高 知 市 障 害 者 計 画 ・ 障 害 福 祉 計 画・障 害 児 福 祉 計 画 (平成30〜32年度) 〜げんき・いきいきプラン〜 平成30年1月 高知市 目次 T 序論  1 計画の性格 1ページ  2 計画策定の背景と趣旨 2ページ  3 計画期間 4ページ  4 計画策定への取組 5ページ  5 計画の点検・評価 7ページ  6 高知市障害者計画等推進協議会委員名簿 7ページ  U 本論 第1章 障害のある人の現状   1の1 身体障害者 9ページ  1の2 知的障害者 12ページ  1の3 精神障害者 13ページ  1の4 難病 16ページ 第2章 基本理念 18ページ 第3章 基本方針 19ページ 第4章 計画の推進のために 20ページ  第5章 計画の概要 22ページ  第6章 重点施策の概要 23ページ  第7章 具体的施策  1 保健・医療の充実    1の1 健康的な生活習慣づくり 24ページ    1の2 保健・医療・福祉の連携         ・難病患者への個別支援の充実 26ページ        ・障害のある人と子どもの歯科保健の充実 28ページ        2 生活支援の充実   2の1 新たな相談支援体制の構築 29ページ   2の2 生活支援サービスの充実 31ページ   2の3 精神障害者の地域生活実現のための支援 33ページ   2の4 社会参加・いきがいづくりの促進 35ページ   2の5 権利擁護の推進 37ページ   2の6 施設入所者の生活の質の向上 39ページ  3 多様な雇用と就労の促進   3の1 適性に応じた就労と職場定着の支援 40ページ   3の2 障害者の就労に関する事業所の理解の促進 42ページ  4 療育・保育・教育等における切れ目ない支援体制の充実   4の1 地域連携体制の充実         ・早期発見・早期療育システムの充実 43ページ         ・サポートファイルの効果的な利用推進 45ページ   ・重度の障害のある子ども(医療的ケア児を含む)への支援のための関係機関の協議の場の設置 46ページ    4の2 保育・教育における集団生活のなかでの一人ひとりの発達に応じた支援の充実   ・就学前の支援の充実 47ページ        ・学校教育の支援の充実(特別支援教育の充実)50ページ        ・放課後・長期休暇への支援の充実 54ページ        ・卒業後に向けた支援の強化 56ページ  5 家族支援の充実 59ページ  6 啓発の充実   6の1 障害への正しい理解と偏見・差別の解消 60ページ 6の2 成人の発達障害のある人への理解と支援促進 63ページ    7 生活・社会環境の充実と安心安全のしくみづくり   7の1 住居,交通,まちづくり,情報に関するバリアフリーの推進       ・住居,交通,まちづくり 65ページ      ・情報 68ページ   7の2 災害時の支援体制の構築 70ページ 第8章 障害福祉サービスを円滑に推進するために  1 障害福祉計画・障害児福祉計画    1の1 趣旨 73ページ   1の2 基本理念 74ページ   1の3 計画の基本的な考え方 74ページ   1の4 成果目標・活動指標 75ページ  2 成果目標   2の1 福祉施設入所者の地域生活への移行 77ページ     2の1の1 福祉施設からの地域生活への移行者数 77ページ      2の1の2 施設入所者数 78ページ   2の2 福祉施設から一般就労への移行等 79ページ     2の2の1 一般就労への移行者数 79ページ     2の2の2 就労移行支援事業利用者数 80ページ     2の2の3 就労移行率 81ページ     2の2の4 職場定着率 82ページ   2の3 地域生活支援拠点等の整備 83ページ   2の4 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 83ページ   2の5 障害児支援の提供体制の整備等 83ページ  3 活動指標   3の1 障害福祉サービスの見込量 84ページ     3の1の1 日中活動系 84ページ     3の1の2 居住系 94ページ     3の1の3 訪問系 97ページ   3の2 障害児通所支援の見込量 102ページ   3の3 相談支援の見込量 107ページ   3の4 平成30年度からの新規サービスの見込量 112ページ   3の5 地域生活支援事業     3の5の1 地域生活支援事業について 114ページ     3の5の2 地域生活支援事業の見込量について 118ページ     V 資料    ニーズ調査 123ページ 意見交換会 124ページ T 序論 1ページ 1 計画の性格  高知市障害者計画・障害福祉計画・障害児福祉計画は,高知市総合計画を上位計画とし,高知市高齢者保健福祉計画,高知市子ども・子育て支援事業計画,高知市地域福祉活動推進計画等,関連する保健福祉計画との整合性をもって策定しました。  障害者計画は,障害者基本法(昭和45年法律第84号)第11条第3項に基づき,障害者施策全般の取組方針を示したもので,障害福祉計画は,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。平成17年法律第123号)第88条に基づき,障害福祉サービス等の計画的な基盤整備をはかるために策定したもので,前期までは両者を一体的に定め,高知市障害者計画・障害福祉計画としてきました。  今期の計画におきましては,児童福祉法の一部を改正する法律の施行(平成30年4月1日施行)に伴い,児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条の20に基づき,障害児通所支援及び障害児相談支援等の基盤整備を図るために策定が義務化された障害児福祉計画についても一体的に定めることにしました。   2ページ 2 計画策定の背景と趣旨 (はじめに)  国においてはこれまで,障害者基本法の改正 (平成23年公布・施行),障害者自立支援法の改正 (平成25年度より障害者総合支援法として施行),障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律 (以下「障害者虐待防止法」という。) の制定 (平成23年公布・平成24年施行),障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 (以下「障害者差別解消法」という。)の制定(平成25年公布・平成28年施行),障害者の雇用の促進等に関する法律(以下「障害者雇用促進法」という。)の改正(同),精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」という。) の改正(平成25年公布・平成26年施行)等,障害者施策に関する法律の整備が行われてきました。そして,平成26年1月,障害者の権利及び尊厳の保護・促進の観点から,国際連合の「障害者の権利に関する条約」を締結しました。  その後も,「難病の患者に対する医療等に関する法律」の成立(平成26年公布・平成27年施行),「成年後見制度の利用の促進に関する法律」の成立(平成28年公布・施行),「発達障害者支援法」の改正(同),障害者総合支援法及び児童福祉法の改正(平成28年公布・平成30年4月施行)等,様々な制度改革が行われ,近年,障害者施策を取り巻く状況は大きく変わってきています。特に平成30年4月施行の障害者総合支援法の改正においては, 障害のある人が自らの望む地域生活を営むことができるよう, 「生活」と「就労」に対する支援の一層の充実や, 高齢障害者による介護保険サービスの円滑な利用を促進するための見直し等が盛り込まれています。また, 障害のある子どもへの支援について,ニーズの多様化にきめ細かく対応するため,支援の拡充を図るほか, サービスの質の確保・向上を図るための環境整備等を行うことも趣旨として明記されています。  また,平成28年7月には,厚生労働大臣を本部長とする「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部を設置し,更には「地域力強化検討会」の設置(同年10月)を経て,平成29年9月には地域力強化検討会の最終とりまとめにおいて,2020年代初頭の障害者,高齢者,児童等の全世代,全対象の「地域共生社会」の全面展開を目指す方向性が示されました。その中では,従来の制度,分野ごとの「縦割り」の福祉施策では解決できない課題が増えてきたことにより,「支え手」「受け手」という一方向の関係から,住民ひとりひとりが「我が事」として地域に参画し,世代や分野を超えて「丸ごと」つながる関係へと見直しが図られています。  今後,「地域共生社会」の実現に向け,地域住民が主体的に地域づくりに取り組むための仕組み作りや,専門的な支援を要する者に対して,各関連分野が共通の理解に基づき協働する,包括的かつ総合的な支援体制の構築に向けた取組が求められています。 (国・高知県の障害者施策に関する計画)  国は,平成24年に「第3次障害者基本計画(平成25〜29年度)」を策定し,障害の有無にかかわらず,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現をめざし,各分野の施策に共通する横断的視点として,@障害者の自己決定の尊重及び意思決定の支援,A当事者本位の総合的な支援,B障害特性等に配慮した支援,Cアクセシビリティ※1の向上,D総合的かつ計画的な取組の推進を掲げています。  また,障害福祉計画について,第1期(平成18〜20年度),第2期(平成21〜23年度),第3期(平成24〜26年度),第4期障害福祉計画(平成27〜29年度)に続き,第5期(平成30〜32年度)を位置づけ,主なポイントとして,@地域における生活の維持及び継続の推進,A精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築,B就労定着に向けた支援,C障害児のサービス提供体制の計画的な構築,D地域共生社会の実現に向けた取組,E発達障害者支援の一層の充実を挙げています。  高知県は,前計画(平成15〜24年度)を経て,高知県障害者計画(平成25〜34年度)を策定し,基本理念としてノーマライゼーション※2を掲げ,施策の基本的方向として,@ともに支え合う地域づくり,A安心して暮らせる地域づくり,Bいきいきと暮らせる地域づくり,C南海地震等の災害への備えを挙げています。  また,障害福祉計画について,第1期(平成18〜20年度),第2期(平成21〜23年度),第3期(平成24〜26年度)を経て,第4期高知県障害福祉計画(平成27〜29年度)を策定し,方向性として,@「共生社会」の実現,A「高知型福祉」の実現を挙げています。 (本計画の趣旨)  本市では,平成5年度に最初の高知市障害者計画を策定して以降,数回の改定を経ながら障害者施策の充実に努めてきました。また,平成18年度には,障害者自立支援法に基づく高知市障害福祉サービス計画を策定し,福祉サービスの計画的な基盤整備の実施に取り組んできました。平成21年度から,高知市障害者計画・障害福祉計画として両者を一体的に定め,平成24年度,平成27年度の改定を経てきました。更に平成30年度からの児童福祉法に基づく高知市障害児福祉計画も一体的に定め,本計画に至っています。  本計画は,前述のように大きく変わる障害者施策を取り巻く状況や,本市の障害のある人を取り巻く現状を踏まえたうえで,障害のある人の自立や社会参加をはじめとする総合的な支援の充実を図るために策定し,新たな施策を推進していくものです。なかでも,生活支援や就労支援,障害児支援等について,重点的に取り組むこととします。 4ページ 3 計画期間    障害者計画,障害福祉計画,障害児福祉計画とも平成30年度を初年度とし平成32年度を目標とする3か年計画とします。     5ページ 4計画策定への取組    計画策定の事務局体制として,関係各課職員で構成する合同事務局を健康福祉総務課に設置しました。  計画策定にあたり,本市の障害のある人や子どもの生活実態及びサービスニーズを把握するため,ニーズ調査及び意見交換会を各分野で実施しました。また,本市設置の自立支援協議会及び就労検討会,相談支援検討会においても課題検討を実施しました。  なお,施設や特別支援学校※3に対しては,高知県との役割分担の中で,高知県がニーズ調査を実施しました。  これらの意見や調査結果は,市民公募委員3名を含む,団体代表,医療・福祉関係者,学識経験者等合計16名の委員からなる高知市障害者計画等推進協議会に報告し,検討され,計画に反映しました。特に平成28年度からは,障害者計画等推進協議会公募委員として障害当事者公募委員枠を設定し,障害当事者の公募委員としての意見反映の機会を,より確固たるものとしました。  また,課題の認識や今後の具体的取組を全庁的なものとするために,健康福祉部,こども未来部だけではなく,教育委員会等の関係部局も必要に応じて参加し,現行施策についての報告・課題の分析を行いました。   ※1 アクセシビリティ 施設・設備,サービス,情報,制度等の利用しやすさ ※2 ノーマライゼーション  障害のある人が,地域社会の中で障害のない人と同じように社会の一員として生活を営み,行動できる社会づくりをめざすという考え方   ※3 特別支援学校  障害の重複化や多様化をふまえ,以前の「盲・聾・養護学校」を改めさまざまなニーズに柔軟に対応できるよう制度化された,障害種別にとらわれず設置することができる学校。あわせて,地域の特別支援教育のセンター的機能を担うことが求められている。 6ページ <計画検討の流れ>  計画は次のとおり検討審議されました。 開催日  会の種類  主な内容  平成29年3月24日 意見交換会【障害児分野@】 【対象】発育や発達に遅れや不安のある未就園児の保護者対象 平成29年3月29日 意見交換会【精神障害分野@】 【対象】精神障害者の家族対象 平成29年4月26日 意見交換会【精神障害分野A】 【対象】精神障害当事者対象 平成29年6月1日 意見交換会【精神障害分野B】 【対象】精神障害者の支援者対象 平成29年6月6日  平成29年度第1回障害者計画等推進協議会 ・高知市障害者計画・障害福祉計画(平成27〜29年度)の取組状況(施策の実績と課題等) ・第5期障害福祉計画に係る基本指針について ・次期計画の方向性 平成29年7月16日 意見交換会【障害児分野A】 【対象】重症心身障害児の保護者対象 平成29年9月1日 第2回障害者計画等推進協議会 ・調査及び意見交換会の結果 ・次期計画概要(案) 平成29年12月1日 第3回障害者計画等推進協議会 ・高知市障害者計画(平成30〜32年度)素案 平成30年1月10日 第4回障害者計画等推進協議会 ・高知市障害福祉計画・障害児福祉計画(平成30〜32年)素案 平成30年1月22日から2月13日パブリックコメント 平成30年2月28日 第5回障害者計画等推進協議会 ・高知市障害者計画・障害福祉計画・障害児福祉計画(平成30〜32年度)原案 7ページ 5 計画の点検・評価    計画策定後は,高知市障害者計画等推進協議会で,定期的に計画の評価,進行管理を行います。協議会の議事録や資料は本市のホームページで市民に公開し,その意見も反映していきます。 6 高知市障害者計画等推進協議会委員名簿 (任期:平成28年4月1日〜平成31年3月31日)会長,副会長以下五十音順 氏名 所属・役職等 協議会役職 1 鈴木 孝典 高知県立大学 社会福祉学部 准教授 会長 2 中屋 圭二 NPO法人高知市身体障害者連合会 会長 副会長 3 小嶋 友乃 公募委員 4 川村 郁子 高知県立療育福祉センター 発達支援部 部長 5 澁谷 文香 NPO法人ブルースター 就労サポートセンターかみまち 所長 6 下田 和正 公募委員 7 曽根 美智子 (社福)高知市社会福祉協議会 共に生きる課 障害者相談支援担当主監 8 橋 博規 公募委員 9 竹岡 京子 高知市手をつなぐ育成会 副会長 10 竹島 和賀子 NPO法人高知県難病団体連絡協議会 理事長 11 久武 稔幸 (社福)ファミーユ高知 高知ハビリテーリングセンター 主任 12 松尾 美絵 高知市精神障害者家族会連合会 会長 13 松本 郁夫 (社福)太陽福祉会 高知障害者就業・生活支援センターシャイン 所長 14 矢野川祥典 高知大学教育学部附属特別支援学校 進路指導主事 15 山本 博之 (社福)昭和会 福祉牧場おおなろ園施設長 16 横田 彰 高知市民生委員児童委員協議会連合会 五台山地区民生委員児童委員協議会 会長 U 本論     第1章 障害のある人の現状                   第2章 基本理念                          第3章 基本方針     第4章 計画の推進のために     第5章 計画の概要     第6章 重点施策の概要     第7章 具体的施策     第8章 障害福祉サービスを円滑に推進するために 9ページ 障害のある人の現状 1の1 身体障害者 (1) 身体障害者手帳所持者数の推移    身体障害者手帳所持者数は,年々増加傾向にありましたが,平成29年度においては若干の減少に転じています。  平成20年から29年までの間に,年齢別(3区分)では65歳未満が減少しているのに対して,65歳以上は9年間で18%増加しています。  本市全体では65歳以上が過去9年間で25%増加(平成20年:75,028人⇒平成29年:94,032人)しており,身体障害のある人も高齢化が進んでいるといえます。 (各年3月末時点) 10ページ (2)障害種別の推移  身体障害者手帳所持者数を障害種別ごとに見ていくと,特に内部障害※4の伸びが最も大きく(平成20年から29年までの間に27%増),次いで聴覚・平衡機能障害※5が伸びています(同4%)。   (各年3月末時点)   ※4 内部障害  心臓・腎臓・呼吸器・膀胱または直腸・小腸の機能障害で,永続し,日常生活が著しい制限を受ける程度と認められる障害をいう。 ※5 聴覚・平衡機能障害  聴覚機能や体を正常な位置に保つ機能の障害をいう。  聴覚障害については両耳の聴力がそれぞれ70dB以上の者(40cm以上の距離で発声された会話が理解できない。),一方の耳の聴力が90dB以上で他方の耳の聴力が50dB以上の者,平衡機能については著しい障害のある人をいう。 11ページ (3)等級別の推移  身体障害者手帳所持者数を等級別に見ていくと,平成20年から29年までの間に,1級は3%増,3級は6%増,4級は25%増,6級は4%増となっており,全体的に4級の比率が高まっています。 (各年3月末時点)   12ページ 1の2 知的障害者 (1) 療育手帳※6所持者数の推移    療育手帳所持者数の推移は,年々増加傾向にあります。  平成20年から29年までの間に,障害程度別・年齢別(4区分)では,中度・軽度については18歳未満が46%増加,18歳以上で44%増加しています。また,最重度・重度については,18歳未満が2%減少しているのに対して,18歳以上は16%増加しています。 (各年3月末時点) ※療育手帳の障害程度がA1及びA2を最重度・重度,B1及びB2を中度・軽度とした。   ※6 療育手帳  知的障害のある人が,各種の福祉サービスを受けやすくするために必要な手帳で,高知県立療育福祉センターにおいて,知的障害者であると判断された人に対して交付される手帳をいう。 13ページ 1の3 精神障害者 (1)精神障害者保健福祉手帳所持者数及び自立支援医療(精神通院)受給者数の推移  精神障害者保健福祉手帳所持者数,自立支援医療(精神通院)受給者数とも増加しています。    (各年3月末時点,高知県提供)  ※平成20年は年齢別データ無し。 14ページ (2)自立支援医療(精神通院)受給者の疾病別状況   自立支援医療(精神通院)受給者の疾病別状況を見ると,統合失調症圏※7が最も多く,次いで躁うつ病圏となっています。  (各年3月末時点,高知県提供) ※7 統合失調症圏  統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害等 15ページ (3)精神科病床数と入院者数の推移  精神科病床数と入院者数の推移は,病床数・入院者数とも減少傾向にあります。   (各年3月末時点,高知県提供) 16ページ 1の4 難病※8 (1)特定医療費※9受給者の疾患群の状況  特定医療費受給者の疾患群の状況をみると,神経・筋疾患が最も多く,次いで消化器系疾患,免疫系疾患となっています。 平成29年3月末(306疾病) ※8 難病  発病の機構が明らかでなく,かつ,治療方法が確立していない希少な疾病であって,当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることになるもの。 ※9 特定医療費  支給認定を受けた指定難病の患者が,支給認定の有効期間内において,特定医療を受けたときに,当該支給認定を受けた指定難病の患者又はその保護者に対し,当該指定特定医療に要した費用について支給されるもの。指定難病とは,難病のうち,当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達せずかつ,当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること等の要件を満たすものであって,当該難病の患者の置かれている状況からみて当該難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして,厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見をきいて指定するもの。 18ページ 第2章 基本理念  障害の有無にかかわらず,市民一人ひとりが互いに支え合い,いきいきと輝いて暮らせるまちづくりのために,お互いに理解し,人格と個性を尊重し合いながら,住み慣れた地域で安心して暮らせる共生社会の実現をめざします。  その社会の中で,障害のある人が自己の能力を最大限に発揮し,夢や希望を実現するための支援体制の構築をめざします。   ※10 ライフステージ 誕生から死に至るまでの人の人生には,発達や社会生活の側面において,さまざまな段階が存在し,その段階ごとに特徴が現れる。この人生における各々の特徴を持った段階をいう。 19ページ 第3章 基本方針 ● 全ての人が共生できる地域社会の実現のために  共生社会の実現のためには,障害のある人が生活や活動について自分で選び,決定することができ,地域の一員として包容(インクルージョン※11)される社会づくりが重要です。  そのために,自立した生活をめざした支援やサービスの充実を図っていくとともに,社会にある障害を理由とした差別や偏見をなくし,ソフト,ハードの両面にわたるバリアフリー※12を推進していきます。 ● ライフステージに沿った夢や希望の実現のために  障害のある人が夢や希望を実現していくためには,その人の可能性や能力を高めることが重要です。  そのためには,その人のライフステージに沿った切れ目ない支援体制や障害の特性や状態,個々のニーズに応じた支援体制の構築とともに,家族への支援も必要です。これらについて,保健・医療・福祉の連携や市民と行政の協働によって充実を図っていきます。 ※11 インクルージョン  地域社会において,全ての人が孤立したり排除されたりしないよう援護し,社会の構成員として包み支え合うことを表す。 ※12 バリアフリー  高齢者や障害のある人等の行動を妨げている障壁を取り除いた建築設計。また,高齢者や障害のある人等が社会的,心理的に被っている偏見や差別意識を取り除く心のバリアフリーも含まれる。   20ページ 第4章 計画の推進のために    「障害の有無にかかわらず,市民一人ひとりが互いに支え合い,いきいきと輝いて暮らせるまちづくり」を実現するためには,市民,地域,企業,医療・福祉関係機関,障害者団体,NPO,行政がそれぞれの立場で互いに協力し合うことが必要です。そのためには,以下のような役割が求められます。 ◎高知市の役割    ・国や高知県との連携            ・サービス基盤の整備            ・バリアフリーの推進            ・市民・企業・関係機関への支援,協働            ・人材の育成            ・実態・ニーズの把握            ・地域の資源の把握とネットワーク化 ◎市民の役割     ・お互いの人格や個性の尊重,支え合い            ・計画推進のための主体的な取組への参加 ◎障害のある市民の役割             ・障害者計画推進の主役としてのかかわり            ・障害ごとの特性や障害があっても,工夫によりいきがいを持ち,生活できること等についての情報発信による啓発            ・主体的な生活を送るための自己選択・自己決定                    ◎地域の役割     ・住民同士の見守りや声かけといった支え合い活動            ・民生委員や町内会,各種組織やサークル等の活動 ◎企業の役割     ・障害のある人の雇用に向けての取組            ・障害のある人が働きやすい環境の整備            ・障害のある人が利用しやすい環境の整備 ◎関係機関(指定事業所,医療機関等)の役割            ・専門的なサービスの担い手            ・情報提供・相談支援            ・人材の育成            ・地域の資源の把握とネットワーク化 ◎障害者団体の役割  ・意見の集約            ・障害当事者の活動の支援            ・バリアフリーの普及啓発 ◎NPO※13     ・ボランティア団体の役割            ・障害のある人のニーズと必要な情報や人とをつなぐ,自発的な社会貢献活動            ・市民・行政・企業等の地域の横の連携 ※13 NPO  Nonprofit Organizationの略であり,具体的には,医療・福祉,環境,文化・芸能,スポーツ,まちづくり,国際協力・交流,人権・平和,教育,女性等あらゆる分野の民間非営利組織で,法人格の有無や種類は問わない。   22ページ 第5章 計画の概要 23ページ 第6章 重点施策の概要 24ページ 第7章 具体的施策 1 保健・医療の充実 〜健やかで活力ある生活を送るために〜 1の1 健康的な生活習慣づくり  現状と課題   脳卒中後遺症,視覚障害,腎機能障害等の中途障害を予防するために,本市では,平成25年度から健康づくり計画の一環として,生活習慣病対策を行ってきました。具体的には健診から始まる健康づくりとして,健診受診勧奨や健診結果に基づく保健指導の実施,平成28年度からは「いきいき健康チャレンジ事業※14」を開始し,市民の生活習慣の改善や健康づくりを応援する取組を行っています。  これらの取組は,中途障害の予防だけでなく,障害のある人の生活習慣病予防や健康づくりにも重要な取組といえます。今後も,健診結果を健康づくりに活用するという意識を高め,市民自ら生活習慣病の発症や重症化を予防することができる取組を進めていく必要があります。  また,これまで障害者団体等からの依頼を受けて健康講座も実施してきました。しかし,すべての障害のある人に健康づくり情報が届き,健康的な生活習慣づくりができるための取組は十分とは言えない現状があります。今後は障害のある人に関わる関係機関の支援者が精神・身体両面からの健康管理についてさらに理解を深めることができるような啓発等を行うことで,障害のある人の健康の保持増進に向けた支援を充実していく必要があります。   今後の方向性 〇 健診から始まる健康づくりの推進     健診の受診率向上を図るとともに,市民が健診結果を健康づくりや生活習慣病の発症や重症化予防に活用できるように,医療保険者等関係機関との協働による啓発や医療機関と連携した保健指導の取組を行っていきます。 〇 健康づくり活動の推進     障害の有無にかかわらず,生活習慣病の改善の必要性に気づき行動を起こすことができる環境づくりを目指し,いきいき健康チャレンジ事業等,関係機関と協働による取組を進めていきます。 〇 関係機関の支援者への啓発や情報提供   依頼に応じて実施する健康講座を継続するとともに,関係機関の支援者を対象として精神・身体両面の健康管理や健康的な生活習慣づくりについて啓発や情報提供を行う機会をつくることで、障害のある人の健康の保持増進への支援を充実していきます。    25ページ 事業等  ・国保特定健康診査(保険医療課) ・各種健康診査(健康増進課) ・保健指導・健康講座(健康増進課) ・いきいき健康チャレンジ(健康増進課) ・関係機関への研修等(障がい福祉課・健康増進課) ※14 いきいき健康チャレンジ事業: 「チャレンジ目標(@体重測定A血圧測定B8,000歩歩くC連続週2日休肝日をつくるD禁煙の中から)を1つ決め,3か月実践し記録する」という高知市保健所が取り組んでいる健康づくり事業。 26ページ 1の2 保健・医療・福祉の連携  【難病患者への個別支援の充実】       現状と課題   「難病の患者に対する医療等に関する法律」が,平成27年1月に施行され,110疾病が特定医療費助成(指定難病)の対象となり,平成29年4月には330疾病まで拡大されました。  本市では,法施行前から,医療費助成の新規申請で来所した患者及びその家族に,保健師が面接し,療養相談を実施してきました。平成27年6月からは,新たに難病相談支援員を配置し,来所申請をする人全員に面接できる体制を整えました。面接後,継続的な対応が必要な場合には,保健師等が訪問して個別支援をしています。また,専門医(神経難病)による難病相談や学習会を実施することで,難病患者や家族だけでなく,支援者についても在宅生活に必要な医学的助言を受けられるよう取り組んでいます。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者,ご家族の交流会も年1回開催しています。  一方,小児慢性特定疾病児童等への支援については,平成27年度から,小児慢性特定疾病児童等自立支援事業をNPO法人高知県難病団体連絡協議会に委託し,ピアカウンセリングや交流会も交えながら相談に応じています。  いずれの支援においても,医療機関や平成27年4月に県が開設した「こうち難病相談支援センター」等の関係機関とも連携をとって対応しています。  平成29年度には,保健所に「難病対策地域協議会」を設置し,難病の患者を支える保健,医療,福祉,就労等の様々な関係機関と協議を行っています。   今後の方向性 ○ 相談窓口の周知と個別支援の充実  特定医療費受給者の相談窓口として,保健所をさらに周知していきます。小児慢性特定疾病についてもより相談しやすい環境を整備していきます。個別支援にあたっては,保健,医療,福祉,就労等多岐に渡る個別の課題に対応できるよう,理学療法士等の専門職や他の機関と連携をとることで充実していきます。 27ページ 事業等  ・難病患者の療養相談,支援(健康増進課) ・小児慢性特定疾病児童等自立支援事業(子育て給付課)  28ページ 【障害のある人と子どもの歯科保健の充実】 現状と課題   障害のある人と子どもの歯科保健の推進のためには,本人や家族,関係者の歯科保健に関する意識の向上が必要です。  本市では,口腔保健支援センターが,関係各課や関係機関と連携して,乳幼児期からの口腔衛生習慣の確立や予防的意識の向上のための啓発や支援を行っています。  また, 人材育成の取組として,口腔保健支援センターから市歯科医師会へ委託して,地域の歯科医療機関の歯科専門職を対象とした実習中心の研修を実施し,平成26〜28年度に延べ43歯科医療機関に従事する歯科医師,歯科衛生士が研修を修了しています。 今後の方向性 ○ 口腔保健支援センターにおける支援体制の充実    高知市口腔保健支援センターでは,障害のある子どもの乳幼児期からの歯科保健に関する支援を関係各課や関係機関を通じて働きかけを行うとともに,障害のある人や子どもが専門歯科医療機関のみでなく,身近な地域の歯科医療機関にも歯科受診できるよう,今後も市歯科医師会等の取組と連携していきます。 事業等  ・口腔保健支援センター(健康増進課) 29ページ 2 生活支援の充実  〜住み慣れた地域で人とのつながりを大切にして暮らせるために〜 2の1 新たな相談支援体制の構築 重点施策 現状と課題   相談支援体制の中核となる基幹相談支援センターについては,自立支援協議会で協議を重ね,基幹相談支援センターの役割,機能の検討を行った結果,平成31(2019)年度に設置する方向で準備を進めています。  また,平成27年度から必須化されたサービス等利用計画・障害児支援利用計画の作成については,平成29年3月末時点での本市における計画作成の状況は,障害者85%,障害児100%になり,平成30年3月末までには,計画作成率100%を達成できる見込みです。  平成27年度からは,障害者相談支援事業として,市内東西南北4か所に障害者相談センターを設置しています。身近な相談窓口として,徐々に相談件数も増えてきていますが,平成29年度に実施した「高知市障害等のある人の支援に関する調査」からは,「相談先がない」と回答した人が17%,「障害福祉サービスを知らない」という理由でサービスを利用していない人が21%いることが分かり,相談先,福祉サービス制度の周知については今後も引き続き取り組んでいく必要があります。  全ての障害のある人や子どもへのサービス等利用計画・障害児支援利用計画の作成体制が一定整ってきましたので,今後は障害のある人や子どもの多様なニーズ,生活状況に沿った支援を実践できる人材を育成し,質の向上を図ることが必要です。また,重複障害者への支援,高齢障害者への支援,世帯で複数の課題を抱えた障害者への支援,障害特性に対応した医療機関の受け入れ体制等,障害福祉サービスだけでは解決が困難な状況も増加しています。複合化,複雑化した課題に的確に対応するために,多機関の協働による包括的相談支援体制の構築が必要です。 30ページ 今後の方向性 ○ 基幹相談支援センターの設置  相談支援体制の中核となる基幹相談支援センターを平成31(2019)年度に設置する予定です。基幹相談支援センターでは,地域の相談支援体制の強化(人材育成・困難ケース支援),地域ネットワークの構築,自立支援協議会・各検討会の運営(地域課題に即した検討会の設置)について重点的に取り組みます。 ○ 相談窓口の周知  様々な機会,機関を通じて,相談支援体制,福祉サービス制度について,障害のある人や子ども,関係者に対して周知していきます。 ○ 質の高いケアマネジメントが提供できる人材の育成  高知県実施の相談支援従事者研修と連携しながら,本市においては平成31(2019)年度に設置予定の基幹相談支援センターを中心に,自立支援協議会,相談支援検討会等と連携を図りながら,定期的な研修を開催し,広い知識と専門性を持つ人材を育成していきます。 事業等  ・基幹相談支援センター(障がい福祉課) ・障害者相談センター(委託相談支援事業)(障がい福祉課) ・自立支援協議会,相談支援検討会(障がい福祉課) ・難病患者の療養相談,支援(健康増進課) ・精神保健福祉相談(健康増進課) 31ページ 2の2 生活支援サービスの充実 重点施策 現状と課題  平成18年の障害者自立支援法,平成25年の障害者総合支援法施行以後,障害のある人や子どもに対する生活支援サービスは,制度改正を重ね,拡充・強化がされてきました。現在では,身体障害・知的障害・精神障害に加え,高次脳機能障害,発達障害,難病等に対象者が拡大され,サービスの利用者及び指定事業所数は増加傾向にあります。特に障害児を対象とする放課後等デイサービスは,市内の事業所が急増し,供給体制が整備されてきました。  しかし一方で,以前からの課題である医療的ケアが必要な人や重度障害のある人に対する短期入所や日中活動サービスの供給体制は十分ではありません。また,障害特性に応じた一人ひとりのニーズに対応するためには,今以上に事業所の質の向上や連携体制等,充実が求められています。  平成29年度に実施した「高知市障害等のある人の支援に関する調査」では,「在宅サービス」「グループホーム・入所施設」「職業訓練・就労支援」等の充実を求める意見が多く寄せられました。また,平成27年度以降,自立支援協議会においては,地域生活支援拠点の整備や事例に関する検討を重ね,家族の介護負担軽減に有効な「短期入所」の整備を重点的な項目に掲げました。新規に2事業所が指定を受けるなど,成果もある一方,さらなる質の向上と量の充実が必要です。  障害の重度化・高齢化・多様化等に加え,世帯の中で課題が複合・複雑化し,単一機関で支援することが困難な事例や,制度の狭間にある事例が増加しています。国においては,これからの福祉施策の方向性として,「我が事・丸ごと」の地域共生社会の実現に向けた関係法令の改正が行われており,2020年代初頭には全面展開を目指しています。本市においても包括的な支援体制の整備に向けた連携体制の協議を行っていく必要があります。   32ページ 今後の方向性 ○ ニーズに応じた地域生活の支援体制の整備  相談支援専門員をはじめとする関係機関と,個別支援会議を通じて解決が難しい地域課題を把握し,自立支援協議会の場で本市に求められる支援体制や地域生活支援拠点等の基盤整備について協議していきます。また,各法人に情報提供等を行い,サービス提供体制確保に向けた働きかけを行っていきます。  他機関が開催する既存の協議の場へ参加を行い,平成31(2019)年度に設置予定の基幹相談支援センターや自立支援協議会を中心に,人材育成やサービスの質の向上,関係機関のネットワーク構築の推進に取り組んでいきます。 事業等  ・介護給付(障がい福祉課) ・訓練等給付(障がい福祉課) ・障害児通所給付(障がい福祉課) ・地域生活支援事業(障がい福祉課) ・自立支援協議会(障がい福祉課) ・基幹相談支援センター(障がい福祉課) 33ページ 2の3 精神障害者の地域生活実現のための支援  現状と課題   国では,平成16年9月に策定した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において「入院医療中心から地域生活中心へ」というスローガンを掲げ,受入条件が整えば退院が可能な精神障害者約7万人について地域生活へ移行することをめざして,様々な施策を行ってきました。平成24年には,地域移行支援・地域定着支援の個別給付が市町村業務として位置づけられ,平成26年の精神保健福祉法改正では,精神科病院に退院後生活環境相談員の配置が義務づけられました。しかし,この間,本市では地域移行支援・地域定着支援の個別給付実績はほとんどなく,国の掲げた目標は達成されませんでした。これらの経過を踏まえ,第5期障害福祉計画策定にあたっては,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」という国の基本方針が示され,誰もが安心して自分らしく暮らすことのできるシステムづくりが必要となっています。  一方,本市においては,平成27年度から「精神障害者の退院に向けた支援」の取組を開始しており,通院治療が可能だが入院を継続している精神障害者が,退院して地域で生活を送るためにはどのような支援が必要かを,関係者(精神科病院,相談支援事業所,行政関係者等)で協議する場として,「高知市精神障害者地域移行支援者会議」を設置しました。  その中で,地域移行を促進するためには精神障害当事者のピアサポーターとの協働が重要であることを学び,本市でもピアサポーターを養成し,26名の「高知市ピアサポーター」が誕生して,平成28年度から活動を始めています。一方,地域移行支援・地域定着支援の個別給付を増やすために,平成29年度から高知市精神障害者地域移行促進事業を開始し,一般相談支援事業所1か所に,地域移行専任の相談員を配置しました。