平成29年度 第2回 高知市自立支援協議会 日時:平成29年8月23日(水)18時30分〜 場所:高知市総合あんしんセンター 2階大会議室 欠席:澁谷文香委員,清水隆人委員,鈴木孝典委員,森下昭仁委員 1 開会 (司会)  本日の議事内容及び資料確認 2 異動に伴う委員及び事務局紹介 【委員】  高知市ボランティア連絡会 副会長の上野様から,同じ高知市ボランティア連絡会 会長の諏訪博信様に交代されました。 3 協議事項・報告事項 (会長)  今日は報告・協議事項が4件です。最後の4件目の事例報告は非公開でございます。  それでは,順番にやっていきます。  まず1番目の「基幹相談支援センター設置に向けた協議状況報告」について,事務局お願いします。 (事務局)  資料はありません,口頭の報告のみです。  7月下旬に岡ア市長以下,副市長,執行部に対して政策協議をいたしました。その中で基幹相談支援センターについて,自立支援協議会で取りまとめていただいた内容を報告するとともに今後平成31年度直営設置ということを申し上げて,今後庁内の調整に入っていくということになりました。その件についての報告です。また,今後の進捗状況につきましては,この場で報告させていただきます。 (会長)  この自立支援協議会で協議を重ねてきて答申をしました,基幹相談支援センターの設置ということについて基本的に平成31年度,直営で設置をするという旨を,市長に伝えて政策協議のテーブルに載せたという報告だったと思います。これから随時,検討状況については,この協議会での報告をよろしくお願いしたいと思います。  それでは続いて,2番目の相談支援検討会の報告をお願いします。 (事務局)  相談支援検討会から報告をさせていただきます。  途中,資料の中に事例のところがありますが,その部分は相談支援検討会の委員から報告させていただきますので,よろしくお願いします。  相談支援検討会の資料4ページから説明させていただきます。相談支援検討会は平成28年10月から始めております。機能として,事例から出てきた課題を整理して自立支援協議会を通じて解決方法,手立てを検討する取組を作るという仕組み作りと,各ブロック勉強会(事例検討会)から出てきた困り事を課題として整理する課題の整理・明確化を役割,機能と考えております。  資料5ページに行きます。相談支援検討会の構成委員となっております。平成29年4月に人事異動等もありまして,2名の委員が交代となっております。  資料6ページをお願いします。まず初めに,課題の整理・明確化について検討してきたことを報告させていただきます。  資料7ページになります。各ブロック勉強会(事例検討会)から困り事があまり出てきておらず,個別の事例から地域課題として課題を整理・明確化するには,まだ至っていない現状になっております。地域課題の整理・明確化に取り組むために,各ブロック勉強会で相談支援専門員の支援力アップを支援していくことを考え,今年度は面接技術を向上させることを目標にしております。  資料8ページに行きます。ブロック勉強会は平成29年度から地区を再編成しまして,南部ブロックとNEWブロックという2つのブロックで実施をしております。このNEWブロックというのは,高知市の東部・北部・西部の地区がこの中に入っております。内容は面接技術の向上を目標に,本人のニーズを引き出す面接,支援者主導のプランではなく本人の思いがプランに反映できるよう,スーパービジョンに取り組んでおります。スーパービジョンというのは,スーパーバイザー,指導する方とスーパーバイジー,指導を受ける人との関係間における対人援助法で,資質の向上を目指すための教育法です。具体的には,実際の面接場面や模擬の面接,ロールプレイを通してスーパーバイジーに対して,自分の盲点について自分が気付くことを促していくような面接方法になります。  資料9ページです。平成29年度は,相談支援検討会で全体研修というのを企画しまして,6月9日に実施しております。内容は,グループホームで生活をされている当事者の方から研修の参加者が質問をして本人のことを聞き取っていく。そして相手のニーズを聞き取り,計画を立てるということをやりました。相談支援専門員の方が15名参加してくださっています。  資料10ページに行きます。自立支援協議会と相談支援検討会,ブロック勉強会の関係図を示しております。ブロック勉強会から出てきた課題を相談支援検討会で集約・整理して自立支援協議会に報告,自立支援協議会と相談支援検討会で課題解決に向けたやり取りをしていくというようなことを考えております。  資料11ページです。今まで各ブロックとやり取りをする中で出てきた課題を,1つ相談支援検討会から提示させていただき,今後の仕組み作りのきっかけにしたいと思っております。  資料12ページ番目です。相談支援検討会で話し合った結果「18歳移行期問題」というのを取り上げました。根拠として,18歳というのは制度の切替え,支援者の変更,環境の変化などにより,本人への支援をより丁寧につなげていかないといけない時期であるからです。この問題に取り組む目的として,支援がつながることで本人の状態が安定することが考えられ,学校との連携がうまくいっていないために本人に不利益になっているのではないかという問題が考えられます。  ここで,相談支援検討会委員より3つ事例を紹介していただきます。個人が特定されないように,簡単に要点だけを説明させていただきます。 (相談支援検討会委員)  私のほうから事例@からBまで説明をさせていただきます。  まず,資料13ページ,事例紹介@です。特別支援学校高等部を卒業してから,初めて障害福祉サービスを利用することになった方です。就職にはつながらず,学校からの実習等を通して生活介護事業所を利用することになりました。「障害福祉サービスを利用するためには障害支援区分が必要となります。そのためには医師意見書が必要となるので,精神科を受診してください」ということを相談支援専門員から保護者の方,利用者の方に説明をしてはいたものの,制度の一連の流れがうまく保護者の方にも伝わらなかった部分があり,精神科受診が遅れた方がいました。精神科受診が遅れるということは医師意見書の作成が遅くなるので,サービス開始が予定よりも遅くなります。制度の周知不足などもあり,理解もなかなか進まなかったので,利用するサービスが遅れたという事例です。  次は資料14ページ,事例紹介Aです。特別支援学校高等部を卒業して,障害者雇用で一般就労したのですが,すぐに解雇になってしまいました。作業能力はすごく高い方だったので就職はできましたが,実はもともと家庭への支援が必要な方であり,そのことが解雇の理由であることが分かりました。学校の先生も,恐らくある程度は把握できていたとは思いますが,「家庭の中に入り込んで全体的な家庭支援が必要」というところまで把握できていなかったので,就職し生活環境の変化があり,生活のリズムが崩れ,家庭にも色々な問題があったことから解雇となりました。その後,障害者相談センター等が関わり,障害福祉サービスの利用になりました。特別支援学校在学中から家庭,高等部と福祉サービスのつながりが必要な方だったという事例です。  次は資料15ページ,事例紹介Bです。特別支援学校高等部を卒業した方です。