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第411回高知市議会定例会市長説明要旨(平成20年12月9日)

 第411回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

 まず,国政及び経済の動向について申し上げます。

 サブプライムローン問題に端を発する世界的な金融不安による実体経済への影響が深刻化してまいりました。

 日本経済を牽引してきたトヨタ自動車が平成21年3月期連結決算の業績予想で営業利益73.6パーセント減を発表したほか,白物家電の代表格であるシャープやパナソニックなどの電機メーカーも相次いで大幅な減収見通しを発表するなど,株価下落に伴う資産減少による特別損失も重なって,企業収益の悪化が著しくなってきています。

 また,県内では,サブプライムローン問題などによります直接的な影響は少ないものの,全国的な景気停滞に伴いまして,夏場以降の冷え込みが顕在化しています。

 日本銀行高知支店が今月1日に発表しました高知県金融経済概況では,「高知県の景気は,弱い動きが広範化しており,停滞している」とされ,「生活必需品を中心とするこれまでの物価上昇に伴う家計マインドの慎重化に加え,夏場前後から雇用・所得環境が厳しさを増し,個人の消費支出は基調として弱めの動きが続いている」とされています。

 全国状況に比べてこれまで健闘してきた県内製造業についても,8月以降減産に転じており,中小・零細企業の倒産も増加してきているところです。

 本市におきましても,百貨店売上高で衣料品や雑貨を中心に8か月連続の前年比マイナスとなったほか,製造業関係で受注が減少するなどの影響が見られてきていることから,中小企業の緊急支援措置として,県と協調した信用保証料助成の緊急対応を行ったところです。

 国におきましては,本年8月29日にまとめられました「安心実現のための緊急総合対策」に加えまして,定額給付金や,インフラ整備などを進めるための地域活性化・生活対策臨時交付金などを含む「生活対策」を10月30日に発表しましたが,定額給付金の所得制限問題や道路特定財源の一般財源化に伴う1兆円の取扱いでも政府与党間で見解が対立するなど,課題が多い状況となっています。

 このうち,道路特定財源の一般財源化に関しましては,麻生総理が使途を限定しない地方交付税として1兆円を配分する考えを表明しておりましたが,今月3日の自民党のプロジェクトチーム総会において,「道路整備を含む公共事業に使途を限定した1兆円規模の地域活力基盤創造交付金を新設して地方に配分するとともに,地方交付税は予算編成過程で増額する方針を了承」し,昨日政府与党が合意した旨の報道がされているほか,この交付金とは別枠で地方交付税に1兆円規模で上積みを総理が指示し,財務省,総務省が具体的な調整に入ったとの報道もあり,今後,地方財政計画にどのように反映されていくのか注視してまいらなければなりません。

 また,国の第二次補正予算は,定額給付金や防災対策を中心とする公共事業,介護従事者の待遇改善や妊婦健診の無料化拡充などを含む総額5兆円規模となることが明らかにされていますが,この補正予算案の提出時期は来年年明けの通常国会冒頭となることが想定されており,地方公共団体の補正予算の議会日程等を考慮しますと,定額給付金の年度内交付にも課題があると考えています。

 さらに,国内の実体経済への深刻な影響は,基幹税である法人税をはじめ,交付税原資となります国税,また地方税ともに大幅な減少が想定され,本市のように財政力の脆弱な団体にとりましては,来年度の地方交付税の動向が大変懸念されます。

 例年ですと今月下旬には,来年度の地方財政対策の概要が明らかになってまいりますが,今後の国の動向を注視するとともに,全国市長会等を通じ,地方一般財源の確保について,さらに強く訴えてまいります。

 次に,中期財政収支見通しと平成21年度当初予算編成について申し上げます。

 本年9月議会におきまして平成21年度から向こう5か年で概ね300億円台の収支不足が見込まれる旨の中期財政収支見通しを中間報告としてお示しいたしました。

 その後,公債費等の精査を行いましたが,市税,交付税等の一般財源と扶助費等の社会保障に要する経費の今後の動向によりましては,この期間中に約295億円から最悪の場合には387億円近くの財源不足が見込まれているところです。

