平成29年度 第3回 高知市自立支援協議会 日時:平成29年11月16日(木)18時30分〜 場所:高知市保健福祉センター 3階大会議室 1 開会 (司会)  本日の議事内容及び資料確認 2 協議事項・報告事項 (会長)  皆さん,こんばんは。  前回までは,事例協議の場合に傍聴の方に退席いただくことが多く,その点は良くないということで,内容を個人特定にならない範囲の中で「検討すべき課題」を明らかにして,傍聴の方も一緒に聞いて考えていただけるような場にするために工夫をした形で今後やってみますので,よろしくお願いします。  それでは,まず1つ目の「相談支援検討会からの提案」を事務局よりお願いします。 (事務局)  資料のスライド番号3番の説明から始めたいと思います。前回の自立支援協議会でご意見を頂きました相談支援検討会で現在取り組んでいる「18歳移行期問題」について報告します。  スライド番号4番に進みます。ここからは,前回と同じ資料になり,自立支援協議会と相談支援検討会の関係についてです。相談支援検討会では,地域課題の集約や整理を行い,共通で出てきた課題を自立支援協議会に報告し,自立支援協議会では検討会から出てきた課題の解決に向けた取組を話し合う場となっております。  スライド番号5番に進みます。相談支援検討会の機能としては,事例から出てきた課題の整理を行い,自立支援協議会を通じて解決方法や手だてを検討し,その結果を地域に還元していくという仕組みづくりがあります。  スライド番号6番に進みます。現在,相談支援検討会で取り組んでいる18歳移行期問題の根拠としては,制度の切替えや支援者の変更,環境の変化などにより,本人への支援をより丁寧につなげていかないといけない時期ですが,それがうまくできていないことにより問題となる事例があることです。学校との連携がうまくいっていないために,本人や保護者に適切な情報提供や支援ができていないのではないかという問題意識を持っています。目的として,支援がつながることで本人の状態が安定することができるとし,検討目標としては,学校と福祉の連携強化。取組方法としては,特別支援学校の進路担当者との意見交換会の開催としています。  スライド番号7番に進みます。前回の自立支援協議会でのご意見を基にして,9月19日に相談支援検討会を開催し話し合った結果,まず,意見交換会を行う前に特別支援学校の進路担当者にアンケートをとることにしました。相談支援専門員が日頃感じている課題について進路担当者に投げ掛けて,共通の課題があるかどうか,学校側から見た課題があるかどうか等について教えていただきたいと考え,@相談支援が考えている課題についてどう思うか,A学校の先生が感じている課題について,B話合いの場に参加してもらえるかどうかの3点について質問することを考えています。そして,そのアンケートを踏まえて特別支援学校の進路担当者と相談支援専門員の話合いの場を開催することを考えています。  スライド番号8番に進みます。協議していただきたい内容として1点目に,特別支援学校の進路担当者の教員向けのアンケートの内容についてです。対象と考えている学校は,盲学校・高知ろう学校・山田養護学校・日高養護学校・中村特別支援学校・高知特別支援学校・高知大学教育学部附属特別支援学校・高知若草養護学校・高知江の口養護学校の以上9校としています。アンケート調査の案は別紙のとおりとなっております。  2点目に,18歳移行期問題を取り組んでいくスケジュールについてです。本日の自立支援協議会の後,11月21日に第4回相談支援検討会を開催し,12月中に教員向けアンケートを実施します。来年1月,2月の相談支援検討会では,アンケートの結果をもって教員と福祉担当者の話合いの場について検討し,2月中に会を開催したいと考えています。第4回自立支援協議会が2月に開催される予定ですので,そのときには進捗状況を報告させていただきます。3月の第7回相談支援検討会では,教員と福祉担当者間で話し合ったものをまとめて,5月の平成30年度第1回の自立支援協議会で提言できるようにしたいと考えています。  アンケートの内容については,別紙案で付けておりますが,内容については,相談支援専門員が日頃感じている課題から作成しておりますので,本日の自立支援協議会で皆様よりご意見を頂いて修正したいと思っておりますのでよろしくお願いします。  以上で報告を終わります。 (会長)  相談支援検討会から日頃の取組を通して出された課題について,一つのポイントに絞って期間を限定しながら対応し,課題解決に向けた方法を考えるということで設定されたのが18歳の移行期問題です。「教育から福祉へ,社会へという橋渡しの時期での切れ目のない支援,一貫した支援というのはどういうことなのか」という問題意識だと思います。今日は,この18歳移行期問題についての根拠,問題意識,目的,目標,取組ということで提案がありますので,それらについて委員の皆さんにご意見を頂きながら,この取組を支え,よりいいものにしていくという観点からご意見を頂きたいと思います。  最初に,根拠や問題意識,目的等について,ご意見やアドバイスがありましたらお願いしたいと思います。具体的なアンケートの内容についてはその後に協議したいと思いますので,まず1から4のところでご意見,確認したいこと等ありましたらお願いしたいと思います。   (委員)  私が相談支援をしていたときのことを踏まえて確認させていただきたいです。18歳の移行期問題で主に対象になる方の中でも,障害児のときから入浴や,放課後児童デイというサービスを使っている方にとっては,教育から福祉というところは課題にならないのではないかと思います。そういう点でいうと,18歳移行期問題が特に課題になる対象者というのは,どのような方なのかというのを教えていただきたいと思います。 (事務局)  相談支援検討会で考えている対象者としては,主に新しくサービスを使う方をイメージしています。障害児のときにサービスを使っている方も,障害児相談支援から特定相談支援という事業所にバトンタッチするという方もいらっしゃいますので,そのバトンタッチが必要な方についても対象として考えております。 (会長)  ほかにはありませんか。押さえておきたい点,確認したい点等ありましたらお願いします。 (委員)  サービスを新しく使う方等対象者と考える方における問題点について,前回話されたと思いますが,もう一度教えていただきたいです。 (会長)  問題となる事例について,例えばということで三,四点,前回出されたと思いますが,もう一回確認をお願いしたいと思います。 (事務局)  相談支援検討会で相談支援専門員と話したときに出てきた課題としては,入所の切替え,その施設の空きがないとか,施設が足りないということがありました。あと,それまで利用できていた短期入所が使えなくなるとか。例えば,児童のときに利用していたサービスが学校を卒業することによって利用ができなくなったり,また,保護者の方や学校の先生たちが福祉サービスを知らなかったり,あと,学校の進路担当と保護者の方だけで既に福祉サービスが決まっていて,相談支援専門員には後から「サービスを使うのでプランお願いします」と依頼が来て,経過を知らないがためにうまくいかないといった連携の問題が出てきております。 (委員)  ありがとうございました。 (会長)  よろしいですか。ほかにご意見・ご質問等ありませんか。  それでは次に,内容のことも含めて話を進めていきたいと思います。具体的には,アンケートをとるということ。アンケートの対象は各学校の進路担当で,各学校でアンケートをとった上で,検討会等で課題整理をしながら学校との協議の場を設けていく,というスケジュールと方法が提案されています。スケジュール,方法を念頭に置きながら,アンケートを見ていきたいと思います。「18歳移行期に関するアンケート調査(案)」の説明をお願いします。 (事務局)  まず,アンケートの冒頭に私たちが考えている目的等を記載し,問1の「18歳になる時点で問題になると思われる項目について」の@からDまでは,相談支援検討会で出た課題を書き出しています。1番は,福祉施設が足りない。例えば,入所の切替えにおいて18歳以上の方を対象とした施設に空きがない,同じく短期入所もないということについて,先生方もそう思うのか,ややそう思うのか,余り思わないのか,思わないのかという4択にしています。ちなみに「思う・思わない」の2択にすると選びにくいのではないかということで4択にしています。また,具体的な理由を聞かせていただけたらということで,選択肢の一つ一つに具体的な理由の記載欄を設けています。2番は,教員に福祉サービスが周知されていない。3番は,保護者へ福祉サービスが周知されていない。4番は,相談支援事業所の相談支援専門員等と連携が難しい。5番は,卒業後の進路について福祉担当者に相談する時期はいつですかというのを挙げています。この卒業後の進路について福祉担当者に相談する時期はいつですかというのは,先ほど事例であったような,既に進路が学校と保護者とで決まっていて,相談支援専門員にプランをお願いする時期が高校3年の12月や1月といった,卒業直前に連絡が来るケースがある,という話がありましたので,相談支援専門員がその方に関わり始める時期がいつぐらいになっているのか,ということを先生方に聞いてみたいというので5番に入れています。問2では,福祉サービスへの移行に関して学校の先生方から見た課題について自由記載で書いていただけるようにしています。問3は,障害福祉担当,相談支援専門員などとの話合いの場があれば参加してもらえますか,ということを聞いています。参加できる方には学校名や氏名,連絡先を聞いて,参加できない方にはそこは聞かないということになっています。話合いの場は,平成30年2月頃に開催する予定ですということで,大体の時期も書いて参加していただけるかどうかというような聞き方にしています。   (会長)  基本的な目的と,それに関わる質問内容の提案がありましたので,ご意見をお願いしたいと思います。   (委員)  まず,教育現場と福祉現場との連携がうまくいかない課題は,実は18歳の移行問題だけではなくて,医療ケアが必要なお子さんの,いわゆる医療機関と協力機関,あるいは医療福祉専門職と教員との連携,ここにもうまくいかなさということがあります。福祉と教育のうまくいかない連携というのには,非常に根深い構造がある問題だと私は捉えています。そのときに,この問題を難しくしているものは何か,ということをもう一度考えていく必要があります。福祉・教育の連携だけで考えてもこの問題はうまくいかず,福祉・教育・家庭,この3層構造でこの問題を捉えていかないと恐らく解決の糸口は見えないと私は思っています。先生,福祉の支援専門員,そして保護者,この3者の関係性の中で,私はディスコミュニケーションと言っていますが,それが生じるからうまくいかない,というのを考えているところです。この問題を考えるとき,保護者が18歳移行期問題にどういう課題を抱えていて,どういう心配があり,教育と福祉にどういう期待や願いを抱えているかというところを捉えながらこの問題を整理していく必要があると私は捉えています。それとこの問題を考えるときに重要なのは,教育現場の立場・視点でこの問題を捉えるという視点だと思っています。このようなアンケートをとるというのは決して悪くはないと思いますが,これはあくまで相談支援側で把握している課題から捉えようとしているので,教育の側から問題を捉える視点を持たないと,多分見えてこないだろうと思います。教育は教育で困っていることがあって,教育は教育でそのことを何とかしたいと思っていて,でもやはり福祉とどうしてもうまくいかない。それは何故なんだということを考えるときに,福祉の視点からではなく,教育・学校の先生の視点から始めないと,この問題はうまくいかない気がしています。だから,このアンケートをとることとは別に,進路担当の先生で,例えばグループインタビューを4人ぐらいの先生にやってもらって,実際に教育現場でどういうことに困っていて,どういうことを福祉に期待しているか。保護者との関係の中でどういうことに困っていて,どういうところを福祉に介入してほしいのかという辺りを,もう少し掘り下げて聞いていく作業をすることも,このディスコミュニケーションを解消していく一つの手だてなのかなと思いました。   (会長)  教育・福祉の連携が円滑になる支援体制というのは,常に振り返って点検していかなくてはいけないと思います。今回いいポイントだと思いますので,よろしくお願いします。   (委員)  このアンケートの調査については,話合いの場を設ける手前の準備として,話合いの場での論議を活発にする,焦点化を図っておくとか事前に課題を整理しておくという位置付けの調査であると受け止めています。アンケートの設問の中にも出ていますが,教員が福祉サービスのことを十分に承知してないという実態は,やはり否定しきれないと思います。しかし,そうではありながら学校として日々の活動を行っているわけですので,そういう福祉サービスについての専門性が高いとは言えない教育機関の側から見た率直な課題・定義を,例えば,先ほどご発言があったように教員へのインタビューなりの中で現状把握し,そこから出発するしかないのではないかと思います。そういう意味で今ご提案があったような,より学校の現場の実情を踏まえて,そこの立ち位置から卒業後の福祉サービスが今の学校現場にいる者にどのように見えているのか,映っているのかというところをくみ取っていただけたら,教えていただくこともできるし,また検討していくこともできる,そういう材料になるのではないかと思いました。 (会長)  今日の場は,このアンケートの取組をどうより良いものにするかという観点からご意見を頂き,それを踏まえて事務局や検討会で精査し,より良いアンケートの取組をするということになると思いますのでご意見お願いします。 (委員)  教育の現場からのというのもごもっともだと思いますが,ここに書かれているような「福祉の側から見ると,こういう点で大変な思いをしている」ということをお伝えしていくというすり合わせも必要ではないかと思っています。というのは,やらなければいけないことがたくさんあり,それを限られた時間の中でやっていて,単に「時間がない」と言っても分かってもらえないと思う。なので,1つのプランを立てるには,こうこうこうで,この時間にこれぐらいの時間が掛かって,すり合わせにこれぐらいの時間が掛かるのでというところの,自分たちが今持っている課題というのもこのアンケートと一緒にお送りさせていただくと,もう少し具体的なご意見を頂けるのではないかと思いました。 (会長)  続けてありませんか。 (委員)  現場のことがよく分かってない部分もあって教えていただきたいです。まず,現状として福祉の現場の方,つまり相談支援に学校側が相談するタイミングやきっかけがよく分からない。各学校によって違うのか,ここの学校は何月には相談してくると決まったりしているのか,学校によってすごく差があるのかどうかも今は分からないので教えていただきたい。また,アンケートは郵送ですか?というのは,せっかくきっかけを作るのであれば人間関係が一番大事だと思うので,直接担当の方が持っていって,時間を20分でも30分でも取っていただいて,最初に「こういう趣旨でやっているので是非教えてほしい」という形で持っていかれたほうが,相手も本気になって考えて意見を言ってくれるのではないかと思います。これをチャンスに,一番は「子供たちのために問題解決をしていかなければいけない」という意識づくりをするためにも,最初の持っていき方が大事だと思います。その点をどのようにお考えなのかも併せて教えていただきたい。