実習の評価も高く,卒業後は,雇用型の就労支援事業所とグループホームの両方の利用を開始しましたが,半年後ぐらいから徐々に生活リズムが乱れるようになってきました。高等部1年から実習をしていることもあって,学校と福祉サービス事業所の連携や信頼関係はすごくできていましたが,「実習でうまくいっていたので事業所でも必ずうまくいくはず」という見立てで進めていたものの,環境が変わったことで生活リズムの乱れにつながってしまいました。今現在は事業所と相談支援と家族で一旦仕切り直しをして,見立て直し中ということになっています。学校には年1回程度のフォローに加わっていただいています。事業所と学校との見立てについての事前の連携ができていたら良かったという事例です。 (事務局)  資料16ページになります。18歳移行期に課題と思うこととして,これら3つの事例以外に各ブロックの勉強会の中でどんな課題があるかを聞き取ったところ,児から者の施設への切替えに伴い入所施設,短期入所施設が利用できなくなるといった意見や,特に卒業後に初めて福祉サービスを利用する方については,福祉サービスを知らない方も多く,また学校の先生も知らないこともあるという意見や,卒業後の進路が学校と保護者で既に決まっていて,そのサービスを使うタイミングで初めて相談支援専門員に声が掛かることがあり,中身のあるプランが作れないといった意見や,卒業した後に事業所から学校に連絡をしたところ,本人を知っている先生が異動でいなくなっており,情報が分からなかったという意見。障害児相談支援事業所から特定相談支援事業所への引継ぎが,タイミングも含めてうまくいかない。18歳以降になると,療育センターでは診察をしてくれないため,精神科を受診しなくてはならないが,診てくれる精神科がないとか,進路が具体的に決まるのは高校3年の1月から3月になるので,その時期にプランを作ってほしいと言われることや,就職がはっきり決まるのが3月になるので,相談支援専門員がやきもきするというような意見が聞かれました。  資料17ページです。これらの課題を,@施設が足りない,A福祉サービスを知らない,B連携ができていない,C時間が足りない,というまとめ方にしました。@については,18歳に限らず施設に空きがない状態であるため,18歳移行期問題からは一旦除外しております。AからCまでは,支援がうまくつながっていないために起こっている問題なのではないかというふうに考えています。そのことで当事者,保護者の方の生活が不安定になっているのではないかというふうに考えました。  最後の資料18ページです。18歳移行期問題に関する検討として,今後,18歳移行期問題に焦点を当てて,意見交換会やアンケートなどを実施し,課題をより具体化して,その解決策を考えていこうと検討会では思っています。課題について,今後の検討の方法について等,自立支援協議会の委員の皆様から様々な意見を頂きたいと思っています。よろしくお願いいたします。  以上で,相談支援検討会からの報告を終わります。 (会長)  相談支援検討会から大きく2つに分けて,相談支援検討会の取組の経過・概要と,平成29年度の具体的なテーマを設定し,本来の役割・機能を果たすという説明があったと思います。まず,前段の相談支援検討会の機能・概要についてご質問等がありましたらお願いします。  今までの論議の中でも幾つかこういう報告はされてきたとは思いますが,ご質問はありませんか。  今までの自立支援協議会で基幹相談支援センターの設置に向けて論議をしていく中でも,特定の相談支援のスタッフの力量向上や,相談検討会等の役割の強化ということが触れられてきたと思います。その中で,本来の役割である地域の課題を吸い上げて,どんな課題があるかということを整理した上で,ここで協議をしながら解決の方策を考えていき,高知市の全体の力量アップにつなげていくという,こういう流れがあったと思います。それに伴って今回相談支援検討会が「18歳移行期問題」ということに焦点をあててテーマを設定して,今後調査,論議,課題の整理ということを取り組んでいきたいという提案になっています。それに伴って問題意識や,その背景にある事例の問題・課題として「こんなことがあった」と整理されたものが出てきたと思います。ここの協議会では,「これを今から取り組もう」ということだと思いますので,それに向けてのアドバイスや,やり方についての助言を含めて,ご意見を頂けたら有り難いということだと思います。いかがでしょうか。  率直な感想やご意見,ご質問も含めて中身を深めていきたいと思います。  事例が3つ紹介されていますが,「あるある」という感じのところもあります。この「あるある」が,いつも「あるある」なので,高知市として対応できるものは何なのかということを一度やっておくということも必要だと思います。何かありましたらおっしゃってください。 (委員)  確かにあると思います。以前に,この自立支援協議会でも学校の先生に学校の現状というのを話していただいたことがあったと思います。その中で,学校の先生側からは特定の計画相談が始まる前は,市役所と学校とでうまく連携が図れていたが,特定事業所が入ったことによりそこの部分が難しくなってきたというような話をされていたと思います。特定側から考えると「学校の動きは分からない」というのが多分あると思います。なので,相談支援検討会の中で「学校の動き」というものを把握するチャンスがあれば,対応策もあるのではないかと思いました。  家庭の問題でずるずると流れていってしまうような場合は,時間が掛かる。多分一生関わっていかなければいけないと思うが,一生関わっていく中で周りと連携をとっていくことを考えた時,今,学校に通っている間から少しずつ特定が入れるようなチャンスというのを設けることができるのかどうなのかということを,事例を見ながら,聞きながら思っていました。  事例Bの方は,新しい環境になじめなくて生活が乱れるというのは,当然,ある話なので,それはじっくりまたしっかり見直せば分かる話なので大丈夫なのかなと感じました。 (会長)  ありがとうございます。  今出された意見の中では,「一生の問題になることがある」というのを大切にしたいと思います。というのは,学校の先生は特に高3が一つの卒業という節目,卒業後,進路を決めるという流れは学校で言うと集大成になるわけです。そうすると,学校はそこで最後クライマックスを迎えて,終結させるみたいな意味合いが相当強くなります。ところが,本人の人生はずっとつながっているし,悩んでいるし,つまずくしということがあるので,期間としての区切りはあるけれど,本人にとっては,流れが良い形でずっとつながっていくということのほうが大切だと思います。そういう意味で,基幹でやる役割,つながり,一貫性ということ,血の巡りをどう良くするかっていうことが共に大切だと思います。課題を少しずつ解くということです。   (委員)  やはり教育は卒業イコール終結,手放すという意識が強いと思います。制度は児と者で違うと言われてしまうとそれまでですが,その辺りをもう少し考えていかないといけないのではないかと思います。 (会長)  そうですね。そういう側面も拾い上げて,テーブルの上に載せられたらとても力になると思います。 (委員)  色々な障害児・者の方と家族の方に接したこともある中で,一番保護者の方が心配されているのは卒業後です。卒業後,また自分が死んだ後この子たちがどうなるのかということ。