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第491回高知市議会臨時会市長説明要旨(令和4年7月27日)

第491回高知市議会臨時会市長説明要旨

 

令和4年7月27日

 第491回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

 まず初めに,今月8日の参議院議員通常選挙の街頭演説中に突然の銃撃を受け急逝されました,故安倍晋三元首相に対しまして,心から哀悼の意を表します。

 こうしたテロ行為は断固として許すことはできず,強い怒りを表明するとともに,残されましたご遺族,ご親族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。

 次に,今月14日に懲戒処分を行いました消防職員による「高知県青少年保護育成条例違反」に関する事案並びに財務部資産税課及び議会事務局議事調査課の両職員によります「住基ネット統合端末の目的外閲覧及び個人情報の漏えい」事案の2件の不祥事に関しまして,市議会の皆様,市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを,心よりお詫び申し上げます。

 このたびの不祥事は,組織を挙げて綱紀粛正と服務規律の徹底に取り組んでいる最中に,市政に対する信頼を大きく失墜させることとなり,大変申し訳ございません。

 我々公務員は,市民の皆様からの負託を受けて公共サービスを円滑に提供する責務を担っておりますので,常に倫理観や道徳観を含め,高いコンプライアンス意識を持ち合わせていなければならず,両事案におきましては,市民の皆様の信頼を著しく損ない,市政に対する信用を失墜させるものであり,その責任を痛感しています。

 とりわけ,「住基ネット統合端末の目的外閲覧及び個人情報の漏えい」の事案に関しましては,組織を預かる市長としての責任は重いと判断し,8月分の給与を30パーセント減額するとともに,個人情報保護事務を所管する総務部担当の中澤副市長並びに最高情報セキュリティ責任者である松島副市長の8月分の給与について,それぞれ20パーセント減額する特例の条例議案を今議会にお諮りいたします。

 なお,直属の上司であります資産税課長の管理監督責任とともに,個人情報保護事務を所管します総務部長及び同副部長については,その責任を問うべきものと判断し,それぞれ訓告処分を行いました。

 今回の事案を受けて,直ちに各部局の職員に対して,「住基ネット統合端末の適正な利用及び個人情報保護」について周知徹底を図るとともに,「住基ネット統合端末」を設置している部署を対象にしたセキュリティ研修を実施し,改めて法令遵守の徹底を図っております。

 今後,二度とこのような事態を引き起こさないよう,再発防止に全力で取り組み,今一度,市民の皆様から信託を受けた公務員としての原点に立ち返り,組織一丸となって市政の信頼回復に全力で取り組んでまいります。

1 国政・経済の動向

 次に,国政の動向と地域経済の状況について申し上げます。

 今月10日の参議院議員通常選挙では,自由民主党が単独で改選過半数を上回るなど,与党で76議席を確保する結果となりました。

 岸田首相は会見で,物価上昇が国民生活に大きな影響を与えていることを重く受け止め,「切れ目なく,しっかりとした対策を実施し,国民生活を守り抜く」と発言され,地域の実情に応じたきめ細やかな支援を行っていくことが重要であるとし,「1兆円の地方創生臨時交付金を活用した低所得者への支援や,電気料金等の高騰に対応するための事業者向けの支援などの対策を講じていく」ことを表明されていますので,国の動向を注視しながら,情報収集に努め,市民の皆様の生活支援や事業者の事業継続支援に積極的に取り組んでまいります。

 今回の参議院議員選挙では,高知県の投票率は47.36パーセントと,前回の参議院選挙からは1.02ポイント向上するとともに,高知市においては44.20パーセントと,前回比で2.85ポイント向上いたしました。

 中でも,期日前投票では,前回比で14.30ポイント増となる43,167人の多くの皆様にご利用いただき,商業施設をはじめとする期日前投票所の積極的な設置が,多くの市民の皆様にご好評いただいているものと考えており,ご協力をいただきました企業の皆様や関係者の方々に感謝を申し上げます。

 本市においては2回目となるコロナ禍の中での選挙となりましたが,投票所及び開票所において,積極的な感染対策に努めるとともに,感染された有権者の方の投票では,自宅療養等により投票所で投票をすることが困難な方については,一定の要件に該当する方を対象とした「特例郵便等投票」が初めて2件行われるなど,コロナ禍においても,安心して投票を行っていただける取組を進めています。

 今回の参議院議員選挙は,徳島県との合同選挙区としては3回目の選挙となり,本県の投票率については合同選挙区となってから最も高い投票率となりましたが,これまでの参議院議員選挙の歴史をみますと,残念ながら過去4番目の低さとなっており,合区先の徳島県では,45.72パーセントと前回に引き続き,全国最下位という結果になっていますので,今後とも合区の解消に向けて国に強く働きかけてまいります。