あくまでもアンケートというのはきっかけづくりで,実際に同じ土俵に上がっていただくことで,教職員や保護者の方にもサービスのことや,相談するタイミングを分かっていただけるようになるのではないかと考えていますがどのようでしょうか。 (会長)  質問も含めてですが,事務局で回答をお願いします。 (事務局)  学校によってそのタイミングはばらばらになってくると思います。高校3年生になるとどこの学校も「進路に向けて」という動きが多くはなると思いますが,そのスタートが高校1年のところもあれば2年のところもあると思います。あと,このアンケート調査をどんなふうに送るのかということについては,先ほどご意見のあったグループインタビューもそうですし,直接持っていくというのもごもっともな意見かなとは思いますが,今のところ郵送を考えています。学校の一覧を記載していますが,中村とかありますので,そこまで行けるかどうかということがあります。あと,障がい福祉課や相談支援専門員が,学校で開催されている進路相談会には参加させていただいていますので,全く顔も知らないというような先生ではないですので,事前に電話なりで連絡をさせていただいて,お送りさせていただこう,と今の時点では思っております。 (会長)  ほかにご意見・ご質問ありませんか。 (委員)  このアンケートだけを見ると,相談支援事業所側が思っている課題について「そう思うか,そう思わないか」と質問しているアンケートに見える。ただ,このアンケートをとろうとした理由もあるので,そこを率直に伝えて「うまくいってないとこちらが思っている課題はこうだけど,そちらはどう思う」というような形で,少し遠い学校もあるかもしれないですが,直接お会いして話をすることできっかけづくりができるのではないかと思ったりします。電話で最初にお伝えするようにするのであれば,こちらが思うことだけではなくて,課題と思っていることがあればということで,問2にありますが,そこら辺を膨らませてもらったらいいのではないかと思います。郵送でこれが来たときに,文章だけでいうと,食い違いや思い違い,捉え違いということが出てきそうな気がして,少し危険ではないかと思ったりしました。 (委員)  単純な質問ですが,教員へ福祉サービスが周知されていないということと,保護者へ福祉サービスが周知されていないということについて,周知する人はどなたですか。これを読んだときにされていないっていったら,どこかするべきところがあって,それをしていないのだと書いていると思えるのですが,保護者とか学校の先生に障害福祉サービスを周知させるのはどこですか。   (会長)  どういう意図で書きましたか。 (事務局)  ここの書き方ですが,「先生とか保護者に福祉サービスが知られてない」という意見が出ていました。アンケートに知られてないとか知らないとかいうふうに書くのはどうかというような意見があって,「周知されていない」という福祉側の発信がうまくいってないのではないかというような聞き方にしています。   (会長)  ほかにご意見・ご質問ありますか。どうぞ。 (委員)  かなり本質的な問いだと思っています。そもそも教育現場や保護者に対しての福祉サービスの情報提供,ここの部分にやっぱり課題があって,実はその課題こそ自立支援協議会で少し協議が必要な中身ではないかなと今思いました。この点こそ実は我々の課題の一つかもしれないです。だから,そこの部分を我々が提示しないまま,むしろ「我々がそこをきちんと考えていく」というメッセージを送らないまま,このことを入れてしまうと,教育現場からすると「えっ」となるのかなと今聞いていて思いました。非常に本質的で大切なご指摘だったと理解しました。 (会長)  だんだん深まってまいりました。  私もまとめていたことも含めて意見を出したいと思います。まず,このアンケートの項目は,検討会に出たことをそのまま載せたという感じがします。検討会で論議したことを一言でまとめるとこうなるのだろうけど,それを一般の人が見たときには,「んっ」て,どう答えたらいいのかなと思ってしまう。理解の仕方,解釈の仕方が変わってくるので,そのまま過ぎていけないなと思います。特に,学校と福祉との連携を深めるという観点で学校に聞くときには,福祉のほうは「学校はどう思っていますか」ということを聞いてみる。学校に,相談支援事業や相談支援専門員の評価を聞くといいますか,関わり方や関わる方法・時期だとか,それこそ専門性だとかいうことの評価を聞いてみるということがいいのではないかと思います。「学校の先生は私たちのことをどう思っていますか」や「どんなことを期待していますか」ということを積極的に聞いたらいいのではないでしょうか。そのほうが答えやすいと思います。福祉のほうにも学校に対する期待感というのがあるわけで,そこをすり合わせていくというような質問項目に変えたほうがいいのではないかと思いました。  それから,入るタイミングというか関わるタイミングの問題についてですが,確かに学校によって違いますが,各学校の進路指導計画は大体あると思います。その中で,例えば福祉だと外部専門家をどこで入れているのかとか,相談専門員をどこで要請しているのかとか。保護者との接点,担任と学校との接点を作ることが大事になってくると思いますが,学校に資料はあると思いますので,そんな計画を入手して参考にしたらよいのではないかと思うのが2つ目です。  3つ目は,ご意見を頂きましたように,インタビューをして顔を合わせて意見交換しながら意見集約をするというのもいい方法だなと思います。限られた期間の中で,なおかつ学校もたくさんあるということもあるので,ある程度サンプル的に,全部行く必要もないので,サンプル的に高知市で身障者の学校だとか肢体不自由系だとか,感覚障害で盲だとかというふうなサンプルでいいと思います。回れる範囲のところで聞いて回るということもせっかくだからやってみたらいいと思いますし,福祉のほうも学校との接点がより深まるのではないかと思いました。  最後に,これは今回では難しいかもしれませんが,保護者の声をどう交えていくのかということです。この移行期問題について,学校と福祉との連携に保護者がどう関わるか,声をどう入れて点検していくのかということについては,それこそ私たちが知恵を出して考えていく必要があるのではないかと思います。  ほかにご意見ありましたらお願いしたいと思います。 (委員)  グループインタビューとか学校側の立ち位置から見た福祉の側の今の状況の評価を求めるというようなご指摘もありましたが,そういう忌憚のない話をする場がこの問3でいう話合いの場というふうに想定をなさっているわけではないのでしょうか。 (事務局)  そのとおりで,まずはアンケートをとってみて,そこで課題を少し明らかにしてから話合いの場を持とうというのが相談支援検討会での話でした。最初はいきなり話合いの場に先生方来てくださいと言っても,先生方も何のために行かないといけないのかとか,目的がよく分からないということになると思うので,まずはアンケートをとってみようというような話になりました。 (委員)  とすると,学校の本当の現状からの素朴な疑問・質問も含めてというのは,このアンケートの中でいうと問2がそれに当たるような部分なのかなと思います。そういうことをある程度あらかじめアンケート調査なりで把握しておいて,それを整理した上で話合いの場を設定して,そこで学校側から見たら,「いや,こういうふうに福祉の方にお願いしたい」とかいうような意見が出るような場が問3で言っている参加してくれますかの場というようなイメージをお持ちだったということですね。はい,分かりました。 (会長)  そういうストーリー性が分かるような流れでやっていく必要があると思います。「高知市はこういうことを取り組もうとしているので,そのためにこのアンケートをやって,こういう場を設けていきます」ということをもっと明確に出していく必要があると思います。より積極性をもっと出して,来てもらえますかではなくて,やりますということを。 (委員)  今のプロセスだと私はまだ話合いの場に行くまでの段階が足りない気がします。この段階で来てくださったとして,話合いの場を持っても,何か異種格闘技になる気がします。似たような議論をしてはいますが,何か剣道対なぎなた的な,実は議論がかみ合っていないことになるような印象を持っています。それはなぜかというと,学校の側で「今そこの問題がどう捉えられているか」とか「学校側がこのことをどう捉えているか」ということの整理も必要ですし,実はもう一度,相談支援の側もこの課題について各事業所がどういう課題を共通して持っているのかということを精査する必要があると思います。その2つの精査を事前にやった上で,このお互いの状況をまず整理して,その上で話合いの場を持つというプロセスが必要だと思います。すり合せがどこかで必要な気がしていて,そのすり合わせを話合いの場でするというのは,議論がかみ合わなくなり少し難しいのではないかと思います。お互いのその状況を知るというところでいいかもしれませんが,場合によってはとても更に溝が深まるというリスクがあると思っていますので,段階ということは少し考えてみたほうがいいのではないかと考えて今聞いています。 (会長)  ほかにご意見はありませんか。   (委員)  積み重なっての課題にはなっていると思うので,素直に「こちらはこういう課題を持っていますが,先生からはどんなご意見がありますか」みたいな感じのざっくばらんな会は駄目でしょうか。 (会長)  やってみないと分からないこともありますが,スケジュール的なこととの関連でやり方については私の方から少しアドバイスをした経過があります。一定の区切りをつけてやっていかないと,まとめの締まりが無くなってくるということがあります。学校でいうと,4月をまたぐと担任の先生や体制が変わってくるという問題があるので,例えば,ご意見もらった学校の担当の方との協議は年度内に済ました上で,一つのまとめという形にしたほうがいいのではないかという話をしました。そこを踏まえて考えたスケジュールでもあるわけです。そこはやり方の問題と進捗状況によって変わるということなので,それも含めて一定の見通しを持ちながら弾力性を持つというやり方でないといけないと思います。アンケートをとり一定協議の場を設ける。協議については,一回完結編なのか体制が変わってもいいから次回継続編なのかということはやりながら考えてもいいのではないかと思います。ただ,何らかの形で近いうちに一つのまとめをし,それが来年度の実践に,お互い生かしていけるようにしていく必要があるというような流れではないかと思ったところです。 (副会長)  私自身も検討会に参加させていただいています。検討会では,学校との連携についての話の中で学校によって温度差があるという話が出たりしていました。最近は進路相談の会に事前に呼ばれるように少しずつなってきましたが,各学校間での進路相談の日程についての情報交換はないようで,同じ日に複数の学校から進路指導の進路相談の会をしますと言われても,支援センターの人数では行けない場合も出てくるので,学校全体が統一した何かそういう進路に関して,卒業後のことに関して「同じような動きでやってくれたらいいね」というような意見もありました。それで学校にこちらのほうの思いも理解してもらうために,まずはアンケートをとって,突然話合いをしましょうと言っても向こうもなかなかびっくりするだろうから,やわらかい感じでアンケートという話が出てきたわけです。 (会長)  今日は全部,前向きないい方向に生かすためのご意見を頂けたと思いますので,どこまでできるかと,実際のスケジュールの問題ということも含めて事務局に返して,それを踏まえて改善をした上での取組ということで見守りたいと思いますがよろしいでしょうか。 (委員)  このやり方に文句はないですが,ただ,やはりなお注意していただきたいことは,福祉側の「学校だからとか学校側は」という発想でいってしまうと多分ボタンがかからないと思いますので,今回アンケートをとるにしても,これから先も学校にアプローチをするときも,是非,十分な配慮が必要と思います。それともう一つ,この問題はすごく根深いと思っていて,そもそも福祉の現場と教育の現場は文化も言葉も違うということです。このことを踏まえた上でアプローチをしないとコミュニケーションが取れないと思っています。だからそこに丁寧さが必要だということを思っています。例えば,福祉で使っている支援という言葉がどこまで学校の中でご理解いただけるか。そこには多分大きな差があると思いますし,逆に教育の現場で使われている指標等の言葉は,福祉の現場ではどういうふうに捉えるかというと,ここは温度差があると思います。言葉が違う,文化が違う,そもそものいわゆる社会集団としての機能が違うわけですから,このことは十分に踏まえた上で,コミュニケーションをどう図っていくかということを考えていただくということを前提に進めていただきたいと思います。 (会長)  ありがとうございます。大切な観点だと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。  それでは,一応ここの話題はこれで終えてよろしいでしょうか。今後アンケートをとった結果が出されてくると思います。 (委員)  やはり目的というのはすごく大事で,「子供さんたちの将来を考えています。でも私たちは,ここに詰まっています。学校側としてどういうご意見やご提案がございますか。」というようなアンケートのほうがより多くの意見が出てくるのではないかと思っています。また,それを踏まえてこちら側も自分達ができることを意見交換会でお話合いをさせていただくようにしたらどうかと思います。学校が忙しいのもすごく分かります。以前,自立支援協議会の中で学校の先生が「今こんなこと困っています」という話をしていたので,時間がないというのはすごく把握しています。一方で相談の現場もずっと見ていて,時間がないよ,間に合わないよ,受給者証出ないよという中で頑張っている支援員のことも分かっています。それらのことを考えると決して目的については,双方かけ離れてないことは事実なので,目的を第一番に持ってきて,「これを達成するために私たちはこういう部分で困っています。学校側としてはどんなヘルプができるだろうか。」とか,「協力することができるだろうか。」みたいなアンケートのほうがすり合わせしやすいではないかと思っています。 (会長)  趣旨はよく分かります。事務局頑張ってください。  そういう意味でいうと,文書で趣旨を全部伝えきることは難しいです。できるだけ会って話すということのほうがより確かだと思いますので,それも含めていろんな制約,課題もあると思いますので,可能な限り実現の方向で頑張っていただきたいと思います。楽しみにしています。我々もできることは応援します。いいですね,皆さん。  それでは,18歳移行期問題のこのアンケートのとこは終了します。続いて協議2番目,障害者相談センターからの事例を通じた協議ということで入りたいと思います。それでは事務局お願いします。 (事務局)  続きまして,障害者相談センターからの報告と協議事項という資料になります。よろしくお願いします。障害者相談センターからの報告について説明します。先ほど会長からも説明していただきましたが,今回の報告は,公開の形式で行います。事例を紹介するとともに困り事を報告させていただきますが,この場では事例検討は行いません。協議していただきたいポイントについては次のスライドに掲載させていただきましたので参照いただきたいと思います。協議していただきたいポイントは,障害者相談センターの困り事に関してどのように取り組めば良いかという点と,基幹型相談センターの役割として障害者相談センターへのフォローの仕方をどうしたらいいかという,以上2点になります。  