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夜明けの鏡川

No.52 夜明けの鏡川

ほぼ週刊鏡川 2012年01月12日

夜明けの鏡川


 新年あけましておめでとうございます。

 今年も,このホームページで鏡川の魅力を伝えさせていただきますので,どうぞよろしくお願いします。

 昨年は,東日本大震災の発生によって日本全体が大きな影響を受けました。ここ高知市においても,近い将来必ず起こる南海地震に対しての危機管理意識が一気に高まってきています。

 震災の話から少し関連して,身近な環境問題に目を向けてみると・・・・。

 我々人間の生活は,自然の恩恵の上に成り立っていますが,地震や津波,洪水といった災害もまた自然の一部であることを忘れてはなりません。「自然との共生」という言葉がよく用いられますが,この言葉は綺麗な自然に囲まれた楽しい生き方をのみを意味するのでははく,厳しい自然と向き合って,折り合いをつけながら生きていくという意味も含まれているはずです。

 これまで鏡川に限らず多くの河川において,治水対策のために護岸をコンクリート化し,流れを直線的にしてきました。また,洪水調整や利水のためにダムや堰がつくられました。このことにより,私たちの生活が守られてきたことは事実です。しかしながら,昨年の震災の状況から,自然の力の前では人間は無力であることを多くの方が実感したのではないでしょうか。これまでのように人間が自然を征服するという思想から,人間と自然が共生していくという思想への転換が現実問題になってきていると思います。

 この鏡川においても,本当の意味での「自然との共生」を目指し,治水対策と自然環境の保全の両立を図っていく必要があるのではないでしょうか。

 早朝の鏡川で日の出を待っていると,鏡のような水面を悠然とコサギの群れが飛んでいきました。とても幻想的で美しい光景でしたが,ひとたび災害が起これば自然は恐ろしいものに変わるということを忘れないようにしたいと思います。

 今年は大きな災害がなく,鏡のごとく平穏な一年であることを願います。  

コサギの群れ

 

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