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このページは、高知市広報「あかるいまち」に掲載されている「歴史万華鏡」のコーナーを再掲したものです。
歴史万華鏡
執筆「こうちミュージアムネットワーク」の皆さん
第41回 池谷・関彗星(いけや・せきすいせい) 発見から五十年
高知市広報「あかるいまち」2015年9月号より
子ども科学図書館で展示中の池谷・関彗星を発見した望遠鏡<br />(桟橋通)
●子ども科学図書館で展示中の池谷・関彗星を発見した望遠鏡
(桟橋通)
 今からちょうど五十年前、昭和四十(一九六五)年九月十九日の午前四時ごろ、「池谷・関彗星」が発見された。高知市在住の関勉(せきつとむ)さんと静岡県在住の池谷薫(いけやかおる)さんがほぼ同時に発見した彗星で、後に世紀の大彗星として、世界的に有名になった。

 関さんはこれまでに、合わせて六つの新しい彗星を発見している。通町(現上町)にある自宅の屋根に作られた物干台から、手作りの望遠鏡で、毎晩のように捜索を続けていた。夜空の星々の中から、「星図(せいず)」(星空の地図)に無い星をくまなく探していくのである。上町付近は当時、周りの建物が低く明かりも少なかったため、星がよく見えたという。

 関さんが池谷・関彗星を発見した時に使っていた望遠鏡や星図、彗星の位置を記したスケッチは、先日、本人から市に寄贈された。県・市が合同で建設している、新図書館等複合施設内の「こども科学館(仮称)」に展示し、高知の科学文化振興のために活用したいと考えている。

 さて、このこども科学館(仮称)にはプラネタリウムができる予定だが、高知県のプラネタリウムの歴史は今に始まったものではない。県内に初めてプラネタリウムができたのは昭和二十五(一九五〇)年で、高知市で開催された「南国高知産業大博覧会」に合わせて作られ、数年間運営された。このプラネタリウムは数人の有志による手作りで、光源からの光が穴を通り、ドームに映る仕組みとなっていた。若き日の関さんも、ドリルで一つ一つ「星の数ほど」の穴を開けたそうだ。

 昭和四十年には、五藤光学研究所の創業者・五藤斉三(ごとうせいぞう)さんが故郷の安芸市に寄贈したプラネタリウムが開館し、昭和五十一年まで運営された。当時の投影機は安芸市立歴史民俗資料館に展示されている。また昭和四十一年、高知市で開催された「南国産業科学大博覧会」に合わせて「プラネタリウム館」が開館し、昭和四十九年まで運営された。

 そして、約四十年の時を経て、高知県に念願のプラネタリウムができる。

こうちミュージアムネットワーク 高知市民図書館 学芸員 岡田 直樹
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