ここからは,障害者相談センターでよく関わる事例を3つ紹介させていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 (障害者相談センター北部)  3つの事例について,報告させてもらいます。1事例目は,本人の望む居場所がないAさんについてです。障害種別は精神。相談経路・内容についてですが,本人からの相談です。障害者の集いに参加し,他者と交流したり共同で何かに取り組んだりしたいので,そういう場所を紹介してもらいたいという相談でした。本人の思いとしては,趣味は,小説を書くこと。小説を書くことが仕事になることが夢としています。小説を書く時間は,確保したい。お金を稼ぎたいというより,集いの場で他者と交流をしたいという思いがあります。対応と現状についてですが,地域活動支援センターの利用・提案・体験同行をしましたが,本人がなじめず利用に至りませんでした。困り事については,本人の望む居場所がなくて,地域に居場所を提案したいができていない状況があります。  続きまして2事例目は,対応に苦慮するBさんについてです。障害種別は難病,精神。相談経路・内容についてですが,本人からの相談で障害福祉サービスを利用したいとの意向を確認し,サービス調整を実施,その後,徐々に病状が悪化し,身体状況も悪化。それに伴い,本人の自己中心的な訴え,暴言,医療拒否,関係機関からの連絡・相談が増加しています。本人の思いですが,自宅で生活したい,いろいろと助けてもらいたいという思いがあります。対応と現状ですが,支援者同士で連絡を取り合い,支援を検討・対応しました。身体状況の悪化が顕著で医療的処置が必要な状況なため,本人を説得するが,本人が応じないため医療機関からも治療意欲がないと判断されました。関係機関が対応に困ると連絡が入り,対応を求められます。困り事についてですが,担当者会を経て支援方針,支援体制に関する決定をするが,支援者を支援する専門的助言を得られる機会がないということがあります。  続いて3事例目ですけれども,一方的な不調を訴えるCさんです。障害種別は,身体,知的,精神。相談経路・内容についてですが,支援者からの相談です。本人の訴えは手足が動かない,何もできない,目が見えなくなった,病院へ連れていってもらいたいとの内容で,他機関へ毎日匿名で電話をかけている状況です。精神科に通院していた既住歴があります。本人の思いは,困っているということです。対応と現状ですが,はっきりとした障害が分からなかったため,対応に戸惑いつつも本人宅を訪問した結果,訴えの内容から精神障害が疑われたため,保健所及び嘱託医による相談事業を利用した。その結果,医療機関への受診につなげました。本人は障害福祉サービスを利用する意向はないが,毎日のように電話相談があります。困りごとについてですが,頻回に一方的な口調での訴え等があり,対応・解決できる問題ではないが,対応しないわけにはいかない。いつまでどこまで対応するのか戸惑いやジレンマがあります。  以上の事例から出た,協議していただきたい障害者相談センターの困り事は以下の3つになります。1.本人の望む居場所がなく地域に居場所を提案できていない。既存の障害福祉サービス等ではなじめず,相談者の望む居場所が見付からない場合がよくあります。インフォーマルなサービスをどのように探し,つなげたらいいのか。2.担当者会を経て支援方針,支援体制に関する決定をするが,支援者を支援する専門的助言を得られる機会がない。障害者相談センターが対応に困ったときには,障がい福祉課に相談し,一緒に対応してもらったり,担当者会へ参加する支援者同士が共通認識を持ち,対応・方針を検討し決定するが,対応する中,本当にそれでいいのか等と迷いが生じることも多いです。そのため,専門的助言がもらえる相談できる機会が欲しいと考えています。3.頻回に一方的な不調の訴え等があり,対応,解決できる問題ではないが,対応しないわけにはいかない。いつまでどこまで対応するのか戸惑い,ジレンマがあります。一定の話を聞いて電話を終える対応を繰り返すことも多いですが,根本的な本人の困り事への支援にならない場合も多いです。日々の支援の葛藤にどう対処したら良いか。  以上で,報告を終わります。 (会長)  3つの事例を通した問題提起ということですが,今日は事例の検討はしませんので,こういう事例を通して,最後にありましたが,3つそれぞれについて実際に相談センターが困っている特徴的なことを出してもらいました。これらの具体的にこういう困り事に対してどのような考え方で取り組んだらいいかというご意見,参考になるご意見と併せて,こういうような課題を担っていく基幹相談支援センターの今後の在り方に関わって,基幹相談支援センターがどんな体制と連携を付けていく必要があるかということも併せてご意見頂きたいと思います。切り口はどこからでもよろしいですので,気になっている点や気付いた点などがありましたらお願いしたいと思います。 (委員)  協議していただきたいということで,1の(2)インフォーマルなサービスをどのように探しつなげたらいいのかというのですが,3つとも同じようなことだと思います。精神科的な診断と能力の評価みたいなものがないと,その人にとって一番必要なインフォーマルなサービスを本人の望むままに探し続けても,精神的な病的なものであればインフォーマルというのは個別の単なる希望でしかない。だから,基本的には精神科にかかっているのであれば,そこの診断,そこから能力の評価みたいなものをまずやる必要があると思います。診断は医者に頼んで,ソーシャルワーカーや心理職,もっと活動,アクティビティな面であればOT等がどんなふうにその人に対応できるかということを出してもらわないとどうにもならないのではないかと思います。本人が望むからそういうものがあったらいいな,というのでは何の解決にもならないし,本人もいつまでたってもそれを望むだけで良くならないから中途半端な形で終わってしまうのではないか。対象の当事者が困難ではなく,それに対応する相談支援,相談に入る皆さんが困難事例と思ってしまって,自分で困難事例作っているのではないかと思います。「困難だと思うところに解決の筋道がある」というのは私もいつも言っています。それを見付けようと思ったら,本人ととことん付き合うしか方位法はないと思います。市の職員が付き合う場合もあれば,病院の職員が主導で一緒にやる場合もあると思うが,そういう体制を作るのが一番の解決方法だろうと思います。そういう場を作るとしたら,いわゆる今度作る基幹相談支援センターに,できるだけいろんな職種の人に集まってもらって,その人にとって一番いい方法を見つける,こういった話をすることがこの協議会の意味だろうと私は思っています。 (会長)  続けて,ご意見ありましたらお願いします。 (委員)  今のご発言にごもっともと,そのとおりと思いながら拝聴しておりましたが,それを続けてしまうとこの会議にならなくなるということもありますので,今回,この自立支援協議会に協議が投げられているものをもう一度整理したい状況があります。  まず,1つ目の課題に関しては,幾つかのレベルで考える必要があり,資源開発や資源改革ということをどう一つのシステムとして進めていくかということは,大変ですが自立支援協議会で協議していくことだと思います。ただし,インフォーマルなサービスをどうやって探していくかということは,日本ではスーパービジョンの問題だということもあると思います。相談支援専門員の皆さんはもちろん日々研鑽を積まれていると思いますが,そのことを継続していくということの体制をどう作っていくかだと思います。困り事相談の場を作るということは本質ではないような気がしていて,スーパービジョンを重ねる中でどうそこにアプローチしてくかということを,それぞれの専門員が考えていくということのほうがより重要だろうと思います。そう考えると,これは3つに共通することだと思います。「スーパービジョン体制をどう作るか」ということが,投げられていることなのかなと思います。