平成29年度 第1回 高知市自立支援協議会 日時:平成29年5月24日(水)18:30〜 場所:高知市総合あんしんセンター 2階大会議室 欠席:上田真弓委員,上野伊佐子委員,小川泰子委員,鈴木孝典委員 1 開会 (司会)  本日の議事内容及び資料確認 2 異動に伴う委員及び事務局紹介 【委員】  小笠原委員は,役職名が事務局次長から総務部長に,清水委員は,役職名が教頭から校長に変わられております。 【事務局】   福祉事務所長が田中から中村仰に代わっており,田中は,副部長になっております。 3 協議事項・報告事項 (会長)  新年度が始まり2カ月ぐらいたち,新しいメンバー,新しい出会いの中でスタートされて,仕事をされていると思います。自立支援協議会も,私たちの任務の折り返し地点にきたのではないかと思います。皆さんの英知を集めて,高知市の福祉事業を良くしていきたいと思いますので,よろしくお願いします。  今日は2つの報告・協議事項で進めていきたいと思っております。最初は,基幹相談支援センター設置についての最終の検討となります。事務局で提案内容を準備していただいておりますので,それを受けて最終確認と論議,ご意見を頂きたいと思います。  それでは,事務局より提案をお願いします。 (事務局)  資料4ページから説明に入りたいと思います。今日は,基幹相談支援センターの最終案をお示しする場ですが,先立って,全国の状況について報告させていただきます。資料4ページは,去年の4月現在の全国の状況です。設置市町村が全国で27%になっています。その下の都道府県別の設置率では,多いところは77%,少ないところは0%で,都道府県別にばらつきがあるという状況が見てとれます。  次に,資料5ページの国の動きにつきましては,市町村の任意設置である基幹相談支援センターの設置促進をするという大きな方向性を出しているようです。これは,社会保障審議会の資料ですが,相談支援の質の向上に向けた検討会を受けて,各都道府県は基幹相談支援センターを設置するよう,市町村を促していきなさいというようなところが記載されています。それと,今後創設される主任相談支援専門員という指導的立場をとる者については,基幹相談支援センターに計画的に配置しなさいというようなところが記載されています。  資料6ページでは,先に述べたような全国の動向もありますが,高知市については,現在の障害者計画の中に「基幹相談支援センターを設置するための方向性を,平成30年までに掲げていく」と方針を示しておりましたので,自立支援協議会の場で,前年度5回の協議,1回の勉強会,そしてアンケートなどを行って,基幹相談支援センター設置に向けた役割・機能の検討を行ったところです。今後の方針については,既存の31カ所の指定相談支援事業所と4つの障害者相談センターと役割分担を図りながら,相談支援の中核である基幹相談支援センターを行政直営で設置したいと考えております。設置・運営に当たりましては,ここの場で協議したとおり,開設から3年間,3つの重点項目を掲げ,行動計画を策定したいと思っております。また,運営に関する実績などは,自立支援協議会で報告をし,委員の皆様から評価・提言を受けることで運営の担保をしていきたいと考えております。  続いて,開設時期ですが,事務局としては前回申し上げたとおり,平成31年度の開設を目指していきたいと考えておりますが,本日,開設時期についても取りまとめを行っていただきたいと思います。それを受けて,今後,市長や庁内の関係課と調整に入り,開設に向けて折衝をしていきたいと思います。  開設時期が決まりますと,逆算をしながら実務面の運営協議や,行動計画案の策定などが必要になりますが,それにつきましては,相談支援検討会などの場を活用して,現場レベルで積上げを行い,この場で報告をし,ご意見を頂くというサイクルで立案していきたいと思っております。また,何をやるかによって,どういう職種が何人必要なのかということがセットになってまいりますので,この点につきましても,この場で報告し,ご意見を頂きたいと思います。基幹相談支援センターを直営で設置,運営していくというところが最終的な方向性の事務局案でございますので,ご協議よろしくお願いいたします。 (会長)  今まで5回論議を重ねてきて,最終の確認ということですが,出された項目について確認していきたいと思います。  まず,経過としては5回の協議会と,勉強会を1回開催し,委員や相談支援専門員の皆さんのアンケート等を洗い出しながら,高知市の相談支援体制の課題等を振り返ってきました。重点項目の絞り出しということになったと思います。  次に,直営についてですが,検討・論議の中で「今の高知市の状況としては,直営でいかざるを得ないだろう」という意見が出されたと思います。