学校がある間は,自分の相談,悩みを学校の先生が理解してくれる中で,保護者がサポートしているので,子供たちも親も安心して過ごせて活躍できていると思います。しかし,仕事,就職してとなると,そこの部分で自立していく必要性がでてくる。やはり18歳移行では,就職するに当たって,受入側もずっとそこで働いていけるような環境づくりが必要だと思います。あと,学校での成績だけではなく,学校でどのような生活を送っているかということも大事だと思います。また一般的に家庭がうまくいってないと仕事してもうまくいかない問題があります。なので,家庭と就職する場所,また障害者の相談員も含めて,就職する前に連携をとり,受け入れる側も理解しながら進めていければいいのではないかと思います。そこの部分を,この自立支援協議会で何か変えていくことができ,さらに高校性の時から学校以外での居場所づくりもできたらいいのではないかと思いますが,どうでしょう。 (会長)  ありがとうございます。そういう方向で,自立支援協議会も頑張っていきたいと思います。 (委員)  質問をさせていただきたいと思います。地域課題が上がらないっていうのは,自立支援協議会をしてきた中でよく出てきたことだと思います。「課題がなぜ上がってこないのだろう」というのが,まず1つあって,今回もこの現状が現場から上がってこない。そのことに対してブロック勉強会の中で,「面接技術の向上のため勉強会が必要だ」と出ているということは,面接技術が十分でないなということを,どなたが感じて上がったのでしょうか。相談援助をするには,基本の基本だと思うのですが。それと3つの事例は,課題としては上がってこなかったけれども,18歳の移行期問題として出てきたケースのことを整理すると,この3つの事例があった。実際にこれは困り事ではあったということでしょうか。 (事務局)  相談支援検討会で困り事が余り出てこないというところは,ずっと昔からの課題で,「検討会でどうして困り事が出てこないのだろう」といったときに,やはり支援員のプランが,サービスありきのプランになってしまっていて,サービスにつなげるためだけのプランになっているのではないだろうか。本人のニーズを本当に支援員が聞き出せているのかという話に検討会でなりました。本人のニーズを引き出すには,まずは面接が基本ではないだろうかということで,今年度は面接技術を向上させることに取り組んでみようとなり,今年度はそれをブロック勉強会でやっています。  もう一つの質問にあった3つの事例ですが,困り事を聞いたときには出てきてなかったのですが,検討会の中で「何か1つテーマを絞ったら何か出てくるのではないか」という話の中で「18歳の移行期に困ったことがあった」という声がちらほらあがりました。それを他の専門員にも投げ掛けたところ,この3つの事例となりました。このほかにも課題で思うことというのは何個かありました。そういうのがぽつぽつ上がってきたので,実際困り事がないわけではなくて,あるのだが,ただそれがうまくは出てきてないのかなとは思っています。 (委員)  そういう意味でいけば,「困っている」ということを,どの辺で何を困り事として上げていいのかが分からない。実際には,困っていることはその場その場で絶対あるはずです。 それを今回,「18歳移行期問題」のようにテーマ的にいけば,もっと上がりやすいということです。それを踏まえて整理していったら,一定,何が高知市民に足りていなくてということにつながる道標になると思います。 (会長)  問題別的なテーマを設定して,高知市全体で現場からの課題を吸い上げ,また関係機関との協議も踏まえて,課題を整理していくことを通して高知市自立支援協議会とのやり取りをしていく。目安がついたら,また違う次のテーマに向けて,課題の取組を進めていくということの積み重ねでやっていったらどうかという,その第一歩だと思います。 (委員)  面接技術の向上に向けてのスーパービジョンを受けるというのは,どなたかそういう先生がいるのですか。また,この一人一人の技術を高めていくということは,どのようにやるのですか。 (事務局)  県でも人材育成の中でスーパービジョンというのは取り組んでいます。委員の中にアドバイザーとしていらっしゃった方がいますので,その方に助言を受けながら,一人一人がアドバイザーになって,アドバイスし,またアドバイスされということを全体でやっています。講師を呼んでやっているということではありません。 (委員)  個別に面接しているところを見るのですか。 (事務局)  3人1組になって,観察者1人,アドバイスをする人1人,アドバイスされる人1人のグループで,それを全体のアドバイザーが見ているというやり方です。 (委員)  ありがとうございました。 (会長)  よろしいでしょうか。具体的に資料18ページのところでは,18歳移行期問題に対する検討ということで,具体的な対象と方法,確認事項ということ,手法でいうとアンケートと意見交換会というようなこと,関係機関と皆さんとも協議をするということのようですので,是非ご協力お願いします。  学校との関係で,どっちが悪いとか,あっちがこうだとかいうふうな話になることは絶対にいけないわけで,学校には学校の良さがあるし,学校だからこそできていることもあるので,そこからどう社会につなげていくかということの役割もあります。そういう意味では福祉も学校教育もそれぞれの良さをどう互いに出し合うかという観点から,この問題を考えていけたらとてもいいのではないかと思います。  あと,是非,現場の方々,学校の指導担当や事業所の方々の率直な話合いが十分にできる場ができたらいいと思います。その中で実際にお互いが一致できるような具体策や,行き先が見えるような論議ができたらいいと思います。  ほかにご意見ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは大いに期待をしておりますので,頑張って調査,検討をよろしくお願いいたします。次回,報告を楽しみにしております。  それでは,次に行きます。委員活動報告をお願いしています。今から30分ほど時間を取って話を聞いて,我々の活動の糧にしたいと思います。  よろしくお願いします。 (委員)  今日は活動報告の機会を頂きまして,ありがとうございました。先ほどの移行期問題の部分もありましたが,私も障害の相談支援に長く関わっております。障害のある方が地域の中で役割を持ち,もっと地域の方に支えてもらえたらいいなと思っています。実際,地域福祉の活動をさせていただいている中では,高齢者の方と関わることが多く,高知市内のサロンも高齢者の方が中心です。あと,子供のことに関しては,去年度ぐらいから「こども食堂」のことを社協も関わらせていただいています。なかなか障害の分野とは関われていないというのが実情です。実際,地域の中で孤立をしている方,あるいは困った人というのは障害のある方が多いですので,この報告をさせていただく中で,是非,皆さんからご意見をいただいて参考にしていきたいと思います。  (資料21ページ)まず,今日お伝えしたいことは,「地域共生社会とは」・「地域福祉活動推進計画のこと」・「地域福祉コーディネーターの役割と活動」,「障害者相談支援事業所,自立支援協議会との連携」というところをご説明させていただけたらと思っています。  (資料22ページ)地域共生社会というのは,皆さん最近よく聞かれる言葉ではないかと思います。