それともう一つ,その専門的助言が得られる機会といったときに,それはスーパービジョンなのか,コンサルテーションなのか。他の専門家からの意見を聞きたいということは,確かに支援をしている中にあって,場合によっては医療機関の医師やそれ以外の専門家に聞いても,なかなか本質のところの情報が得られないこともあると思います。場合によっては,その情報にアクセスしようとすると拒否されてしまうなんてことも現実としてはあると思いますので,そのときにコンサルテーションの体制をどう作るかということが投げられているのかなとも読めると思います。投げられていることが今で言うような理解でいいのかどうか,ということは確認を取りたいと思います。  まとめると,「スーパービジョン体制を課題に」ということで理解していいのか。あるいは,それよりも「コンサルテーションの仕組みを作ってほしい」ということなのか。あるいは,「資源をどう作っていくか」ということについて自立支援協議会で協議してほしいということなのか。どうこの会議に投げられているかということをもう一度お聞きしたい。お願いいたします。 (会長)  どうですか。 (事務局)  3つ出させてもらいましたが,ご意見があったように,特に2番の専門的助言というところでは,どうしても同じ相談支援専門員だけでは分からなくなったりとか行き詰まったりもします。医療等の連携であったりとか,人権とかそういったところを考えたときにどうしても行き詰まってしまって,相談を受ける私たちのほうも分からないので,そこは専門職,医師であったりとか,また,職能団体の方とかにご助言頂けるような場というのが欲しいと思っております。 (委員)  スーパービジョンの体制とはどういう体制なのか,またコンサルテーションのことも分かりやすくご助言頂けますでしょうか。 (委員)  まず,スーパービジョンを考えたときには,実はスーパービジョンにも幾つか形がありますが,いずれにしてもスーパービジョンは同じ職種から,ご助言・指導を受ける体制ということです。  コンサルテーションというのは,自分の専門性では対応できない様々な課題に対して,その専門性を持っている人,例えば,先ほどの人権の問題でいえば,弁護士さんから助言をもらうということです。医療的な問題であれば,お医者さんから助言をもらうということです。そういった,自分では対応できない専門的な知識を持っている専門家から助言・指導をもらう。これがコンサルテーションです。概念としてはそういう形です。 (委員)  ありがとうございます。それを踏まえて,今の専門的な仲間同士の人間関係と,専門外に助言を頂く方法として今,現場としてはどのような状態でしょうか。 (会長)  スーパーバイズとコンサルティングの定義がありましたが,それに対して現実にはどういう状況でできているのでしょうか。 (委員)  そこの場が整理されてないと,担当者が困っている現状の中で解決は難しいのではないかということで,まず整理して,その体制づくりをこの自立支援協議会でどうしていくかということが問題なのではないかと思いました。そのために,現状がわかると検討材料になると思うのですが。 (障害者相談センター北部)  スーパービジョンについては,月1回NEWブロック勉強会というのがあって,南部以外にはなりますが,相談支援事業所の方とセンターが入って,スーパービジョンを能力の向上ということでやっています。ただ,コンサルテーションについては,それぞれ専門家からの意見をもらったりする場というのはないですが,相談があったときに担当者会なんかを開いて,いろんな立場,事業所や相談支援専門員等が集まってする場というのはありますが,コンサルテーションは今の時点ではないのかなと思います。 (会長)  現状が出されました。今論議して,「これからこういうふうになったらいい」ということが基幹相談支援センターづくりへの課題として整理されていくと思いますので,そういう観点からもご意見頂きたいと思います。   (委員)  1番では,インフォーマルなサービスと書かれてあるが,どうしてインフォーマルだけを挙げているのかと思いました。2番目では,対応する中で本当にそれでいいのかという迷いが生じるということですが,スーパーバイザーになるような人であっても,こういった「本当にこれでいいのか」と常に考え続けるものなので,それを乗り越えていくというのが支援ではないかと思いました。3番の,「この人は一体本当に何を求めているのか」ということについては,どこまで関わることができるのか気になっていて,スーパービジョンやコンサルテーションという仕組みも大事だと思いますが,実際に専門員の方たちが一人一人の方にどれだけ時間を掛けて関われるのかいうことが関係しているのではないかと思いました。 (会長)  現実の現場の中で,障害者相談センターは2名体制の中でいろんな困難事例を抱えて,毎日の電話対応等もあり,時間だけではなく精神的にも負担が多い中でのヘルプといった気持ちもこの中にあると思います。それをどういうふうに支えて個人だけによる負担ではなくて,全体解決できるような体制づくりをしていくかということが求められているのではないかと思います。そういう意味で,体制づくりや相談したい事例に必要な専門職をどう組織していくかというようなことについて,具体的にこんな方法を考えたらというようなアドバイス等もあったらお願いしたいと思います。  他の専門職への意見を聞きたい等については,個別にやっているということでしょうか。 (障害者相談センター北部)  個別になると思います。 (会長)  それは組織的な返答の場ではなく,例えば,このお医者さんとこ行ってみよう,今度こっちのリハの関係のほうに行ってみようというような形でしょうか。それとも,一つのコンサルテーションという会議の形で取り組んでいくとかいうことでしょうか。 (委員)  コンサルテーションの体制を作るということは,非常にその全般のことを考えなければいけない。コンサルテーションは受けるのにそもそも技術が要ります。その課題がきちんと整理ができていないといけない。その中で,その方の利益になるような情報やコンサルテーションをしっかり受けないと,それは「何でそういうことを聞かれるの?」とか,「それ私の範疇?」と専門家は思ってしまうということもあるでしょうし,そのコンサルテーションを受ける技術だとか,コンサルテーション受けるための対象者の方のアセスメントをしっかりしておかないと,実はコンサルテーションを受けられないのです。だから,実は「全般のところの技術をどう高めるか」ということが本質的な課題だと思っています。  例えば,「ただこのことを聞きたいから聞きに行こう」は,それはコンサルテーションではないわけです。この方のこの状況に対して,今の相談支援専門員だけではどうにもならないから,この部分に対しての専門的な支援が必要だという分析があって初めてコンサルテーションになる。「このことが分かんないから教えてほしい」というのはコンサルテーションではそもそもないのです。相談支援専門員がきちんとその知識を持ってそこに対応していくということがより重要だということになります。ですから,しっかりしたアセスメントが前提にあるということがないと多分,コンサルテーション体制を作っても,いろんな専門職によるよろず相談センターになってしまう。それだったら,法テラスに人権問題は聞きに行けばいいし,医療のことでは主治医の先生にアポを取って聞きにいけばいいということだと思います。なので,その辺りをきちんと整理しておくということが,次の基幹相談支援センターのために考えておく必要があると思いますし,その辺りの整理ということをどう考えられているかだと思います。 (会長)  この事例を通して,先ほど言いましたが,今後作られていく基幹相談支援センターの力量,役割とか課題というのを明確にしていくということは,もう一つポイントになります。スーパービジョンづくりやコンサルテーションの体制づくりとかは,基礎体力になるので,どう作っていくか等のアドバイスも含めて出していただいたら,今後の取組にも生きていくと思います。