ただし,未来永劫直営のままを継続するのではなく,事業所のスキルアップや地域の力が付いてきた段階で見直すこともあり得るのではないかということが具体的な意見として出されたと思います。  まず,直営ということについては,「時期がきたら見直しをするという意見を踏まえた上で,直営でスタートさせる」ということをこの協議会の意見としてまとめてもよろしいでしょうか。   (異議なし)    それでは,直営については協議会の意見がまとまりました。  続いて,3カ年の重点項目と行動計画を策定して,進捗状況をチェックしながら協議会との連携を含めて進めていくということについてですが,この協議会で論議をしてきて,高知市の今の相談支援体制を強化する上での重点項目としては,地域の相談支援体制の強化が1点目。その中身としては,人材育成と今困っている困難ケースへの支援をベースにしながら,地域の相談支援体制の強化を図っていくということ。2点目が,地域のネットワークづくりです。3点目が,協議会の機能を高めながら連携強化をしていくということ。この3点を柱にしながら重点項目,行動計画を作って3カ年の取組を進めていくということだと思います。それについて,何かご意見や確認しておきたいことはありませんか。      (意見なし)  続いて,開設時期についてですが,今日の論議をもって協議会としての意見がまとまるという形になって,今後部内協議へと進んでいきます。平成29,30年辺りを準備期間として,平成31年度開設ということを想定しながら論議を進めた経過があると思いますが,それについてはどうでしょうか。予算折衝や人の確保,専門性を担保するという観点から一定期間が必要だと思います。平成29,30年辺りを準備期間として31年度開設ということを,この協議会としては,目安として提案をしていきたいと思いますが,よろしいでしょうか。   (意見なし)     それでは協議会としての意見は「平成29,30年辺りを準備期間として31年度開設」ということにまとめます。  追加として,準備を取り進めていく中で,連携を進めていく組織として,相談支援検討会をベースにしながら,現場などとの意見交換をしながら進めていくということも意見として出てきていたと思います。  全体的にまとめてみましたが,ご意見ありませんでしょうか。抜かっている点,もう一回ここのとこは確認しておきたいということはありませんでしょうか。 (意見なし)  それでは今日の内容を全て通すということで,協議会のまとめとしたいと思います。 (事務局)  ありがとうございました。今までと本日の協議内容をまとめまして,今後,市長に自立支援協議会として,このような意見があったということを伝えた上で,設置に向けた協議を進めてまいりたいと思います。今までのご議論誠にありがとうございました。   (会長)  基幹相談支援センターの件はこれでまとまりました。次に報告事項ということで,相談支援体制の実績等報告を議題にします。事務局からの説明を受けた後,現場からの声ということで障害者相談センター南部から,状況についての報告を聞きたいと思いますのでよろしくお願いします。まず,事務局から。 (事務局)  相談支援体制実績等報告を事務局と,障害者相談センター南部で分担しながら説明します。  資料8ページをお願いします。指定相談支援事業所が行う計画作成の状況を28年度末の直近の数字でお示ししております。障害者総合支援法分と児童福祉法分の受給者数が合わせて3,498名。それに対して,この計画が作成されている方が3,064名,88%。そのうち,セルフプランという自己作成をなさっている方が297名,10%というのが,直近の高知市の状況です。その下には,法律別の全国の数字を出しております。作成率につきましては,高知市のほうが少し下回っておりますけれども,これは平成27年度からの計画作成までの準備が,相当高知市が遅れていたというところが背景にありますが,指定相談支援事業所を始めとする皆様のご協力の下,障害者計画に掲げる目標値以上の作成率を達成しておりますし,当然この間,サービスを使うことができないという方は1名もおりませんでしたので,予定どおり進むことができたというふうに考えております。あと,セルフプランの割合ですが,これも全国平均を下回っているということで,決して高知市がこの間セルフプランを推し進めて何とか作成率を上げてきたというわけではないと考えております。  次に,資料9ページをお願いします。過去3年の作成率と事業所数の推移をお示ししております。27年4月の作成必須化以後,事業所数と作成率はそれぞれアップしてきているというところですが,現在,指定相談支援事業所数が31カ所で,ここ一,二年で見ますと,余り伸びていないということですので,事業所数につきましては,一定現時点がピークなのかなと思っておりますけれども,指定を受けたいという相談は一,二カ所,今受けておりますので,今後,量の確保は一定できつつあるといえるのではないかと事務局では考えております。