 また,現在想定されます収支改善策のすべてが達成できたとしましても,なお100億円台の収支不足が解消できない状況となっております。

 大変厳しい現下の財政見通しの中,来年3月の新財政再建推進プランの策定に向けまして,専門的見地からのご意見をお伺いするために,行財政に識見を有する委員で構成します高知市財政問題懇話会を立ち上げ,先月17日に第1回の会議を開催いたしました。

 初回の会議で委員の皆様からいただきましたご意見としましては,「本市の財政状況について過去の収支不足を乗り切ってきたと言っても,起債の借換などの先送りに頼ってきたものであり,実質的に財政構造が改善されたものではなく,その結果が21年度からの5か年の大幅な財源不足に顕れてきたものであることをしっかりと認識し,市民の皆様や議会に説明する必要がある」との意見をいただいています。

 また,「経常的経費については,定数削減については改善の余地はあるものの,生活保護や高齢者福祉などの扶助費で多額の支出が必要な中,他都市に比べても全体的に経常的経費は抑制されており,行政改革の努力は見られ,削減の余地は難しいのではないか」との意見も出されています。

 一方,投資的経費では,「都市計画税を徴収していないという歳入状況の中で今後も投資を続けることは困難で,投資をやめるか,投資を続けるならば市民負担のお願いもしなければならないのではないか」という意見もいただいているところです。

 このような厳しい専門的な意見を真摯に受け止め,議会の皆様ともご相談申し上げながら,来年3月の新財政再建推進プランの策定に向けてさらに取組を進めてまいります。

 この新財政再建推進プランの初年度予算ともなります平成21年度当初予算編成は,財政再建を着実に推進するという前提の下に,経済の活性化と市民の暮らしを守るための「にぎわいとあんしんのまちづくり」予算として編成を行うこととしております。

 平成19年度当初予算編成から導入しております部局ごとの概算要求基準額につきましては,本年8月に総務省から発表されました来年度の地方財政収支の仮試算などを参考に想定した市税収入や地方交付税などの財源見通しに基づいて,(仮称)総合あんしんセンター建設事業など予定されている事業の経費を折り込みつつ,投資的経費も含め歳出の性質ごとに異なるシーリング率を設定しまして,平成21年度一般会計の概算要求基準額を1,295億円といたしました。

 この金額は,平成20年度当初予算と比較しまして,36億円の減少となっていますが,特殊事情であります5年満期一括償還の起債借換えに必要な経費をそれぞれ差し引きますと,実質的には28億円の減少となっています。

 本年11月に各部局や行政委員会から提出されました予算要求額は,既に経常予算が連年の削減により逼迫した状況となっていることや,介護給付や生活保護費などの扶助費の伸びが著しいこともあり,現時点では概算要求基準額を約40億円超過した約1,335億円の要求額となっています。

 厳しい経済環境の中で,市税収入のさらなる落ち込みが懸念される状況もありますことから,今後国から発表されます平成21年度地方財政対策等も参考にしながら,新年度予算編成は,厳しい査定にならざるを得ないものと考えております。

 次に,組織及び機構改革について申し上げます。

 今回の組織及び機構改革は,財政再建に向けて職員数の総定数の削減を進めていかなければならない状況の下で,組織のフラット化とスリム化を図りながら,地方分権改革の推進や今後の市民サービスを確保するため,効率的で効果的な組織体制を構築することに主眼を置いたものであります。

 部局レベルでは,財政再建に向けた取組をより強力に推進していくことを目的に,歳入歳出及び市有財産を一括して管理するため財務部を新設するほか,行政改革,機構,定数,人事を一本化し,本格的に行政改革を進めるとともに,元気再生事業や環境モデル都市への対応など,各部局を横断する施策の推進強化に向けた政策調整機能の強化を目指し,企画財政部と総務部を再編いたしました。

 また,部と課あるいは課と係の中間にあります室・所等につきましては,迅速な意思決定を図ることを目的として,組織のフラット化等を進めるために可能な限り見直しを行い,税務事務所や工事検査事務所など8つの室・所につきまして廃止することとしております。

