付加価値について理解を深めてもらうことを目指してまいります。

この「有機市民農園」は,入園者の方々に対する有機栽培のサポートや栽培講習会等を行うことが特徴で,公設の有機市民農園としては全国的にも珍しく,県下で初めての取り組みとなります。

本市では,毎週土曜日に高知港岸壁で開催されております高知オーガニックマーケットが国内最大規模に成長するなど,有機農業,有機農産物に対する関心が非常に高く,この有機市民農園の開設も多くの市民の皆様にご利用いただけるものと考えております。

また,「ECO農業関連商品『畑から食卓まで』プロジェクト」につきましては,有機農業実践者等の概況調査を行うほか,環境に優しい有機農業等ECO農産物などの販売促進活動を実施するもので,生産から販売まで総合的に取り組むことにより,地産地消の推進とECO農業の振興を図ってまいります。

9 西武跡地再開発問題

次に,はりまや橋南地区における高知西武跡地の再開発について申し上げます。

この再開発につきましては,平成17年に株式会社オーナーズ・ブレーンのファッションビル建設計画表明を受けまして,中心市街地活性化の観点から,市街地環境の整備に寄与する優良建築物等整備事業として,国,県とともに支援してきたところであります。

事業者側では,平成20年1月にテナント募集の説明会を開催し,平成21年秋の店舗オープンに向けて準備を進めておりましたが,金融情勢の悪化や建設資材の高騰などで,昨年8月には単独での再開発を断念し,当該事業を引き継ぐ事業者を探しておられました。

しかしながら,経済情勢のさらなる悪化によりまして,今月11日に,はりまや橋南地区の再開発事業から完全に撤退し,用地を売却することが発表されました。

高知西武跡地の再開発は,県民市民の期待も大きかったことから,再開発事業から撤退するということは,非常に残念であります。

この地区につきましては,県都の中心「はりまや橋」にふさわしい商業系施設の立地が望まれるところであり,今後県とも早急に協議してまいります。

10 雇用対策

次に,雇用対策について申し上げます。

本市の雇用情勢は,国の経済対策による雇用対策事業などの下支え効果はあるものの,本年4月の高知公共職業安定所管内の有効求人倍率は,対前年同月比で0.11ポイント減の0.39倍とさらに深刻さを増しております。

本市の本年度の雇用対策事業のうち,国の平成20年度第2次補正による「緊急雇用創出臨時特例基金事業」及び「ふるさと雇用再生特別基金事業」の活用により,当初予算で合計31事業,約1億3,000万円を計上し,合計161名の新規雇用の創出を目標に取り組んでおりますが,現在の雇用情勢から,両事業の一層の拡充が必要であります。

このため両事業でさらに6事業を追加して,新たに35名の新規雇用の創出を図るため,その事業費として5,400万余円の補正予算を計上いたしました。

また,緊急雇用創出臨時特例基金事業につきましては,先月末の国の21年度補正予算の成立によりまして,県に35億3,000万円の事業費が追加配分され,本市につきましては,当初の配分額約1億3,000万円に加えまして,新たに3億6,400万円の追加内示をいただいたところです。

今後とも,中高年の失業者の方々に対する雇用対策を含めて,現況の厳しい雇用環境の改善に向けて積極的に取り組んでまいります。

11 はりまや橋観光バスターミナル利活用策

次に,はりまや橋観光バスターミナルの利活用策について申し上げます。

はりまや橋観光バスターミナルの利用状況につきましては,平成20年度実績は552台となっており,当初目標を大幅に下回っており,大変申し訳ない状況になっております。

そのため,5月7日に活性化対策本部を設置しまして,週一回のペースで,空港連絡バス・高速バスの利活用,観光バス誘致,路線バスの乗入れ,待合所の利活用等の検討を行っております。

バス事業者や旅行代理店,指定管理者の方々等とも協議を進めておりますので,具体的な方策を早期にお示ししたいと考えております。

また,今議会に提案しております,はりまや橋観光バスターミナル条例の一部を改正する条例議案では,本部会での検討結果を踏まえ,バス事業者や旅行代理店等から要望の多かった駐車場の無料時間や泊車時間の延長を行うことにより,駐車場の活性化を図っていくものであり,今後とも順次対応策を実施してまいります。

12 公共施設の耐震化

次に,公共施設の耐震化について申し上げます。

学校施設の耐震化につきましては,昨年6月の地震防災対策特別措置法の改正を受けまして,大地震によって倒壊等の危険性が高いとされる学校施設の耐震化対策を最優先で進めているところです。

現在,国の20年度補正予算の地域活性化・生活対策臨時交付金事業などを活用しながら,小・中学校4棟の補強工事と小学校1棟の改築工事,さらには小・中学校6棟の補強・改築設計と7棟の第二次耐震診断を実施しております。

これらに加えて,この度の国の平成21年度補正予算の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用しながら6月補正予算に前倒しをして,小学校校舎4棟・体育館2棟,中学校校舎1棟と体育館1棟の計8棟の耐震補強設計を追加することとしました。

また,同じく国の21年度補正予算の地域活性化・公共投資臨時交付金を活用しながら,これら8棟と現在補強設計作業中の5棟を合わせた13棟の耐震補強工事を実施することとしており,これらの補強・改築工事が完了しますと,耐震化の進捗率は62パーセントとなり,現在判明しているIs値0.3未満のものは,ほぼ完了することとなります。

次に,保育所の耐震化については,民営保育所59園,公立保育所31園,合わせて90園中,耐震基準により建設された園は30園,耐震補強工事を行った園は6園,耐震診断の結果耐震性が確保されているとの判定を受けた園が1園となっており,平成21年4月時点で ,公立保育所51.6パーセント,民営保育所35.6パーセント,全体では41.1パーセントの耐震化率となっています。