計画作成率は,今年度末,30年3月末時点では総合支援法分も100%の達成を見込んで,現在調整をしておるところです。  続きまして,資料10ページ。障害者相談センターの実績についてです。27年度と28年度の東西南北の相談実人員を比較したものになっております。相談実人員のトータルは多少減っておりますけれども,お一人お一人に対応する延べ件数につきましては,約26,000件と増加している傾向にございます。センター別で見ますと,増減維持はそれぞれかなというところでありますけども,特段地域で突出しているということはないように考えております。  続きまして,資料11ページをお願いします。実人員の1,449名の方の障害種別を,これも27,28年度で比較しております。28年度で一番多いのが精神障害の方で,今まで多かった身体障害,知的障害,発達障害につきましては,前年度比で減少しております。これにつきましては,先ほど申し上げた,計画作成の指定相談支援事業所につないでいったということで,この層は減少していますが,精神障害の方はサービスを使わない方も多いので,一般的な相談が障害者相談センターに寄せられているのではないかと考えております。  続きまして,資料12ページです。相談内容の内訳です。27年度と同じく福祉サービスの利用に関しての相談が圧倒的に多い傾向が同様でした。ただし,それ以外のAからKにかけての他の相談内容についてもおおむね少しずつ増えているということになっておりますので,ブランチとして地域のあらゆる相談をお受けしている体制ができているのではないかと考えております。  続きまして,資料13ページをお願いします。B-4は,障害者相談センターが関わる個別ケースに係る支援会議の開催状況です。平成27年度に比べまして倍以上,大幅に増加しております。これは,センターの職員がいわゆるいろんな関係機関の方と,ケースに関わっていく会議を開催したりであるとか,いろんな関係機関から逆に出席の依頼があって,足を運んでいるというようなところを示しているものと考えております。こういった個別支援の積み重ねの中から,地域の課題を見つけて解決していくというところがありますので,障害者相談センターにも今後,力を頂きたいところというふうにも考えております。  続きまして,B-5はセルフプランの作成支援件数です。セルフプランの支援件数そのものは前年度比でほぼ一緒ということですので,去年申し上げたとおり,障害者相談センターがセルフプランに追われているわけではないと考えております。  資料1ページのまとめですが,まず,指定相談支援事業所につきましては,障害者計画に掲げる目標値以上の作成率を達成できたということ。そして,セルフ率については全国平均以下であったということがいえると思います。また,障害者相談センターにつきましては,地域の総合相談窓口として,多岐にわたる相談を28年度も受けてきたということです。  相談実人員は減少していますが,一人当たりの対応延べ件数は増加している。そして,その内容も幅広いものになってきたというふうに事務局としては考えておりますが,この後,委員の皆様からご質問や,また今後どのように相談支援体制を整備していくのかといったご意見を頂きたいと思いますし,先ほど申し上げた,今後設置をしていく基幹相談支援センターが,その中で中核的な役割をどのように果たしていくかといったところも絡んでくるのかなというふうに考えていますので,有意義なご意見を頂戴したいと思います。  それでは,直接相談担当をしている障害者相談センター南部から追加説明をさせていただきます。 (障害者相談センター南部)  資料11ページから13ページのグラフでいけば,B-2からB-4までで読み取れると思われることをお伝えしたいと思います。  まずB-2,実人員の障害種別に関してですが,グラフを見ていただくと身体・知的・発達の方を始め実人員が減っている障害種別があります。減った要因は,サービス利用によって指定相談支援事業所に引き継がれていったのではないかと思います。また,逆に増えているところとして精神障害の方がありますが,ここは障害者相談センターがより周知されることで,ご本人やご家族,また医療機関からの相談が増えているというふうに思いますし,また実感もしております。ちなみに,南部の場合は精神障害の方からの相談内容としては,就労というところが一番多いです。続いてサービスについてであるとか,ヘルパー導入といったところが多いです。また相談者としては,障がい福祉課からの依頼を除けば,ご本人,ご家族から,また医療機関からといったところが増えております。