 さらに,課の見直しとしましては,部局横断型の積極的な施策の立案・推進を図っていくため,企画調整課を総合政策課に改組するとともに,さらなる行政改革の推進に向けて行政管理課を行政改革推進課に改組し,組織体制の強化を図り,併せて環境部と商工観光部において,効率的な執行体制の確保を図るために課の統合を行うこととしております。

 厳しい財政状況の中で新しい時代の変化に対応していくためには,さらなる組織のスリム化とともに,総合的な執行体制の確保と機動性の強化が重要であり,来年度の機構改革を第一弾として,平成22年度には,国で審議されています地方分権改革の進捗状況や新たな総合計画の方向性等も踏まえながら,全庁的な組織再編に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に,使用料・手数料改定について申し上げます。

 市民生活が厳しさを増している中で,大変心苦しい選択でありますが,現在継続審査となっております下水道使用料の改定に引き続き,本議会では,各種の証明書発行等に係る手数料や公の施設における会議室等の施設使用料の改定について,関係条例の改正議案をご提案させていただいております。

 これまで,使用料・手数料の定期的な見直しは,概ね3年から4年ごとに実施してきているところですが,今回のような全面的な改定は平成12年4月以来8年ぶりとなっており,今回は改めまして,適正な受益者負担の検討及び原価計算等の検証を行い,その結果に基づいて見直し方針を立てたものであります。

 そのうち,住民票等の交付や証明関係手数料につきましては,原価計算による受益者負担を原則として,県内他市の状況も参考にしながら改定することとし,現在300円から350円の現行手数料を,一律400円に改定させていただきたいと考えております。

 また,施設使用料につきましては,合併後間もない春野地域の施設などを除き,公費負担と受益者負担の割合の見直しを図ることとしております。

 現在,公民館等の貸室のある施設や体育施設などの主要な施設を対象に,使用料収入と管理経費から受益者負担率を積算いたしますと,現状での受益者負担率は総経費の約4分の1の25.3パーセントとなっています。

 将来的には,この負担率を3分の1程度に引き上げさせていただきたいと考えておりますが,一挙に改定しますと約31.6パーセントもの引き上げとなってしまいますことから,今回の改定では,その半分の15.8パーセントの改定をお願いするものであります。

 冒頭に申し上げました厳しい経済状況のなかで,市民の皆様にとりましては負担増となるわけで,大変心苦しい思いでありますが,一方で財政破綻を招くことは,市民の皆様にさらなる大きなご負担をおかけすることとなることから,絶対に避けなければならないと強く決意しておりまして,今回の使用料・手数料の見直しにつきましても,本市の財政再建に向けた取組の一環として,なにとぞご理解を賜りますようお願いいたします。

 次に,家庭ごみの有料化の検討についてでありますが,国においては,廃棄物の減量等の施策に関する基本方針の中で,「経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再利用の推進,排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため,一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべき」とされておりまして,県内では春野地区を除く高知市以外の市町村で既に有料化が実施され,全国でも50パーセント以上の市町村で指定袋制を含めた有料化が実施されているところです。

 本市では,これまで市民の皆様方との協働によりまして,いわゆる「高知方式」と言われる分別方式により,約30年以上の長きにわたって全国に誇れるシステムを築き上げることができており,日頃からの市民の皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

 この歴史的な伝統を大切にしながら,家庭ごみ有料化の検討に当たりましては,まず,市民の皆様のご意見を広くお聞きすることが最も大切であるとの認識から,全国的なごみ有料化の状況や本市の清掃行政の課題等を一定とりまとめまして,日頃からお世話をいただいております廃棄物減量等推進員や町内会の方々などに廃棄物行政地区説明会でご説明をさせていただきますとともに,広報「あかるいまち12月号」に「家庭ごみの有料化を検討しています」と題したチラシを折り込み,市民の皆様に周知をし,ご意見をいただいております。