 次に,高知県内の経済状況については,7月1日に発表された日本銀行高知支店の6月短観の業況判断指数において,新型コロナの影響が和らぎ,サービス消費や観光需要等の回復を受けて,前回3月調査との比較で10ポイント上昇となるプラス9ポイントと,2四半期ぶりの改善となりました。

 業種別では,外食や観光需要の回復により,「食料品」の分野で30ポイント上昇となるマイナス10ポイントとなっているほか,「宿泊・飲食サービス」分野では,70ポイント上昇となるマイナス30ポイントとなった一方で,資材高騰の影響により,「建設」分野で28ポイント下落となるプラス27ポイントとなるなど,県内経済についても物価高騰の影響等が見られますので,今後とも地域経済の実態把握に努めてまいります。

2 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 「第7波が拡大中」とされる今般の新型コロナウイルス感染症の感染状況では,全国各地で過去最大の感染者数が連日報告されています。

 その主な要因として,感染力が非常に高いオミクロン株変異型ウイルスの「BA.5(ビーエーファイブ)」への置き換わりが進んでいることが考えられます。

 高知県内では,本年1月以降,感染拡大が続き,今月21日には,新規感染者数が777人,うち本市が449人となり,保育所・幼稚園や学校,医療機関,高齢者施設等において,クラスターが多数発生するなど,厳しい状況が続いています。

 感染拡大に伴い,本市の自宅療養者数については,今月24日に初めて2,000人を超え,その後も高止まりの状況が続いていますので,保健所を中心に健康観察を行うとともに,食料等の生活支援物資やパルスオキシメーターの搬送など,感染された市民の皆様の自宅での療養支援を継続し,積極的疫学調査の実施など,感染拡大防止に懸命に取り組んでいます。

 今後さらに自宅療養者数が拡大いたしますと,支援物資の供給が追い付かない状況も想定されます。

 長引くコロナ禍において,ご自身やご家族がいつ感染してもおかしくない状況となっていますので,市民の皆様には,数日間は食料を買わなくても生活できるように,食料品や生活用品を備蓄し,備え置いていただくようにお願いいたします。

 次に,本市におけるワクチンの接種状況について申し上げます。

 全国的に感染拡大の主流になりつつある「BA.5型」のウイルスは,「ワクチン接種や過去の感染で得られた免疫が効きにくく,感染力が強い」ことが指摘されていますが,イギリス保健当局からの報告では,「ワクチン接種による重症化等の防止効果」については,大きな違いはなく有効性は高いとされています。

 そのため,重症化のリスクが高いといわれる60歳以上の皆様や,基礎疾患等がある方々につきましては,3回目のワクチン接種に引き続き,4回目のワクチン接種を可能な限り速やかに接種いただくことをお願いいたします。

 また,4回目の接種対象者については,全国市長会等から強い働きかけを行った結果,医療従事者の方々と高齢者施設の従事者の皆様にも対象が拡大されましたので,新たに接種を希望される皆様が速やかに接種を受けることができるように,各医療機関等と連携しながら,接種体制を速やかに調整してまいります。

 一方で,これまで多くの皆様が接種を受けられてきましたファイザー社製ワクチンについては,先月供給された約2万7千回分のワクチンを最後に,今後,国から供給される見込みがないことから,8月下旬以降に接種を希望される方につきましては,武田/モデルナ社製ワクチンを接種していただくことになります。

 モデルナ社製ワクチンとファイザー社製ワクチンの,いわゆる「交互接種」では,国においても「抗体の値がより高くなる」ことが確認されている上,いずれのワクチンでも副反応は概ね同程度であることが報告されていますので,より多くの皆様にモデルナ社製ワクチンを選択していただけるよう,引き続き周知広報を徹底してまいります。

 さらに,新たな4種類目のワクチンとして,武田社製の「ノババックスワクチン」が,3回目までは接種可能となりましたので,先月20日から予約受付を始め,今月11日から19か所の医療機関で個別接種を開始しています。

 この「ノババックスワクチン」は,組換えタンパクワクチンと呼ばれる不活性化ワクチンの一種で,B型肝炎ウイルスワクチンなどで使用実績があり,m(メッセンジャー)RNAワクチンと比較すると,「重度の副反応が少ない」ことが報告されていますので,高熱や強い痛みなどの副反応等の理由から接種を敬遠されていた方々につきましては,「ノババックスワクチン」を新たな選択肢としてご検討いただきたいと考えます。