気付いた点,どんどん出していただきたいと思います。 (委員)  様々な難しい相談を受けており,すごく大変だろうと思いました。単純にこの事例だけを見ると,全てを相談センターで受け止めていこうとか,それを全部答えていこうとするところが大変なのではないかと思いました。  その人が何を言っているのかというところを,丁寧に聞くことはすごく大事だと思います。できるところとできないところをご自分のほうで整理されて,できたことは次どうしたらいいのかというのを考えていくこと,そういうことの一つ一つの積み重ねが大事だと思います。相談する人が障害者の人であろうがなかろうが,なぜそれが困ったのか,どういうところで困っているのかということを整理してみるといいのではないかと思いました。 (会長)  傾聴はするけども,スタッフの中で全部抱え込まないで,できること,できないことを自分の中ではっきり割り切っていくということは,心の健康ということも含めて大切だというふうに改めて思います。   (委員)  受ける人が全部受け止めずに,できること,できないことを伝えていくということと,相談者が全部他人任せにするのではなくて,ご自分で何かできることがあれば,それはご自分の力でやっていただくということも必要だと思います。全部相談受けて,全部こっちがやらなければいけないということではないと思います。相談者の力を見極める必要がありますが,できる人はできるので,そこをきちんと話していくことが支援だと思います。 (会長)  障害者相談センターのスタッフから,何か直接聞きたいこと等があったら,是非出してください。誰かお一人,二人,声を聞かせてください。そのほうがいいと思います。 (障害者相談センター北部)  Aさんについてです。社協の中に,インフォーマルなサービスの情報収集している地域福祉コーディネーターがいるので相談したりしますが,関わりとしては衣食住に関することの優先順位が高いので,こういう居場所等についてはどうしても少し後回しになってしまうという現状があるように思います。また,地域活動支援センターが高知市に少ないという現状があると思います。「地域活動支援センターではない場所で居場所になるような場がないか」という相談もありますが,「今ないのが現状です」とお返事する状況です。この方は比較的軽度の方なので,地域にあるサロンの場でマッチングするところがあればいいと思います。しかし,そういうサロンの場につなげることができた場合も,一方で一般のサロンの場でもあるので,例えばお世話役の方とかがその方の障害等を,どこまでオープンにしていくのかわからない状況です。つなぐときに,そういうところも求められると思うので,つなぎにくさもあるし,何かあった場合にその場にも迷惑が掛かってしまうところもあったりするのかなと思います。そういうところがあって,少し行き詰まったなというのが自分の中でありました。 (会長)  個別の中身に入るわけにはいきませんけれど,そういう状況の中であえて何かアドバイスなんかがありましたら,お願いします。 (委員)  インフォーマルな,この@のインフォーマルなサービスでいいますと,なかなか既存の居場所がないときには,社協の地域福祉コーディネーターがこの方に合うような場所を探すお手伝いができると思います。もちろん,ご本人の診断やアセスメントを踏まえた上でと思っています。既存のインフォーマルなサービスに合う所がないという場合には,例えば,ご本人のお家自体を居場所にして,ご本人が集まってほしいという方に声を掛けるであるとか,新たな場所を作るという方法も,地域福祉コーディネーターとしてお手伝いできるのではないかと思っています。どうしても個別対応の中で行き詰まってしまう場合もあるかと思いますが,そんな時は多機関で考えていく,もう少し視野を広くして地域の中で何ができるかというふうなことを考えてみるのも一つではないかなと思います。少し話が変わってくるのかもしれませんが,コンサルテーションに似た仕組みとして,今,社協の中では生活支援相談センターの中に,セーフティネット連絡会というのを設けて連絡会議を開催しています。セーフティネットというのは生活困窮,生活困窮というのは経済的な困窮だけではなく社会的な困窮というところも含めてになりますが,連絡会議では,司法である法テラスやフードバンク,あと保証人になられるNPOの会,消費者生活センター等様々な専門機関が生活困窮の方々をどう支援していくかということを,定期的に話合っています。こういう多機関の中で話合いを行っていくような形というのも基幹型支援センターの中に機能として置くことによって,資源開発というか,出口というか,そういう方向に少しでも近づいていくのではないかと思います。スーパービジョンというところはもちろんですが,この課題を話し合っていく,出口を見付けていくという取組にもなっていくのではないかと思います。 (会長)  基幹相談支援センターづくりに向けた一つの手掛かりをまた頂いたというふうに思います。 (委員)  本人は仲間が欲しいわけです。まずそこがポイントです。  だとしたら,本人が仲間を集えばいいのではないですか。  一緒に小説を書きたい人もいるかもしれないし,小説は書かなくても絵を描く人がいるかもしれないし,写真が好きな人もいるかもしれないし。そうした自分と近い趣味の人,あるいは自分と同じそういうことをやりたいことを持っている人を,この人が発信することのお手伝いをすればいいだけではないかと思います。活動の場であれば幾らでもただで使えるところあります。地域活動支援センターのフリースペース使ってもいいですし,県立大学の図書館を使っていただいてもいいです。県立大学の学食も,水一杯であったとしても十分いていただいて構いません。要は,その人たちを中心にその人たちが何をやりたいかで,その人たちが発信していくという発想でいけば,そんなに難しいことではないのかなと思います。  あとはその人たちが活動できる場,ただで使える場所が,「こんな所がありますよ」ということの情報提供だけすればいいのではないでしょうか。あとはその人が「仲間,もしこれを一緒にやってくれる人がいれば,ここまで連絡下さい」という窓口ぐらいが,どこか地域活動支援センターなり,障害者相談センターがやるということでもいいのかもしれないです。この人中心に,この人がやりたいように,この人が発信していく。そのお手伝いで十分じゃないですか。  この人の活動できる場は一杯あるわけです。当たり前に地域にあるような,当たり前に地域の人と,この人がつながれるように,この人自身が自分でつながっていけるように側面支援すればいいのではないでしょうか。それが一つモデルになれば,いろんな人がまたつながっていけるのではないでしょうか。そのモデルを作るのが,障害者相談センターであり,相談支援専門員の一つの役割だと思います。 (会長)  ご意見,ほかにないですか。是非聞かせてください。 (障害者相談センター東部)  Bさんのことですが,難病があるのと医療にかかる必要のあるレベルの人でしたが,継続的な通院ができなかったり,入院が必要であるにもかかわらず入院を拒否するといった行動があるため病院としての受入も難しい現状があります。病院の相談室にも相談しますが,難しい現状があります。あと,地域で暮らしているので,いろんなサービスを入れたのですが,本人の暴言や言動で支援の限界というところがあります。結局センターに支援機関から苦情や,もうやめたいという相談があって,行政側にも相談しましたが,今までになかったレアケースであり,解決も難しく助けをどこに求めたらいいのかというところで悩んだ経緯があります。  コンサルテーションというところで,自分も医療の勉強ができてないところもありますが,どういうふうに支援したらいいのかと悩んでいるところがあります。また何か意見があれば教えていただきたいと思います。   (会長)  何か1つ2つ,あったらお願いします。 (委員)  Aさんが自分の居場所のことや小説を書くことを一つの問題提起として相談しに来ているとは思うのですが,AさんもさっきのBさんもCさんも,本人や家庭の問題等のことを聞いてほしいということを訴えに来ていて,問題を解決するというよりは,自分でもどうしようもないから何とかしてほしいということで来ているようにも思います。自分で整理ができず,どれをどういうふうに整理して解決していったらいいか分からなくて,それで困っているように思います。それでそれをいろんな所に訴えているけれど理解してくれないという状況にある。まずご自身で考えてもらうことも大事だろうと思いますが,「支援としてはこういうことができます」ということは明確に教えてあげる必要があると思います。まずはその整理をしてあげることが担当者の方が一番にすることではないかと思いました。本人は,全部が一緒になって混乱しているので来ているのではないかと思いました。 (会長)  ほかに何かアドバイスありましたらお願いします。 (委員)  おっしゃるとおりだと思って聞いておりましたが,もう一つだけ言えることは,医療につながると問題が解決するということはないということが大前提にあるということです。これは特に精神科に勤めていた方はよくお分かりになると思いますけども,医療につながったら問題が解決するという考えは支援の中では考えないほうがいいと思います。というのが医療につながることで問題が起きることもあるからです。もう一つは,この人の困り事を起点にしてこの人の支援をもう一度考えてみるということしかないのではないかと思います。この人自身が何で困っているかということから。 (障害者相談センター東部)  いろいろ助けてほしいと言われますが,具体的には家事支援に来てほしいというところが一番でした。しかし,知識がない自分から見ても医療行為をしないと生命に危険があるレベルでした。それでも病院に行くことを拒否し,どうしてものときは自分で救急車呼んで病院へ行かれます。が,入院は拒否するので,タクシーで自宅に帰ってきます。帰ってきた後に,タクシーから降りられないので,夜10時11時にタクシーの運転手から助けてくれという連絡があったりして,なかなか対応に困った経緯があります。 (委員)  確かに難病と書いてあるので医療の必要が絶対にあるのだろうと思いますが,基本は,その難病のことで自分の思いどおりにいかないということが加わって精神症状が出ていて,どうにも思いどおりにならないから医療へ行ってもそれを拒否してしまうというような形で,悪循環を起こしている。それでますます困ってしまうという状況をどうするかということだと思います。  今ここで何ができて,何をしないといけないかのというようなことを,順番に整理していくことが必要だと思います。困って相談してくる人は混乱状態で,次から次へと困っていることを出してくるので,それを聞いていて,本人が言っていることを並べ替えてもらう,いわゆる相談業務が一番基本です。本人が考えている一番困っていることは何なのかの整理を手伝うことが大事だと思います。整理すれば,今何とかしなければならにことがわかってくると思うので,それに対して本人ができること,支援できることは何かという話をしていく。次々に出してくることを一気に全部解決しようとしないで,一つずつ今できることをやる,というような形で付き合うといいのではないかと思います。  それをしないと,ますますこの人は人に話を聞いてもらえなくなり,精神症状が悪くなって手が付けられなくなる。医療をしないといけないとなっても手が付けられない状況になってくる。だから,今できることというような形の付き合い方をしていく。医療面についてもその話をして,医療で受けられること,受け入れられないことを考えていく。本人にも一度に全部を解決することは無理なので,まず少しずつできるとこからやろうと話していくことが大事だと思います。  そういうふうに付き合っていると,周りに迷惑が掛からない状況になり,周りもそれなりに親切になってくる。本人も,受け入れられるようになってきたら無茶を言うのをやめるということになってくると思います。  相談相手の人を知ろうとする,知っていってその人に付き合う,その方に難病があったり精神があったり,いろいろなことはあるけれど,その人個人の個性みたいなものに付き合って,その人の困難さをどうやって一緒に軽くできるかを考えていく,そんな覚悟が必要ではないかと思います。 (会長)  時間的なこともあるので何かありますか。 (委員)  少し話がずれますが,協議していただきたいことの「基幹相談支援センターの役割として」というところについて,何ができるのかを考えていました。すぐに解決できないことや解決なんて一生できない,ずっと付き合わなければいけない方に対して,精神力がすごく要ります。それを一人でその都度訪問するというのはすごく精神的にしんどいことなので,基幹支援センターとしてできるのは,違った,一緒に訪問をして,そのときに聞いた話の印象を一緒に話し合うというようなことが,一つ基幹支援センターの役割なのではないかと思いました。そうすることによって,そこで困り事をたくさん言われたことに対して相談支援員が混乱していることを,一緒に整理していく役割を基幹相談支援センターの職員ができたらいいと思いました。今回の事例の中で一つ役割ができたのではないかと思いました。 (会長)  以前委員の皆さんに行ったアンケート調査結果にもありましたが,同行訪問をして支えるということだと思います。   (委員)  前回発表のあった事例の内,何事例かについて,その後どうなったのか気になっています。今回もこういうケースを聞いたら,とても大変なケースを障害者相談センターでソーシャルワークしており,その後どうなっていくのか気になります。  最後のページにある3つの中のAに関する機能が基幹相談支援センターにあることで,@とBを解決していけるのではないかと思います。日々支援に向き合っていると,具体的にいろんな葛藤がでてくると思います。その葛藤の渦中にいると,軌道修正ができなくなってしまうことも多いと思います。かといって社会資源はない,どこにも頼るところがない,どうしたらいいのかわからない,となるのでAの専門的助言や,話しを聞いてくれるところが基幹相談支援センターにしっかりあれば,@とBの解決の糸口が見えてくるのではないかと思いました。 (会長)  総括的にまとめていただきまして,そのとおりだと思います。  まず一つ,困難事例出していただいて,委員と相談支援センターとのやり取りをこれからも進めていきたいと思います。ですから,率直に困ったこと等を出していただいていいと思います。こちらはそのつもりで一生懸命考えて意見を出していきたいと思います。そういうやり取りの中で皆さんの支えになっていきたいと思いますので,これからも是非よろしくお願いしたいと思います。  それから,基幹相談支援センターの設置に向けて事務局でも予算等いろいろ準備をされていると思いますが,その中身づくりに関してもスーパービジョンや困難事例のことでの体制づくり,それこそ組織や人材育成ということも関連して,一つ大きな柱が出されてきたのではないかと思います。その準備も,形だけではなく中身の準備ということも併せて手掛かりがでてきたと思いますので,そういう意味で取組も強化していっていただきたいと思います。  今日はこれでよろしいでしょうか。  今日の協議はこれで終了したいと思います。事務局,マイクをお返しします。   4 閉会 (司会)  委員の皆様,本日は活発なご意見ありがとうございました。  平成29年度第4回高知市自立支援協議会の開催は,平成30年2月を予定しております。  日程調整をさせていただきますので,よろしくお願いします。  以上をもちまして,平成29年度第3回高知市自立支援協議会を閉会いたします。委員の皆様,ありがとうございました。 1