これらの体制整備によって,地域移行支援・地域定着支援の個別給付数が徐々に増えつつあります。  しかし,平成29年6月30日時点の入院者から推計した地域移行に伴う基盤整備量(条件が整えば地域生活へ移行できると考えられる精神障害者の数)が本市では139〜190人であり,今後ますます当事者,家族,精神科病院,福祉関係者,行政関係者等で連携した取組を進めることが必要といえます。  さらに,地域生活への移行後も地域定着のための支援を行い,一人ひとりのその人らしい生活を実現していくことが重要であり,そういった取組を関係者とともに進めることが,誰もが地域であたりまえに暮らすことのできる地域包括ケアシステム構築につながるものと考えます。   34ページ 今後の方向性 ○ 高知市精神障害者地域移行代表者会議の設置  保健・医療・福祉の関係機関等の代表者による協議の場を新たに設置し,地域移行の目標設定をして取組みを促進します。 ○ 高知市精神障害者地域移行戦略会議の開催  精神科病院から退院可能である者を対象として,精神科病院,保健所,相談支援事業所等で,具体的な支援方針等を検討する場を設置し,実務者レベルで個別支援の内容や退院のための課題を検討します。  ○ 高知市精神障害者地域移行支援者会議(地域いこうかい)の継続  当事者,家族や多くの保健・医療・福祉関係者が,地域移行の現状や先進的な取組を学ぶ機会とし,あわせて本市における課題の共有や検討を行います。 事業等   ・精神保健福祉相談(健康増進課)  ・精神障害者地域移行促進事業(健康増進課)  ・地域移行支援・地域定着支援(障がい福祉課)  ・高知市ピアサポーター育成・養成(健康増進課) 35ページ 2の4 社会参加・いきがいづくりの促進 現状と課題  本市では,障害のある人が様々なかたちで社会参加ができ,地域で役割を持ち,支え合いながら,自分らしく活躍できるような地域社会を目指しています。  そこで,外出に支援を要する人にも社会生活上必要な外出や余暇活動のための外出等,社会参加を促進することを目的として移動支援事業を実施しています。ただ,身体障害(上肢・下肢ともに障害がある),知的障害,精神障害,高次脳機能障害,難病,発達障害を対象とする移動支援事業の利用者数は増加しているため,事業所の調整が困難な場合や,突発的な利用には対応ができない等の課題があります。  視覚障害者を対象とする同行援護については,平成30年3月末までの経過措置である従業者資格要件について,従業者の資格取得に向けた事業所説明会を行い,専門性の向上,事業所の確保に取り組んできました。  また,視覚障害者生活訓練においては,福祉機器の操作や活用方法の支援,自宅からバス停,自宅から避難所までといった個々のニーズに応じた歩行訓練の依頼等がありますので,引き続き視覚的情報の支援,ニーズに応じた訓練を実施していきます。  一方,社会参加促進事業では,文化的な素養を高めることや学習,人と交流する機会づくり等を目的として,IT講習や自動車運転準備講座など,さまざまな社会参加やいきがいに通じる講座の開催,地域活動支援センターでは,創作活動や生産活動,利用者が自由に集い交流することができるサロン活動等を行っています。  障害者スポーツに関しては,高知市障害者スポーツ教室によるカヌー体験や高知県立障害者スポーツセンターで開催されている各種スポーツ教室への参加等,スポーツ施設の利用は障害種別に関わらず広がってきています。 36ページ 今後の方向性 ○ 日中活動の充実に向けた支援の強化  各種サービスや各種助成等により外出の促進を図ります。また,障害のある人が希望に応じたスポーツや文化活動に参加することで自己実現やいきがいづくりにつながるよう参加しやすい環境づくりに努めます。 平成30年7月に開設予定の「オーテピア高知 声と点字の図書館」は,視覚障害,高齢,病気,その他の障害等で活字図書の利用が困難な人のために,点字図書や録音図書等,障害のある人が読める媒体に変換した図書の提供や対面音訳サービス等,読書や情報へのアクセスに障害のある人の読書・情報環境の充実を図り,生涯学習や社会参加の促進など,いきがいづくりに取り組みます。 ○ 地域福祉の視点にたった地域交流,いきがいの場づくり  平成31(2019)年度設置予定の基幹相談支援センターや自立支援協議会を中心に,関係機関や地域と一緒に包括的な支援体制の整備に取り組みます。   事業等 ・移動支援事業,社会参加促進事業,地域活動支援センター事業(障がい福祉課) ・障害者スポーツ教室の開催(スポーツ振興課・高知県障害者スポーツセンターとの共催) ・スポーツ施設整備事業,スポーツ施設使用料の減免(スポーツ振興課) ・点字図書,録音図書等の製作・貸出,視覚障害者等への読書・情報支援,点訳・音訳ボランティア等の養成(点字図書館) 37ページ 2の5  権利擁護の推進 現状と課題  高知市障害者虐待防止センターへの相談件数は,平成27年度16件,平成28年度29件となっています。相談内容は,緊急性のあるものから,養護者への支援を継続していく必要性のあるものまで多岐に渡ります。養護者による障害者虐待に関する相談では,養護者の介護疲れによるものも多く,福祉サービスの調整等で,養護者の介護負担を軽減するような支援が必要です。障害者福祉施設従事者等による障害者虐待に関する相談においては,多くの場合が,施設・事業所職員の専門性,スキルの向上や組織としての体制整備が求められる結果となっています。  本市においては,早期発見,通報できる力を身につけるため,相談支援専門員や障害者福祉施設従事者等を対象とした障害者虐待防止についての研修を行うとともに,意思決定に困難を抱える人への意思決定支援に係る,知識・技術の向上を促進する取組を今後も継続していく必要があります。  障害等によって判断能力が不十分な状態で発生する様々な課題や権利侵害を未然に防ぎ,また,親の高齢化や親亡き後の社会的自立を支援するなど,意思決定の支援を行う「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」があります。「高知市社会福祉協議会成年後見サポートセンター」等により,意思決定支援に係る制度は,徐々に周知されつつありますが,親の高齢化も伴い,今後も利用の増加が見込まれます。   38ページ 今後の方向性 ○ 障害者虐待の防止  障害者の虐待防止については,引き続き当事者,関係機関への周知を継続していきます。また,県内施設等における緊急時の受け入れ体制の整備については関係機関とも協議しながら整備していきます。  支援者が,日頃より虐待があるかもしれないと意識することや通報義務があること,一人で判断せずにチームや仲間に相談できる体制づくりが必要であるため,個別支援を通じて,相談支援専門員が虐待を早期に発見する力や関係機関とのネットワーク作りを支援します。そして,施設,事業所に対しては,引き続き実地指導等により虐待防止について,研修の実施状況と知識の確認に努めていきます。  また,事実確認を行う虐待防止センターの職員の調査技術の強化が必要であるため,高知県高齢者・障害者権利擁護センターとの連携を行っていきます。 ○ 権利擁護の普及推進  成年後見制度の利用促進については,家族や関係機関への周知啓発を進めるとともに,親族の申立てが困難な場合等は市長申立てを行います。また,日常生活自立支援事業についても,成年後見サポートセンターや関係機関と連携しながら,周知・啓発を行います。   事業等 ・障害者虐待防止センター(障がい福祉課) ・指定障害福祉サービス事業者等に係る実地指導(指導監査課) ・成年後見制度利用支援事業(障がい福祉課・健康増進課) ・高知市成年後見サポートセンター(高知市社会福祉協議会) ・日常生活自立支援事業(高知市社会福祉協議会) 39ページ 2の6 施設入所者の生活の質の向上 現状と課題  平成27年度以降,施設入所者のサービス利用時や更新時においても,指定特定相談支援事業所によるサービス等利用計画の作成が義務化され,相談支援専門員が本人や家族の意向を反映したプランの作成とサービス担当者会議の開催,定期的なモニタリングを行うようになり,施設職員と連携が深まり,入所者のよりよい生活を目指した連携が図られるようになりました。  施設においては入所者の個別支援計画の作成や日々の支援を実践し,施設内には苦情受付の窓口を設けるとともに,苦情解決委員会や虐待防止委員会等の各委員会を設置し取組を進めています。本市においても,入所手続き時や障害支援区分認定調査などの機会を通じて入所者の状況把握に努め,市内の施設に対しては,適正な運営や利用者処遇が適切に実施されるよう,定期的な実地指導を行っています。  障害の重度化・高齢化は入所施設においても顕著となっており,強度行動障害,医療的ケア,高齢に伴う認知症や身体機能の低下等の専門的支援が必要な人が増加しています。人材育成や開かれた施設運営,困ったことを共有できる対策を講じ,障害のある人がその人らしい生活を施設で送る体制の充実が必要です。   今後の方向性 ○ 施設入所者のケアの質の向上  強度行動障害支援者養成研修等の専門研修の受講を勧奨し,また,施設及び相談支援専門員の連携が図られてきたことから,個別の支援会議を通じて課題解決に向けた取組を行います。  本人や家族に対して苦情等の窓口の周知を図り,必要時に適切に相談できる体制を整備するとともに,定期的な実地指導を実施します。 事業等  ・障害福祉サービスに係る苦情相談窓口(各施設,障がい福祉課) ・指定障害福祉サービス事業者等に係る実地指導(指導監査課) 40ページ 3 多様な雇用と就労の促進   〜自己の能力を最大限に発揮し,自立した生活をめざすために〜     3の1 適性に応じた就労と職場定着への支援 重点施策 現状と課題   就労支援は障害のある人が自立し社会参加を促進していくうえで重要な支援です。本市では,関係機関による就労検討会を立ち上げ,就労支援を行う上で求められる,支援者のあるべき資質や専門性に関する特定相談支援事業所との情報交換会(年2回)の開催,また特別支援学校の進路担当者との意見交換会(年2回)を開催する等,障害のある人の支援方法や制度について理解促進を行ってきました。  また,就労支援事業所や指定特定相談支援事業所をはじめとする関係機関との円滑な就労への移行に向けたシステムづくりのために,県や関係機関とともに共通の就労アセスメントシートの作成を行いました。  平成29年度に実施した「高知市障害等のある人の支援に関する調査」からは,就労している人が48%,そのうち就労先としては,パートを含めた一般就労は53%,就労継続支援A型事業所5%,就労継続支援B型21%,就労移行支援事業所1%と約3割弱の人が就労支援事業所を利用していることが分かりました。  今後も,就労移行支援事業所・就労継続支援事業所等が,個人の適性や生活状況に応じた評価・支援を実施し,サービス等利用計画を作成する相談支援事業所や特別支援学校等の教育機関,一般就労先の企業等と共通の認識をもち,支援を行うことが必要です。  平成30年度から「就労定着支援※15」が新たに福祉サービスとして個別給付化されます。就労定着支援では,就労移行支援等の利用を経て,一般就労した人の新たな課題を把握するとともに,企業や関係機関等との連絡調整や課題解決等,職場定着にむけて必要となる支援を行っていきます。   41ページ 今後の方向性 ○ 就労支援の体制づくり  就労検討会では,サービス管理責任者や新人職員を対象とした,資質向上のための事例検討会や相談支援専門員との合同の研修会の企画・開催を引き続き行っていきます。また,指定特定相談支援事業所,教育機関,就労支援事業所等の関係機関が集まって,本人の適性にあった就労,また就労が定着する体制づくりについて検討していきます。  また,工賃向上にむけた作業展開も必要となるため,企業等の関係機関との連携についても取り組んでいきます。 事業等  ・自立支援協議会・就労検討会(障がい福祉課) ・訓練等給付(障がい福祉課) 指標・目標値  ・各年度における就労定着支援による支援開始から1年後の職場定着率:70 %以上   ※15 就労定着支援  就労移行支援事業所等を経て一般就労に移行した人で,特に生活面の課題がある人に対して就労定着支援事業所が職場や自宅への訪問等により,生活リズムや体調管理に関する課題に向けて必要な連絡調整や指導・助言等の支援を実施する。(平成30年度施行となる改正障害者総合支援法で新たに創設されるサービス)   42ページ 3の2 障害者の就労に関する事業所の理解の促進  現状と課題   就労検討会では,障害者雇用を積極的に取り組んでいる企業との勉強会や一般就労に携わる支援者と就労定着支援について意見交換会を開催し,障害者の就労に関わる事業所や企業等への障害特性に対する理解を促進してきました。  平成29年度に実施した「高知市障害等のある人の支援に関する調査」からは,就労している人が仕事のことについて相談できる人として,職場の同僚33%,職場の上司46%とあり,職場内に障害特性を理解してくれる人がいることで,就労が定着していることがわかりました。  また,障害者総合支援法の改正に伴い,新たな福祉サービスとして「就労定着支援」が個別給付化され,企業と就労定着支援事業所との連携が始まります。今後も引き続き,障害特性の理解を促進し,障害のある人が働き続けられる環境を整えていくことが必要です。 今後の方向性 ○ 障害者の就労に関する事業所への情報提供や助言  就労検討会において,障害者の就労に関わる事業所への障害特性の理解に関する研修会等の開催を検討していきます。また,「就労定着支援」を通じて,関係機関と連携し,企業等に対する障害特性の理解促進に努めていきます。   事業等 ・自立支援協議会・就労検討会(障がい福祉課) ・訓練等給付(障がい福祉課) 43ページ 4 療育・保育・教育等における切れ目ない支援体制の充実 〜健やかに成長・発達するために〜 4の1 地域連携体制の充実 【早期発見・早期療育システムの充実】 現状と課題   障害のある子どもに生涯を見通した適切な支援を行うためには,早期にその障害を発見し,子どもやその保護者の相談に応じ,適切な支援を行うことが最も重要です。そのためには,乳幼児期から成人期にわたって,療育・保育・教育,福祉,医療等の支援が適切に受けられるよう,関係機関が連携し,一貫した支援体制を整備する必要があります。  本市では,疾病や身体的・精神的な発育・発達に関する問題を早期に発見し,治療や適切な支援につなげるために,1歳6か月児健診と3歳児健診を実施しています。  本市の幼児健診受診率はこれまで長い間全国平均を下回っていましたが,受診機会の拡大や幼稚園・保育園との連携,平成25年度に開始した幼児健診受診促進事業の効果もあり,平成28年度の受診率は,1歳6か月児健診は96.0%(平成25年度 86.7%),3歳児健診は94.6%(平成25年度 78.8%)と大幅に向上してきています。 受診率の向上に伴い,より多くの健診対象者のスクリーニングが可能になり,早期発見の機会拡大につながっています。  また,18歳までの子どもの発達や障害に関する総合相談窓口として,平成22年4月から「子ども発達支援センター」を設置し,障害のある子どもとその保護者に対する支援を行っています。  早期に支援が必要だと思われる場合には,健診の際に子ども発達支援センターや医療機関の紹介等を行いながら,支援につながるよう取り組んでいます。  子ども発達支援センターの早期療育教室や親子通園施設ひまわり園の利用を経て,児童発達支援サービスに繋がるケースも増えてきており,保護者の早期療育に対する理解の深まりがみられています。こうした早期療育への期待の高まりから,保育所等での集団生活においても,児童発達支援サービスで培われた力が最大限に発揮できるような支援の工夫も求められてきています。  一方で,診断や発達の経過をみていく専門医療機関の受診待機期間の長期化が課題となっており,受診や診断よりも先に,児童発達支援サービスにつながる子どもが増えているのが現状です。  また,親子通園施設ひまわり園においては,発達の緩やかな乳児や医療的ケアの必要な子どもとその保護者を対象とした「ゆったりっこクラス」を平成27年度から設置しています。就園・就学前の日中活動の場であるとともに,発達支援の機会となっています。 44ページ 今後の方向性 〇 早期発見体制の充実  早期発見の場となる幼児健診に関しては,受診率を維持・向上できるよう,日曜健診,幼稚園や保育園と連携した受診啓発,幼児健診受診勧奨を引き続き実施していきます。  また,関係機関との連携のもと,保護者の意向や子どもの状態に合わせて,必要な支援につながることができる体制を目指します。 〇 早期療育支援体制の充実   早期療育教室や親子通園施設ひまわり園等の事業を通じて,保護者とともに子どもの発達や発育面の理解を深め,きめ細かい支援を実施していきます。また,関係機関と連携し,児童発達支援サービス等へのスムーズな移行を目指します。    事業等 ・1歳6か月児健診・3歳児健診(母子保健課) ・早期療育教室(子ども育成課) ・親子通園施設ひまわり園(子ども育成課) ・心理士相談(子ども育成課) ・専門医相談(子ども育成課) 指標・目標値  ・1歳6か月児健診 健診受診率 97% 45ページ [サポートファイルの効果的な利用推進] 現状と課題   就園・就学等のライフステージ移行期や進級等で,支援する人が変わる場合でも,様々な生活場面において一貫した支援が受けられるように,必要な情報や支援内容が十分に引き継がれることが大切です。  何らかの支援を必要とする子どもの情報を一つにまとめ,保護者や関係者間で情報を共有しやすくするためのツールとして「サポートファイル」があります。本人の様子や日常生活におけるかかわり方,医療機関や相談機関での記録,学校・施設での支援計画など,さまざまな本人情報を綴じることができるようになっています。  本市では「サポートファイル」の活用推進に取り組み,平成27年度にはリングファイル形式に改訂し,積極的な配布を行うとともに,指定障害児相談支援事業所,障害者相談支援センターに対しては,「サポートファイル」の説明会を開催するなど,周知を進めているところです。また,保育施設入所時には,「サポートファイル」を部分的に用いた様式で情報共有を行うなどの活用をしています。  就学相談時における所持率は,平成28年度は55.9%となっており,徐々に増加してきています。しかし,平成29年度の「高知市障害等のある子どもの支援に関する調査」によると,0〜18歳全体での活用率は35%と少なく,活用に向けてのさらなる取組が必要となっています。  今後は,障害児通所支援や障害福祉サービスの利用申請時にサポートファイルを利用するなどの活用機会増大を図り,保護者と関係機関双方が活用できるしくみづくりが必要です。 今後の方向性  子ども発達支援センター事業利用者への配布は今後も実施していきます。また,関係機関への周知を徹底し,保護者と関係機関双方が活用できるしくみづくりを構築していきます。   事業等  ・サポートファイル活用推進(子ども育成課・母子保健課・保育幼稚園課・障がい福祉課・教育研究所) 46ページ [重度の障害のある子ども(医療的ケア児を含む)への支援のための関係機関の協議の場の設置] 現状と課題    近年は小児医療の進歩により,多くの命が救われています。一方で医療機器や医療的ケア※16が必要な子どもが増えており,在宅で生活する子どもの数も増えつつあります。このような医療的ケアの必要な子どもへの支援では,医療機関(主治医・往診医)や訪問看護ステーション等の医療サービスと,家族の一時的な休息(レスパイト)のための福祉サービスの他にも,災害時の避難等では近隣住民などのインフォーマルサービスとも連携していく必要があります。   また,在宅生活においては,サービスの整備以外の課題が多くあります。平成29年度に本市が実施した重度心身障害児の保護者との意見交換会では,相談窓口の複雑さや就園・就学における課題,家族の孤立など,さまざまな意見が出ました。