今般の6月補正予算におきまして,公立保育所では,春野弘岡中,春野中央,春野平和保育園の耐震化工事に要する経費を計上いたしました。

また,民営保育所では潮江地区にあります,のぞみ保育園の耐震化工事及び改修工事に要する経費を計上しております。

13 教育改革への取組

次に,教育改革への取組について申し上げます。

本市における様々な教育課題を解決するためには,教員の方々の資質・指導力の向上が不可欠であると考えておりまして,先月23日に開講いたしました「高知教師塾」は,教育に対する「情熱と実力」を備えた教員養成を行い,ミドルリーダーとして学校組織の活性化を推進し,これからの本市の教育現場を担う人材を育成することを目的としております。

講師としまして,全国的にも著名な原田教育研究所の原田()隆史()先生を招聘し,全国で初めて教育行政とタイアップした「教師塾」となっておりまして,第1期生30名の教員の参加を得まして,期間6か月,1年間に2期,年間で60名,今後5年間で延べ300名のリーダーとなる人材を育成していく予定です。

この研修の中では,現職の本市の中学校長から学校改革について講義をする時間も設定しており,校長会とも連携を図りながら進めてまいることとなっております。

「授業や生活指導」,「教員としてあるべき姿」など,学んだ内容を子どもたちの指導に直接役立てていただくとともに,それぞれの教育現場において広くその成果が還元されていくことを願っております。

参加した教員の方々からは,「子どもを変化させるためには,まず自分が変わることが大切である。自分の日々の行動を見つめ直すことから始めたい」,「気づきに基づく行動を大切にし,自己変革を行いたい」などの意見も聞かれていると報告を受けておりまして,今後の成果を期待しております。

また,本年度から県市の教育委員会が協働で実施しております中学校学習習慣確立推進事業については,中学生の学力向上のために家庭学習を確立することを目指すもので,4月当初から保護者向けの説明会を全ての中学校で実施するなど,保護者の方々のご協力も得ながら取組を進めており,これらの取組によりまして,中学生の家庭学習の時間が大幅に増加しているとの報告を受けております。

14 平成20年度決算見込み

次に,平成20年度の決算見込みについてご報告申し上げます。

一般会計におきましては,昨年秋からの景気悪化に伴い法人税収が減少するなど,前年度に引き続き大変厳しい財政運営となりましたが,普通交付税や固定資産税が増加しましたことや,公共事業等の歳出に不用が生じたことなどにより,収支の均衡を保つことができる見込みとなっています。

特別会計では,収益事業におきまして記念競輪や本場開催競輪の電話投票の売上げ増によりまして単年度収支は黒字となり,累積赤字も70億円を下回る見込みです。また,施設建設時の起債償還を行っている駐車場事業や国民宿舎運営事業においては,引き続き累積収支では収支不足が生じる見込みでありますことから,今後とも収入の確保とともに経費の節減に努め,経営収支の改善に一層努力してまいります。

企業会計では,水道事業で収益的収入は春野町との合併のため前年度より0.3パーセントの増加となりましたが,収益的支出も1.2パーセントの増加となったことにより,ほぼ前年度並みの10億2,731万円余りの純利益となっております。

15 補正予算

以下,議案についてご説明を申し上げます。

今回提出いたしました議案は,予算議案2件,条例議案8件,その他議案12件です。

まず,今回の補正予算は,一般会計につきましては,国の平成21年度補正予算に伴い創設されました地域活性化・公共投資臨時交付金及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用して,学校施設や保育園の耐震化,橋梁震災対策,道路構造物保全対策,排水機の改修,消防車両の整備など,市民の安心と安全を確保するための経費を中心に補正するものです。

また,前段申し上げましたDV被害者特例給付や有機市民農園開設に係る経費などについても,この交付金により補正することとしております。

このほか,国の交付金による県基金事業であります緊急雇用創出事業に4事業,ふるさと雇用再生特別基金事業に2事業を追加いたしますとともに,対象が第一子からに拡大されました子育て応援特別手当,国の内示を受けました元気再生プロジェクト事業,消防指令システムの(仮称)総合あんしんセンターへの移転整備のための経費等について,補正することといたしました。

水道事業会計につきましては,料金課業務の外部委託に向けた債務負担行為を設定するものであります。

以上,申し上げました内容によりまして,提案いたしております今回の補正規模は,

 一般会計   34億7,500万円

の増額であり,補正後の予算規模は全会計の純計で2,337億7,671万4千円となり,この補正予算財源としまして繰越金を一般財源として充当いたしました。

16 予算外議案

次に,予算外議案について申し上げます。

条例議案は,法令の改正に伴うものなど8件です。

市第52号議案は,前段申し上げました技能労務職員の給与の種類及び基準を定めるため,職員給与条例の一部を改正するもの,また,市第54号議案は,はりまや橋観光バスターミナルの駐車場の無料時間や泊車時間の延長を行うものです。

市第55号から市第57号議案までは,弥右衛門,潮江西部,高知駅周辺の各土地区画整理事業の清算金の分割徴収の利子等について改正するものです。

また,市第58号議案は,普通徴収の方法により徴収する後期高齢者医療の保険料のうち,12月に徴収するものの納期の末日を国民健康保険の保険料の納期と合わせるものです。

その他の議案は,工事請負契約に関するものなど12件で,このうち,市第71号和解に関する議案は,前段申し上げました新清掃工場本体整備工事の入札談合事件に係る損害賠償請求訴訟の和解に関するものです。

報告11件につきましては,繰越計算書など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。