平成28年6月に閣議決定をして,ニッポン一億総活躍プランにおいて地域共生社会の実現が掲げられました。この障害福祉分野でよく言われているノーマライゼーションをバージョンアップさせたものが地域共生社会と思っていいのではないかと考えております。高知市社協は,制度・分野ごとの縦割りや支え手,受け手という関係を超えて,地域住民や地域の多様な主体が我が事として参画し,人と人,人と資源が世代や分野を超えて丸ごとつながることで住民一人一人の暮らしと生きがい,地域を共に作っていく社会の実現に向けて,あるいはこの方向性に向けて,この改革の骨格を踏まえながら地域福祉の推進を進めていきたいと考えております。  (資料23ページ)私たちが住んでいるこの高知市でも,皆さんもご存じのように社会情勢の変化,少子高齢化・核家族化の進行により,住民同士のつながりが希薄化し,住民のニーズの複雑・多様化,複数の課題や困り事もあり,また,深刻な経済不況,たくさんの課題があります。それらを解決していくのに,もう公助,行政の力だけ,あるいは一人暮らしが増えている自助だけでは何ともなりません。そこでできたのが,住民一人一人が主体的に地域福祉活動に参加し,住民同士の支え合い・助け合いの仕組みづくりを行っていこうということで,平成25年から6カ年で高知市地域福祉活動推進計画を高知市と高知市社協で策定しております。  (資料24ページ)具体的にどんな内容かといいますと,5本の柱になっております。5つの柱がありまして,その中でも1番の「おたがいさま」の住民意識づくり,2番の小地域での支え合い活動の推進とニーズの早期発見,あと5番目の地域福祉を推進するための体制基盤づくりを重点とする計画となっています。地域福祉コーディネーターは,5番目の地域福祉を推進するための体制基盤づくりの一つとして配置をされています。  (資料25ページ)まず,「おたがいさま」の住民意識づくりに関して,なかなか困ったときに「助けて」と言えない,私のためにみんなに迷惑をかけて申し訳ない,あるいは他人の世話になりたくはない,サービスを使うのは世間体が悪いということで,なかなか困ったときに助けてと言えない状況がある場合がありますが,そのような状況が続くと困り事がより深刻になり,ますます解決が大変になります。高知市の住民4,000人にアンケートをした結果,約9割の方が住民同士の助け合いというのは必要だというふうに感じています。ですので,この計画の中では住民自身がおたがいさまという意識を持ち,困ったときに助けてと言えるような関係づくりが大切と考えています。活動の場をつくりたい人や,参加したいと思っている人へのきっかけづくりや情報提供,また現在,活動を行っている人やこれから活動を行う人,団体に対する支援を行い,活動を継続しやすい仕組みづくりを行っています。  (資料26ページ)高知市社協は現在7つの各場所に分かれて事業を行っております。地域協働課は高知市役所の近く,ニッセイ高知ビルの3階が事務所です。地域協働課の他に,障害者相談支援事業等を行う「共に生きる課」,また生活支援相談センターがあり,それらの部署と連携しながら事業を行っています。  (資料27ページ)地域協働課というのは何をしているかと言いますと,支え合いのあるまちづくりの推進,そのためのベースとしておたがいさまの住民意識づくりを行っています。地域を支える担い手の拡大,見守りやサロンのお手伝いなど,「きる人が,できる時に,できることをする」,をキーワードに担い手の拡大に努めています。また,去年度から「こどもが“ど真ん中”」という,テーマを設けた地域づくりというのも行っております。  (資料28ページ)次に,地域協働課の今年度の事業計画,予算事業の体制についてです。大きく4つに分かれています。まず1つ目が地域福祉活動推進計画事業になります。2つ目がボランティアセンター事業,3つ目がこうち笑顔マイレージ,4つ目が共同募金になります。  (資料29ページ)もう少し詳しく見ていきますと,地域福祉活動推進計画事業の重点項目といたしましては,まず1つ目が地域福祉活動推進のための体制基盤づくりを行っていこうと思っております。ご近所,自分を中心として,個人を中心として,ご近所を向こう三軒両隣と考えると,その外側に小地域があります。小地域というのがどの程度のエリアかということは,それぞれ捉え方が違いますが,高知市社協としましては大きくても300世帯まで,町内会,自治会程度のエリアと捉えています。昨年度,幾つかの町内会,自治会程度のエリアの住民と共に,支え合いマップづくりや住民座談会などをきっかけに,その地域の課題や今後どんな地域にしたいかについて話し合う場を持ちました。平成29年度につきましても,町内会,自治会,または,いきいき百歳体操会場において,住民座談会や町内会,自治会の役員の方にご協力いただけるエリアについて,例えばアンケート調査等を実施し,そこから課題の分析をし,そして共有をし,さらに,解決策について話し合う場をできるところから積極的に実施したいと考えています。その話合いの場では,できたらこんな町に住みたいというテーマを提案し,それを住民計画といったところへ発展をしていけたらと思っています。これまでは,地区社協という旧の行政区の社協ごとの支え合い会議や住民計画を想定していましたが,地区によってはかなり大きなエリアとなり,具体的な生活課題やこんな町にしたいというイメージが抽象的になりやすい面があります。現在,小高坂地区だけが住民計画,地域支え合い会議ができていますが,小高坂地区でも3つの程度のエリアに分かれて,話し合いを住民の皆様のご要望で実施をしています。  次,「こどもがど真ん中」をテーマにという,テーマ型の活動というところにも多くの住民の関心が寄せられています。今年度も「こどもがど真ん中」をテーマに掲げ,活動する住民の発掘,福祉委員,気くばりさん等活動者同士の連携を強化していきます。例えば,地区社協連合会というのがありますが,地区社連の情報交換会や,NEWSほおっちょけん,あるいはフェイスブック,サロンの場,住民と市が集まる場などを活用して,こども食堂や子供の居場所活動の情報提供,交換の場を積極的に持っていきます。こども食堂がそれこそ今,高知市内で17カ所ぐらいできていますが,こども食堂は子供の居場所という,子供だけの食堂,子供だけの居場所ではないということを共有し,子供をテーマとすることで高齢者も子育て世代も集まり世代交流ができる動機付け,こども食堂は地域食堂になるのではないかと思い,お手伝いもさせていただいています。そんなところで「食器洗いやったらできるよ」とか「宿題のアドバイスやったらできるよ」とか,「机や椅子の準備やったらできるよ」とかっていう,そういったできるということを活動のきっかけにしていただいて,テーマ型こどもがど真ん中で集まりながらつながった方々を,エリアを越えてでも小地域の課題解決のための活動へコーディネートしていけたらと考えております。  そして,小地域の外側に隣接するのが,いわゆる高知市内には41ありますが,小学校区エリアになります。このエリアには,各行政の各部署から地域づくり活性化を目的とした様々な施策が存在していることが改めて分かっており,平成28年度中も幾つかのエリアで複数の部署と協働できたことがありました。