移住レポート(二段階目)

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高知移住で得た最大の収穫は「心の豊かさ」

二段階移住(二段階目)
Iターン
いの町

宮岡 育人さんさん 竜生くん

移住前居住地:千葉県
(2021年12月高知県高知市⇒2023年9月高知県いの町)
子どもの教育をきっかけに考えはじめた高知移住。高知市で暮らした2年間で古民家を探す。現在は奇跡の清流「仁淀川」のすぐそばにある、いの町の理想の古民家で暮らす。

移住したきっかけを教えてください

高知への移住を考え始めた一番のきっかけは、子どもの教育でした。漠然と「子どもには自然の中で自由に遊べる環境で育ってほしい」と思っていた時に、「とさ自由学校」の話を耳にし、学校のホームページを見てみたんです。その雰囲気や教育方針を知って「この学校に子どもを入学させたい」という気持ちになりました。このことが、高知への移住を決意する最大のきっかけになりました。
ダンススタジオ経営をメインとして働いていましたが、2017年からリモートでも出来る仕事を取り入れていた事もあり、移住を前向きに検討していくことができました。とはいえ、これまでずっと首都圏で仕事をしてきた自分たちにとって、高知で以前と同じ状況で直ぐに仕事を続けるのは難しいと最初からわかっていました。ダンスで言えば業界的に首都圏の価値観で成り立っている部分が大きく、高知では通用しないだろうと。ただ、不思議と不安はなかったんです。何度か高知に来ているうちに「最悪、バイトをしながらでもなんとかなるだろう」という、自信が生まれました。自力で生きていけそうだという、首都圏にいた時にはなかったマインドが芽生えたんです。極論、完全に自給自足は無理でも、釣りに行けば魚が釣れるし畑があれば野菜も取れる。そんな生活を送れる場所だと分かったからこそ生まれたマインドだと思います。

二段階移住を選んだのはなぜですか?

旅行で高知を訪れたことはありましたが、観光地を巡っているだけなので実際の生活は分からない。高知に住むといっても、土地勘が全くない中での生活には夫婦とも大きな不安がありました。そんな中、高知県の移住コンシェルジュに相談する機会があり、そこで二段階移住という制度を教えてもらったんです。
ひとまず高知市での暮らしに慣れてみることにしました。そして、その間に次の移住先をじっくり探す。この二段階移住の最大のメリットは「高知での実際の暮らしを知ることができること」だと感じています。実際に住んでみないとわからない交通機関の不便さや、住みたい地域の情報収集ができるのは大きな収穫です。
また、移住後は古民家に住みたいという思いがあったんですが、古民家は一般的に賃貸物件が少ない。じっくり探す時間が必要だったこともあって、その点でも二段階移住という形は大いに役立ちましたね。無事に理想の家も見つけることができました。 。

一段階目の高知市での暮らしはいかがですか?

高知市に実際に住んでみると、想像以上にコンパクトで、不便さはあまり感じませんでした。電車やバスで市街地へ出られるし、自転車でどこへでも行けて、車がなくても生活できるほどでした。印象的だったのは、物価の高さです。千葉にいた頃に比べると物価は安いのかなと思っていましたが、実際はそこまで変わらない、むしろ家賃は少し高いと感じました。ですが生活に必要なものは何でも揃っていて、非常に便利な暮らしでした。
実際に住んでみないと分からないことに気づけたり、住みたい地域の情報収集ができたのは大きかったです。

二段階目の移住先はどのように決めましたか?

高知市での2年間は、次の移住先を探すための準備期間でもありました。高知市で生活を送る中で、子どもには自分の子ども時代と同じように、近所の方に優しく見守られながら生活したり、学校の登下校で寄り道したりするような、「田舎らしい生活をさせてあげたい」という思いが強くなったんです。
次の移住先を考える上で重視したのは「子どもの学校から近いこと」と「治安が良いこと」。また、妻は虫が苦手なので「ほどよい田舎」が良いと考えていました。
そんな中、いの町への移住を決めたのは、まさに運命的な「ご縁」でした。学校の保護者との繋がりで、古民家を所有している大家さんを紹介してもらえたんです。
古民家は物件が少なくて見つけるのは難しいと聞いていましたが、二段階移住で高知市に住みながらゆっくり探せたことで、理想の家を見つけることができました。この家はいの町中心部から少し離れていながらも不便を感じず、仁淀川にも近いという、まさに私たちが求めていた「最高!!」の場所でした。この家との出会いがなければ、いの町へ移住は実現していなかったかもしれません。

■二段階目のいの町での暮らしはいかがですか?

いの町へ移住してからは、本当に理想通りの暮らしを送っています。特に、家の近くにある仁淀川の環境は最高です。地元の方は当たり前だと思っているかもしれませんが、千葉に住んでいた私たちにとっては、車で数分の場所にこんなに素晴らしい川があるなんて、本当に驚きでした。首都圏では何かをするのにお金がかかることが多いですが、高知は無料でも遊べる場所がたくさんあります。週末には、家族で仁淀川に遊びに出かけることが増えました。
仕事については、ダンスキューブ有限会社という法人にて活動しています。地元の方々とのコミュニケーションを大事にして行く中で、公民館の副館長や文化協会副会長、子ども会の役員を務める傍ら、いの町にダンス教室を作ろうと計画したりと、地域に根差した活動にも力を入れています。ほかにも、地域活性化に繋がるeコマース代理店や健康美容関係など複数の仕事を並行して行っています。
※eコマースとは…インターネットを通じて商品を販売すること。

アドバイス

移住を考えている方へのアドバイスをお願いします
移住を考えている方に伝えたいのは、「とにかく動いてみて」ということ。インターネットで情報を集めるだけでは見えてこないことがたくさんあります。特に、住まいを探すことは一番のハードルでした。私たちは二段階移住制度を利用したことで、高知市で2年間生活しながら自分たちに合った場所をじっくりと探すことができました。
また、地方への移住は仕事の面でもハードルがあります。都心での職歴はリセットされると考えておいた方が良いでしょう。高知には受け皿が少ないため、リモートワークや個人事業主として活動するなど、働き方を柔軟に考える必要があります。
私たちが高知で得た最大の収穫は、お金では買えない心の豊かさです。都会では何かとストレスを感じていましたが、高知の人や自然を含めた環境が「なんとかなる」という安心感を与えてくれ、ゆったりとした時間を過ごすことができています。
移住先がまだ見つかっていない人や高知が気になっているという人は、まずは高知を訪れてみてください。観光地巡りだけでなく、実際に住んでいる人たちと触れ合うことで、高知の本当の良さを知ることができるはずです。

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< 高知市役所 移住・定住促進課 >

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移住・定住促進課