あと,その次が実は指定相談支援事業所からの相談というところがあって,ここは「サービスを一回やめるので地域の相談窓口としてお願いします」とか,「定期的に訪問を」といったような内容もあります。  続きまして,B-3の相談内容の内訳についてですが,平成27年度と比べて軒並み増えているのは,やはりセンターが周知されてきたことによって内容も広がってきたのではないかというふうに考えます。あと,精神の方が増えたことによって,特に1番の福祉サービスの利用,3番の健康・医療,4番の不安の解消・情緒安定,8番の生活技術,9番の就労,10番の社会参加・余暇活動といったところが増えてきたのではないかというふうに思います。  続きましてB-4の個別支援会議の状況についてですが,南部に関しては,まずネットワークが広がってきて関係専門機関も増えて,そういったところで,会に参加する機会が増えてきたと思います。それとセルフプランではあっても,特定相談,指定相談支援事業所も同じように担当者会を開催しているというところで,個別支援会議が増えていったのではないかというふうに思います。  南部からは,以上です。 (会長)  ありがとうございました。  相談支援体制実績報告ということで,指定と障害者相談センターについて,数値化,グラフ化の説明を受けました。グラフ数値だけ見ていると「そうか」という形になりますが,ここでご意見など頂きたいのは「数値の裏にある中身とかは何があるのだろうか」とか,「その方の課題や逆に頑張っているところは何なのか」とかいうことについて,委員の皆様お気付きのところをいろいろと出していただけたら有り難いなと思うところでございます。数値の裏にある背景,中身というところについてです。  ということで,どっからでも構いませんけども,指定相談の分と障害者相談センターの分とありますけども,実態としては障害者相談センターのほうの中身を話すほうがいいかと思いますが,ご質問ありましたら,お願いします。グラフ情報に関わるご質問として。 (委員)  この表,グラフにはないと思いますが,特定相談にケースを移行して,そのケースがまた障害者相談センターに戻ってきたというケースはありますか。 (事務局)  数はとれていませんが,今,障害者相談センター南部より,特定,指定につないだ後にサービスをやっぱりやめるという方については,再び障害者相談センターで継続相談を受けるという報告がありました。件数はわかりませんが。 (会長)  ほかにご質問ありませんか。  他の障害者相談センターも,B-1からB-5辺りに関わっているということで,ご意見・気付いた点等あったらお願します。  B-2は障害別に,B-3は相談の内容別に出ています。この関連性も,いろいろあると思います。  まず,障害別で数が増えている分,減っている分と出ていますが,精神が増えているということが非常に特徴的なことです。何かここら辺でお気付きの点等ありましたらお願いします。 (委員)  いい見方をすれば,精神の対象とされる方の意識が上がってきて,在宅生活ができやすくなったので,数値が増えているのかなと思います。逆にいうと,専門の病院やクリニックの窓口での対応が減っているのかなと思います。それは,ある意味ではいいことなのだとは思います。 (会長)  どうもありがとうございます。  あと相談内容との関連も含めてお気付きの点がありましたら,お願いしたいと思います。  私が一つ思うのは,個別支援会議の開催状況が増えているのは,本当にいいことだと思います。個別支援会議が開催されている背景には,障害者相談センターの呼び掛けもあるし,地域からの呼び掛けもあり,ネットワークが増えたということだと思います。「地域活動へのどんな取組がこの成果へとつながったのかな」とは思います。 (障害者相談センター南部)  特にこれをしたというような意識はないですが,やはり周知されてきたというところもあるのではないかと思います。 (会長)  市民権を得てきた。 (障害者相談センター南部)  はい。 (会長)  やはり一番大きな力・組織的な対応として力になっていくのは支援会議だと思います。個別の課題に対して関係者が集まって,きちんとトータル的に検討してサービスや対応を決めていくという。支援会議の数が増えていくということが大事だと思います。  支援会議の中身的にもやっぱり充実しつつあるという実感はありますか。 (障害者相談センター北部)  平成26年度以前は障害種別での対応であり,平成27年度から地域で4センター東西南北に分かれたため初年度は「どこに言ったらいいのですか」という質問から始まりましたが,徐々に周知されてきて,医療機関からは「このケースお願いします」という相談がくるまでになってきた。そういうことを積み上げてきた結果,支援会議に呼ばれることも多くなったと思います。