 今後は,いただきました貴重なご意見等を参考にしながら,廃棄物処理運営審議会や市議会の皆様のご意見も十分にお聞きした上で,家庭ごみの有料化について年度内には一定の結論を出してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

 次に,下水道使用料についてでありますが,本年9月定例会で使用料改定のご審議をお願いし,現在,継続審査をいただいております。

 今回,初めての取組となりましたが,下水道使用料の改定内容や平成21年度から平成30年度までの10か年を期間とします下水道事業中期経営計画案につきまして,高知市の下水道特集を作成し,「あかるいまち11月号」とともに市内全戸に配布させていただきました。

 広報紙による下水道事業のPRが初めてということもあり,残念ながらご意見は数件しかいただくことができませんでしたが,引き続き,市民の皆様に下水道事業のPR活動を積極的に行い,下水道が市民の皆様の安全・安心の暮らしや生活環境,自然環境を保全していくためには重要な都市施設であることをお知らせし,下水道事業の必要性をご理解いただけるようさらに努力してまいります。

 また,安定した下水道経営の実現を目指し,下水道使用料による汚水資本費回収率を高めることに努め,一般会計からの繰入はできる限り抑制するとともに,水洗化率の向上に,なお一層,努力していく必要があります。

 下水道事業債などの高金利政府資金の借換枠の拡大や借換の要件緩和などにつきましては,議会のご協力もいただきましたが,引き続き,全国市長会などを通じまして国に強く要望してまいります。

 今後,本格的な少子・高齢化社会を迎え2010年には総合計画を策定し,将来の人口動向や土地利用などの都市フレームも明らかになってまいりますので,このことを踏まえ下水道計画につきましては,都市計画や上水道計画と整合性を図るとともに,農業集落排水事業や合併浄化槽との連携や調整を図ってまいりたいと考えます。

 いずれにいたしましても,これまで以上に下水道経営の健全化のため,職員一人ひとりがコスト意識を持ち,最少の経費で最大の効果が得られるよう創意工夫を行ってまいりますので,下水道使用料の改定につきましては,ご審議のうえご理解を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

 次に,本市の新しい総合計画の策定について申し上げます。

 平成13年に策定しました現行の「2001高知市総合計画」は,10年間のスパンであります基本計画部分が平成22年度末で期間満了となります。

 この間,自然環境が豊かで,かつ,大きな可能性を持つ「鏡・土佐山・春野地域」との合併によりまして,市勢の基礎的条件が大きく変わるとともに,本市を取り巻く社会的状況も変化してきております。

 これからの新時代を担う新生高知市の将来ビジョンを示し,その実現に至る道筋を明らかにするため,最上位計画としての新しい総合計画を策定するべく取組を進めているところです。

 本年6月には本市職員で組織する総合計画策定推進委員会を発足させ,同委員会による各部局等のヒアリング等を通じて本市の課題整理と現況把握を進めるとともに,市民意識調査の実施,環境・林業などの関係団体との意見交換会や,春野地区でのまちづくりトークを実施するなど,計画検討作業を行う上での意見収集をしてまいりました。

 これらの取組を基に,現在,新計画の骨格及び計画に登載する各種施策等の具体的な検討を進めているところであり,今後,本年度末までに素案を作成する予定としております。

 また,来年度以降は,素案を原案に練り上げながら,最終的には基本構想部分などについて市議会のご論議をいただいた上で,平成23年度から新総合計画をスタートさせたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

 次に,春野地区での,まちづくりトークについて申し上げます。

 旧春野町と合併しまして,間もなく1年が経過しようとしており,合併後の春野地域のまちづくりにつきましては,合併協定書や新市まちづくり計画の着実な実施に向けて取り組んでいるところです。

 こうした中で,本年10月から11月にかけて,延べ9回にわたりまして各ブロック別に春野地区まちづくりトークを開催いたしました。

 地元の議員さんをはじめ,多くの地域住民の皆様方のご参加をいただき,特に,春野地域における土地利用計画,農業振興対策,南海地震対策や浸水対策,道路整備などにつきまして,多くのご意見や,ご要望をいただいたところです。

