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鏡川 江ノ口鴨田堰 魚類迷入防止パネルの設置

No.150 鏡川 江ノ口鴨田堰 魚類迷入防止パネルの設置

ほぼ週刊鏡川 2015.10.14

江ノ口鴨田堰

 今回は,10月7日(水)に行われた魚類迷入防止パネルの設置(取替え)についてご報告します。

 江ノ口鴨田堰では,下図(1)の魚道を通り魚類が堰の上下を行き来するようになっていますが,魚道の上流に,より流速の速い(2)の本宮川取水口があり,毎年何千尾もの落ちアユが誤って(2)に吸い込まれています。この取水口より下流には産卵場となる場所がなく産卵ができないままアユが死んでしまいます。

 そこで,平成22年9月に環境政策課が木製の「魚類迷入防止パネル」を設置し,本宮川への取水に対する影響はほとんど無いまま,吸い込まれたアユが10分の1以下という,アユ等の鏡川に生息する魚類の吸い込み防止効果が得られていました。(No.27

江ノ口鴨田堰

 しかし,このパネルを設置して5年以上が経過し,パネルが老朽化したことから川に流されてしまうことも考えられるため,この度,新たなパネルを作製し,設置することとなりました。

 今回のパネルは前回の木製パネルに改良を加え,材質を鉄製へと変更するなど,より耐久性の高い作りとなっています。そして,パネルの作製・施工は,市民ボランティア団体の「鏡川“魚の道”をつなぐ会」が,市民参加の川づくりとして実施しました。なお,費用については,高知食糧(株)の高知県清流保全パートナーズ協定事業寄付金の助成を活用したものです。

 さて,この日は,さわやかな秋晴れ。とっても気持ちいい天気でした。朝10時集合ということでしたが,みなさん30分以上前から続々と集合。本当にありがたいことです。

 まずは,つなぐ会の代表の宮崎さんが挨拶し,パネルを組み立てていきます。

 鉄板は8枚。大きな鉄板と小さな鉄板が4枚ずつあるので,最初は大きな鉄板と小さな鉄板をボルトで固定し,4組の鉄板を作り,次にそれら4組をボルトで固定して,1枚の大きなパネルにしていきます。

【8枚の鉄板と支柱】

パネル部品

【大きな鉄板と小さな鉄板を固定】

②大きな鉄板と小さな鉄板を固定

【4組の鉄板をつなげて・・・】

③4組の鉄板を固定

【パネル完成!!】

④パネル完成!

【最後に支柱を取り付けます】

支柱

 作業中,皆さんの連携が素晴らしいです。パネルの表と裏からボルトを固定するのですが,声を掛け合いながら,とてもスムーズに作業が進んでいました。初めて一緒にする方も多い中,楽しく,嬉しい瞬間でした。

 午前中の最後の作業は,昼からの施工に向けて,パネルを水中に下ろす準備です。1枚になったパネルは約180kg!かなり重たいので,エッサホイサと運び,準備を完了させました。頼りになります男性陣。

【施工準備】

施工準備

 お昼は,玄米のおむすび弁当を食べて,ひと休み。とっても美味しかったのですが,写真を撮るのをすっかりと忘れていました。。。心残りです。

 さあ,ご飯を食べて,最後のひと踏ん張り。 レバーブロック(滑車のようなもの)を使って,ゆっくりゆっくりパネルを水中に下ろしていきます。確実な指示官のもと,「あと1cm!あと3mm!」と声を掛け合い,既に護岸に設置されているアンカーとパネルのネジ穴が合うように微調整をしていきます。

【パネルを水中へ】

水中へ1

 水中に下ろされたパネルは,3名の有志ダイバーが既設のアンカーにボルトで固定していきます。これがとっても難しいようです。水中での作業ということで,既設アンカーとパネルのネジ穴を合わせるのが難しく,そして水中では力も入れにくい。。。また,地上は暖かいのですが,やはり10月。水中はとても寒い。そんな状況の中,ダイバーのみなさんが作業を進めてくださいました。本当に感謝です。

【大活躍の御三方】

ダイバー ダイバー

 そして最後に魚も嫌がる防鳥テープを設置して完成です。このテープは,パネルを設置したまま取替えができる仕様となっており,テープが古くなっても付け直すことができるようになっています。これもパネルの改良点の一つです。すごい!

【防鳥テープ】 

防鳥テープ

【完成したパネル】

パネル完成1

【ヒラヒラとしているのがテープ】

パネル完成2

 当日の設置については,突然のお願いにも関わらず駆けつけてくださるなど,本当にたくさんの方々に助けていただきながら,設置までたどりつくことができました。また,設置にあたっては,地元流域住民の方々,鏡川漁業協同組合,土地改良区,高知県高知土木事務所,高知市耕地課などにもご理解とご協力をいただいております。

 ご協力いただいた皆様,本当にありがとうございます。人と人が集まって生まれるパワーの凄さを改めて実感しました。

 そして,この取組みが,高額な設備を設置しなくても,市民主導の少しの工夫で生物に配慮した川づくりが可能だという一つの例になれば嬉しく思います。

 ★パネルについては,定期的に確認をしますが,もし破損などの異常を発見された場合は環境政策課までお知らせいただけると助かります。

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