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第486回高知市議会臨時会市長説明要旨(令和3年10月8日)

第486回高知市議会臨時会市長説明要旨

 

令和3年10月8日

 

 第486回高知市議会臨時会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 国政・経済の動向

 まず,国政の動向と地域経済の状況について申し上げます。

 菅義偉(よしひで)前総裁の退任に伴い,先月29日に実施された自民党総裁選挙において新たに選出されました岸田文雄総裁が,今月4日に召集された臨時国会での首班指名を受け,第100代首相に就任いたしました。

 同日発足しました新内閣では,半導体生産などの経済安全保障を担当する閣僚ポストが新設されるとともに,野田聖子・少子化 地方創生担当大臣や後藤茂之(しげゆき)・厚生労働大臣などの新閣僚が決定しました。

 衆議院議員総選挙が間近に迫る中,岸田新総理が表明していたベテランから若手までの「老壮青」のバランスに配慮した内閣が発足しましたが,新内閣には,長期にわたりコロナ禍で厳しい疲弊が続く地域経済の復興に向けて,具体的な工程表を示していただくとともに,第6波の感染拡大防止のための対策を早急に発表することを強く望みます。

 さて,県内経済の状況は,10月1日に発表された日本銀行高知支店の9月短観の業況判断指数において,新型コロナウイルス第5波の感染が8月中旬から急拡大した影響により,前回の6月調査との比較で2ポイント悪化となるマイナス5ポイントとなっています。

 業種別では,特に飲食店向けの酒などの販売が低調であった「食料品」で,20ポイント下落となるマイナス50ポイントとなっているほか,「宿泊・飲食サービス」では,30ポイントの落ち幅となるマイナス100ポイントとなるなど,8月から9月にかけて適用された「まん延防止等重点措置」の影響が関連産業の経営に大打撃を及ぼしています。

 逼迫する経済状況の下で,衆議院議員総選挙が目前に迫ってきており,各政党からは,喫緊の新型コロナウイルス対策の強化や経済対策,少子化対応などの社会保障の充実に向けた選挙公約の発表が活発に行われていますので,今後の政局の動向を市議会の皆様と注視するとともに,総選挙実施後のコロナ対策や経済対策等に関する補正予算編成などの情報収集に努め,国による財政支援を本市の予算編成に最大限活用できるよう的確に対応してまいります。

2 新型コロナウイルス対策

 次に,新型コロナウイルス対策について申し上げます。

 全国的にコロナウイルス第5波の感染が広がる中,高知県におきましても,8月25日には1日当たり新規感染者数が過去最大となる111人を記録するなど,非常に厳しい状況に陥りました。

 8月27日から9月12日までを対象期間として,本市にも「まん延防止等重点措置」が適用されましたが,9月中旬以降,新規感染者数が大幅に減少したことなどから,先月22日には,県の対応ステージが「警戒(オレンジ)」レベルに引き下げられており,市民の皆様をはじめ事業者の方々のご協力に感謝を申し上げます。

 今般の第5波では,陽性患者数の急増に対して宿泊療養施設が不足したことから,県の判断で一時的に多くの方々に自宅療養をお願いせざるを得ない状況が発生し,市民の皆様にはご不便をおかけし,申し訳ありませんでした。

 高知県に対しまして宿泊療養施設の増設を強く要請し,先月8日には,県内3施設目となる新たな施設の運用が開始されたことに加え,新規感染者数が低い水準で推移していることから,現時点での自宅療養者数はゼロとなっています。

 専門家の意見の中には,冬場における「第6波」による感染拡大を懸念する声もありますので,受入可能な医療機関や宿泊療養施設の拡充,臨時医療施設の整備等に向けまして,県や高知市医師会,高知県看護協会などの関係機関のご協力をいただきながら,第6波を想定した準備に万全を期してまいります。

 本市におけるワクチン接種につきましては,8月末までにすべての対象者の皆様への接種券発送が完了し,今月4日時点でのワクチン接種率は1回目が76.8パーセント,2回目が65.5パーセントとなっており,各医療機関からの全面的なご協力の下,11月上旬には希望する皆様への接種が完了する予定です。

 今後とも,若年層をはじめとする多くの市民の皆様に,接種による感染抑制や重症化リスクの低減など,ワクチン効果を正しく理解してもらえるよう周知を進め,さらなる接種率の向上を図ってまいります。

 さらに,ワクチン接種に関する新たな対応として,9月17日には,「第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」が開催され,3回目のワクチン接種や交互接種等についての議論がなされ,同月22日に行われた厚生労働省の地方自治体に対する説明の中で,3回目のワクチン接種を本年12月から開始するための体制確保が国から求められています。

 3回目接種の対象となる方は,2回目接種を終了した皆様のうち,おおむね8か月以上経過した方が対象となるものであり,市町村から接種券を段階的に配布する考え方などが国から示されましたので,市民の皆様には12月から順次,安心して追加接種を受けていただけるように,接種券の発送準備等を進めるとともに,医療機関や高知市医師会等の関係機関と調整してまいります。

3 補正予算

 以下,今議会における議案についてご説明を申し上げます。

 今回の臨時議会に提出しました議案は,予算議案1件です。

 今回の補正予算は,8月から9月にかけて適用された「まん延防止等重点措置」等に基づく営業時間の短縮や酒類提供の停止,不要不急の外出抑制等による影響を強く受け,厳しい経営環境にある中小企業等の事業継続を支援するための経費を中心に計上しています。

 まず,「宿泊事業継続支援給付金給付事業」について申し上げます。

 長引く新型コロナウイルス感染症の影響により,観光業は非常に厳しい経営状況が続いており,緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」は先月末に全国的に解除されましたが,県境をまたぐ人の移動が長期間制限されたことにより,宿泊業を営む事業者の皆様の経営への影響が深刻です。