また,障害者相談センターだけ,あるいは特定相談だけでは解決できないところを,支援会議を開催することにより,分担して方向性を決め,解決に向けて進めていくことを少しずつ積み上げてきた結果が今になっているのではないかという実感があります。 (会長)  他の委員さん,何かお気付きの点やご意見等ありましたらお願いしたいと思います。 (委員)  引き続き,個別支援会議のことですが,この個別支援会議というのは障害者相談センターが主催の数でしょうか。 (事務局)  交ざっています。 (委員)  交ざっているということは,主催もあり,ケアマネ主催に呼ばれた場合もありということですね。 (事務局)  はい。 (委員)  個別支援会議を主催する場合,地域の関係機関の方が入っていたりする会が増えてきているように思うのですが,いかがでしょうか。 (障害者相談センター北部)  民生委員さんを含め,地域のインフォーマルな方が参加した会議というのは,数としては少ないと思います。ですが,例えば近隣住民とのトラブルで,大家さんの協力や,民生委員さんへの電話での聞き取りというところでは,今後の課題のところにつながってくると思います。セルフプランの担当者会議は事業所間でやりますし,体感としては地域,インフォーマルな方の参加はまだ少ないと思います。 (障害者相談センター西部)  最近障害者相談センター西部が支援会議を主催した中には,犯罪絡みの方の相談があって,自分達だけでは大変だということで,地域定着センターに相談を持ちかけて支援会議を開催しました。また,ネグレクトの事例では,子ども家庭支援センター,児童相談所にも一緒に相談にのってほしいということで支援会議を開催しました。あと,病院を退院するにあたって家族の受け入れが困難ということで,病院に投げ掛けて支援会議を開催しました。あと,学校からも「家庭で問題があるので,障害者相談センターで支援会議を開いてもらえないだろうか」との相談があって支援会議を開催しました。参加につきましては,直接病院からの退院前のカンファレンスや,「帰る家がないのでどうしよう」とか,「退院した後の就職がないので」とかいうことが多いにあります。 (会長)  ありがとうございます。  実状というか地域の姿が見えてきたような感じがします。そういうことを一つ一つ解決していくこと,地域での課題に合わせて人や機関とのつながりを付けていくことが,地域ネットの構築というか積重ねになっていくのではないかと思います。この重点課題の中に入っていくと思います。もっともっといろんな積重ねと分析などもお聞きしていきたいと思うような課題だと思います。  ほかにございませんか。  就労関係で何か思うことありますか。 (委員)  セルフプランの率が全国平均以下というのがすごいことだと思っていて,今,指定相談事業所がかなりの件数の作成をしているのではないかと思っています。  また,困難な事例のとき等は,指定相談支援事業所と障害者相談センターが連携して個別支援会議を開催して進めていけている状況はすごいことだと思っています。ただ,今後,就労系でやっている就労アセスメントをセルフプランで継続していくのか,特定相談支援事業所でプラン作成してもらうのかという点が課題としてあります。現実的には,卒業後や実際大人になっている方たちの新規の利用の相談があった場合でも,時期によっては待機をしなければいけない,特定相談支援事業所を見つけること自体が困難な状況の時期もあるので,スムーズな支援につなげる方法を検討していただいたらいいのかなと思っています。 (会長)  関連してありませんでしょうか。今のご意見について。  そしたら,就労系に関わった今後の課題ということで提起していただいたと押さえておきたいと思います。  ほかにはどうでしょうか。ご意見等ありましたら。 (委員)  相談支援専門員一人が持っている件数が今すごく多いと思いますが,事業所の中で相談支援専門員を増やすというようなことは,今後どうなのでしょうか。 (事務局)  最近の数はとれていないですが,2年ぐらい前の数は一人当たり大体70件以上担当しています。相談支援事業所の専門員は,他の事業と兼務している方も,例えば,ケアマネと兼務をしていたり,他のB型事業所の従業者と兼務していたり,いろいろあるので,一概には言えませんが,専従の方であれば80件以上というところが一定収支の関係上,実態に近い件数だと思います。ただ,相談支援事業所の専門員さんを増やすことは喜ばしいことですが,受け持ち件数が減ると,収支にも関係してくるので,いろいろ難しいこともあるのが実状です。その中で運営をしていただいていると認識しております。来年4月に報酬改定がありますので,そのときに相談支援に関する給付費がどうなるかというのは一つ動向を注視すべきところですが,大幅な報酬のアップとかがなければ,現状で一定進んでいくのではないかと思っています。