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工石山グリーンアドベンチャー

No.148 工石山グリーンアドベンチャー

ほぼ週刊鏡川 2015.9.18

工石山少年自然の家

 朝晩がすっかり涼しくなり過ごしやすい季節になってきましたね。しかし日中はまだまだ暑いので,着るものに困る季節でもあります。みなさま風邪などは引いていませんでしょうか。

 今回の「ほぼ週刊鏡川」は,高知市北部の深山幽谷,標高1177mの工石山に登り,深まりつつある秋を先取りしてきました。その模様をレポートしたいと思います。

 題名の「工石山グリーンアドベンチャー」とは,「工石山レクリエーションの森管理運営協議会」が主催し,アサヒビール株式会社高知支社にご支援いただき開催される工石山登山イベントです。今回の登山は,工石山の登山口から最初の分岐点である「杖塚」に設置してある大型案内看板が老朽化し取り替えることとなり,そのデザインを考案するために,工石山の自然に触れることを目的としています。このコンペティションに応募した「国際デザイン・ビューティーカレッジ」の生徒23名とアサヒビールの社員の方と一緒に工石山を登ってきました。

山登りスタート

 開会式を終え,早速山登りスタートです。今回のイベントではAコース・Bコースの2通りがあり,Aコースは北まわりコースを辿り頂上へ向かうルート,Bコースは北まわりコースを途中分岐し,サイの河原を目指すルートとなっていました。少しわかりにくいかもしれませんが,簡単に言うとAコースは本格的な山登り,Bコースはハイキング(ピクニック?)といったような感じで未就学の児童も登山可能というルートでした。

 ちなみに私は,Aルートを登りました。登山経験0。お腹周りが気になる運動不足30代男性である私は果たして登りきることができるのでしょうか。

 不安な気持ちにかられつつも,登山口から杖塚までの短い間に,早速小さな秋を見つけることができました。

オミエナシ

 秋の七草のひとつ,『オミエナシ』です。工石山登山ガイドの方が教えてくれました。

山登り1 山登り2

 登山口から杖塚まで,距離は短いと言えど勾配が急で,10分と経たず息があがってきました。ここがまず第一関門とのこと。ここの勾配を抜ければ,後は頂上までなだらかな道だとガイドさんは言ってくれています。今はその言葉を信じるしかないです。

杖塚 大型案内看板

 汗びっしょりになりながらも「杖塚」に着きました。しかし,さすが学生さんは元気いっぱい。余裕の表情です。右上の写真の看板が,今回デザイン考案をしていただくものです。

 杖塚で小休止した後,山深い道をずんずん歩いていきます。ガイドさん,ペースが速いです。途中,不思議な形をした杉の木がありました。約半世紀前の台風でこのような形になったと言われています。

根曲杉の看板 根曲杉1

根曲杉2

 杉並木のなだらかな勾配をを歩いていくと,Aコース一つ目のチェックポイント,「白鷲岩」に到着です。岩上からの眺めは絶景で、四国山地の高峰や嶺北地域の山並みを見渡すことができます。岩の形が鷲のくちばしのようになっていることから,この名前がついたそうです。

白鷲岩 白鷲岩

 岩の上から撮影しました。このような高いところから,こんなに広い景色を見たのは生まれて初めてです。ただ,岩の下は断崖絶壁なので,落ちないように注意しなければなりません。

 白鷲岩を後にし,またもや珍しい光景が目に飛び込んできました。

ヒノキ風倒根

 この「ヒノキ風倒根」と言われるものも,約半世紀前の台風により倒されたヒノキです。非常に硬い地質のため,根が横に張り,台風の風に耐え切れず倒れたものと思われます。根が横に張っているので,このように不思議な形を残して倒れているんですね。

ヒノキ風倒根 ヒノキ風倒根

 根曲杉やヒノキ風倒根は,様々な自然条件が重なってできた,正に自然が生み出した「芸術」とも言えます。これらの「芸術」を目にした学生達は,看板製作におけるインスピレーションを感じたかもしれません。