地域協働課といたしましては,それぞれの施策が円滑に住民に受け入れてもらえ,結果的に地域福祉,地域づくりが達成できるように施策ごとの協議会を重ねて作るなどをしない,屋上屋を重ねない取組に今後も尽力します。これには行政と市社協の連携,行政の各部署間の連携が重要となりますが,例えば,先日も久重小学校区の防災連合会で,防災の取組でいいますと,災害時の要援護者の個別支援計画というのを立てないといけないのですが,その計画を立てるに当たりましては,支え合いマップづくりという地域課題を住民自身で解決していけるような手法があるのですが,支え合いマップづくりの手法ということで,地域協働課も協力をさせていただきまして,要援護者の個別支援計画,あるいはそこから出てきた地域課題の把握というのを取り組むことができ始めております。  (資料30ページ)次は,重点課題で地域福祉活動を担う人材の確保と育成です。担い手の創出,担い手をどう確保するかというのが本当に喫緊の課題であります。先ほど述べたもの以外で,いわゆる福祉教育啓発として3点考えております。1点目は保育園,あるいは小中学校での学校現場で行う「ほおっちょけん学習」。「ほおっちょけん」というのは高知市社協のキャラクターですけれど,放っておけないという思いやりの気持ちというのを学習していただくようなプログラムを実施しております。現在多いのが,高齢者への理解をテーマに複数の学校で実施をしております。この「ほおっちょけん学習」は地域福祉コーディネーター,社協だけが主導するのではなく,地域の民生委員,主任児童委員,あるいは町内会,自治会の方々,校区内の介護・障害者施設の職員など,地域人材の主体的な参画により実施をしております。今後,学校の現場の理解を得ながら,更に取組を強化していきたいと思っています。学校で「ほおっちょけん」,「おたがいさま」という思いを学習としてさせていただくことで,その保護者の方にもそういった思いやりの気持ちや,福祉というものの意識が芽生えていけたらなということで,学校の子供に対しての学習をさせていただいております。この授業は発達の段階に応じたものに随時改良しながら,子供にとっては保育園でも小学校でも中学校でもこの授業を体験するというふうになったらいいなと思っております。  2点目は,高知市では「あなたに届け隊・出前講座」として,積極的に地域に出向き,各部署の施策の紹介をされていると思いますが,高知市社協でも,「ほおっちょけん出前講座」というのを開催しております。これを行うことで市社協の事業や,福祉ということを皆さんに考えていただく,また,自分たちの地域を良くしたいという思いを持っている方が増やせていけたらなと思っています。  3点目が,地区社連,ボランティア活動連絡会,社会福祉法人意見交換会の場を活用した地域活動の情報交換・共有の場の確保を考えております。何かをしたい,しなければならない,けれど,どうやってやったらいいのか分からないという住民,団体が多く存在していることを踏まえ,地域福祉コーディネーターが小地域で,またテーマ型福祉活動でつかんだ情報を正しく分析し,分かりやすく情報提供をしていきます。それぞれの場に参加した方々を一体的に捉え,つなげていくことも重要です。そのためにこの円を描いております。1人,少人数ではできなかったことが,つながることでできることはたくさんあります。そういったコーディネートを行っていきます。1人でも多くの担い手となる方々を発掘し,福祉委員や,気くばりさん登録を促進しながら,その方々とこうち笑顔マイレージボランティア登録者を対象にアンケート調査を実施し,活動の実態について分析し共有をしていきます。その結果を踏まえ,できるだけ多くの登録者が活動しやすい環境整備を行っていきます。これらを一体的に行っていくことで活動者自身の住んでいる,出入りする,関心のある課題を抱えた小地域へコーディネートすることで,小地域福祉活動の活性化ができるのではないかと考えております。  (資料31ページ)先ほど申しました地域福祉コーディネーターですが,今年度からは東西南北4ブロックに3名から4名のコーディネーターを配置しております。一人ぼっちを作らないという地域づくりを進めるために,その地域の課題や困り事,住民が主体となって解決できるように支援をしております。  (資料32ページ)次は,実際に地域福祉コーディネーターが,どんなふうに地域へアプローチをしているかということを分かりやすくお示しできたらと思って持ってまいりました。まず,今,相談支援の事業所の方はこの上の個別支援領域の部分をなさっておられると思います。Aさんという1人の人を支えるためにケアマネジメントのプロセスに沿って援助を展開しておられると思います。私たち地域福祉コーディネーターは地域支援領域になりますので,例えば,この一人暮らしのAさんが肢体不自由の身体障害があり,ヘルパーやデイサービスを利用しながら生活をされているのですが,なかなか不燃物のごみ出しができないと。不燃物につきましては,地域の民生委員が担っている場合はこの地域生活支援という,Aさんを取り巻くネットワーク形成を相談支援専門員の方が行っていることになるではないかと思っています。地域支援の部分でいいますと,このAさんのように一人暮らしで障害や高齢のために不燃物が出しにくい,出せないという地域課題があるとした場合に,その地域課題を分析し,その地域課題をどんなふうに解決していくかというのを町内会であったり,老人クラブであったり地縁組織の方々に,どこにどうつなげていけば話合いの場になるのか,どういう仕組みがあるのかという話合いの場を提案させていただきまして,老人クラブの方々でボランティアグループを作って,ごみ出しは実費を頂きながらやろうという,例えばですけれども,そんな解決策のほうにつなげていく,社会資源の創設につなげていくということなどを地域支援領域と考えております。私たちコーディネーターは,主に地域支援と地域生活支援のほうに取り組んでおります。  (資料33ページ)次は,実際に活動を段階に分けて,整理をしています。この図も同時並行的に活動していることが多いので,必ずしもこの矢印どおりというわけではないですが,まず,「知る・気づく」です。地域に出向いて地域の調査,アウトリーチですね。地域に出向いた際に気が付いた課題は,地区カルテというものを作っております。小学校区,行政区で作っておりますので,そこに沿った地域性と照らし合わせ,必要な機関や人につなぐ。また,つなぐ先がなければ作る。あるいは,作るためにどういった話し合いを行えばいいのかというふうなことの働きかけ。そういう動きというのを行っています。「知る・気づく」,「つなぐ」,「つくる」というのを活動の私たちの動きの柱としております。  (資料34ページ)次は,実際に地域福祉コーディネーターとして障害分野での取組,まだまだ少ないですけれども,どんな動きがあったかということで,「てく・とこサロン」誕生のことです。これは孤独死,ある町内の中で孤独死をきっかけに民生委員がすごく心を痛められて,地域でこれ以上孤独死を増やしてはいけないという方がおられて,市社協コーディネーターにつなげていただきました。