平成28年5月に成立した障害者総合支援法及び児童福祉法改正法では,障害のある子どもの支援のニーズの多様化にきめ細かく対応するため,平成30年度末までに,自治体において保健・医療・障害福祉,保育,教育等の関係機関が連携を図るための協議の場の設置が求められており,本市においても,関係機関と家族を含めた協議の場の設置が必要となっています。   今後の方向性  平成30年度に子ども発達支援センターを中心に,保健・医療・障害福祉,保育,教育等の関係機関と,障害のある子どもの保護者等を含めて,課題の共有と協議する場の設置をします。 事業等 ・重度の障害のある子ども(医療的ケア児を含む)への支援のための関係機関の協議の場の設置(子ども育成課・母子保健課・保育幼稚園課・障がい福祉課・教育研究所)   ※16 医療的ケア:  家族や看護師等が日常的に行っている経管栄養注入やたんの吸引等の医療行為 47ページ 4の2 保育・教育における集団生活のなかでの一人ひとりの発達に応じた支援の充実 重点施策 [就学前の支援の充実] 現状と課題   特別な支援を必要とする子どもの保育所等への入所は増加しており,一人ひとりの状況に応じた支援が必要となっています。  本市の保育所における特別支援保育は,集団の中でともに育ち合うことを目的とした統合保育の形態で開始し,インクルーシブ保育※17の概念を取り入れ実践してきました。そして,子どもたちの安全確保を最優先に,必要に応じてクラスに特別支援の保育士を配置しながら,特別な支援を必要とする子どもへの生活面や発達面の支援を行っています。  また,保護者は我が子の障害や特性を知ると同時に受容が求められる時期でもあり,子どもとの関わり方についてアドバイス等を必要としています。特別支援保育に関わる職員が,研修を重ね,スキルアップを図るとともに,園の中で職員同士が連携をとり,それぞれの子どもの成長過程を見守りながら,今,必要な支援は何かを常に考え,共有していくことの重要性と,保護者の気持ちに寄り添いながら,一緒に考えていける関係づくりの積み重ねが求められています。  一方で,障害児通所支援を提供する児童発達支援事業所は平成29年3月末時点で17か所となっています。サービス利用者も年々増加し,平成26年度215人(年間実利用者数)から平成28年度は253人(年間実利用者数)になっています。就学前の大切な時期に早期療育が受けられるよう,それぞれの子どものニーズにあった事業所の確保が必要です。また,指定障害児相談支援事業所,児童発達支援事業所が子どものニーズにあった支援を組み立て,実施できるように相談支援専門員,事業所職員の質の向上に努めていく必要があります。 48ページ 今後の方向性 〇 一人ひとりの発達に応じた支援  支援を必要とする子どもへの特別支援担当保育士の配置については,「集団生活の中での安全確保」を優先とし,「それぞれの子どもに対しての早期支援」の重要性もあわせて,子ども発達支援センター等と連携し,実施していきます。そして,それぞれの子どもの発達や特徴を関係各課で共有し,集団生活の中での支援のあり方等を一緒に考え,ともに進めていきます。特別支援保育の質を高めていくためにも,さらに一人ひとりの個性を認め,ニーズに応じた保育を行い,子どもたちへの支援の充実を図っていきます。 〇 就学前の子どもに関わる職員の資質向上  特別支援保育に関わる職員のみならず,職員全員のスキルアップが図れる研修の継続が必要です。障害に対しての基礎的な知識を学ぶ研修にあわせて,関係機関との連携をとりながら,それぞれの課題や支援の方法等,現状に沿った内容について学び合うことも重要です。一人ひとりの状況に応じた支援やクラス運営とともに,特別支援保育に対する理解を深め,子どもや保護者に寄り添った支援を考えていけることを目的として全職員対象の研修を行っていきます。  〇 特別支援担当保育士の配置  これまでは配置判定や見直しの為に各園の巡回訪問を実施していましたが,平成30年度からは保育所等における特別支援にかかる保育士の配置基準を設け,各園の状況や課題に合わせた相談ができる園支援の為の巡回訪問を行えるようにしていきます。 〇 質の高い支援の提供に向けての取組  それぞれの子どもの障害特性や発達に沿った支援には,事業所職員のスキルアップや関係機関との連携がより一層必要です。そのために,平成31(2019)年度に設置予定の基幹相談支援センターを中心に,指定障害児相談支援事業所,障害者相談センター,児童発達支援事業所,放課後等デイサービス事業所と,課題を共有する場の設置を検討します。 49ページ 事業等  ・特別支援担当保育士・特別支援加配保育士の配置(保育幼稚園課) ・特別支援保育に関する相談支援(保育幼稚園課) ・特別支援保育に関する研修会(保育幼稚園課) ・保育所幼稚園等への技術支援(子ども育成課) ・基幹相談支援センター(障がい福祉課)   ※17 インクルーシブ保育: 障害のある子どもも障害のない子どもも,すべての子どもを対象とし,一人ひとりの違いを認め,そのニーズに応じた保育を行うこと 50ページ 【学校教育の支援の充実(特別支援教育の充実)】 現状と課題  「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の施行により,学校教育においても合理的配慮を推進することの重要さが法的にも裏付けされました。平成29年度の「高知市障害等のある子どもの支援に関する調査」結果からは,学校教育において,特別支援担当の教員はもとより,通常の学級の教員にも,障害に対する知識や理解をもっと専門的に学んでほしい,また,特別支援学級の在籍児童数の増加に伴った教員や支援員の配置に関わるマンパワー不足,学力及び進路保障,就労への不安等,保護者や子どもたちの困り感にもっと寄り添ったサポート体制の強化を求める切実な意見が多く寄せられていました。また,インクルーシブ教育システム※18という言葉はよく聞くようになったものの,実質的に,教員の育成や環境整備に力を入れ,インクルーシブ教育システムの推進を図ってほしいという意見もありました。  その他,特別支援学級に在籍しながら,通常の学級との交流を図りながら充実した学校生活を送っているといった意見もあり,学校や教員間に差が生じない特別支援教育の充実に向けた特別支援学級の質的向上等,学校教育への期待などもありました。  本市では「特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する実態調査」(平成28年9月現在)によると,小学校・義務教育学校※19(前期)では発達障害の診断・判断のある児童は4.1%,発達障害の可能性のある児童を合わせると7.9%,また中学校・義務教育学校(後期)では発達障害の診断・判断のある生徒は3.4%,発達障害の可能性のある生徒を合わせると6.2%となっています。平成19年度から比較すると,小学校等が2倍,中学校等が2.5倍に増加していることがわかります。そのような状況の中で,発達障害の診断・判断のある児童生徒に対して,「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」を基にした支援の実施は,上記調査結果より小学校・義務教育学校(前期)が85.1%,中学校・義務教育学校(後期)で76.7%と一定作成率の向上は見られるが,約20%の児童生徒については,十分な支援を受けられずにいる実状もあります。  乳幼児期の早期発見・早期療育体制の中で,小学校等への就学についての心配から,就学相談が増加しています。また,インクルーシブ教育システムの構築により,就学相談は多様化してきており,医療的ケアの必要な子どもの就学についての相談等も増えてきています。  なお,保育所・幼稚園・認定こども園から小学校等への移行支援体制は徐々に整備されつつあり,現在,在籍園や関係機関と連携しながら移行支援の推進を図っているところです。就学期に作成された「個別移行支援計画」を活用して,入学先の各学校における「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」につなげています。  高知市立特別支援学校においては,知的障害教育の柱である「領域・教科を合わせた指導」を中核とした授業研究を継続的に取り組み,センター的機能を果たすべく,児童生徒一人ひとりの指導・支援の充実を図っています。  小・中・義務教育学校における特別支援学級在籍児童生徒数(平成29年度5月現在)の52.9%を占める自閉症・情緒障害特別支援学級において,平成29年度から新たに,自閉症・情緒障害特別支援学級充実研修を実施しています。また,平成26年度から実施している知的障害特別支援学級充実事業は継続しており,知的障害教育における専門性の向上と「領域・教科を合わせた指導」を中心にした授業の充実を目指しています。児童生徒一人ひとりに必要な教育的支援や教育活動を推進するには,今後,特別支援教育についてスーパーバイズ※20できる専門家による介入等の必要性が求められています。    51ページ 今後の方向性 〇 就学への移行支援体制の充実    就学への相談対応をしていく中で,小学校等へ引き継がれた個別移行支援計画を活用して,各学校にて個別の教育支援計画・個別の指導計画につなげ,スムーズに学校生活が送れるような支援体制の充実を図ります。  〇 校内支援体制の充実  特別支援学校や小・中・義務学校における特別支援学級に在籍する児童生徒,発達障害等の診断・判断のある児童生徒,通級による指導※21を受けている児童生徒,その他発達障害の可能性のある児童生徒について,「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を作成し,一人ひとりの教育的ニーズを的確に把握するとともに適切な合理的配慮の充実に努めます。また,保護者や各関係機関と連携しながら支援会の開催を通じて支援体制の強化を図ります。  特別支援教育学校コーディネーター※22が,計画的かつ効率的な校内支援体制の充実を図れるよう,特別支援教育学校コーディネーター研修会や教育相談の機会を通じて支援していきます。 〇 通常の学級における特別支援教育の充実 通常の学級に在籍する発達障害の診断・判断のある児童生徒について,一 人ひとりの実態を把握し,年間を通じた計画的な支援の充実を図ります。 〇 教員の資質向上  学校教育に関わる全教員が特別支援教育や教育相談に基づく学級集団づくりや授業づくりができるよう教育公務員特例法の規定に基づき実施する研修や教職経験年数に応じた研修,また職務能力に応じた研修や専門的な知識・技術に関する研修等を通じて,特別支援教育の専門性の向上に取り組みます。  また,特別支援学校及び特別支援学級における教員の大量退職後の人材育成と,特別支援学校免許取得率等の向上を図るなど,専門性の向上に努めます。 〇 特別支援学級の充実  インクル−シブ教育システムの構築に向け,各学校と連携しながら基礎的環境整備※23や特別な教育的支援の必要な児童生徒一人ひとりの実態に応じた合理的配慮※24の提供の充実に努めます。医療的ケアの必要な児童生徒への看護師の配置等についても,体制整備の充実を図っていきます。   52ページ 事業 ・ 教育相談,就学相談(教育研究所) ・ 就学への移行支援(保育幼稚園課,教育研究所) ・ 高知市立学校教職員研修(教育研究所) ・ 特別支援学校,特別支援学級,通級による指導(学校教育課,教育研究所) ・ 特別支援教育支援員※25配置事業(学校教育課) ・ 特別支援学級サポート事業(教育研究所) ・ タブレットPC活用事業(教育研究所) 53ページ 指標・目標値  ・特別支援学校,特別支援学級,通常の学級における発達障害の診断・判断がある児童生徒の「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」の作成率: 100%    ※18 インクルーシブ教育システム: 障害のある子どもと障害のない子どもが,可能な限り同じ場でともに学ぶ教育のしくみ     ※19 義務教育学校:  小学校課程から中学校課程まで義務教育を一貫して行う学校。     ※20 スーパーバイズ: 熟練した見識者(スーパーバイザー)が,教員や学校に対し,適切な助言・指導をすること ※21 通級による指導  小中学校の通常の学級に在籍している言語障害やLD・ADHD等の比較的障害の軽い児童生徒が,ほとんどの授業を自分の学校で受けながら,障害の状態に応じた特別な指導を特別な場で受ける指導形態     ※22 特別支援教育学校コーディネーター: 「学校内や,福祉・医療等の関係機関との間の連絡調整役」,「保護者に対する学校の窓口」等の役割を担い,教育的支援を行う人や機関の間の連絡・調整機能を果たすキーパーソン。一般的には「特別支援教育コーディネーター」と呼ばれるが,高知県では「特別支援教育学校コーディネーター」という名称を用いている。   ※23 基礎的環境整備:   合理的配慮の基礎となる環境整備のこと     ※24 合理的配慮:  障害のある子どもが平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するための,必要かつ合理的な過度の負担にならない範囲での変更・調整を行うこと。 ※25 特別支援教育支援員:  小中学校において,特別支援学級担当教員等の補助員として,当該児童生徒の学習支援・介助等を行う。 54ページ [放課後・長期休暇への支援内容の充実] 現状と課題   放課後や長期休暇を支援する福祉サービスは,日中一時支援事業や放課後等デイサービス,障害児長期休暇支援事業等があります。特に,放課後等デイサービス事業所は,平成29年3月末時点で市内に38か所あり,2年間で15事業所増加し,定員も利用者も大幅に増加しています。事業所の数は一定確保されてきていますが,一方でそれぞれの子どもの障害特性や発達に沿った支援がなされているのかを評価し,支援内容を充実していくことが必要です。また,重症心身障害児や医療的ケアを必要とする児童を対象とした事業所や,子どもを対象とした短期入所を実施している事業所はまだまだ少ないのが現状です。  また,学校の友達と過ごす場所として,放課後児童クラブがあります。平成27年度からは,対象を高学年に拡大し,長期休業時の開設時間を通常時と同じ18時まで延長しました。障害のある子どもを支援するため,必要に応じて支援員を配置し,学校との連絡・連携を行うとともに,それぞれの障害の特性についての理解を深める研修や,環境の工夫を行っています。 今後の方向性 〇 質の高い支援の提供に向けての取組  それぞれの子どもの障害特性や発達に沿った支援には,事業所職員のスキルアップや関係機関との連携がより一層必要です。そのために,平成31年度に設置する基幹相談支援センターを中心に,指定障害児相談支援事業所,障害者相談支援センター,児童発達支援事業所,放課後等デイサービス事業所と,課題を共有する場の設置を検討します。 〇 放課後児童クラブの支援員の資質向上  それぞれの子どもの障害の特性を深く理解し,適切な支援が行えるよう,研修や相談を通じて,支援員の質の向上を目指します。 55ページ 事業等  ・基幹相談支援センター(障がい福祉課) ・放課後児童クラブ(子ども育成課) ・障害児通所給付(障がい福祉課) ・日中一時支援事業(障がい福祉課) ・短期入所事業(障がい福祉課) ・障害児放課後等支援事業(障がい福祉課) ・障害児長期休暇支援事業(障がい福祉課) 56ページ [卒業後に向けた支援の強化] 現状と課題   特別支援学校に在籍している児童生徒に対しては,個別支援会議や学校が開催している進路相談会等で,本人や家族の希望を確認しながら,指定障害児相談支援事業所が中心となって,放課後等デイサービス事業所等と一緒に支援を検討しています。今後も,指定障害児相談支援事業所が,本人の卒業後の生活を見据えた支援を検討できるよう質の向上に努める必要があります。  また,平成27年4月から,卒業後と同時に就労継続支援B型を利用する場合には,在学中に就労移行支援事業所によるアセスメントを実施し,就労に関する適性評価を受けることが必須化されました。本市においては,26年度から関係機関とともに取組を進め,現在は就労継続支援B型事業所の利用を検討する特別支援学校高等部2年生を対象に,就労アセスメントを実施しています。今後も,就労アセスメント評価を進路に活かしていけるように実施していきます。  特別支援学校高等部の段階では,卒業後の進路に向け,指定特定相談支援事業所,就労支援事業所等,新たな支援機関が加わることになるため,支援を途切れることなくつないでいく必要があります。   今後の方向性  卒業後を見据えた支援を関係機関と共有できるよう,個別支援会議や特別支援学校の進路相談会に引き続き指定障害児相談支援事業所,障害者相談センター等が参加できる体制を維持し,アセスメント力の向上に取り組んでいきます。  また,就労アセスメントが円滑に図られるよう,就労移行支援事業所や特別支援学校との連携を強化していきます。  相談支援検討会において,高等部卒業と同時に支援が途切れることがないような仕組みづくりを検討していきます。 事業等  ・特別支援学校進路相談会(障がい福祉課) ・就労アセスメント(障がい福祉課) ・自立支援協議会,相談支援検討会(障がい福祉課) 57ページ 一貫した切れ目ない支援の図 59ページ 5 家族支援の充実 〜家族が障害のある人・子どもとともに地域で安心して暮らすために〜 現状と課題   平成29年度に実施した「高知市障害等のある人の支援に関する調査」からは,生活するうえでの支援を実施している主介護者は,父母が35%,配偶者が21%となっており,その主介護者の身体的・精神的健康状態は,障害のある人の年齢が高くなる程,やや不調・不調と回答した人が増加していることが分かりました。また,平成29年度に実施した「高知市障害等のある子どもの支援に関する調査」からは,介護が理由で就労できない保護者が7%いることが分かりました。  親の高齢化や親亡き後を見据え,障害のある人や子ども本人への支援だけではなく,家族のニーズも念頭においた支援ができる,広い視野と専門性を持つ人材の育成が必要であるとともに,本人・家族の生活基盤を支える生活支援サービスの確保が必要です。  保健・福祉・保育・教育等,関係機関の連携を強化し,障害のある人や子どもとその家族が地域で孤立しないような支援が必要です。 今後の方向性  次の施策において,それぞれの家族の状況に応じた支援の充実を図ります。  2 生活支援の充実   2の1 新たな相談支援体制の構築   2の2 生活支援サービスの充実   2の4 社会参加・いきがいづくりの促進  4 療育・保育・教育における切れ目ない支援体制の充実   4の1 地域連携体制の充実 事業等   上記の施策における事業等を参照 60ページ 6 啓発の充実 〜ともに理解し,一人ひとりが互いに支え合うまちをめざすために〜 6の1 障害への正しい理解と偏見・差別の解消 現状と課題  バリアフリー化を進めるためには,建物や公共交通機関等のハードの整備だけでなく,心のバリアフリーも不可欠です。市民一人ひとりが障害の有無にかかわらず,互いに人権を尊重し,ともに支えあう意識の醸成が最も重要です。障害のある人やその家族が,自宅や地域で安心して生活を続けることができるように,また,災害時の避難行動要支援者対策の推進のためにも,病院や施設から退院・退所して地域での生活を新たに始める際にも地域の理解が得られるように,疾患や障害の理解を深める啓発活動は重要です。  本市においては,市民一人ひとりの人権が尊重される社会の実現をめざし,平成17年に「高知市人権教育・啓発推進基本計画」を策定しています。その具体的な事業を示した「高知市人権教育・啓発推進実施計画」 も適宜見直し,さまざまな人権課題の早期解決に向けた取組を進めています。  また,地域に向けての活動としては,地区人権啓発推進委員会における人権啓発活動,学習会等への支援,「ふれあい体験学習」,「ボランティア養成事業」等を開催しています。