

移住レポート(二段階目)
report
高知市へのお試し移住で見つけた「自然豊かで便利な暮らし」
山本 富三さん
移住前居住地:東京都
(2023年10月高知県高知市⇒2024年10月高知県香南市)
東京で心身ともに消耗する暮らしをするなかで、いつしか「移住するなら高知」と思うように。奥様が地方の生活になじめる時間を持てる「二段階移住制度」を利用し、高知市暮らしを経て、香南市へ二段階移住。

移住のきっかけ
東京での暮らしは、一言で言うと人がとても多くて大変でした。例えばいつも満員状態の通勤電車。それが嫌で、ずっと人の少ない場所で暮らしたいと思っていました。
東京では夜12時を過ぎて帰宅することも頻繁にあり、心身ともに疲れ果てて「こんな生活は嫌だ、もっと自然の中で暮らしたい」と強く思うようになっていきました。40歳の頃に芽生えたこの思いは、それから25年間、頭の片隅にずっとありました。
仕事で全国47都道府県を回ってきましたが、趣味でカヌーやダイビングをしていたこともあり、以前から高知にはよく遊びに来ていたんです。特に柏島や四万十川の自然に触れる中で、いつしか「移住するなら高知しかない」と思うようになりました。高知は食べ物もおいしいですし、何より「人の多さがちょうどいい」という部分に惹かれました。妻も賛成してくれたので、移住を決意しました。
二段階移住を選んだ理由を教えてください
移住するにあたりネックになっていたのは、妻が地方になじめるかどうかという点が一つ。もう一つは引っ越し費用のことでした。そんな中、ネットで情報収集しているときに見つけた「二段階移住」という制度。「これだ!」と思いましたね。妻は地方の知らない場所にいきなり住むことに不安を感じていたので、高知市でじっくりと地方の生活に慣れながら、次の移住先を探せるという点は大きな魅力でした。
また、自宅だけでなく、妻や自分の実家にも荷物があり、引っ越し費用がかなりかさむことになりそうだった自分たちにとって、「引越しの際の荷物運搬料も含めた、お試し移住費用の補助金」はとても助かりました。
一段階目の高知市での暮らしはいかがですか?
高知市では高知県産品の直売所「とさのさと」の近くに住んでいました。東京と変わらないくらい便利で暮らしやすい場所でした。東京と決定的に違ったのは、新鮮な食べ物が手に入ることです。特に野菜や魚の鮮度と安さには驚きました。
また、高知のカツオのタタキは格別でした。東京で食べるものとは全く違います。高知に遊びに来た東京の友人や元同僚を居酒屋に連れていくと、みんな一口食べて「今まで食べていたのは何だったんだ」と驚いていました。火で炙った藁の香ばしい香りがたまらないんですよね。健康的な食生活のおかげか、普通に食事をしているのに体重も6kgも減りました。この健康的な変化も、高知市での生活の大きな収穫でした。
二段階目の移住先はどのように決めましたか?
高知市での生活を楽しみながら、次の移住先をゆっくり探し始めました。複数の役場に足を運び、それぞれの地域の良い点や悪い点について、担当者から正直な意見を聞かせてもらいました。妻の職場が香美市にあったため、最終的には高知市から遠すぎない東側の地域に絞って探しました。
妻と二人でよく話し合いながら移住先の候補地ごとにメリットとデメリットを書き出し、優先順位をつけていきました。その結果、高知市から近くて自然も豊かで買い物にも便利な香南市に決めました。空港や道の駅、鉄道も利用しやすく、旅行好きな私たちにとって理想的な場所です。
■二段階目の香南市での暮らしはいかがですか?
香南市での生活はほぼ期待通りです。高知市にいた頃は居酒屋が多くてついつい飲みに行っていましたが、香南市に来てからは家で飲むことが増え、かえって健康的になりました。安くて新鮮な食材が手に入るので、自炊するのも楽しいです。自宅から歩いて行ける場所に美味しい居酒屋を一軒見つけたので、飲みに行きたいときはそこを利用しています。
また、東京にいた頃と同じように、今も自宅近くにあるマシンが充実した24時間営業のジムに毎日通っていて、健康的な食生活と運動習慣を両立できています。
他にも、高知県には龍馬パスポートという観光や宿泊で利用すると特典がもらえるお得な制度があり、今でもそれを利用していて殿堂入りを目指しています。これからも県内のまだ行ったことのない場所を訪れたり、体験プログラムに参加したりして、高知の暮らしを満喫したいですね。

アドバイス
- 移住を考えている方へのアドバイスをお願いします
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「移住したい」と少しでも迷っているなら、まず行動を起こすこと。ネットで情報を調べるだけでなく、役場の移住担当の方に直接会いに行くことをお勧めします。その地域の良いところだけでなく、デメリットも正直に話してくれるので、とても参考になります。
そして、移住先の候補地を訪れた際は、車で実際に道を走ってみることも大切です。移住担当の方に聞くだけではわからない道の狭さなども自分で運転することで実感できます。
私は高知に来る前に、妻と二人で移住先の希望条件を書き出して優先順位をつけて整理しました。頭の中だけで考えるのではなく、書き出すことで本当に大切なことが見えてくるのでおすすめです。