もう一点,相談支援専門員さんの事務負担であるとか,煩雑さがあるというような声も聞こえてきていますので,実務レベルでは,例えば,紙ベース書類を少し減らせるようにとか,どうすれば効率良いケアマネジメントができるかというのは,相談支援検討会を中心に今後も検討重ねていきたいと思います。 (会長)  そうですね。相談支援体制を強化する最前線に立っている専門員の皆さんの力量アップについては,よくここで論議していますが,やはり,実行可能な負担の軽減や,人員配置,それを支える報酬等が関連しています。財的な支えがないとやはり事業所も展開できないということもあると思いますので,国にもそんな制度を求めていくことも大切だと思います。と同時に,高知市としてできる負担軽減策ということも併せて知恵を絞っていく必要があると思います。  ほかにご意見等ありませんでしょうか。 (委員)  指定相談支援事業所と障害者相談センターも含めて,職員の定着率・継続率というか,異動等でどれぐらいの人数が変更になっているのかという数字を知りたいです。 (会長)  事務局分かりますか。 (事務局)  正確な数字は分かりませんが,ここ2年間くらいで,相談支援専門員は2割も変わってないと思います。障害者相談センターも平成27年度から8人で,今2名変わっているところですので25%ぐらいです。ただ,「新しい風を入れて人材育成をしたい」という各法人のお考えや,また職員の退職や,やむを得ない事情もありますので,人事については,法人にお任せをしております。なお,定着率の数字が拾えるようであれば,今後この場で報告したいですが,法人内の異動の場合と退職によるものは意味合いが違うと感じております。機会があれば,調べて報告したいと思います。 (会長)  個人の都合とかいろいろとあると思いますが,相談支援の継続性や蓄積を考えると,異動があるとなかなか残らないということになると思います。ただ,組織の維持・運営という面もあるので大変だとは思います。取組の蓄積,経験値の蓄積というのは重要だとは思います。 (委員)  相談支援事業所を持っている全国の施設等の意見の中で,「精神的に疲れてしまって離れざるを得ないので,事業所内で転勤をした」というようなケースも少なくはないと聞いています。また,相談支援を長くやることによって「自らが障害を持ってしまった,精神的障害を持ってしまった」というケースも中にはあります。なので,今,高知市で頑張っている基幹相談支援も,そこの部分で大きな役割を担うということを期待されているのが現状かと思っています。また,国に聞いたところによると,「施設全体で考えると,もうける事業もあるからそれと併せたら相殺できる」というようなお返事があったと聞いたことがあります。しかし,高知のように,地方へ行けば行くほど施設の中で指定相談事業所を持って,その中で何とかやりくりができていける事業所は今後少なくなると思います。そういような現状をどのような形で理解してもらうかということも協議していくべき内容の一つではないかと思っています。 (会長)  ありがとうございます。改めて31カ所の事業所で展開している相談支援事業所と,地域の核になっていく4カ所の障害者相談センター,そして,もっと大きなところで支援していく今後の基幹相談支援センターの連携・関係性・必要性を改めて確認できたと思います。  ほかにないでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは,障害者相談支援センターには引き続きの取組をお願いします。また,この協議会とのやり取りの中で,お互いに課題の共有をし,解決の方法を探っていきたいと思いますので,障害者相談センターの皆さんにも頑張っていただきたいと思います。  それでは,今後の予定に入っていきたいと思います。 (事務局)  資料16ページは,今後のスケジュールについて会長,副会長と事務局で検討して図示したものになっています。「相談支援体制を含む基幹相談支援センターについて」は,一定,今日をもって方針を決めさせていただきました。また,平成27年度に重点的に協議をした地域生活支援拠点についても,まだ道半ばというところですが,この2点につきましては,今後,適宜報告や追加協議の必要性が生じた場合などに議事を図りたいと思っております。特に会長,副会長のご意向で,今まではどちらかというと基幹と拠点という施策的な話が多くなっていましたが,現場レベルでの,「どのような事例が地域の中にあって,どういうところが大変なのか」というところは,もっとこの自立支援協議会で検討していきたいというようなお話を頂きましたので,平成29年度につきましては,相談支援検討会及び就労検討会の報告や障害者相談センターからの事例報告の部分を手厚くし,協議の場を持てるように考えているところです。あと,委員の皆様に取り組んでいただきたい議事がないかということでお諮りしておりましたが,今の時点では意見はありませんでした。