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啓発紙芝居

紙芝居のあらすじ


緑が森の空に(タイトル)

 「緑が森」の小川のほとりに熊の家族が住んでいます。お父さん熊とお母さん熊、それにお兄さん熊の空太と妹熊の花の四人暮らしです。


2枚目

 ある日の学校。空太たち一年陽だまり組では、やぎの八木田先生が宿題を出しています。「大きくなったら何になりたいか、どんなお仕事をしたいか、どうしてなりたいのかの作文を書いてきてください。今度の参観日に皆の前で発表してもらいます。」


3枚目

 帰り道、空太は青い空を見上げながら「なんて書こうかな? 」とぼんやり考えていました。
 「空太君! 」と後ろから同じ陽だまり組の猫のシロンの呼ぶ声がしました。


4枚目

 シロンは瞳を輝かせ、声を弾ませて言いました。「私はね、パイロットになりたいの。お父さんみたいに。世界中の空を飛び回って、たくさんの人をどんなに遠くても、行きたいところに連れて行ってあげられるのよ。すごいと思わない?」


5枚目

 家に帰るとちょうどお母さんが妹の花ちゃんを保育園にお迎えに行くところでした。
 空太は花のお迎えに行くのが大好き! かわいい花に早く会えるのももちろんうれしいんだけど、保育園の他の子どもたちと会えるのがとても楽しみなんです。


6枚目

 保育園の門をくぐると、庭で遊んでいた子どもたちがいっせいに駆け寄ってきました。
 子どもたちはとても楽しそう。そんな子どもたちといると、空太もとても楽しい気分になってきます。空太はボール遊びをしたり、滑り台をすべったりして一緒に遊びました。


7枚目

 しばらくして、花のいる流れ星組の部屋の前からお母さんが呼ぶ声がしました。
 「空君、もう帰るわよ。」慌ててお母さんと花の所へ走って行きました。まだ一歳の花は空太をみてにっこり笑いながら言いました。
空太「ばぁ! 花ちゃん。おかえり! 」


8枚目

 空太は急いで流れ星組の部屋に入って行きました。中には花と同じくらいの歳の赤ちゃんたちが何人か、お迎えを待っていました。
 赤ちゃんたちは空太をみつけると、積み木を「はい」と渡してくれたり、そばまで来てくれたりします。とてもかわいくて、空太はなんだかとても幸せな気持ちになります。


9枚目

 その日の夕食の時間です。
 「空君、今日のお宿題の作文はできたの? 今度の参観日に発表するんでしょ? 」
 「その日はお父さんも行けるんだ。楽しみだなあ。何の作文だい? 」「うん。大きくなったらなにになりたいか、なんだ。」
 「ほぅ。で、空太は何になりたいんだい? 」

10
10枚目

 そういって空太はカレーライスにスプーンをつっこんだままで、少し考えました。

11
11枚目

 「僕、保育園の先生になりたいな。」
 空太は今日の昼間に保育園の子どもたちと遊んだ時間を思い浮かべながら、目をキラキラ輝かせて言いました。

12
12枚目

 お父さんはすごく驚きました。
 「空太は男の子なんだから、消防士さんとか野球選手とか、 お寿司屋さんなんかどうだ? 」 「空君は子どもと遊ぶのが大好きだから、そう思うんだろうけど、もっと空君に似合う男らしい仕事があると思うんだけど。」

13
13枚目

 その晩、空太はなかなか眠れませんでした。空太としては保育園の先生はまさにこれだ! ってかんじだったのです。でもお父さんもお母さんも賛成してくれない。
 布団の中でいろいろと考えているうちに、空太は眠ってしまいました。

14
14枚目

 次の日のお昼休み、空太は八木田先生に職員室に呼ばれました。
 「空太さんがお宿題を忘れるなんて珍しいね。昨日は具合が悪かったのかな? 」
 空太は昨日の出来事を先生に話しました。

15
15枚目

 「確かに保育園の先生は女の人の方が多いよね。小さい子どもと遊んだり、赤ちゃんのお世話をお家でも女の人がしていることが多いからかな。でも保育園の先生は子どもたちの笑顔を増やすことができる人にぴったりのお仕事だよ。お父さんやお母さんも、どうして保育園の先生になりたいのかわかれば、きっとわかってくれるんじゃないかなあ。」

16
16枚目

 さて、今日は参観日。教室にはたくさんのお父さんやお母さんが来ています。空太のお父さんとお母さんも花を抱っこして教室の後ろに立っています。

17
17枚目

 「それでは次は空太さん、どうぞ。」
 空太は、「はい」といって立ち上がりました。そして、大きく深呼吸をして、勇気を出して読みはじめました。
 空太は、大きくなったら保育園の先生になる夢を発表します。

18
18枚目

 八木田先生もお友達もみんな拍手してくれました。たくさんのお父さんやお母さん方もみんな拍手してくれています。
 そして、空太のお父さんとお母さんにこにこ顔でたくさん拍手をしてくれています。

19
19枚目

 帰り道。お父さんは空太に言いました。
 「空太。とても元気に読めて偉かったなあ。空太が本当に小さい子どもたちが大好きで、子どもたちからも、とても慕われているんだなあってことがわかったよ。」
 「そうね。空君なら、とてもいい保育園の先生になれるかもね。」

20
20枚目

 お父さんとお母さんにそう言ってもらえて空太はとてもうれしくて、思わず“ばんざーい”と、両手を高く上げました。空太の手の先には真っ青な空に真っ白な雲がぽかりぽかりと浮かんでいます。空を見上げていた空太の目には、大きくなって夢をかなえた陽だまり組の皆の顔が浮かんできます。

21
21枚目(エンド)

 おしまい