 今後,こうしたご意見等を項目別に取りまとめ,来年度の予算編成や,現在策定中の次期総合計画,今後策定するコミュニティ計画等に活かしながら,春野地域の発展に繋げてまいりたいと考えております。

 次に,県勢浮揚を目指して,尾崎知事のリーダーシップの下で今後の本県の産業振興の具体的な指針・方策等を構築するため県が中心となりまして策定を進めております高知県産業振興計画について申し上げます。

本年5月からスタートしました策定作業は,11月には産業振興計画全体の中間取りまとめが行われ,現在,来年1月初旬までの予定でパブリックコメントが実施されており,検討委員会の最終議論を経て年度内に策定される予定となっております。

 この県計画に含まれます市町村別の計画として,高知市ブロックにおける地域アクションプランの策定を進めており,商工業・観光部門などの本市職員13名がワーキングメンバーとして参加し,県職員と連携してこれまでに数多くの企業や関係機関へのヒアリングを積み重ねながら,アクションプランに組み込む事業素案の具体的な検討を行っております。

 検討の中身としましては,高知の強みである「食」や「環境」を貴重な資源として捉え,都市部と田園地域,中山間地域がそれぞれの特性を活かしながら,ユズをはじめとした中山間農業の活性化や有機・無農薬等エコ農業の推進,木質バイオマスの利活用,高知県漁協直販施設での鮮魚等の販売促進,おかみさん市の拡充,こうち販路拡大チャレンジ事業の充実,浦戸湾を活用した観光の促進など,現在31事業が具体的な取組として検討されているところです。

 まだ,いくつか補強すべき項目もありますので,順次必要な事業を追加しながら,これまで以上に県市連携した積極的な産業振興施策を展開することにより,県都としての重要な役割を担い,県域をリードする多種多様な産業振興が図られるよう積極的に取り組んでまいります。

 次に,来年開催予定の「エンジン01オープンカレッジinこうち」について申し上げます。

 「オープンカレッジ」は,日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集した著名人・文化人からなるボランティア集団「エンジン01」の会員約200名のうち約100名が,毎年1回地方を訪れ,3日間にわたって地域の人々との知の交流を行うものでありまして,このほど,正式に来年11月27日から29日までの3日間,文化プラザ「かるぽーと」で開催することが決定いたしました。

 本年10月21日には地元の受入組織であります「オープンカレッジinこうち準備委員会」が発足し,同委員会のメンバーを中心に,市議会からもご参加いただきまして,11月6日から開催されました「オープンカレッジinなごや」へ,高知開催のPRに行っていただいたところであります。

 また,エンジン01側の実行体制も去る11月28日に決定されたとのことで,大会委員長に作家の林真理子さん,実行委員長には精神科医の和田秀樹さんが決定したとお聞きしております。

 さらに実行委員の中には高知市出身の作家山本一力さんのほか,作詞家の秋元康()さん,作曲家でエンジン01の幹事長でもあります三枝成彰()さんも加わっておられるなど,強力な布陣となっており,来年の高知大会の開催を大変楽しみにしております。

 今後は様々な団体や市民の皆様にも広く呼び掛けをいたしまして,準備委員会を母体とした実行委員会を設立するとともに,できるだけ早い時期に林真理子委員長をはじめとするエンジン01の皆さんをお招きして,「プレス発表」を行うなど,高知大会開催に向けて盛り上げてまいりたいと考えておりますので,ご支援賜りますようお願いいたします。

 次に,観光振興の取組について申し上げます。

 現在好評の大河ドラマ「篤姫」もいよいよクライマックスを迎え,新年からの「天地人」にバトンを渡していく時期となってまいりました。

 ご承知のとおり,「天地人」の次は,土佐が生んだ維新の英傑坂本龍馬が主人公の「龍馬伝」が放送予定であり,龍馬役には俳優の福山雅治さんが決定いたしました。

 平成22年の大河ドラマに「龍馬伝」が決定しましたことは,「龍馬のふるさと」であります本市にとりまして,「功名が辻」以来再び大河ドラマの舞台として全国から注目を集める絶好のチャンスをいただいたものと喜んでおり,この「龍馬伝」を好機ととらえ,高知の魅力をさらに全国に積極的にPRしていかなければならないと考えています。