ふれあい体験学習においては毎年4,000人を超える小中高校生が参加をしており,学童期からの学習の機会となっています。  国が示した「人権教育の指導方法等の在り方について〔第三次とりまとめ〕」では,障害のある子どもとの交流教育をはじめ,教育活動全体を通じて,障害のある人に対する理解,社会的支援や介護・福祉等の課題に関する理解を深める教育を推進していくことが大切としています。学校教育では,人権教育の一環として年間計画に位置づけた取組が行われており,各学校の実態に合わせ,特別支援学級との交流及び共同学習,障害のある人を講師として招いての体験的な学びや,講演会の実施等を通して,理解を深めています。また,高知県立特別支援学校幼児児童生徒の居住地校交流実践充実事業として,各学校での特別支援学校との交流も行っています。こうした取組を通して,児童生徒の障害者の人権に対する意識の向上が図られていますが,さらに,行動化につながるよう,系統的な年間計画の工夫や,教材の開発に取り組むことが必要です。  その他,市民向けの活動として,広報誌「あかるいまち」や広報啓発誌「ノーマライゼーション」の発行及び周知を行い,障害への理解及び啓発を行っています。  なお,障害者差別解消法の施行にあわせて,高知市職員の対応指針として「障害を理由とする差別の解消の推進に関する職員対応要領」を定め,全職員を対象とした研修を行い,周知を図っています。  また,手話の理解と普及を目的に「高知市手話言語条例」を制定し,平成28年7月から施行しました。職員向けの研修の充実や市民向けの研修等,手話を使いやすい環境づくりに取り組んでいます。   61ページ 今後の方向性 ○ 「人権教育・啓発推進基本計画」の実現に向けた取組の推進  基本計画の実現に向け,「高知市人権教育・啓発推進実施計画」に基づき,具体的な取組を行っていきます。     ○ 市民等への広報・啓発の推進  広報誌やふれあい体験学習,ボランティア養成事業,手話の出前講座等のさまざまな機会を通じて,幼少期から障害への正しい理解を進めていきます。 ○ 教育分野での障害への理解・啓発の推進  特別支援学級や特別支援学校との交流及び共同学習を通じて,発達段階に合わせた障害への理解を深める学習に,系統的に取り組んでいきます。また,児童生徒の,障害者の人権を守るための行動化につながるよう,系統的な年間計画の工夫や,教材の開発・普及に取り組んでいきます。 〇 精神障害当事者による啓発の機会づくり  本市で養成したピアサポーター等の精神障害当事者が,学校へ出向いて体験談を話す等啓発の機会を増やしたり,精神障害当事者が社会活動に参加しやすい環境をつくることで,市民が精神障害について正しく理解することを進めます。 62ページ 事業等 ・ 「高知市人権教育・啓発推進基本計画」の推進(人権同和・男女共同参画課) ・ 地区人権啓発推進委員会の活動への支援(人権同和・男女共同参画課) ・ ふれあい体験学習(障がい福祉課) ・ ボランティア養成事業(障がい福祉課) ・ 手話の出前講座(障がい福祉課) ・ 交流及び共同学習の推進(学校教育課・教育研究所) ・ 障害や障害のある子ども(人)に対する理解を深める教育の推進(人権・こども支援課) 63ページ 6の2 成人の発達障害のある人への理解と支援促進  現状と課題   平成17年4月に発達障害者支援法が施行され,平成26年の改正を経て,成人の発達障害のある人への支援も少しずつ充実してきました。  本市においては,障害者相談センターで個別の相談に応じ,就労移行支援あるいは就労継続支援の事業所で,一人ひとりの特性や個別の状況にあわせた支援を行っています。保健所では,発達障害の診断の有無に関わらず,本人や周りの人からの相談を受けています。また,「発達障害者就労支援センター(地域活動支援センターU型)」では,就労以外の様々な困り事も含め,発達障害に関する相談を受けており,発達障害のある人の居場所としての役割も担っています。  近年では,専門学校や大学への進学や就職後の,対人関係等での困難さへの直面や,二次的な障害が顕著になる等して,診断を受けることも多くなっていますが,診断を受けた後でも,自身の持つ得意なことや苦手なことについて,本人だけでなく周りの人も十分に理解できないことで,特性に合わせた関わりが十分なされていない現状があります。  また一方で,対人関係や能力に偏りがあることからくる困難さ等を感じながらも診断や支援につながっていない場合も依然として多く,成人期の課題と言えます。  これらの課題に対して,当事者が適切な支援につながるしくみを構築するとともに,社会全体が発達障害についての理解を深め,発達障害のある人が学びやすく働きやすい環境を整備していくことが必要と考えます。   今後の方向性 ○ 「高知市発達障害者支援検討会(仮称)」の開催  成人の発達障害のある人への理解と支援促進について検討する場として,専門職だけでなく当事者も関わる検討会を開催します。必要に応じ,県主催の「発達障害者地域支援協議会」や「高知県発達障害者支援センター」とも連携し,一貫した支援体制の構築をめざします。   64ページ 事業等  ・地域活動支援センター機能強化事業(障がい福祉課) ・委託相談支援事業(障がい福祉課) ・指定特定相談支援事業(障がい福祉課) ・障害児相談支援事業(障がい福祉課) ・精神保健福祉相談(健康増進課) 65ページ 7 生活・社会環境の充実と安心安全のしくみづくり〜誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるために〜 7の1 住居,交通,まちづくり,情報に関するバリアフリーの推進 【住居,交通,まちづくり】 現状と課題  障害のある人の活動や行動範囲を広げ,社会参加を促進するために,生活環境や社会環境のバリアフリー化を進めることが必要です。  本市では,日常生活で介護を必要とする身体障害児者が,自宅を改造する場合に費用の一部を助成する制度や,車いす世帯向けの市営住宅を建設しています。住環境を整備することで,在宅生活をできるだけ長く続けられたり,自分自身でできる動作が増えることで,家族の介護負担の軽減にもつながります。また,平成29年4月に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律が改正され,障害者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度(住宅セーフティーネット制度)が始まることになりました。  交通に関して,「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法 平成12年11月施行)」に基づき,平成15年4月に高知市交通バリアフリー基本構想を策定しています。 また,平成16年度に策定した高知市交通バリアフリー道路特定事業計画では,平成29年度末までの整備進捗率が95.4%と一定の成果が得られています。具体的には,主に視覚障害者誘導用ブロック(視覚障害者誘導シート)の貼り付けや歩道整備等を行ってきました。  一定の要件を満たす公共的施設(特定施設)について,「高知県ひとにやさしいまちづくり条例」(以下「ひとまち条例」という。)に基づき,配慮が必要と想定される場所ごとに整備内容を審査し,誰もが安全かつ快適に利用することができるよう指導及び助言を行っています。ひとまち条例の基準はバリアフリー新法※26(平成18年12月)との整合性やユニバーサルデザインの考え方を踏まえたもので,建築指導課は建築士の視点で,障がい福祉課は福祉の視点から各々の物件に対して指導及び助言を行っています。  公園整備については,平成25年に「高知市高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に係る特定公園施設の設置に関する基準を定める条例」を策定し,700以上の公園のうち,平成28年度末時点で65公園,69箇所のトイレのバリアフリー化を行い,通路の拡幅やスロープの設置等にも取り組んでいます。 66ページ 今後の方向性 ○ 住居,交通,まちづくりに関するバリアフリー化の推進  障害のある人が在宅生活を長く続けられるよう,引き続き住環境の整備を進めていきます。また,高知県居住支援協議会と連携し住宅セーフティネット制度の運用を円滑にし,障害者が入居できる民間賃貸住宅を拡大していきます。  バリアフリー新法では,基本構想を策定できることとなっていますが,旧法に基づく高知市交通バリアフリー道路特定事業計画による道路整備を優先的に進めていく必要があり,新法に基づく基本構想については,整備状況を見ながら検討していきます。高知市交通バリアフリー道路特定事業計画の早期完了に向けて,今後も地元調整や予算確保に努め,快適かつ安全な移動が確保できるよう進めていきます。  人にやさしいまちづくりについて,特定施設の整備が適正に行われるよう,今後は,事業者への条例の主旨の周知や計画段階での事前協議を行う等の普及・啓発に努めます。  公園整備については,国土交通省が創設した「公園施設長寿命化整備事業」等を活用して,計画策定の調査等で改善が必要と判断された施設について,順次バリアフリー化を前提とした改修工事を実施していきます。 67ページ 事業等 ・ 公営住宅制度(特定目的住宅)(住宅政策課) ・ 住宅改造助成事業(障がい福祉課) ・ 住宅セーフティネット制度(住宅政策課) ・ 高知市交通バリアフリー基本構想(都市計画課) ・ 高知市交通バリアフリー道路特定事業(道路整備課) ・ 街路整備事業(道路整備課) ・ ひとまち条例に基づく審査(建築指導課・障がい福祉課) ・ 公園施設長寿命化整備事業(みどり課) ・ 竹島・沖田・弥右衛門公園・旭緑地整備事業(みどり課) ・ 公園遊園整備改良事業(みどり課) ※26 バリアフリー新法:  正式名称は,「高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」。それまであったいわゆる「ハートビル法」(正式名称「高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」)と交通バリアフリー法(正式名称「高齢者,障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」)を統合した法律。 68ページ 【情報】 現状と課題   情報を入手することが困難な方が,必要な時に必要な情報を得ることができるよう手話通訳者※27の派遣や磁気ループ※28の貸し出し,補装具※29や日常生活用具の給付等を行っています。手話通訳者の派遣については,利用者のニーズを踏まえ,派遣内容の見直しを検討し,磁気ループは,平成26〜28年度は3〜6団体に貸出し,聴覚障害者で補聴器を装着されている人に対してのバリアフリーの充実の一つとなっています。  日常生活用具及び補装具では,情報・意思疎通支援用具の一部の品目について給付内容を改定し、利用者のニーズに合わせたものとなりました。  広報活動については,市が発行している広報紙「あかるいまち」や議会広報紙「市議会だより」について,録音広報(テープ版・デイジー版※30)や点字広報の作成,本市ホームページへのHTML版※31の掲載をしており,情報取得のより多くの選択肢を提供しています。また、希望者に対して,広報の一部をメール配信しています。  IT推進講習事業は,平成28年度は9回実施し,46名の方が参加しています。受講後は仕事やサークル,地域活動等に役立てたりする等の社会参加につながっています。  点字図書館※32では,点字図書や録音図書の閲覧,郵便貸し出し等を行っています。平成28年度の図書貸し出し延べ利用人数は点字図書305人,録音図書は3,221人でした。また,対面読書サービスや個人依頼による図書や資料の点訳・音訳サービス,パソコン等視覚障害者情報支援機器の講習や中途視覚障害者への点字教室,点字印刷した新聞ニュースを希望者へ送付するサービス等を行っています。平成22年度からサピエ図書館※33が稼働し,平成28年度は延べ25,396回の利用回数があり,充実した図書サービスが提供できるようになりました。 今後の方向性  社会情勢の変化に伴い,障害のある人の情報入手の手段も大きく変化しており,それらの動向に注視しながら,既存の事業の充実を図り,情報取得のより広い選択肢を提供することができるように努めていきます。  平成30年7月に開設予定の「オーテピア高知 声と点字の図書館」では,視覚に 障害のある人や高齢その他の障害等で文字情報の利用が困難な人の情報拠点として,読書・情報環境の充実に向けた取組を進めていきます。 69ページ 事業等 ・手話通訳者関連事業(障がい福祉課) ・日常生活用具及び補装具の給付(障がい福祉課) ・磁気ループの貸し出し(障がい福祉課) ・IT推進講習事業(障がい福祉課) ・点字広報・録音広報等の発行(広聴広報課・議事調査課) ・点字図書館事業(点字図書館)   ※27 手話通訳者:  話し言葉を,聴覚に障害のある人に理解しやすいよう手話に置き換えて伝えたり,聴覚に障害のある人の表す手話の意味・内容を正しく読みとって話し言葉に置き換え,伝える人。 ※28 磁気ループ:  補聴器を使用する人の聞こえを補助する機器。マイク等の音声を円状に設置した電線に磁場として流し,補聴器で捕らえて音声化する。国内のほとんどの補聴器(Tマーク付き)に対応する。  ※29 補装具:  身体に障害のある人の身体機能を補完または代償して,日常生活や職業生活を容易にするため,用いられる器具類。 ※30 デイジー版:  DAISY(Digital Accessible Information Systemの略)方式のデジタル録音図書。 ※31 HTML版:  Web ブラウザで閲覧することができ,音声読み上げソフトによる読み上げ結果に配慮した広報。なお,HTMLとはHyper Text Markup Language (ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)の略。     ※32 点字図書館:  点字図書館(視覚障害者情報提供施設)は身体障害者福祉法における身体障害者社会参加支援施設の一つであり,点字・録音図書等の製作,貸出,点訳・音訳ボランティア等の育成,視覚障害者の文化,レクリエーション活動の支援等を行うことより,視覚障害者の読書・情報環境の充実や社会参加の促進を支援する施設。 ※33 サピエ図書館  視覚障害者をはじめ,目で文字を読むことが困難な人に対してさまざまな情報を点字・音声データで提供するネットワーク 70ページ 7の2 災害時の支援体制の構築 現状と課題  大規模な災害時には,行政による早期の個別対応が困難な場合も想定され,避難行動要支援者※34が速やかに避難できるためには,近所同士で声を掛け合い,互いに助け合いながら避難を行う地域の力が必要不可欠です。そのため,地域の自主防災組織等で事前に避難行動要支援者を把握し,発災時に適切な支援を行うことが重要です。  本市では,平成26年度の「高知市地域防災計画」の修正において,避難行動要支援者や要配慮者※35に対する支援についての記載を加え,取組を進めています。  本市の自主防災組織結成率・数は,平成30年3月1日現在93.9%(カバー率※36),792組織(153,093世帯)となっています。自主防災組織の活動継続・育成強化に向け,平成26年度末に自主防災組織連絡協議会を設立するとともに,自主防災組織結成率100%をめざしています。  また,津波から人命を守るための緊急避難場所としての津波避難ビルは,平成29年10月1日現在311か所を指定し,その他,避難路340か所,津波避難センター3棟,津波避難タワー9基を整備しています。  単身高齢者世帯及び身体障害者に対する消防局職員及び女性消防団員※37による防災訪問※38は,各種災害による避難及び通報能力の有無等を確認する上で大きな成果を得ています。今後は,対象者の増加が予測され,対象の絞り込みも課題です。  避難行動要支援者対策の推進として,平成18年度から市内3地区(浦戸,種崎,北高見)で災害時要援護者支援地域活動モデル事業を実施してきましたが,災害対策基本法の改正により避難行動要支援者名簿の作成が市町村に義務づけられたことに伴い,平成26年度から避難行動要支援者対策事業として取組を進めています。平成26年12月には,取組の全体像を示す「高知市避難行動要支援者の避難支援プラン(全体計画)」を策定するとともに,身体障害者手帳1・2級(総合等級)や療育手帳A,精神障害者保健福祉手帳1級を所持する人等を対象に名簿を作成しました。今後は,本人同意を得た上で平常時から地域の関係団体へ名簿情報の提供を行い,地域が主体となって,名簿情報を活用した個別計画の策定や防災訓練を行う等,災害時における避難支援や安否確認等を円滑に行える体制の構築が必要です。  平成28年度には,高知県南海トラフ地震時「重点継続要医療者支援マニュアル」が策定され,これを受けて平成28,29年度には庁内関係課で検討を行い,在宅人工呼吸器装着者のうち24時間呼吸器活用が必要な方の「災害時個別支援計画」の作成を関係課の担当者を中心に着手することとなりました。平成29年度10月現在対象者は12名で,作成率は作成中を含めると9割となっています。今後も,在宅人工呼吸器装着者等の災害時個別支援計画の作成については,継続して実施し,定期的な見直しを行っていく必要があります。また, 平成29年度から日常生活用具給付事業の対象品目として,在宅人工呼吸器用発電機を追加し,在宅で常時人工呼吸器を使用する方を対象に給付を開始しています。  大規模な災害発生時において,一般の避難所での生活が困難な要配慮者を受け入れるための一時的な避難所として福祉避難所※39があります。  この福祉避難所については,平成29年9月1日現在,本市所管施設,老人ホーム等35か所を指定しましたが,さらなる施設の確保とともに各施設ごとの運営体制の構築も重要です。   71ページ 今後の方向性 ○ 本市全体の防災対応力の向上 「高知市地域防災計画」に基づき,要配慮者対策をはじめとするさまざまな対策を推進し,本市全体の防災対応力の向上をめざします。  自主防災組織連絡協議会による各地区の情報交換や活動の連携,協力体制の構築をめざしていきます。  避難行動要支援者対策事業では,避難行動要支援者名簿を活用した個別計画策定や,地域での日頃の見守りや支え合いといった地域活動と防災活動の一体的な取組が,実効性の高い避難支援等につながります。これまでのモデル事業のノウハウも活かしながら,地域と行政が協働して事業を進めていきます。  福祉避難所及び津波避難ビル等については,引き続き,社会福祉施設や民間施設等との協議を進め,協定等により確保するよう努めていきます。また,福祉避難所は,支援者の確保や支援体制の確立,物資の備蓄等について整備を進めるとともに,一般避難所への要配慮者用スペース設置に向けた方策を検討していきます。 72ページ 事業等 ・ 高知市地域防災計画(防災政策課) ・ 自主防災組織育成強化事業(地域防災推進課) ・ 津波防災対策事業(地域防災推進課) ・ 避難行動要支援者対策事業(地域防災推進課) ・ 福祉避難所整備事業費補助金(健康福祉総務課) ・ 単身高齢者世帯等防災訪問(消防局予防課)   ※34 避難行動要支援者:  要配慮者のうち,生活の基盤が自宅にあり,かつ災害が発生し,または発生する恐れがある場合に自ら避難することが著しく困難である人 ※35 要配慮者:  高齢者,障害者,外国人,乳幼児,妊産婦等特に配慮が必要な人     ※36 カバー率:  全世帯数のうち,自主防災組織の活動範囲に含まれている地域の世帯数の割合をいう。本市の小街ごとに算出し,その積算をして市全体のカバー率とする。 ※37 消防団員:  地方公務員法及び消防組織法に規定された,市町村における非常勤の特別職地方公務員で全国に設置された消防団に所属し,火災又は地震等の災害による被害を軽減するため地域の防災に努めている。高知市消防団は現在,団本部と32分団で構成されており,秋の火災予防運動期間中の防災訪問は,高知市消防団本部の女性消防団員が防災訪問を実施している。 ※38 防災訪問:  各署所(消防署・分署・出張署)が毎月1回,単身高齢者世帯及び障害者に対し防災訪問を実施しているが,11月には,更に秋の火災予防運動期間中(毎年11月9日〜11月15日)の慣例行事として,高知市消防団本部の女性消防団員が防災訪問を実施している。 ※39 福祉避難所:  高齢者や障害者等,一般的な避難所では生活に支障がある人を対象に何らかの特別な配慮がされた施設 障害福祉計画 障害児福祉計画 73ページ 第8章 障害福祉サービスを円滑に推進するために 1 障害福祉計画・障害児福祉計画 1の1 趣旨  国の障害保健福祉施策においては,障害のある人や子どもが,基本的人権の享有主体である個人の尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう必要な支援を行うことにより,全ての国民が,障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に寄与することを目指して,制度が整備されてきたところです。  平成18年度には障害者自立支援法の施行により,市町村に対して障害福祉計画の作成が義務付けられ,サービスの提供体制を計画的に整備する仕組みが導入されました。  今般,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」が平成30年度から施行されたことにともない,市町村に対して障害児福祉計画の作成が義務付けられ,障害児通所支援及び障害児相談支援の提供体制を整備し,障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための仕組みが導入されることとなりました。  本市においては,国が示す「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」(以下「基本指針」という。)に即し,地域において必要な障害福祉サービス,障害児通所支援,相談支援並びに地域生活支援事業等が提供されるよう,障害福祉計画・障害児福祉計画を一体的に作成し,取り組んでいきます。 74ページ 1の2 基本理念  国の基本指針においては,次の掲げる基本的理念に配慮して市町村計画を作成することとされています。  ・障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援  ・市町村を基本とした身近な実施主体と障害種別によらない一元的な障害福祉サービスの実施等  ・入所等から地域生活への移行,地域生活の継続の支援,就労支援等の課題に対応したサービス提供体制の整備  ・地域共生社会の実現に向けた取組  ・障害児の健やかな育成のための発達支援 1の3 計画の基本的な考え方  1−2の基本理念を踏まえ,次に掲げる基本的な考え方のもと,取り組んでいきます。  @障害福祉サービスの提供体制の確保   各個人が必要なサービスを受けることができるよう,また適切なサービスを選択し,充実した日々を送ることができるよう,訪問系及び日中活動系サービスの充実に努めます。   また,地域における居住の場としてのグループホームの充実や地域生活支援拠点等の基盤整備を行うことで,入所等から地域生活への移行を図り障害のある人の地域生活を支援していきます。   就労移行支援事業の推進や関係機関との連携により,障害福祉施設から一般就労への移行を取り組んでいきます。  A相談支援の提供体制の確保   福祉に関する各般の問題について障害のある人等からの相談に応じる体制の整備に加え,相談支援の中核となる基幹相談支援センターを設置し,相談支援を行う人材の育成,個別事例における専門的な指導や助言を行っていきます。   また,障害のある人等への支援体制の整備を図るため,自立支援協議会において地域課題の解決に向けた協議を行っていきます。  B障害児支援の提供体制充実   障害のある子どもの早期発見や支援そして健全な育成を進めるため,母子保健や子育て支援の担当部局や学校等との連携に努めていきます。   医療的ケア児を含む,重度障害のある子どもへの支援体制の充実を図るため,保健,医療,障害福祉,保育,教育等の関係機関による協議の場を設置し,地域における課題等について検討を行っていきます。  C地域共生社会の実現に向けた取組   「地域共生社会」の実現に向け,地域住民が主体的に取り組むための仕組みづくりや,各関連分野がつながり,協働するための,包括的かつ総合的な支援体制の構築に向け,庁内関連部署により協議を行っていきます。 75ページ 1の4 成果目標・活動指標  国の基本指針に即し,次に掲げる事項を「成果目標」及び「活動指標」として各サービス等の見込量を設定します。 【成果目標】  @福祉施設..※入所者の地域生活への移行(地域生活移行者数,施設入所者数)※福祉施設…ここでは障害者支援施設を指します。  A福祉施設..※から一般就労への移行等(一般就労移行者数,就労移行支援事業利用者数,就労移行率,職場定着率)※福祉施設…ここでは生活介護事業所,自立訓練事業所,就労移行支援事業所,就労継続支援事業所を指します。  B地域生活支援拠点の整備  C精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築  D障害児支援の提供体制の整備等 76ページ 【活動指標】  @障害福祉サービスの見込量  ・日中活動系   生活介護,自立訓練(機能訓練),自立訓練(生活訓練),宿泊型自立訓練,就労移行支援,就労継続支援A型,就労継続支援B型,短期入所,療養介護  ・居住系サービス   共同生活援助,施設入所支援  ・訪問系サービス   居宅介護,重度訪問介護,行動援護,同行援護  A障害児通所支援の見込量   児童発達支援,医療型児童発達支援,放課後等デイサービス,保育所等訪問支援  B相談支援の見込量   計画相談支援,障害児相談支援,地域移行支援,地域定着支援  C平成30年度からの新規サービスの見込量   就労定着支援,自立生活援助,居宅訪問型児童発達支援  D地域生活支援事業の見込量 77ページ 2 成果目標 2の1 福祉施設入所者の地域生活への移行  第1期から第4期までの計画に引き続き,施設入所者の地域生活への移行について取り組んでいきます。 2の1の1 福祉施設からの地域生活への移行者数  地域移行実績(平成18年度から28年度)  平成18年度12人/年,平成19年度7人/年,平成20年度9人/年,平成21年度15人/年,平成22年度22/年,平成23年度12/年,平成24年度10/年,平成25年度9/年,平成26年度12/年,平成27年度13/年,平成28年度8/年,総数129人  移行先内訳(平成18年度から28年度)  グループホーム 身体障害19人,知的障害15人  ケアホーム 身体障害10人,知的障害27人  自宅 身体障害29人,知的障害10人  福祉ホーム 身体障害2人  アパート 身体障害13人,知的障害1人  その他 身体障害3人  目標値  平成29年度から平成32年度末までに福祉施設から地域生活へ移行する人の目標値 37人  平成28年度末時点の施設入所者数413人の約9%にあたる37人の方が,地域生活へ移行することを目標値として設定します。地域生活を目指す方が,安心し暮らしていけるよう,相談支援事業所等との連携を図るとともに,グループホームの整備に努めていきます。 78ページ 2の1の2 施設入所者数  施設入所者数実績(平成19年度から28年度,数値は各年度末時点)  平成19年度418人,平成20年度419人,平成21年度421人,平成22年度400人,平成23年度394人,平成24年度401人,平成25年度413人,平成26年度413人,平成27年度410人,平成28年度413人  留意点  加齢児(障害児施設に入所しながら,施設入所支援の決定を受けている者)を除く 22年度 身体療護施設と障害者支援施設の重複1名有  目標値  平成32年度末の施設入所者数413人  施設入所者数については,多くの待機者がいる中で削減することは困難であると見込まれるため,平成32年度末時点においては,平成28年度末時点の入所者数を上回らないことを目標とします。  なお,障害の程度や家族の状況により,施設への入所を必要とされる方については,継続して支援を行っていきます。 79ページ 2の2 福祉施設から一般就労への移行等  第1期から第4期までの計画に引き続き,福祉施設からの一般就労への移行について取り組んでいきます。また,一般就労後の定着についても,平成30年度より創設される「就労定着支援」を通じて支援を行っていきます。 2の2の1 一般就労への移行者数  一般就労実績(平成18年度から28年度)  平成18年度12人/年,平成19年度13人/年,平成20年度17人/年,平成21年度22人/年,平成22年度34/年,平成23年度35/年,平成24年度43/年,平成25年度29/年,平成26年度30/年,平成27年度39/年,平成28年度40/年,総数314人  一般就労実績 障害別内訳(平成18年度から28年度)  18年度 身体障害1人,知的障害11人  19年度 精神障害4人,知的障害9人  20年度 精神障害10人,身体障害1人,知的障害6人  21年度 発達障害1人,精神障害8人,身体障害2人,知的障害11人  22年度 精神障害13人,身体障害8人,知的障害14人  23年度 精神障害19人,身体障害5人,知的障害11人  24年度 精神障害27人,身体障害7人,知的障害10人  25年度 精神障害17人,身体障害3人,知的障害9人  26年度 精神障害23人,知的障害7人  27年度 その他1人,精神障害21人,身体障害3人,知的障害14人  28年度 精神障害17人,身体障害6人,知的障害17人  留意点 平成22,24年度にそれぞれ身体・知的の重複者1名あり 目標値  平成32年度1年間における福祉施設からの一般就労者数50人  就労検討会において,障害のある人の就労に関わる事業所への障害特性の 解に関する研修会等を開催し,一般就労の促進に取り組みます。 80ページ 2の2の2 就労移行支援事業利用者数  就労移行支援事業所数と利用者数の推移(平成25年度末から平成29年10月末まで)  市内事業所数 25年度末9か所,26年度末9か所,27年度末9か所,28年度末8か所,29年10月度末9か所  実利者数 25年度末46人,26年度末41人,27年度末51人,28年度末50人,29年10月度末49人  定員数 25年度末93人,26年度末91人,27年度末92人,28年度末87人,29年10月度末93人  目標値  平成32年度末時点における就労移行支援事業利用者数60人  利用者数については,横ばいで推移していますが,平成29年度に入り1事業所増え,定員数も増加しているため,今後利用者数については増加するものと見込まれます。  平成32年度末における利用者数ついて,平成28年度末時点の1.2倍にあたる60人を目標値として設定します。 81ページ 2の2の3 就労移行率  就労移行率に関する調査結果  平成26年度 調査対象事業所数8か所,調査対象事業所の内就労移行率3割以上の事業所数5か所,就労移行率3割以上の事業所の全体に占める割合62.5%,全国数値33.1%  平成26年度 調査対象事業所数8か所,調査対象事業所の内就労移行率3割以上の事業所数4か所,就労移行率3割以上の事業所の全体に占める割合50.0%,全国数値37.6%  平成26年度 調査対象事業所数8か所,調査対象事業所の内就労移行率3割以上の事業所数4か所,就労移行率3割以上の事業所の全体に占める割合50.0%,全国数値40.0%(見込み)  留意点  就労移行率とは一般就労へ移行した人の割合を示すものですが,算出方法は次のとおりです。平成27年度の算出例としては平成27年度中に一般就労した人数割る平成28年4月1日時点の利用者数  調査対象事業所は,平成29年10月末時点において現に運営している事業所であり,かつ一般就労の実績を有する事業所を対象としています。  全国数値は平29年3月8日開催の障害保健福祉関係主管課長会議資料より抜粋したものです。  目標値  平成32年度末時点における就労移行率3割以上の事業所の全体に占める割合50%以上  就労移行率については,26年度から若干下がってはいますが,全国平均を上回る形で推移しています。  平成32年度末時点においては,現状を下回らない形の50%以上を目標値として設定します。 82ぺーじ 2の2の4 職場定着率  参考(全国数値)  障害者就業・生活支援センターにおける就職者の職場定着率  平成26年度 6か月後定着率83.9%,1年後定着率75.5%  平成27年度 6か月後定着率84.4%,1年後定着率76.5%  留意点  数値については平成29年3月8日開催の障害保健福祉関係主管課長会議資料より抜粋  障害者就業・生活支援センターとは,障害のある人が就労し,経済的に自立していくため,身近な地域で就職面の支援と生活面の支援を一体的に行う機関です。公共職業安定所,社会福祉施設,医療施設,特別支援学校等と連携しながら,障害のある人の就業及びそれに伴う生活に関する指導・助言・職業準備訓練のあっせんなどを行います。  参考(県内数値)  県内の障害者就業・生活支援センターにおける就職者の1年後の職場定着率  センター名称 シャイン 支援地域 高知市,土佐市,いの町,佐川町,越知町,仁淀川町,日高村 平成27年度職場定着率86.3% 平成28年度職場定着率84.2%  センター名称 ラポール 支援地域 四万十市,宿毛市,土佐清水市,黒潮町,三原村,大月町 平成27年度職場定着率60.0% 平成28年度職場定着率68.2%  センター名称 ゆうあい 支援地域 南国市,香南市,香美市,大豊町,本山町,土佐町,大川村 平成27年度職場定着率77.8% 平成28年度職場定着率83.3%  センター名称 ポラリス 支援地域 芸西村,安芸市,安田町,田野町,馬路村,北川村,奈半利町,室戸市,東洋町 平成27年度職場定着率80.0% 平成28年度職場定着率80.0%  センター名称 こうばん 支援地域 須崎市,中土佐町,津野町,四万十町,梼原町 平成28年度職場定着率69.2%  留意点  数値については高知労働局ホームページ内資料より抜粋  目標値  各年度における就労定着支援による支援開始から1年後の職場定着率70%以上  30年度からの新たなサービスであり,事業所におけるノウハウの蓄積も必要であると考えられるため,70%を基準に段階的に向上させることを目標とします。  職場定着を促進するため,指定特定相談支援事業所,教育機関,就労支援事業所等と,関係機関が集まって,就労が定着する体制づくりについて検討していきます。また,就労定着支援を通じて,関係機関と連携し,企業等に対する障害特性の理解促進に努めていきます。 83ページ 2の3 地域生活支援拠点等の整備  第4期計画に引き続き,地域生活支援拠点の整備に取り組みます。  障害のある人や子どもの重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え,地域生活支援拠点には次のような機能が求められています。  @相談(施設・病院からの退所・退院,親元からの自立等)  A体験の機会・場(一人暮らし,グループホーム等)  B緊急時の受け入れ・対応(短期入所の利便性・対応力向上等)  C専門性(人材の確保・養成,連携等)  D地域体制づくり(サービス拠点,コーディネーターの配置等)  地域生活支援拠点については,これまで自立支援協議会において議論を行い「面的整備」の形で地域生活支援拠点を整備していく方針としています。  第5期計画においても,本市に求められる支援体制や地域生活支援拠点等の基盤整備について,自立支援協議会において協議をしながら取り組んでいきます。 2の4 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築  平成27年度に,保健・医療・福祉の支援者で設置した「高知市精神障害者地域移行支援者会議(地域いこうかい)」を,当事者や家族も含めて地域移行の現状や先進的な取り組みを学び,あわせて本市における課題の共有や検討を行う場として継続するとともに,平成30年度末までに,保健・医療・福祉の関係機関等の代表者や実務者による協議の場も新たに設置し,地域移行の取組を促進します。 2の5 障害児支援の提供体制の整備等  医療的ケア児を含む,重度障害のある子どもへの支援について,平成30年度に子ども発達支援センターを中心に,保健・医療・障害福祉,保育,教育等の関係機関と,障害のある子どもの保護者等を含めて,課題の共有と協議する場を設置します。 84ページ 3 活動指標 3の1 障害福祉サービスの見込量 3の1の1 日中活動系  見込量は各年度における月平均値  人日とは,日中活動系サービスの供給量を示す単位 85ページ  @生活介護  サービス概要  障害者支援施設等において,入浴,排せつ及び食事等の介護,その他必要な援助を要する障害のある人に,主として昼間において,入浴,排せつ及び食事等の介護,その他必要な日常生活上の支援,創作的活動又は生産活動の機会の提供その他身体機能又は生活能力の向上のために行われる必要な援助を行います。  見込量  30年度14,860人日/月,人数770人/月 31年度15,040人日/月,人数780人/月 32年度15,230人日/月,人数790人/月  平成26年度から28年度までの実績においては,実利用者数及び利用量ともに微増傾向にあります。  事業所数についても近年大幅な増減はみられないことから,実利用者及び利用量ともに微増傾向で推移するものと見込みます。 86ページ  A自立訓練(機能訓練)  サービスの概要  身体障害者又は難病等対象者に,障害者支援施設若しくは障害福祉サービス事業所において,または対象者の居宅を訪問し,理学療法,作業療法その他必要なリハビリテーション,生活等に関する相談及び助言その他必要な支援を行います。  見込量  30年度290人日/月,人数15人/月 31年度290人日/月,人数15人/月 32年度290人日/月,人数15人/月  当該サービスは基本的に1年6か月の標準利用期間が設定されているサービスであるため,過去の実績において,年度によって増減がみられる状況となっています。  近年,事業所数に大きな変化が見られないことから,平成29年度の実績見込みから横ばいで推移するものと見込みます。 87ページ  B自立訓練(生活訓練)  サービスの概要  知的障害者又は精神障害者に,障害者支援施設若しくは障害福祉サービス事業所において,または対象者の居宅を訪問して行う入浴,排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練,生活等に関する相談及び助言その他必要な支援を行います。  見込量  30年度680人日/月,人数52人/月 31年度770人日/月,人数60人/月 32年度770人日/月,人数60人/月  指定事業所数については,ここ数年変化はありませんが,定員数について若干の増加がみれらます。当該サービスは基本的に2年間の標準利用期間が設定されているサービスですが,実利用者数は増加傾向にあり,ニーズの高いサービスであると考えられます。平成29年度においても増加が見込まれることから,今後も段階的に増加するものと見込みます。 88ページ  C宿泊型自立訓練  サービスの概要  知的障害者又は精神障害者に,居室その他設備を利用させるとともに,家事等の日常生活能力を向上させるための支援,生活等に関する相談及び助言その他必要な支援を行います。  見込量  30年度380人日/月,人数14人/月 31年度410人日/月,人数15人/月 32年度435人日/月,人数16人/月  指定事業所数については,平成26年度末より変化がなく,実利用者数については,微増傾向となっています。  過去の実績を勘案し,実利用者及び利用量ともに微増傾向で推移するものと見込みます。 