地域での支え合い,助け合いの必要性をすごく感じられた民生委員の発信で講演会や,アンケート調査,支え合いマップづくり,あるいはこういう支え合い,助け合いの活動に興味がある方々で話し合いを何回か重ねまして,これは住民自身が「てく・とこ・瀬戸」に,地域交流スペースを私たちに貸してもらえないかという交渉も行いまして,週2回,住民が集い,1回は「てくとこ茶屋」という障害の方の喫茶をやっているのですが,そちらの食事を一人暮らしの高齢者の方が食べて,孤食ではなくみんなでお食事をするという,住民の方と障害のある方が交流する場というものにつながっています。  2つ目が,障害のある人にも役割,出番をということで,「気くばりさんボランティア」が,いきいき百歳体操運営支援しています。高知市社協では「気くばりさんボランティア」というのを大募集しております。できる人が,できるときに,できることをするボランティアで,敷居の本当に低いボランティアを募集しておりまして,この方々に何か得意分野,特技ではなく得意分野が何かないかというのを書いていただいておりまして,これは脳卒中の半身麻痺の方々ですけれども,パソコンが得意というふうなことをお聞きし,何かできないかと。せっかくボランティアの募集,応募,登録もしていただきましたので,百歳体操でかなり高齢のお世話役が名簿の管理にかなり苦労なさっていましたので,そこの名簿作りであるとか,そこの確認といったところを障害のある「気くばりさんボランティア」が定期的に百歳体操を訪問して,フォローをするお手伝いをするということになっています。つまり,障害のある「気くばりさん」の役割づくり,この方たちは「用事ができて良かった」と。「すごく暇だったので」とすごく喜んでくださるのですけれども,地域の中で出番,役割というのがこの百歳体操の運営支援という役割を担うことでできています。  (資料35ページ)次が,おさらいになりますが,高知社協は,誰もが安心していきいきと暮らしていける地域・まちづくりのためにということで,コーディネーターは活動の黒子ですよというところと,ここも繰り返しになりますが,ニッセイ高知ビルのほうで共に生きる課29名,地域協働課19名,うちコーディネーター14名,ここが連携をしてそれぞれの地域福祉の推進に向けて取組を行っております。  (資料36ページ)次は,実際に障害の相談支援事業所の方々と地域福祉コーディネーターがどういうふうに連携できるかというのを,先ほどの知る・気づくコーディネーターの機能を基に少し整理をしてみました。  まず,知る・気づくですが,先ほどもありました自立支援協議会,相談支援検討会の中から出てきて,地域として地域の課題と思われるようなものがありましたら,是非ご連絡いただけたらと思います。その中で必要なところに地域での役割であったり,話し合いの場,その課題を解決していくために住民の力を借りて解決していくための話し合いの場,あるいはもうそういう話し合いの場も既にあったりもしますので,適当な話し合いの場の紹介もさせていただきます。集いの場も,高知市社協の中では障害のある方のサロンは7カ所今のところ把握できているので,そんなところのご紹介もさせていただきますし,住民主体,住民同士が安価な,有償サービスではあるのですが,支え合っているサービスなんかの把握もさせていただいています。常にそういったことも,インフォーマルなサービスの情報提供もさせていただきます。  また,つくるというところで言いますと,今,話しをいただいていますのは,脳卒中の当事者の会というのが高知市の中心部にしかないので,中学校ぐらいごとにほしいと。やはり脳卒中の方が引き籠もりがちな方が多いということで,高知市の西部に作りたいとの話をいただいていまして,そういう住民の組織化ということの手伝いもさせていただいています。交流の場,見守りの仕組みづくり,あるいは障害のある方自体を知ってもらう,理解してもらうというための啓発,学習の場,そういったところも是非,今はまだ,「ほおっちょけん学習」は高齢者理解というところが中心ですが,そういったところでも連携をさせていただけたらと思っています。  (資料37ページ)次は,自立支援協議会と地域福祉コーディネーターの連携ということで,この右側に自立支援協議会と書かせていただいています。この右側の右枠の括弧の中はこんなふうに並列しているわけではなく,先ほど相談支援検討会のところにありましたように,きちんとした関係図があると思いますが,ここでは並列にさせていただいています。この自立支援協議会で出てきて福祉サービスを開発するであるとか,自立支援協議会の中で解決ができない,でも地域住民と共に解決をしていきたい。特に意識の部分,啓発の部分になってくるのかもしれませんが,そういったことに関しましては是非,社協のコーディネーターにご連絡を頂きまして,社協では,地域支え合い会議,地域の活動を支援し,地域活動から上がってきた福祉課題を解決する場。この解決する場の中には町内会・自治会や民生委員・児童委員,自主防災組織,老人クラブ,そして社会福祉事業者の地域にある様々な団体の方々と一緒に,その地域にある課題というものをどうすれば解決できるのか,どんなふうに取り組んでいくのかというところの場をたくさん作っていけたらと思っています。自立支援協議会で上がってきた課題を今まで以上にもっと意識をして,地域支え合い会議あるいは社協の中で,どういった課題解決に向けて動いていけるのかというのを考えなければいけないと思ったところです。  (資料38ページ)おたがいさまの住民意識づくりを推進するためにも先ほど申しました『ほおっちょけん』という犬のキャラクターを用いて「ほおっちょけん」気持ちの普及・啓発に努めています。この「ほおっちょけん」はハナが光っていますし,アンテナがあります。1人で困っている人を一人ぼっちにしない,小さな困りごとでも発見できる,とてもよく利くハナというのもあります。この手は,手伝いができる「まかせ手」とともに,手伝ってと言える「たすけ手」,助けられ上手になれない日本人が多いという中で,手伝って助けてって言えることによって福祉活動が始まると言われています。こういった「ほおっちょけん」のキャラクターを作りまして,木製のバッジも作って地域福祉活動への100円のご寄付につき1個進呈をしております。この「ほおっちょけん」のキャラクターとともに,「気くばりさんボランティア」も募集をしております。  (資料39ページ)最後になりますが,高知市に住んでおられる住民の皆さんが,安心していきいきと暮らせる地域社会を実現するためには,挨拶とかちょっとした困りごとの助け合いなど,人と人とのつながりによって実現していくのではないかと考えています。まちづくりは一人ではできません。社協だけが頑張ってもできません。行政だけが頑張ってもできません。学校であったり企業であったりボランティア団体等,色々なところが手を取り合ってみんなで一緒に作り上げていけたらいいと思っております。 (会長)  何となく知っていたとか,何となく聞いていたということを詳しく説明していただいて,何となくイメージもつかめてきたと思います,ありがとうございました。こういうジャンル,取組を我々自身も知るということと,今後の何らかの我々の取組に連携していく足掛かりになればいいなと思いますので,この報告を我々がよく理解をする時間を作りたいと思います。  そういう意味で,どこからでも構いませんので,ご質問等ありました,よろしくお願いします。   (委員)  活動の内容とは少し違いますが,こども食堂に来る子供たちの背景を知っている必要があると思うので,構わない範囲で教えていただきたいと思います。 (委員)  こども食堂につきましては,貧困家庭や孤立家庭の子供たちというイメージが強いと思いますが,実際こども食堂というのも様々なこども食堂があります。多分,皆さんがイメージされる支援が必要な子供さんが集まっているこども食堂と,先ほど私が申しました地域食堂とか共生食堂というふうなものがあります。やっておられる方々によっても様々になるのですが,支援が必要な貧困家庭の方や,孤立家庭の方々に来てほしいという思いでやっている方々がほとんどですが,実際は「ご飯が食べられなくて困っている子,寄っておいで」とか,そういう形で書いても来ないし来にくいところがありますので,広く門戸を開けて,子供であれ,親子であれ誰でも来てくださいという形でやっているのが現状です。継続してやっていく中で,必要な子供たちが,子供同士の口コミ等を聞いて来られるようになってきたりしています。今はほとんどが住民,専門職ではない有志の方が対応されていますので,ちょっと気になる子供さんがおられた場合にどういったところにつなげたらいいのか,どんな関わりをしたらいいのかということにつきましては,研修の機会を作る等で,孤立している困窮の方々の手伝いができるような仕組みも作っていけたらとは思っています。こども食堂にも種類があるというところと,今現在で言うと,必ずしもどこのこども食堂も困っている困窮家庭の方ばっかりが来ているわけではないというところです。 (委員)  ありがとうございます。 (会長)  続けて,ご質問や何かありましたら,お願いします。 (委員)  このボランティアセンターというのは,高知市のボランティア連絡会との連携は何かありますか。 (委員)  高知市ボランティア連絡会と連携を取り始めたのは,去年度ぐらいからです。去年度ぐらいから,ボランティア行事用保険やボランティア活動保険というので社協から委託を受けてやっていただいており,そのボランティア行事用保険・活動保険を掛けておられる方々の連絡会もやっております。また,高知市ボランティア連絡会の方は学生を対象に講習を開いておられますので,一緒にさせていただくのかということで,ここ最近2年ぐらい前から一緒に協力できる部分はさせていただいているという状況です。 (委員)  高知市ボランティア連絡会が主にやっている部分は,高校生対象のボランティア研修会で,先日も東高校で186名の高校生が参加した講座をやりました。そこで,地域コーディネーターの方から高校生に気くばりさんのPRをしていただき,実際にそういった関わりを持ってほしいということで協力させていただいております。社協をはじめ,実際に福祉ボランティア等は,どこの地域でも町内会長を筆頭に連合会や民生委員・学校と色々な連携の中で,色々な立場の方が,お祭り等のときには来ていただけるけれど,運営する側に入っているということが少ない部分もあって,なかなか情報というのが入って来なかったりする。そういう中で社協の取り組として地域福祉コーディネーターの方がおられると思います。自立支援協議会の中で,地域でのこういう点に関して,それを何か考えてほしいとか,苦労されていることはございませんか。  自立支援協議会と社協の地域コーディネーターの情報交換がより強くなり,またそれが相談支援事業所等にもつながっていく,そういったつながりが何かあれば教えてほしいと思います。 (委員)  何か困っていることはたくさんあります。住民は,他者へとか地域へということに無関心な方が多いです。以前ゴミ屋敷の掃除に行ったことがありますが,「ここまでなるまでに何とかならなかったのか」と感じましたが,色々な問題があると思います。手伝ってと言えない,相談先が分からない,情報の壁や,あと,サービスを使うのは体裁が悪いという意識の壁,制度にはまらないというところもあると思います。障害のある方の強みを相談支援専門員等と一緒になって見極め,それが地域の中で何か出番があるのであれば出番として役割を持っていただくことにつながれば,地域の方々からのその方への見方も変えられるのではないかと思います。理想論ではありますが,障害のある方の学びの場みたいなのもできればとも思います。課題に思っていることはたくさんありますが,まずは住民自身が「我が事」「丸ごと」というか地域のことに目を向ける,目を向けていただく,それで自分もできることがある。ボランティアというのも何か特技がある人でなくても,草引きができるとか食器が洗えるとかという日常生活の延長線上でできる仕組みとして,笑顔マイレージという高知市の高齢者支援課からの委託事業ですが,そういった取組もありますので,少しでも住民に「自分が案外人のためになっている」とか「喜んでもらえた」という手ごたえを持っていただくことで,支え合いができ,助け合いになっているという思いを持つ人が増えていくことで,住んでいて良かった高知市になったらいいなと思っています。 (会長)  質問ですが,報告の中で障害のある方も参加できる交流スペースがあるということでしたが,「こんなところがあって特徴的にはこんなことをやっている」という内容,事例があれば教えてください。 (委員)  障害のある方の分で言うとまだまだ把握ができていないのですが,脳卒中の方々で集まっている所が幾つかあります。あと,そういうところが課題なのかなと思ったのは,聴覚障害の方々です。高齢の方ですが,お風呂に入りたいので介護保険のデイサービスには行くけれども,そこでの意思疎通・コミュニケーションを取るということができません。聴覚障害者協会の方が主体でやっている事業所では,送迎をして週に1回は聴覚障害の方だけが集まって,食事し手話や講話で話をし,そこで元気になっている。他の日はお風呂に入りに通常の高齢の介護保険のデイに行くという,そういった聴覚障害の人特有のコミュニケーションの取りにくさというところを当事者同士で集まって活動しているというふうな事例もあります。あとは,「自己責任の会」という名前を付けて,障害があることに甘えるのではなく,全て自分たちの責任だということで男性ばかりが集まる場があります。男性は基本的になかなか出て来ない方が多いので男性だけが集まる場はすごく少ないのですが,「自己責任の会」というのは脳卒中の方々が多いところです。集まって自分たちで会則を決め,自己責任なので飲み会を定期的にやっていますが,それも何があっても誰のせいにもしないという形でのルール決めをされて,勉強会をされています。厚労省の動きであるとか,そういったことを定期的に自分たちで情報収集をし,時には講師にも来ていただいたりしています。そんな会もありますが,まだまだ十分に把握はできてないです。そういった情報もあれば教えていただいて,人とのつながりを求めている方に情報提供もできたらと思います。 (会長)  ありがとうございました。お話し伺っていまして思い出したことがあります。安芸市で福祉会館みたいなところの1階の大きなピロティを開放して,地域住民が集まるオープンスペースにしていました。だから,子育て中のママさんが子供を連れて来たり,高齢者が来たり,障害を持った方が来たり。そこに保健師たちが何をするわけでもなくて受け入れて,血圧でも計ろうかとか,お茶があるからすぐ入れようかとか,とにかく居る場所がある,そこに行き場所があるという形でした。養護学校の子供も土曜日や夏休に気軽に行って,卒業後は,行く場所がない曜日には「そこに行きますから,いいです」という,そういう地域交流スペースというのがあって,いいなと思っていました。