 一昨年の「功名が辻」の放送の際には,山内一豊公が礎を築いた高知城一帯におきまして「土佐二十四万石博」を開催し,高知県全体の観光客の入込み客数は,前年比17万人増の322万人となり,博覧会の経済波及効果は108億円と算出されるなど,大きな成果をもたらしました。

 この度の「龍馬伝」の放送を「功名が辻」以上に盛り上げていくため,去る11月11日には,尾崎知事を先頭に県や市町村,観光業界関係者など,官民一体となって,本県への県外からの誘致促進や経済の活性化に取り組む「土佐・龍馬であい博」推進協議会が設立されたところです。

 龍馬の誕生地の上町には,生誕地の碑や「龍馬の生まれたまち記念館」,また,桂浜には今年で建立80周年を迎えた龍馬像と坂本龍馬記念館,そして脱藩の際に立ち寄った和霊神社や柴巻の田中良助邸など,本市には龍馬に関連するゆかりの地が数多くあります。

 さらに,11月には,龍馬月間として龍馬誕生祭や龍馬まつりなどが盛大に開催されますので,龍馬ゆかりの地や関連するイベントなどの情報発信を強化しますとともに,京都や長崎,下関といった県外の龍馬ゆかりの地とも連携を図り,「龍馬のふるさと高知」の強みを最大限に活かしてまいりたいと考えています。

 また,坂本龍馬のほかにも,岩崎弥太郎,ジョン万次郎,武市半平太,中岡慎太郎,吉村虎太郎など,龍馬と同じ幕末維新の時代に活躍した人々を数多く輩出しておりますので,県やゆかりの市町村などとも連携を密にし,交流人口の拡大に向け,積極的に取り組んでまいります。

 次に,協働の森事業について申し上げます。

 環境先進企業との協働の森づくり事業は,森林整備に関心が高い企業と市町村とを県が仲介しながら,森林整備等の経費について企業協賛金の資金提供を受け,間伐等の促進とともに間伐体験や地元交流を通じて,都市と山村の交流を図っていく制度であります。

 本市におきましては,平成19年3月に,第1号として,四国銀行と鏡吉原地区の約57ヘクタールの市有林を対象に,10年間で500万円の協賛をいただく協定を結び,林道開設を中心にした森林整備を行っているところです。

 今年度は,四国銀行創立130周年ということで,5月10日に記念イベントとして,鏡柿ノ又地区の皆様や小学校の子どもさんたちと一緒に間伐体験や記念植樹,地元の食材による食事会などが楽しく開催されました。

 今年度に入りまして,「平成の名水百選」に選ばれました鏡川流域の森林整備に環境先進企業との協定が相次ぎ,「高知の自然を守りたい,源流の森林の整備が大切だ,森林に光が当たるように応援したい」など,県外からもありがたい声を数多くいただいております。

 去る11月11日には,地球33番地の事業を推進しているNTT西日本グループが,県全体の協定企業としてはちょうど33番目,本市では第2号の企業として土佐山高川,鏡吉原など36ヘクタール,3か年で300万円の協賛をいただく協定を締結したのを皮切りに,11月14日には日本を代表するアパレル企業のオンワード樫山の持ち株会社オンワードホールディングスとの間で,土佐山東川45ヘクタール,300万円の協賛をいただくこととなり,11月29日には東京表参道スーパーよさこいを主催しておられる商店街振興組合原宿表参道欅()会と鏡敷ノ山,土佐山東川など27ヘクタール,3か年で300万円の協賛をいただく協定を締結したところです。

 交流事業につきましても,オンワードホールディングスとは,既に2回ほど広島支店の社員の方々が間伐体験を行ったほか,原宿欅会とは間伐したヒノキで製作した鳴子による交流の話も進められているところです。

 さらに,来年2月には,旭食品との間で土佐山31ヘクタール,3か年で300万円の協賛をいただく予定でありまして,本市の協働の森は,合計5社,約200ヘクタールを対象に,協定が結ばれることとなりました。