 現時点では,感染拡大の収束の見通しが不透明な状況ですが,市民の皆様には,室内の換気を含めた基本的な感染防止対策に継続的に取り組んでいただくとともに,本市におきましても,兼務発令やさらなる派遣職員の増員などにより,保健所業務の負担軽減のための体制強化を図り,自宅療養者の皆様の健康観察やクラスター対策などの感染拡大防止に全力で取り組んでまいります。

3 補正予算

 以下,今議会における議案についてご説明を申し上げます。

 今回の臨時議会に提出しました議案は,予算議案1件,条例議案1件です。

 まず,今回の補正予算は,本年6月補正予算に続く「コロナ禍における原油価格・物価高騰対策」の第二弾として,ハウス園芸などの農業者への支援や,公共交通の利用促進に向けた経費を中心に予算計上しましたので,その主な内容について順次ご説明いたします。

 最初に,「施設園芸燃油高騰緊急対策事業費補助金」について申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の影響による農産物販売量の減少や価格の低迷などにより,農業者にとって経営的に厳しい状況が長期化する中で,今般のウクライナ情勢や世界的な景気持ち直し等の影響を受けて,燃油をはじめとする農業用生産資材などの価格高騰が続いています。

 国内農産物の価格は市場の需給動向に大きく左右され,生産資材の高騰分を販売価格に転嫁することが難しい現況があることから,農業者の経営状況は大きく悪化しています。

 特に,燃油の高騰は,冬場に多くの重油を必要とする本市の園芸農家の皆様にとりまして,経営コストに直結する重い負担となっており,国が実施する燃油価格高騰対策の「国と農業者が1対1」で基金を積み立てて,燃油価格高騰時に高騰分を補填する「施設園芸セーフティネット構築事業」を発動する際に,農業者負担の軽減をさらに図り,農業者の皆様の経営安定化を目指します。

 次に,「農業用肥料高騰緊急対策給付金給付事業」について申し上げます。

 燃油と同様に,農業用肥料につきましても,肥料原材料の主要生産国である中国やロシア等の輸出規制などにより,著しい価格上昇が続いており,JA全農による本年6月の肥料価格の改定では,使用頻度の高い「高度化成肥料」が昨年12月と比較して,約55パーセントも値上がりしています。

 今後についても,これらの価格は高値圏での推移が予想されており,政府は,肥料の購入費を補填する支援策の制度設計を進め,新制度の創設に向けて予備費を800億円程度充当する方向で検討しています。

 肥料は安定的な食料の生産に不可欠のものであり,価格高騰によるリスクは市民生活への影響も懸念されることから,時間が掛かる国の支援策を待つことなく,今回,本市において肥料購入費の一部を支援することで,農業者の経営継続と安定的な生産につなげてまいります。

 次に,「公共交通事業者応援事業費補助金」について申し上げます。

 コロナ禍による公共交通利用者の落ち込みや燃油価格の高騰により,とさでん交通をはじめとする公共交通事業者は厳しい経営状況に置かれています。

 そのため,先の6月議会におきまして関連予算をお認めいただいた事業として,小学生の皆様に夏休み期間中の電車・バスが無料で乗り放題となる「夏休み 電車・バスこどもフリーパス」を配布し,利用促進を図っています。

 今回の補正では,新たな利用促進策の第二弾として,昨年度実施した電車やバス等の「運賃無料デー」と同様の期間である「11月1日から1月31日までの日曜及び祝日並びに12月30日から1月3日までの年末年始」の合計20日間で実施する「日曜・祝日 電車・バス等運賃ワンコインデー」のほか,継続的な利用客の拡大を目指して,「ICカード「ですか」の無料配布キャンペーン」の実施に係る費用を支援するものです。

 このうち「ワンコインデー」は,市内を運行する電車・バスの全線について,1乗車当たり,「ですか」利用者は10円で,現金利用者は100円でご利用いただけるようにするものです。

 「ですか無料配布キャンペーン」については,ワンコインデーの実施に先立ち,本年9月から受付を開始し,先着2万名の市民の皆様に100円分の利用料金がチャージされた「ですか」を無料でお配りし,公共交通の利用促進を目指します。

 昨年度に引き続き,これらの利用促進の取組を支援し,多くの市民の方々や県民の皆様に電車やバス等の公共交通機関をご利用していただき,公共交通の利用者増につなげるとともに,「ですか」の利便性やメリットをより多くの方々に実感していただき,「ですかカード」の普及・利用促進につなげ,公共交通の利用拡大を図ります。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計           3億2,800万円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,797億8,385万円となり,この補正予算の特定財源として,「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」等の国庫支出金を充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,先に申し上げました市第79号「高知市長等の給与,旅費等に関する条例の特例に関する条例制定議案」1件です。

 報告1件につきましては,法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出いたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。