 政府では,緊急事態宣言地域などであってもワクチン接種や陰性の証明を条件に,県境をまたぐ旅行を認めることなどを盛り込んだ「行動制限緩和の基本方針」を示していることに加え,感染動向が沈静化している現況を踏まえ,今後旅行需要の回復が見込まれますので,宿泊事業者の事業継続をより一層支援するため,1施設当たり最大で1,000万円の給付金を支給しようとするものです。

 次に,「旅客運送事業者経営維持支援給付金給付事業」について申し上げます。

 まん延防止対策としての人流抑制に伴い,路線バスや路面電車のほか,高速バスや貸切バス,タクシーを含む業界全体が深刻な経営危機に陥っており,公共交通の中心的な役割を担う「とさでん交通」では,令和2年度決算において過去最大となる約8億円の赤字を計上しています。

 令和3年に入り,感染者数が減少傾向となったことにより,人流も回復しつつありましたが,5月の第4波により利用客が減少し,さらに8月中旬からの第5波により,高知市が「まん延防止等重点措置」の対象となったことから,交通業界全体がさらなる利用客の減少に見舞われています。

 このため,市民の皆様の大切な移動手段であり,本市を訪れる観光客の方々の足でもある旅客運送事業の事業継続に向け,さらに踏み込んだ支援が必要であると判断し,バスやタクシー等の保有台数に応じて,1台当たり10万円の給付金を支給しようとするものです。

 次に,「公共交通事業者応援事業費補助金」について申し上げます。

 今議会では,前段申し上げました事業継続のための給付金のほか,今後の公共交通の利用促進に向けた取組として,路面電車や路線バス等の「運賃無料デー」を支援する予算を計上しています。

 この運賃無料デーは,今年11月1日から来年1月31日までの期間,日曜及び祝日並びに12月30日から1月3日までの年末年始,合わせて20日間実施するもので,市内を運行する路面電車,路線バス,デマンド型乗合タクシーの全線すべてを運賃無料でご利用いただけます。

 また,この取組を契機に,多くの市民・県民の皆さんに電車やバスなどの公共交通機関をご利用していただけるように,運賃無料デー実施日には「外国電車に乗ることで,記念グッズを受け取ることができるイベント」や,「バスの車内に隠されたキーワードを探し当てて応募すると賞品が当たるイベント」など,新たな利用客の掘り起こしに向けた催しも開催される予定ですので,コロナ禍で落ち込んだ公共交通の利用促進につなげてまいりたいと考えております。

 さらに,無料の電車やバスなどを利用し,多くの市民の方々や観光客の皆様が中心商店街や近隣商店街へ足を運んでいただけるように,各商店街とタイアップしながら,消費喚起と地域経済の活性化を目指してまいります。

 次に,「飲食店・タクシー利用促進事業」について申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け,高知市が「まん延防止等重点措置」の対象区域となったことに伴い,高知県から要請された飲食店等への営業時間の短縮や酒類提供の停止,不要不急の外出抑制等により,飲食店やタクシー業界は深刻な打撃を受けています。

 そのため,現在精力的に進めているワクチン接種の進捗状況や感染動向の一定の収束を踏まえ,年末年始における地域経済の活性化を図る需要喚起策として,5,000円分の飲食クーポンと1,000円分のタクシー利用券をセットにした6,000円分のクーポンを,半額の3,000円で6万セット販売するための予算を計上し,この事業によって総額3億6,000万円もの直接的な需要喚起につなげてまいります。

 また,事業実施に当たり,昨年度中央公園で2回開催し,県内事業者や市民・県民の皆様から大変好評でありました「TSUNAGUマーケット テイクアウトフェスタ」をクーポン使用が可能な期間中に合わせて開催することとし,この飲食クーポンを「テイクアウトフェスタ」の会場でも利用可能とするほか,公共交通の運賃無料デーとも連携を図ることにより,経済波及効果の拡大を目指してまいります。

 次に,「酒類販売事業者応援給付金給付事業」について申し上げます。

 8月から9月にかけての「まん延防止等重点措置」に伴い,高知県が行った飲食店等に対する酒類提供の停止要請などにより,飲食店等と取引がある酒類販売事業者は多くの在庫を抱えることを余儀なくされ,深刻な影響を受けております。

 このため,売上が前年又は前々年との比較で30パーセント以上減少した市内の酒類販売事業者に対し,売上減少率に応じた本市独自の給付金を創設し,酒類販売事業者の方々の事業継続と雇用維持を支援してまいります。

 次に,「街路市感染拡大防止対策事業」について申し上げます。

 新型コロナウイルスの影響が長引く中,街路市の出店者の皆様に対しましては,マスク着用や消毒液の設置を要請するなど,感染防止対策を徹底してまいりました。

 現在,感染動向は収束傾向にありますが,今後の感染拡大に備えまして,出店者の皆様に消毒液を配付するとともに,来場者へのマスク着用等を啓発する人員を配置することにより,感染予防対策の強化を図ってまいります。

 次に,農産物販売施設における感染防止対策について申し上げます。

 直販所等における感染防止対策については,資金的な課題があり,関係者の皆様からは,感染防止のための設備導入などに対する支援要望をいただいておりましたので,空気清浄機や手指消毒器等の導入に対する支援を行うものであります。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

 一般会計           9億3,300万円の増額

であり,補正後の予算規模は,全会計の純計で2,764億6,951万円となり,この補正予算の特定財源として,「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を充当いたしました。

 報告1件につきましては,法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出いたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。