 また,平成17年1月に本市職員が中心となって立ち上げ,現在会員数が約200名となっております間伐ボランティア団体「こうち森林救援隊」に対しまして,活動資金として衛生機器メーカーのTOTOの水環境基金から平成19年10月に総額660万円の助成を受け,同社の「どんぐりの森」事業などと協働しながら「鏡川源流の森づくり」に取り組んでいるところであり,同年11月には木瀬社長さん自ら鏡梅ノ木地区で記念植樹をされるなど,「こうち森林救援隊」を通じて森林整備や交流などが深まっているところであります。

 本市といたしましても,来年度には,協働の森参加企業や協定市町村との交流事業である「とさ林間フォーラム」を土佐山地域で開催する予定であり,今後とも環境先進企業との連携をより積極的に進め,間伐等による森林整備を推進し,鏡川の源流域等の活性化や地域振興を図ってまいります。

 次に,追手前小学校と新堀小学校の統合に向けたこれまでの経過と取組について申し上げます。

 教育委員会では,特認校制度導入から7年目を迎えた昨年4月に,「学校規模問題検討委員会」を設置し,特認校1校ごとの成果と課題の検証を行いました。

 その結果,追手前小学校については,校区外児童と校区内児童が7対3と不均衡であることが課題であり,また,本制度継続のためには老朽化した校舎の耐震化のために早期に抜本的な改修を実施しなければならず,そのための財源が保障されない場合には,統合も視野に入れた検討もやむを得ないとの結論が出されました。

 大変な財政状況の中で,苦渋の決断でありましたが,二校ともに改築することは財政上困難と判断し,その後,私や吉川前教育長が追手前小学校や新堀小学校に出向き,保護者の方々や地域住民の皆様との意見交換会を実施するとともに,また,本年4月には両校関係者の方々と市教委の三者で「新しい学校をどのように作っていくか」についての打ち合せ会を設置して,6回にわたる協議が重ねられました。

 その間,両校区の地域住民の方々やPTAの皆様への説明会も併せて開催し,「統合後の新校は新しい学校名で」という方向についてご理解をいただいたとの報告を受けております。

 このような経過を踏まえまして,教育委員会では,両校の合併統合に係る新校の校名を検討することを目的として「校名検討委員会」を設置し,本年9月17日から10月15日にかけて,両校の児童や保護者の方々,地域の皆様を対象にしました新校名の募集を行い,最終的には179通73案の応募が寄せられております。

 その後,10月17日の第2回校名検討委員会において,73案の校名案の中から,17案に絞り込みがなされ,10月23日の第3回検討委員会において,さらに7候補に絞り新校の候補名として決定し,神家()委員長から松原教育長へ報告書が提出されました。

 教育委員会では検討委員会からの報告を受けまして,11月6日に臨時教育委員会を開催し,新校の学校名を決定するための協議を行い,「はりまや小学校」を推す意見と「はりまや橋小学校」を推す意見が同数となりましたことから,「両校の懸け橋になってほしい」という願いが込められているとして,澤田教育委員長の裁決により,最終的に教育委員会として新校名を「はりまや橋小学校」に決定したとの報告を受けております。

 以上のような経過を受けまして,本議会に高知市立学校設置条例の一部を改正する条例議案をご提案申し上げたところであります。

 なお,今後につきましては,条例議案の議決をいただきましたならば,新年度当初予算に新堀小学校のリニューアルのための予算を計上してまいりますとともに,来年度には「(仮称)新校整備検討委員会」を立ち上げまして,両校の学校長,PTA関係者の方々などを委員として,具体的な新校の設計内容に関する協議を行っていく予定であります。

 その後におきましては,平成22年度から24年度にかけて,夏休み等の期間を中心にリニューアル工事を行いまして,平成25年4月1日には,追手前小学校と新堀小学校のすばらしい伝統を引き継いだ新設小学校であります「はりまや橋小学校」が誕生することとなります。