89ページ  D就労移行支援  サービスの概要  就労を希望する65歳未満の障害のある人で,通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる人に,生産活動,職場体験その他の活動の機会の提供を通じて就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練,求職活動に関する支援,その適性に応じた職場の開拓,就職後における職場への定着のために必要な相談その他の必要な支援を行います。  見込量  30年度900人日/月,人数56人/月 31年度930人日/月,人数58人/月 32年度960人日/月,人数60人/月  事業所数に若干の増減はありますが,利用者数についてはほぼ横ばいで推移しています。  平成29年度に入り,1事業所増え,利用者数については若干の増加に転じていることから,今後は実利用者・利用量ともに微増で推移するものと見込みます。 90ページ  E就労継続支援(A型)  サービスの概要  通常の事業所に雇用されることが困難な障害のある人のうち,適切な支援により雇用契約等に基づき就労する人に,生産活動その他の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行います。  見込量  30年度3,340人日/月,人数165人/月 31年度3,340人日/月,人数165人/月 32年度3,450人日/月,人数170人/月  平成27年度実績においては,事業所が減少したため,実利用者及び利用量ともに減少となっていますが,その後はほぼ横ばいで推移しています。  平成29年度に入り,1事業所増加となったことから,今後は微増傾向で推移するものと見込みます。 91ページ  F就労継続支援(B型)  サービスの概要  通常の事業所に雇用されることが困難な障害のある人のうち,通常の事業所に雇用されていた人で,その年齢,心身の状態その他の事情により引き続き当該事業所に雇用されることが困難となった人,就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されることが困難な人に,生産活動等の機会の提供を通じて,就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行います。  見込量  30年度14,800人日/月,人数900人/月 31年度16,000人日/月,人数975人/月 32年度17,400人日/月,人数1,060人/月  障害福祉サービスの通所系サービスの中で最も事業所数が多いサービスであり,事業所数も増加傾向にあるため,利用者数・利用量ともに増加しています。  過去の伸び率に加え,福祉施設及び精神科病院から退所・退院した方の利用を勘案し,増加傾向で見込みます。 92ページ  G短期入所  サービスの概要  居宅においてその介護を行う者の疾病やその他の理由により,障害者支援施設等への短期間の入所を必要とする障害のある人や子どもについて,当該施設に短期間入所し,入浴,排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を行います。  見込量  30年度850人日/月,人数115人/月 31年度880人日/月,人数120人/月 32年度910人日/月,人数125人/月  事業所数が段階的に増加していることから,実利用者数については微増傾向あります。  ニーズの高いサービスであることから,今後利用の増加が見込まれ,ニーズに応じたサービスの確保に向けた取組が必要です。 93ページ  H療養介護  サービスの概要  病院における機能訓練,療養上の管理,看護,医学的管理の下における介護日常生活上の支援その他必要な医療を要する障害のある人に,主として昼間に,病院において機能訓練,療養上の管理,看護,医学的管理の下における介護及び日常生活上の支援を行います。  見込量  30年度人数105人/月 31年度人数105人/月 32年度人数105人/月  平成26年度以降,事業所数及び実利用者数ともに横ばいで推移しています。  指定事業所は病院に限られており,今後事業所数の増加は見込まれないため,横ばいで推移するものと見込みます。 94ページ 3の1の2 居住系  見込量は各年度における月平均値 95ページ  @共同生活援助(グループホーム)  サービスの概要  障害のある人に,主として夜間に,共同生活を営むべき住居において相談,入浴,排せつまたは食事の介護その他日常生活上を援助を行います。  見込量  30年度人数410人/月 31年度人数455人/月 32年度人数515人/月  事業所数・定員数については増減が見られますが,実利用者数については,増加傾向にあります。  今後も親亡き後,福祉施設及び精神科病院から退所・退院した方の居住場所してのニーズは高いため,増加するものと見込みます。 96ページ  A施設入所支援  サービスの概要  施設に入所する障害のある人に,主として夜間に,入浴,排せつ及び食事等の介護,生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援を行います。  見込量  30年度人数414人/月 31年度人数414人/月 32年度人数414人/月  施設数・定員数ともに変化がみられないため,実利用者数についても,ほぼ変動がありません。  今後も横ばいで推移するものと見込みます。 97ページ 3の1の3 訪問系  見込量は各年度における月平均値 98ページ  @居宅介護  サービスの概要  障害のある人や子どもに,居宅において入浴,排せつ及び食事等の介護,調理,洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助を行います。  見込量  30年度9,800時間/月,人数520人/月 31年度10,300時間/月,人数550人/月 32年度10,800時間/月,人数580人/月  事業所数に増減は見られるものの,実利用者数は増加傾向にありますが,各年度における,一人当たりの利用時間数はほぼ変わらない形で推移しています。  過去の実利用者の伸び率を勘案し,利用者数・利用量ともに増加傾向で推移するものと見込みます。 99ページ  A重度訪問介護  サービスの概要  重度の肢体不自由または重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害のある人に,居宅において入浴,排せつ及び食事等の介護,調理,洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言並びに外出時における移動中の介護等,生活全般にわたる援助を総合的に行います。  見込量  30年度3,200時間/月,人数6人/月 31年度3,700時間/月,人数7人/月 32年度3,700時間/月,人数7人/月  事業所数については若干の変動がみられますが,利用者数は微増傾向にあります。近年は一人当たりの利用時間数には大きな変化はみられていません。  利用者数については,過去の実績を勘案して微増と見込み,利用量については平成28年度及び平成29年度実績見込みを勘案し,段階的に増加するものと見込みます。 100ページ  B行動援護  サービスの概要  知的障害または精神障害により行動上著しい困難を有する障害のある人や子どもが行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護,外出時における移動中の介護,排せつ及び食事等の介護その他の対象者が行動する際の必要な援助を行います。  見込量  30年度70時間/月,人数4人/月 31年度85時間/月,人数5人/月 32年度85時間/月,人数5人/月  事業所数が減少する中で,利用者は微増傾向で推移しています。  また,一人当たりの利用量については平成28年度から増加に転じています。  利用者数については,過去の実績を参考として微増と見込み,利用量については,平成28年度実績,平成29年度実績見込みを勘案し,段階的に増加するものと見込みます。 101ページ  C同行援護  サービスの概要  視覚障害により,移動に著しい困難を有する障害のある人や子どもが外出する際に同行し,移動に必要な情報を提供するとともに,移動の援護その他の対象者が外出する際の必要な援助を行います。  見込量  30年度1,600時間/月,人数95人/月 31年度1,700時間/月,人数100人/月 32年度1,780時間/月,人数105人/月  事業所数に若干の増減がある中で,利用者数は微増傾向で推移しています。  また,一人当たりの利用量については若干の増加傾向がみられます。  過去の実績を参考とし,利用者数は微増傾向で推移するものとし,利用量については,一人当たりの利用量の伸び率を参考に増加傾向で推移すると見込みます。 102ページ 3の2 障害児通所支援の見込量  見込量は各年度における月平均値  人日とは,日中活動系サービスの供給量を示す単位 103ページ  @児童発達支援  サービスの概要  未就学の障害のある子どもに,通所により日常生活における基本的な動作の指導,集団生活への適応訓練等のサービスを提供します。  見込量  30年度200人日/月,人数900人/月 31年度205人日/月,人数920人/月 32年度210人日/月,人数940人/月  事業所数については,微増傾向で推移しています。平成29年度においては利用者数及び利用量ともに若干の減少がみられますが,障害の早期発見体制も充実してきており,今後もニーズの高いサービスであると考えます。  平成26年度実績から平成28年度実績の伸び率を勘案し,微増傾向で推移するものと見込みます。 104ページ  A医療型児童発達支援  サービスの概要  未就学の肢体不自由がある子どもに,通所により日常生活における基本的な動作の指導,集団生活への適応訓練等及び治療を行います。  見込量  30年度15人日/月,人数6人/月 31年度15人日/月,人数6人/月 32年度15人日/月,人数6人/月  事業所数に変化なく,利用者・利用量ともに大きな増減は見られません。  平成29年度において,若干の減少傾向がみられますが,過去の実績を勘案し,横ばいで推移するものと見込みます。 105ページ  B放課後等デイサービス  サービスの概要  幼稚園,大学を除く,就学している障害のある子どもに,学校終了後又は休業日において,生活能力向上に必要な訓練,社会との交流の促進その他必要な支援を行います。  見込量  30年度6,200人日/月,人数500人/月 31年度6,900人日/月,人数560人/月 32年度7,600人日/月,人数620人/月  障害児通所支援において,最も事業所数・利用者数が多いサービスとなっています。  事業所数の伸びも著しく,それに伴って利用者数の伸びも顕著となっています。  放課後・長期休暇時へのニーズは高く,今後も増加傾向で推移するものと見込みます。 106ページ  C保育所等訪問支援  サービスの概要  保育所等を利用している障害のある子どもが,保育所等において集団生活に適応するために必要な専門的な支援その他必要な支援を行います。  見込量  30年度18人日/月,人数18人/月 31年度20人日/月,人数20人/月 32年度22人日/月,人数22人/月  事業所数は微増傾向にありますが,利用者数については平成28年度より増加傾向にあり,ニーズが高まってきていると考えられます。  平成28年度実績及び平成29年度実績見込みを勘案し,今後は増加傾向で推移するものと見込みます。 107ページ 3の3 相談支援の見込量  見込量は各年度における月平均値   108ページ  @計画相談支援  サービスの概要  障害福祉サービスや地域相談支援の申請若しくは変更の申請に係る障害のある人若しくは障害のある子どもの心身の状況,その置かれている環境,サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し,利用する障害福祉サービス又は地域相談支援の利用に係る事項を記載したサービス等利用計画案を作成します。  見込量  30年度人数445人/月 31年度人数470人/月 32年度人数500人/月  計画作成率については,平成29年3月末時点において約85%の作成率となっています。事業所数の増加もあり,平成29年度中には100%に達する見込みとなっています。  見込量については,平成26年度末から平成28年度末の支給決定者数の伸びを勘案するとともに,一人当たり年2回のモニタリングを行うとものして見込みます。 109ページ  A障害児相談支援  サービスの概要  障害児通所支援の申請若しくは変更の申請に係る障害のある子どもの心身の状況,その置かれている環境,障害のある子ども又はその保護者の障害児通所支援の利用に関する意向その他の事情を勘案し,利用する障害児通所支援の利用に係る事項を記載した障害児支援利用計画案を作成します。  見込量  30年度人数160人/月 31年度人数180人/月 32年度人数190人/月  計画作成率については,平成29年3月末時点において100%に達しています。  見込量については,平成26年度末から平成28年度末の支給決定者数の伸びを勘案するとともに,一人当たり年3回のモニタリングを行うものとして見込みます。 110ページ  B地域移行支援  サービスの概要  障害者支援施設等に入所している障害のある人または精神科病院に入院している精神障害者その他地域における生活に移行するために重点的な支援を必要とする人に,住居の確保その他の地域における生活に移行するための活動に関する相談その他の必要な支援を行います。  見込量  30年度人数23人/月 31年度人数28人/月 32年度人数33人/月  事業所数については横ばいで推移していますが,実績は低い状況で推移しています。今後は福祉施設からの地域生活へと移行する方に加え,計画期間中に,精神科病院から150人の方が段階的に地域生活へ移行することを目標としており,今後増加していくものと見込みます。 111ページ  C地域定着支援  サービスの概要  居宅において単身等で生活する障害のある人に,常時の連絡体制を確保し,障害の特性に起因して生じた緊急の事態等に相談その他必要な支援を行います。  見込量  30年度人数25人/月 31年度人数30人/月 32年度人数35人/月  事業所数については横ばいで推移していますが,実績は低い状況で推移しています。今後は福祉施設からの地域生活へと移行する方に加え,計画期間中に,精神科病院から150人の方が段階的に地域生活へ移行することを目標としており,今後増加していくものと見込みます。 112ページ 3の4 平成30年度からの新規サービスの見込量  見込量は各年度における月平均値  人日とは,日中活動系サービスの供給量を示す単位  @就労定着支援  就労移行支援事業所等を経て一般就労に移行した人で,特に生活面の課題がある人に対して就労定着支援事業所が職場や自宅への訪問等により,生活リズムや体調管理に関する課題に向けて必要な連絡調整や指導・助言等の支援を行います。  見込量  30年度人数45人/月 31年度人数82人/月 32年度人数117人/月  見込量については,30年度に45人,31年度,32年度にそれぞれ50人の方が一般就労するとし,一般就労後,就労定着支援を利用すると見込みますが,成果目標に掲げた「職場定着率」の目標値を勘案し,算出しています。  A自立生活援助  障害者支援施設やグループホーム等から単身生活等をする障害のある人であって,定期的な巡回又は随時通報を受けて行う訪問,必要な情報の提供及び助言並びに相談,計画相談支援事業所や障害福祉サービス事業所,医療機関等との連絡調整その他障害のある人が自立した日常生活を営むための環境整備に必要な支援を行います。  見込量  30年度人数20人/月 31年度人数20人/月 32年度人数20人/月  平成26年度から平成28年度の間において,障害者支援施設及びグループホームを退所し,地域生活へと移行した方の平均人数を見込量とします。 113ページ  B居宅訪問型児童発達支援  児童発達支援,医療型児童発達支援又は放課後等デイサービスを受けるために外出することが著しく困難な障害のある子どもについて,障害のある子どもの居宅を訪問し,日常生活における基本的な動作の指導,知識技能の付与,生活能力の向上のために必要な訓練を実施します。  見込量  30年度50人日/月,人数25人/月 31年度60人日/月,人数30人/月 32年度70人日/月,人数35人/月  本市が把握している医療的ケアが必要な児童数及び新規利用者数(各年度5人)を見込利用者数として,一人当たり月2回の支援を受けるものとして見込みます。 114ページ 3の5 地域生活支援事業 3の5の1 地域生活支援事業について  地域生活支援事業は,障害福祉サービスや障害児通所支援といった全国共通サービスとは異なり,都道府県及び市町村が実施主体となり,地域の実情や利用者の状況等に応じ,柔軟に実施できるものとなっています。  地域生活支援事業においては,複数の事業がある中で,実施しなければならない事業(必須事業)と自主的に取り組むことができる事業(任意事業)があり,それらの種類及び事業内容は次のとおりです。  必須事業  理解促進研修・啓発事業は次の4つの事業  ふれあいネットワーク事業  事業内容  障害のある人への理解やノーマライゼーション社会の実現のための広報・啓発の一環として,市民向けの広報啓発誌を発行します。  ふれあい体験学習事業  事業内容  障害のある人への理解を深めるため,小・中・高等学校や企業等からの要請に応じ,障害のある人が講師となって,車椅子やアイマスク体験等の出張講座を行います。  ボランティア講座事業  事業内容  より多くの市民に障害のある人のための様々なボランティアについて知ってもらい,ボランティア活動のきっかけ作りになる講座を開催します。  手話普及啓発事業  事業内容  パンフレットによる情報提供や市民向けの研修を通して手話に対する理解拡大に努め,手話を使用しやすい環境づくりを推進します。  自発的活動支援事業  事業内容  知的障害者等がボランティア活動や団体活動を行うことにより自信を持ち,仲間と話し合い,自立のために社会に働きかける活動の支援を行います。  障害者相談支援事業は次の3つの事業  障害者相談支援事業  事業内容  障害のある人等からの相談に応じ,必要な情報の提供及び助言その他の障害福祉サービスの利用支援等,必要な支援を行うとともに,障害のある人に対する虐待の防止及びその早期発見のための連絡調整その他の障害のある人等の権利の擁護のために必要な援助を行います。  基幹相談支援センター機能強化事業  地域における相談支援事業が適正かつ円滑に実施されるよう,専門職員を基幹相談支援センター等に配置し,地域における相談支援事業者等に対する専門的な指導・助言・情報収集・提供,人材育成の支援,地域移行に向けた取組等を実施することにより,相談支援機能の強化を図ります。  住宅入居等支援事業  賃貸契約による一般住宅(公営住宅及び民間の賃貸住宅)への入居を希望する方につき,入居に必要な調整等に係る支援を行うとともに,家主等への相談・助言等を通じて障害のある人等の地域生活を支援します。  ※当該事業に係る内容は障害者相談支援事業の中で実施します。  成年後見制度利用支援事業  事業内容  障害福祉サービス利用等の観点から,成年後見制度の利用が必要と認められる知的障害者または精神障害者に対し,市長が代わって後見等の開始の審判請求を行い,必要に応じて,申立て経費や後見人報酬などの全部又は一部を助成することにより,障害のある人の権利擁護を図ります。  成年後見制度法人後見支援事業  事業内容  成年後見制度における後見等の業務を適正に行うことができる法人を確保できる体制を整備するとともに,市民後見人の活用も含めた法人後見の活動を支援することで,障害者の権利擁護を図ります。  ※現状本市において,法人後見受任を実施しているのは高知市社会福祉協議会のみであり,今後各法人において実施可能性を踏まえ,必要に応じて検討します。  意思疎通支援事業は次の4つの事業  手話通訳者派遣事業  事業内容  聴覚障害者の社会参加を促進するため,聴覚障害者が医療機関や公的機関に赴く際等に手話通訳者を派遣します。  要約筆記者派遣事業  事業内容  聴覚障害者の社会参加を促進するため,聴覚障害者が医療機関や公的機関に赴く際等に要約筆記者を派遣します。  手話通訳者設置事業  事業内容  市役所に来庁した聴覚障害者が円滑に意思疎通を図ることができるように,福祉事務所内に手話通訳者を設置します。  重度障害者入院時コミュニケーション支援事業  事業内容  重度障害児・者が医療機関に入院した際に,日頃関わりのある支援員をコミュニケーション支援員として派遣し,医療機関従事者との意思疎通支援を図ります。  日常生活用具給付等事業  事業内容  障害のある人等に対し,自立支援用具等の日常生活用具を給付することにより,日常生活の便宜を図ります。  手話奉仕員養成研修事業  事業内容  初心者を対象とした手話講習を開催し,日常会話程度の手話技術を習得した手話奉仕員を養成します。  移動支援事業は次の2つの事業  移動支援事業  事業内容  屋外での移動が困難な障害のある人や子どもについて,余暇活動等の社会参加のための外出の際の移動を支援し,地域における自立生活及び社会参加の促進を図ります。  身体障害者等社会参加応援バス運行事業  事業内容  在宅の身体障害のある人等に対し,社会参加応援バスの運行により,交通手段を確保し社会参加を支援します。  地域活動支援センター機能強化事業は次の3つの事業  T型  事業内容  精神保健福祉士等の専門職を配置し,医療,福祉及び地域の社会基盤との連携強化のための調整,地域住民ボランティアの育成,障害のある人に対する理解促進を図るための普及啓発等の事業を行うものへの補助を行います。  U型  事業内容  地域において雇用・就労が困難な在宅の障害のある人が通所し,機能訓練,社会参加適応訓練等を行うことにより,自立と生きがいを高める事業を行うものへの補助を行います。  V型  事業内容  作業指導,生活訓練等を実施する事業を行うものへの補助を行います。  障害児療育等支援事業  事業内容  在宅の重症心身障害児・者,知的障害児・者,身体障害児の地域における生活を支えるため,身近な地域で療育指導等が受けられる療育機能の充実を図るとともに,これらを支援する都道府県域の療育機能との重層的な連携を図ります。  ※当該事業に係る内容については,障害児通所支援及び障害者相談支援事業並びに子ども発達支援センターにおける早期療育教室,親子通園施設ひまわり園及び巡回支援専門員整備等の中で実施します。  専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成研修事業は次の2つの事業  手話通訳者・要約筆記者養成研修事業  事業内容  手話通訳に必要な語彙,手話表現技術及び基本技術を習得した手話通訳者並びに要約筆記に必要な要約技術及び基本技術を習得した要約筆記者の養成研修を実施します。(※高知県との合同実施)  盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業  事業内容  盲ろう者の自立と社会参加を図るため,盲ろう者向け通訳・介助員の養成研修を実施します。(※高知県との合同実施)  専門性の高い意思疎通支援を行う者の派遣事業は次の2つの事業  手話通訳者・要約筆記者派遣事業  事業内容  聴覚障害者の自立と社会参加を図るため,市町村域を超える広域的な派遣,複数市町村の住民が参加する障害者団体等の会議,研修,講演又は講義等に,手話通訳者又は要約筆記者を派遣します。  ※当該事業の内容については,必須事業の中の「手話通訳者派遣事業」,「要約筆記者派遣事業」において実施します。  盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業  事業内容   盲ろう者の自立と社会参加を図るため,コミュニケーション及び移動等,盲ろう者向け通訳・介助員を派遣します。(※高知県との合同実施) 116ページ  任意事業  福祉ホーム運営事業運営事業  事業内容  家庭,住宅環境等の理由により,在宅において生活することが困難な障害のある人について,低額な料金で,居室その他の設備を利用させるとともに,日常生活に必要な便宜を提供することにより,障害のある人の地域生活を支援します。  訪問入浴サービス事業  事業内容  居宅において入浴することが困難な重度の身体障害者等の身体の清潔保持,心身機能の維持を図るため,その家庭に訪問入浴者を派遣して入浴サービスを提供します。  生活訓練等事業は次の4つの事業  視覚障害者生活訓練  事業内容  視覚障害者を対象として,歩行訓練,日常生活動作訓練,福祉機器の活用方法,社会資源の活用方法,コミュニケーションに関すること(墨字,点字,パソコン等)などの支援を行います。  視覚障害者機器講習  事業内容  視覚障害者を対象として,パソコンの操作や情報の検索方法等の講習を開催し,自ら情報を取得できるよう支援を行います。  TT推進講習  事業内容  身体障害者を対象として,パソコン講習等を開催し,自ら情報を取得できるよう支援を行います。  自動車運転免許講座  事業内容   身体障害者を対象として,運転免許取得教習前の準備講習や運転免許技術の再獲得に向けた支援を行います。  日中一時支援事業  事業内容  日中,障害福祉サービス事業所,障害者支援施設,学校の空き教室等において,障害のある人に活動の場を提供し,見守りや創作活動,日常的な訓練等を行います。  巡回支援専門員整備  発達障害に関する知識を有する専門員(子ども発達支援員)が,保育所等の子どもやその親が集まる施設・場への巡回等支援を実施し,支援を担当する職員や障害のある子どもの保護者に対し,早期発見・早期対応のための助言等の支援を行います。  相談支援事業所等(地域援助事業者)における退院支援体制確保  事業内容  相談支援事業所等(地域援助事業者)における退院支援体制を確保するため,必置職員以外の職員を配置するために必要となる賃金や諸経費等について助成する事業であり,一般相談支援事業所に個別給付が軌道にのるまでの期間限定で委託します。  レクリエーション活動等支援事業  事業内容  レクリエーション活動等を通じて,障害のある人等の体力増強,交流,余暇等に資するため及び障害のある人等がスポーツに触れる機会を提供するため,各種レクリエーション教室やスポーツ大会等を開催します。  文化芸術活動振興事業  事業内容  障害のある人等の芸術文化活動を振興するため,各種教室を開催し,芸術文化活動の機会を提供します。  点字・声の広報等発行事業は次の3つの事業  障害福祉のしおり  事業内容  障害のある人に対し,情報取得のより広い選択肢を提供するために,障がい福祉課が毎年発行する,各種制度等をまとめた冊子について,点訳及び音訳を行います。  議会だより  事業内容  障害のある人に対し,情報取得のより広い選択肢を提供するために,議会事務局が発行する議会だよりについて,点訳及び音訳を行います。  広報「あかるいまち」  事業内容  障害のある人に対し,情報取得のより広い選択肢を提供するために,高知市が発行する広報「あかるいまち」について,点訳及び音訳を行います。  奉仕員(点訳)養成研修事業  事業内容  点訳に必要な技術等を習得した点訳ボランティア養成講座(初級コース)を実施します。  意思疎通支援従事者ステップアップ研修事業は次の3つの事業  手話通訳者養成ステップアップ研修  事業内容  手話通訳者養成研修の修了者及び登録手話通訳者に対して,実技を中心とした技術向上研修を実施します。(※高知県との合同実施)  点訳・音訳ボランティアステップアップ研修事業  事業内容  現在活動中の点訳・音訳ボランティアの点訳・音訳技術の向上を図るため,外部講師によるスキルアップ研修及びベテラン・ボランティア講師によるスキルアップ研修を開催します。  要約筆記者派遣事業従事者資質向上特別支援事業  事業内容  登録要約筆記者を対象に,実技を中心とした技術向上研修を実施します。(※高知県との合同実施) 118ページ 3の5の2 地域生活支援事業の見込量について  地域生活支援事業の見込み量については次のとおりです。  なお,見込み量については,各事業ごとに単位が異なりますが,具体的な量を示すものについては,これまでの実績を基に算出しています。  必須事業  ふれあいネットワーク事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  ふれあい体験学習事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  ボランティア講座事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  手話普及啓発事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  自発的活動支援事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  障害者相談支援事業 見込量単位は実施個所数と基幹相談支援センター設置の有無 平成30年度実施個所数4か所 基幹相談支援センター設置の有無は有 平成31年度実施個所数4か所 基幹相談支援センター設置の有無は有 平成32年度実施個所数4か所 基幹相談支援センター設置の有無は有  基幹相談支援センター機能強化事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施無 平成31年度実施有 平成32年度実施有  成年後見制度利用支援事業 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度実施有 平成32年度実施有  手話通訳者派遣事業 見込量単位は年間派遣回数 平成30年度530回 平成31年度530回 平成32年度530回  要約筆記者派遣事業 見込量単位は年間派遣回数 平成30年度14回 平成31年度16回 平成32年度18回  手話通訳者設置事業 見込量単位は年間設置日数 平成30年度244日 平成31年度246日 平成32年度 242日  重度障害者入院時コミュニケーション支援事業 見込量単位は年間延利用者数 平成30年度3人 平成31年度3人 平成32年度3人  日常生活用具給付等事業 見込量単位は介護・訓練支援用具,自立生活支援用具,在宅療養等支援用具,情報・意思疎通支援用具,排泄管理支援用具,住宅改修それぞれの年間延件数  介護・訓練支援用具 平成30年度24件 平成31年度26件 平成32年度28件  自立生活支援用具 平成30年度125件 平成31年度130件 平成32年度135件  在宅療養等支援用具 平成30年度46件 平成31年度48件 平成32年度50件  情報・意思疎通支援用具 平成30年度150件 平成31年度160件 平成32年度170件  排泄管理支援用具 平成30年度7,600件 平成31年度7,650件 平成32年度7,700件  住宅改修 平成30年度22件 平成31年度23件 平成32年度24件  手話奉仕員養成研修事業 見込量単位は年間延修了者数 平成30年度100人 平成31年度110人 平成32年度120人  移動支援事業 見込量単位は年間実利用者数と年間延利用時間数 平成30年度年間実利用者数245人 年間延利用時間数20,800時間 平成31年度年間実利用者数250人 年間延利用時間数21,150時間 平成32年度年間実利用者数255人 年間延利用時間数21,500時間  身体障害者等社会参加応援バス運行事業 見込量単位は年間運行回数と年間延利用者数 平成30年度年間運行回数80回 年間延利用者数650人 平成31年度年間運行回数85回 年間延利用者数675人 平成32年度年間運行回数90回 年間延利用者数700人  地域活動支援センター機能強化事業T型 見込量単位は設置個所数と登録者数 平成30年度は設置個所数2か所 登録者数180人 平成31年度設置個所数2か所 登録者数180人 平成32年度設置個所数2か所 登録者数180人  地域活動支援センター機能強化事業U型 見込量単位は設置個所数と登録者数 平成30年度は設置個所数2か所 登録者数120人 平成31年度設置個所数2か所 登録者数120人 平成32年度設置個所数2か所 登録者数120人  地域活動支援センター機能強化事業V型 見込量単位は設置個所数と登録者数 平成30年度は設置個所数3か所 登録者数40人 平成31年度設置個所数3か所 登録者数40人 平成32年度設置個所数3か所 登録者数40人  手話通訳者・要約筆記者養成研修事業 見込量単位は講習修了者数 平成30年度60人 平成31年度60人 平成32年度60人  盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業 見込量単位は講習修了者数 平成30年度10人 平成31年度10人 平成32年度10人  盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業 見込量単位は実利用者数 平成30年度10人 平成31年度10人 平成32年度10人 120ページ  任意事業  福祉ホーム運営事業運営事業 見込量単位は実施個所数と年間実利用者数 平成30年度実施個所数1個所 年間実利用者数4人 平成31年度実施個所数1個所 年間実利用者数4人 平成32年度実施個所数1個所 年間実利用者数4人  訪問入浴サービス事業 見込量単位は実施個所数と年間実利用者数 平成30年度実施個所数2個所 年間実利用者数10人 平成31年度実施個所数2個所 年間実利用者数11人 平成32年度実施個所数2個所 年間実利用者数12人  視覚障害者生活訓練 見込量単位は年間延訓練回数 平成30年度350回 平成31年度360回 平成32年度370回  視覚障害者機器講習 見込量単位は年間延開催数 平成30年度80回 平成31年度100回 平成32年度120回  TT推進講習 見込量単位は年間延開催数 平成30年度10回 平成31年度10回 平成32年度10回  自動車運転免許講座 見込量単位は年間延開催数 平成30年度2回 平成31年度2回 平成32年度2回  日中一時支援事業 見込量単位は年間実利用者数 平成30年度220人 平成31年度220に 平成32年度220人  巡回支援専門員整備 見込量単位は年間実利用者数と年間延開催数 平成30年度年間実利用者数1,500人 年間延開催数600回 平成31年度年間実利用者数1,500人 年間延開催数600回 平成32年度年間実利用者数1,500人 年間延開催数600回  相談支援事業所等(地域援助事業者)における退院支援体制確保 見込量単位は実施の有無 平成30年度実施有 平成31年度と平成32年度においては目標を達成すれば事業終了  レクリエーション活動等支援事業 見込量単位は年間延利用者数 平成30年度1,100人 平成31年度1,100人 平成32年度1,100人  文化芸術活動振興事業 見込量単位は年間延利用者数 平成30年度600人 平成31年度600人 平成32年度600人  障害福祉のしおり 見込量単位は点訳版・音訳版の発行回数 平成30年度点訳版発行無,音訳版1回 平成31年度点訳版1回,音訳版発行無,平成32年度点訳版発行無,音訳版1回  議会だより 見込量単位は点訳版・音訳版の発行回数 平成30年度点訳版4回,音訳版4回 平成31年度点訳版4回,音訳版4回 平成32年度点訳版4回,音訳版4回  広報「あかるいまち」 見込量単位は点訳版・音訳版の発行回数 平成30年度点訳版12回,音訳版12回 平成31年度点訳版12回,音訳版12回 平成32年度点訳版12回,音訳版12回  奉仕員(点訳)養成研修事業 見込量単位は年間受講者数 平成30年度10人 平成31年度10人 平成32年度10人  手話通訳者養成ステップアップ研修 見込量単位は年間受講者数 平成30年度170人 平成31年度170人 平成32年度170人  点訳・音訳ボランティアステップアップ研修事業 見込量単位は点訳研修・音訳研修の開催数と参加者数 平成30年度点訳研修16回 音訳研修11回 参加者数100人 平成31年度点訳研修16回 音訳研修11回 参加者数100人 平成32年度点訳研修16回 音訳研修11回 参加者数100人  要約筆記者派遣事業従事者資質向上特別支援事業 見込量単位は年間受講者数 平成30年度90人 平成31年度90人 平成32年度90人 V 資料 123ページ ニーズ調査 1 障害等のある人の支援に関する調査  ・調査期間:平成29年4月〜5月  ・調査対象:平成29年3月31日現在,本市に住民基本台帳を有する18歳以上の身体障害者手帳または療育手帳を保有し,障害者支援施設及び療養介護利用者を除いた者から,以下対象者を無作為抽出。        @身体障害者手帳保有者18〜64歳 1,600人        A身体障害者手帳保有者65歳以上 250人        B療育手帳保有者18歳以上 650人  ・調査方法:自記式アンケートを対象者に郵送し,返信用封筒での回答       (無記名)。  ・有効回答・集計対象:対象者2,500人のうち1,301人より回答あり                         (回収率 52.0%) 2 障害等のある子どもの支援に関する調査  ・調査期間:平成29年5月  ・調査対象:平成29年4月1日現在,本市に住民基本台帳を有し,以下の@からEの条件のいずれかを満たす,平成11年4月2日以降に生まれたお子さん及び保護者 @ 身体障害者手帳を所持している 218人 A 療育手帳を所持している 434人 B 特別児童扶養手当を受給している 881人 C 障害福祉サービス受給者証を所持している 817人 D 特別支援加配保育士の配置を受けている 228人 E 義務教育の年齢で,市立学校の特別支援学級または特別支 援学校に在籍している 731人  ・調査方法:自記式アンケートを対象者に郵送(Dのみ各園から手渡し)        し,返信用封筒での回答を求めた。  ・有効回答・集計対象:対象者1,664人(@〜Eの重複者を除いた実数)        のうち912人より回答あり(回収率 54.8%)             124ページ 意見交換会 1 対象    発育や発達に遅れや不安のある未就園児の保護者(親子通園施設 「ひまわり園」利用者)   日時  平成29年3月24日(金)   主な内容 ・1歳6か月児健診について ・サポートファイルについて ・ひまわり園の施設について 2 対象    重症心身障害児の保護者(Smile Support Kochi)   日時     平成29年7月16日(日)   主な内容 ・医療・療育について ・福祉サービスについて ・保育・教育について ・災害時の対応について ・サポートファイルについて ・母親支援について 3 対象    精神障害者の家族(高知市精神障害者家族会連合会)   日時    平成29年3月29日(水)   主な内容 ・生活・福祉サービスについて       ・医療・保健について        ・就労について 4 対象    精神障害当事者(高知市ピアサポーター養成研修会修了者)   日時    平成29年4月26日(水)   主な内容 ・就労定着について  ・健康管理について   ・居場所について (アルコール依存症の方への支援について) 5 対象    精神障害者の支援者(高知市精神障害者地域移行支援者会議)   日時    平成29年6月1日(木)   主な内容 ・地域移行・地域定着について