そこの良さいうのは,地域で,当事者とか,高齢者とか障害とか子育てとか全部をトータルで,誰が来てもいいし誰が来なくてもいいという,事前登録何もなしで来た者でやるというところ。たまに映画会観賞をやることはあっても,特にイベントも構えない。本当に自由だけど,安心して来ることができる。そうなると自然に,あそこはこんなふうに困っているのだなとか,生活状況変わってきたねとか,自然に行政担当のほうもつかめてくるという関係ができたという。ああ,いい所だなと思いました。そんなのが高知市でも当事者団体,当事者同士でやるのもいいし,地域のこども食堂も子供だけの場ではなく,姿が見えるっていう場がいろんな所でできるといいなと思い出しました。  ほかにご意見,ご感想ありませんか。  先ほど,地域理解と地域づくりという話があった中で,いろんな課題での地域理解を進めるというのは本当に難しい部分があります。それこそこの協議会を立ち上げた当時に取り上げた精神障害の方が地域に戻り,一人暮らしをするときの,地域理解の問題だとか,それから触法障害者を地域へどういうふうに戻していくのかいうような話をいろいろとやったと思いますが,そういう意味でも,地域づくりとか地域理解というのは言葉で言うと簡単ですが,物すごく難しい部分があります。特に,触法や精神の方々が1人で生きていくということの難しさとかがあると思いました。   (委員)  自分が楽な方向になりたいというのは,これは人類としては基本的にはなくならないだろうと私は思っています。ただ,それを差別には持ち込まないことが大切だと思います。差別という事象にしてしまうと,上下関係ができ,今は自分が上に立っていてもいずれは下になるみたいなことになる。そういうものではなく,皆が個性を持っていてそれぞれ70人がいればみんな価値観が全部違うことを認めあえば,人間が全部一緒に生活できると思う。そういう感覚をみんなが持てるようなことができれば一番いいかなと思います。昔,特別支援学級なんてありませんでした。学校の生徒は全部,それぞれ身体障害なり精神障害なりの子供たちが常時隣にいました。てんかんの子が倒れると,自然にみんなが抱えて対応した。そういうことができる社会が一番いいと私は思っています。だから今,困っている子供たちと面接する中で,駄目な部分を指摘するのではなくて,誰しも凸凹があるのが人間,自分の凸凹の部分を知ったら他の人ともうまくいく可能性も広がるかもしれない,自分ももっと自慢できるかもしれないというのが私の持論です。できるだけそれを増やしていきたいというのは考えの1つです。そのうちの1つで,ボランティアの理事長やっていますが,人集めに困っています。いろんなNPOや団体が多くあり,人集めに苦慮するので,その辺がもう少しどうにかならないかと思っています。 (会長)  ありがとうございました。感想でも構いませんので,何かありましたらお願いします。 (委員)  いつも対象にしているのが精神障害の人です。病院の通院を中断しているときに起こってくる問題です。たまたま知っているからということで大家さんから相談があったりしますが,通院していなかったらその人の相談する先が結構なかったりします。専門のスタッフにはつなげられいということがあるのが現実です。通院していなかったら保健所だけにしか報告ができない状況になります。  自分の視点でだけしか物事が見えてないのでそういうことになると思うのですが,地域の中で何か支え合っていくという視点から見ると,何かの相談や,その人の役割というようなことが考えられるのだと思いました。  気くばりさんボランティアの活動について,どんな活動を,どういうふうに協力されて,何人ぐらいの方が参加されているのかということを教えていただけたらと思います。 (委員)  気くばりさんボランティアは,今,高知市内で380名ぐらいおられます。ただ,本当にできるときに,できる人が,できることをするボランティアなので,このボランティアに登録をいただいたら,2カ月に1回,NEWSほおっちょけんという高知市内の地域福祉の活動を紙データやメールでお送りさせていただいています。あと,傾聴ボランティアの講座や,ボランティアを養成するための講座の案内をさせていただいています。認知症サポーターの養成講座や,防災士の人づくり塾等行政関連の講座の案内なので,割と現役の方が多いです。実際活動されているボランティアについては,ごみ出しの手伝いということが多く,残念ながら,まだまだ活動をコーディネートという部分では十分にできていないというのが実情です。  ただ,何かできたらという形で登録をしていただいておりますので,得意の音楽をいかしてサロンで何か演奏をしていただく等という形でのコーディネートは今後していければと思っていますし,高知市社協に登録いただく気くばりさんボランティアとともに,笑顔マイレージと言って,65歳以上で介護認定を受けていない方々に活動をしていただくボランティアもありますので,登録していただいている介護保険の施設や,障害の施設,保育園等で草引きや食器洗いをするという,特技がなくても何か人のためにできたらとか,何か暇つぶしができたらとか,それが自分の介護予防になったり,生きがいになったりということでのボランティアもいます。なので,65歳以上の方になりますが,障害がある方でも笑顔マイレージに登録していただければ,その場合はもう少し活動が明確な形で紹介できます。最初は担当職員が同行することもしています。気くばりさんボランティアも担当職員が同行するようにしています。そういった状況です。  どちらかというと,気くばりさんボランティアは,まず福祉というものに興味を持っていただく,福祉活動を読んでいただく,何かしたくなるというきっかけというところが多いと思います。こども食堂の手伝いに行ったりされる方もいるので,これからというところなので,是非ご活用いただけたらと思います。 (副会長)  何をやっているところなのかということを詳しく話していただいて,大分内容も分かってきたような気になっております。一人ぼっちの人が,昔だったら行き場がなかった,外へ出たくても行く場所がなかったという現状だったのが,今は大分変わってきたと感じました。外へ行きたいと思ったら行ける場所ができてきたというのが,今日の報告ですごく分かったような気がします。そこで,ほおっちょけんについてですが,「助けて」と言える人はいいのです。簡単なことだったら「助けて」と言えるのですが,本当に深刻な「助けて」ということを聞けるように,もっとなっていってもらいたいなと思いました。 (会長)  そしたら,時間のこともありますので,そろそろこの項目終わりますけども,いい勉強になりました。報告ありがとうございました。  それでは,障害者相談センター西部からの事例報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。   障害者相談センター西部より事例報告及び委員との意見交換個人情報のため非公開 4 閉会 (司会)  委員の皆様,本日はありがとうございました。  平成29年度第3回高知市自立支援協議会の開催は,平成29年11月を予定しております。日程調整をさせていただきますので,よろしくお願いします。  以上をもちまして,平成29年度第2回高知市自立支援協議会を閉会いたします。委員の皆様,ありがとうございました。 17