 そして,Aコース2番目のチェックポイント,「トド岩」に到着です。ここからの眺めも絶景でした。

トド岩1 トド岩2

 嶺北地域の棚田を見渡すことができ,その背後には石鎚山系や剣山系の山並み,遠くは赤石山系まで見渡すことができるそうです。この岩を登山道から見ると,トドの頭に見えることからトド岩と呼ばれているそうです。

 この時点で,すでにフラフラな私でしたが,意を決して岩によじ登り撮影しました。ここも岩の下は断崖絶壁なので足元に注意が必要です。

てっぺんまでもう少し1 てっぺんまでもう少し2

てっぺんまでもう少し3 てっぺんまでもう少し4

 さあ,トド岩を過ぎたら「工石山のてっぺん」まであと少し。工石山の魅力をお伝えすべく写真は撮るものの,ガイドさんの話は頭に入ってこなくなってきました。さっきまでなだらかだった勾配は,ここに来て少しづつ急になっていきます。しかし学生さん達のテンションは登りはじめから変わらず,元気いっぱいです。

工石山のてっぺん

 内心「辛い。辛い。。」と呟きながら歩いているうちに,ようやく「工石山のてっぺん」。頂上に到着です。とは言うものの,実は上の写真は「南頂上」。工石山には北と南に頂上が有り,北まわりのAコースを行くと,まず「北頂上」に到着するのです。なぜ,北頂上の写真が無いかは皆様のご想像にお任せします。

南頂上

 南頂上からの景色も絶景でした。今までは工石山の北の景色に対して,南の景色はガラッと変わります。高知市の中心部を一望でき,香長平野をはじめ遠くには高知龍馬空港の滑走路や浦戸湾を見ることができます。てっぺんまで辿りついた達成感から,少し疲労もやわらいだ気がします。

下山

 てっぺんで一休みし,サイの河原を目指して下山します。途中,「トリモチノキ」のたくましさに圧倒されながら,そして笑う膝をごまかしながら歩きます。時刻は11時30分。今日のお昼ご飯はサイの河原でとのことです。お昼ごはんのことを考えたらちょっと元気が出てきます。

サイの河原 サイの河原

 上の写真はサイの河原です。私が想像していた河原とは異なり,「源流」という言葉がぴったりあてはまりそうな,非常に神秘的な風景が広がっていました。このような非日常的な風景に身を置いて,自然に浸ってみるのも登山や旅の醍醐味かもしれません。そんな中,隣の人は沢から水を汲んできて,携帯コンロで湯を沸かしてカップラーメンを作っていました。非日常の中に日常を取り入れる。これもまた,登山ならではの醍醐味と言えるでしょう。

下山 下山

 さて,おにぎりでお腹を満たし,もう一がんばりです。正直申し上げますと下山に必死で,ほとんど写真を撮ることができませんでした。上の写真も何を意図して撮影したのかわかりませんが,工石山の下山の風景として掲載させていただきます。

 何度も石に躓き,落ち葉に足を取られながらも,ようやく見覚えのある景色が見えてきました。最初の分岐点,「杖塚」です。しかし,前述したとおり杖塚から登山口までの道のりが一番きつく,ほっとしたのも束の間,最後の力を振り絞って下山します。

 やっとの思いで,下山し,久々に舗装された道を踏みしめました。意外だったのが,普段歩いている舗装された道は歩きやすいものと思っていましたが,登山道の柔らかい土の道に慣れてしまったせいか,舗装の硬い感触が足に馴染まずしばらくの間違和感が消えませんでした。案外,舗装されていない道のほうが,足腰にかかる負担が少ないのかもしれませんね。

 最後は,学生さん達とガイドさんとの意見交換会。今回の登山で何を感じそしてどのような看板の作品に仕上がるのでしょうか。今から楽しみです。

意見交換会

 作品の発表は10月末頃とのことです。結果及び展示については,追って当HPでお知らせいたします。長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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