 両校の統合につきましては,これまで様々なご意見をいただいてまいりましたが,市議会をはじめ関係の皆様のご理解とご協力に,心から感謝申し上げます。

 また,「はりまや橋小学校」が今後開校するということになりますと,帯屋町二丁目の中心市街地の一等地に位置する現在の追手前小学校の敷地約1万平方メートルの有効活用の検討が本格化してまいります。

 この土地は市民共有の貴重な市有財産でありますので,いかに有効に活用していくかが次の重要テーマになってまいります。

 この追手前小学校敷地を含む周辺地域は,城下町としての歴史と教育施設が集積した文化の薫り高い地域でありますことから,にぎわい創出につながる土地の有効活用としては,文化的な施設を核とした複合的な活用が考えられます。

 その施設の有力なメニューの一つとして,県市共々,近い将来に建替えが必要となっております図書館の建設が考えられ,隣接するダイエー跡地の動向もにらみながら,今後様々な課題を整理しつつ,県市の調整や関係者の皆様方との合意形成を図り,計画を立案し具体化してまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても本市の中心市街地に有する貴重な市民の財産でありますので,賑わいと活気に満ちた本市の中心市街地形成に相応しい活用策の検討が重要です。

 去る11月17日には,追手前小学校の保護者の方々や地域・商店街の皆様とも意見交換会を実施し,多くの御意見をいただきましたが,今後,議会の皆様方や関係する皆様方のご意見等も広くいただきながら,県都の中心市街地の将来像をしっかりと見据え,具体的な検討を進めてまいりますので,よろしくお願いいたします。

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

今回提出いたしました議案は,予算議案9件,条例議案50件,その他議案19件です。

 まず,今回の補正予算は,一般会計につきましては,公共事業等では,国の補正予算に伴います小中学校の耐震補強整備,初月小学校改築事業の前倒しや,入札等による請負減により事業費及び財源の組替えなどについて補正するものです。

 このほか,国の単価改定に伴う障害者自立支援法関係での扶助費の増加や被保護人員の増加に伴う生活保護費の増額とともに,高知駅北口市有地を国の合同庁舎用地として売却することに伴う代金相当額を財政調整基金に積み立てることなどについて,補正することといたしました。

 また,人件費に関する補正は,職員給与の新陳代謝等による減額に伴い補正するものです。

 その他の特別会計では,国民健康保険事業特別会計で高額医療費の増加による拠出金の増額や制度改正に対応するための電算システム改修,後期高齢者医療事業,介護保険事業の特別会計においても制度変更等に伴う電算システム改修を行うほか,収益事業特別会計では車券発売増による連動経費などを補正するものです。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案いたしております今回の補正規模は,

  一般会計   14億8,100万円

  特別会計   14億6,533万3千円

のそれぞれ増額であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,532億8,058万8千円となります。

 この補正財源として,特定財源では国・県支出金,市債等を充当し,一般財源については普通交付税を減額いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,機構改革や使用料手数料の改定に伴うものなど50件です。

 市第148号議案は,平成21年度の機構改革として,企画財政部を廃止し,財務部と総務部に再編するものです。

 市第151号議案は,厳しい財政状況に鑑みまして,現行10パーセントの減額を行っております市長等の給料月額を平成21年度につきましては,市長は20パーセント,副市長は15パーセントの減額とし,教育長,代表監査委員等につきましては,現行の10パーセントの減額を継続しようとするものです。

 また,市第152号議案は,一般職の職員の給料月額の減額措置の延長等を行うものです。

 市第159号議案は来年度にオープンを予定しています高知市江ノ口コミュニティセンターの設置について,また,市第176号議案は愛宕町の鉄道高架下を公の施設として市民の利用に供するため,それぞれ新たに条例を制定するものです。

 市第180号議案は,先程申し上げましたように追手前小学校と新堀小学校を統合して,新たに「はりまや橋小学校」を設置しようとするものです。

 これらのほか,市第149号議案など39議案は,使用料手数料改定等に伴い条例改正を行うものです。

 その他の議案は,指定管理者の指定に関する議案など19件です。

 報告6件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。