「こういう地域の課題がある」ということを提起していただいたら,今後のスケジュールに盛り込んでいきたいと思っております。  また,現在策定している障害者計画につきましては,今年度が3カ年の最終年で,現在,総括及び次期計画策定に向けて動いております。  今,市民アンケートを行っていますが,今年度はアンケートのデータ等も皆様にお伝えすることができると思いますし,次期3カ年の計画策定についても,この自立支援協議会の活動のことが盛り込まれていくと思いますので,その点についても引き続きご協力とご支援をいただきたいと思います。特に,取り組みたい議事について,委員の皆様からご意見を頂ければと思いますのでよろしくお願いします。 (会長)  今まで取り組んできた経過を踏まえて,この協議会で検討をする大きな柱として,「相談支援体制,相談支援に関わるような課題」が大きな柱の1つ。「地域生活を支えるための諸施策について」というのが2点目の大きな柱。それぞれの検討会や,ブランチの取組という,「現場で今取り組んでいることとの連携という意味での各報告」というものを3つ目の柱というふうには押さえていけたらと考えています。年間計画としては,委員改選まであと4回ほどありますが,それぞれ必要なことについてやっていきたいと思います。大きな柱と押さえ方についてのご意見がありましたらお願いします。どうでしょう。「こっちをもっとやってみたら」というご提案がありましたらお願いします。  何よりも,この協議会の任務というのが,「高知市の障害者施策の実態がどうなっていて,何が課題になっているのか」という課題の洗い出しと,その解決の方向を探っていくということになりますので,そういう中身が上がってきて,ここのテーブルに乗っていくことが大事ではないかなと思っています。  今後,相談支援検討会や就労検討会の報告を押さえております。相談支援検討会の現在の状況はどうでしょうか。 (委員)  検討会というのは,これから基幹ができていく中で大切なものにはなっていくのではないかなという話はでています。 (会長)  先日出された,各相談員の皆さんの生の声の一覧表の中に切実な課題が入っていたと思います。その課題がもう少し整理されてここでもっと丁寧に検討されていったら,必要な施策が見えてくるのではないかと思いました。整理をした検討会から出していただいたらなと思います。  就労検討会はどうですか。 (委員)  前回の就労検討会では,今年度1年どういうことをするかという話をしていて,基本的には,「一つのテーマでワークをしたら終了するようなワーキングを作って,それぞれの就労分野のテーマに従ってワーキング作って話し合っていこう」というふうにはしているのですが,就労検討会自体は,人材育成が結構メインになってくるのではないかというのがあります。「人材育成に向けた研修を全体として組んでいこう」と考えています。  今は,職場定着を考えながらのワーキングを作ることを検討しています。  職場定着の取組について国が出している中身もあると思うので,今,頂いている協議スケジュールの,就労の報告の時期はいい時期だと思います。 (会長)  是非よろしくお願いします。  ただ,去年度は,教育問題ということで,教育現場からの声というのを出していただきましたが,他の委員さんも今までの経験値から,ここの場に高知市の課題として提起したいということが何かあれば是非お願いしたいと思います。 (委員)  私たちが地域を回る中で,障害のある当事者団体の方から,「もっと地域で,もっと身近なところで当事者組織を作っていきたい」という声があったりしています。地域生活ということでいうと,サービスを使ってというのはもちろんですが,サービスとともに「仲間がいる」とか,「余暇活動を一緒に楽しめる居場所がある」というところでいうと,当事者団体の組織化や,仲間づくりみたいなところを応援していけたらいいなと思っています。 (会長)  先ほどの柱の中で「地域生活を支えるために」ということを入れたのは,そんな課題が出てきたらいいなという思いからです。事務局から何か提案されるというよりも,こういう課題・観点から見ると,「地域にこんな問題がある」ということが出されるような会の成り立ちを作っていく必要があると思います。ですから,各委員さんがそれぞれの現場で対応されていますので,そこから導き出される姿というのも,ここで出していただいたらとてもいいと思います。 (委員)  当事者と家族が地域で生活をしていく場合,そのしづらさがかなり変わってきていると思いま。  ドクターが入れ替わることより医療的ケアだけでは対応が難しいことも多くなっているので,「居場所」みたいなものがどんどん増えていかないといけない。それを増やすためにはどうしたらいいのかということを,医療関係だけを当てにするのではなくて,考えていかないといけないと思っています。 (会長)  ありがとうございます。   (委員)  先ほどご指摘があったように,本校でも学校に来にくい状況の子供さんもおいでたりしまして,ご指摘のあったように,発達障害の特性を感じる方が確かに多いかなというふうに同感をいたしながら伺いました。  学校に来ることが難しい子供さんというのは,そもそも義務教育という土俵に乗っかることができてないままに置かれてしまっている子供たちですので,一番しんどい状況に置かれているのはお子さんであるというふうに思います。  それから,例えば,登校はしてくれるけれど集団活動に全くなじめないので完全に別室での対応が要るとか,あるいは教育がマンツーマンでの対応が要るとかいうような方の中には,知的障害の方のための学校ですけど,対応しきれないようなケースも少なからず経験するところがあります。  今の現場からは,そんな感じを持っておりますので居場所という言葉をお使いになりましたけれど,学校でもやはり居場所の確保とか提供というのは大きな課題だなというふうに考えます。  それから,ドクターが入れ替わったというお話について,保護者の間でも「誰々先生がいなくなる」,「じゃあ誰が引き継いでくれるの」っていうのを,もう半年ぐらい前から要望なりも出ておるところでしたので,やはり前々から言われている専門のドクターの需要に対する供給の少なさっていうのは変わらず存在するのかなというのは学校現場としても感じておるところです。 (会長)  ありがとうございます。  確かに発達障害ということに一つポイントを置いて,地域生活や就学や就労という観点でどうなのかっていうことも分析してみるのもいいなと思います。   (委員)  発達障害等の障害に特化しなくても,「地域で生活しづらい人たち」ということ。 (会長)  そうですね。それも一番重要。 (委員)  その人たちに,少なくてもいいので出ていける場所や,ちょっと相談できる場所の情報がしっかりと行き渡るために,「何か知ることができるという所」を作っていくということはとても大切だと思っています。  どのようにしていけばいいのかを考えると,やはり地域を毎日回っている相談支援事業の人たちの,その一つ一つの事例や,ちょっとした困ったこととかいうものを,しっかりと挙げてきてもらうということと,あと,たまたま見付けてきた居場所だとか,「こんな所良かった」とかというのもやはり机上ではなかなか見付けづらかったりするので,そういうものも挙げてきてもらって,そこをどのように発展させていくのかとかいうところも,みんなの中で検討していったら面白いのではないかと思っています。  どんどん動ける人たち,支援できる人たちがとても少なくなっていると思います。その少ない人数で,少しでもいいから豊かに毎日を過ごすことができる場所を知らせていく方法や,機会をどのように作っていくのかというのはやはり日々の積み重ねの中で見付けてきてもらった課題を,それを広げていく方法についても,この場で話し合って広げていけたらいいと思いました。 (会長)  どうもありがとうございます。  発達障害を始めとする地域の孤立している人たち,一人ではなかなか居づらい人たちという観点で,ここで論議もしたいし,その最前線に立つ専門員の皆さんにも支援員の皆さんにも情報をキャッチしてもらって,事例を把握してもらうということ,ブランチもそこに観点を置きながら,自分たちのエリアにはどんな傾向があるのかというようなことを押さえてもらいたいということ。  そういったことを積み重ねてここで話していくという,立体的な関係を作っていけたらいいと思います。なかなか面白い,いいヒントを頂いたと思いますので,また事務局で検討をお願いします。何らかの形で検討するべきであると思います。  一応スケジュールとしては空欄になっている部分も多いですが,そんな意味合いのものをこういうところに入れていきながら,せっかくの会議ですので,ただ聞いて異議有・無ということではなく,中身を深めていくような会にしていきたいと思います。 という方向で,今年度計画立てていただいてよろしいでしょうか。 (異議なし) (会長)  はい,よろしくお願いいたします。  それでは,ほかにないようでしたら,今日はたくさんのいい意見頂きましたので充実した会だったと思っています。  今日は,ちょっと早めに終わるというふうにしたいと思いますので,事務局,マイクお返しします。 4 閉会 (司会)  委員の皆様,本日はありがとうございました。  平成29年度第2回高知市自立支援協議会の開催は,平成29年8月を予定しております。日程調整をさせていただきますので,よろしくお願いします。  以上をもちまして,平成29年度第1回高知市自立支援協議会を閉会いたします。委員の皆様,ありがとうございました。