厚生労働省作成 5歳から11歳のお子様と保護者の方へ 新型コロナワクチン接種についてのお知らせ 保護者の方へ 5歳から11歳の方も,新型コロナワクチンを受けられるようになりました。国内の新型コロナ感染者全体に占める子どもの割合は増えています。この説明書を読んで,ワクチンを受けるか,お子様と一緒に検討ください。 使用するワクチン ファイザー社の5歳から11歳用のワクチンを使用します。子ども用のワクチンです。(ファイザー社の12歳以上のものに比べ,有効成分が3分の1になっています。) 通常,3週間の間隔をあけて,合計2回接種します。 接種の対象 5歳から11歳の方 特に,慢性呼吸器疾患,先天性心疾患など,重症化リスクの高い基礎疾患(日本小児科学会では,新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い疾患の一覧表を公表しています。)を有するお子様は接種をおすすめしています。接種にあたっては,あらかじめかかりつけ医などとよく相談してください。 新型コロナワクチンの効果 質問 新型コロナワクチンは,どんな効果がありますか? 回答 新型コロナワクチンを受けることで,新型コロナに感染しても症状が出にくくなります。ワクチンを受けると,体の中で新型コロナと戦う仕組み(免疫)ができます。ウイルスが体に入ってきた時に,すづぐ戦える準備ができますので,新型コロナの症状が出にくくなります。5歳から11歳における2回接種後7日以降の発症予防効果は,90.7%と報告されています(オミクロン株が出現する前のデータです。)。 新型コロナワクチンの安全性 質問 子どもが新型コロナワクチンを受けた後は,どんな症状が出ますか? 回答 注射した部分の痛みが一番多く現れます。ワクチンを受けた後,数日以内に現れる症状は,注射した部分の痛みが一番多く,1回目で74%,2回目で71%でした。注射を受けた後よりも,受けた日の夜や次の日に痛みを感じる人が多いです。疲れた感じや発熱などは,1回目よりも2回目の後の方が多く現れ,38℃以上の発熱や1回目で2.5%,2回目で6.5%でした。ワクチンを受けた後の症状は,ほとんどが軽度または中等度であり,現時点で得られている情報からは,安全性に重大な懸念は認められないと判断されています。 数日以内に起こることがある症状 症状 注射した部分の痛み,疲れた感じ 症状が出た人の割合 50%以上 症状 頭痛,注射した部分の赤身・はれ,筋肉痛,寒気 症状が出た人の割合 10%から50% 症状 下痢,発熱,関節痛,嘔吐 症状が出た人の割合 1%から10% 質問 若い男子ほど接種後に心筋炎を発症しやすいと聞きますが,子どもはどうでしょうか? 回答 米国では,12歳から17歳男子に比べ5歳から11歳男子の方が,心筋炎が報告される割合が低いとされています。ごくまれですが,海外では子どもでも軽症の心筋炎を発症した例が報告されています。米国では,新型コロナワクチン接種後の心筋炎の報告率は,5歳から11歳の男子の方が12歳から15歳や16歳から17歳の男子より低いとされています。ワクチン接種後4日程度の間にお子様に胸の痛み,動悸,息切れ,むくみなどの症状がみられた場合は,速やかに医療機関を受診して,ワクチンを受けたことを伝えてください。なお,心筋炎と診断された場合は,一般的には入院が必要となりますが,多くは安静によって自然回復します。 新型コロナワクチンを受けるには お子様のワクチン接種には,保護者の同意と立ち合いが必要です。 ワクチンを受ける際には,感染症予防の効果と副反応のリスク双方について,正しい知識を持っていただいた上で,保護者の方の意思に基づいて接種をご判断いただきますようお願いします。保護者の方の同意なく,接種が行われることはありません。 周りの方に接種を強制したり,接種をしていない人に対して差別的な対応をすることはあってはなりません。 ワクチンを接種当日は可能な限り母子健康手帳をご持参ください。 子どものワクチン接種では,接種履歴は母子健康手帳で管理しているため,接種当日には可能な限り母子健康手帳をご持参ください。 その他,このお知らせが入っていた封筒の中身一式,本人確認書類(マイナンバーカード,健康保険証等)を忘れずにお持ちください。 ワクチンについての疑問や不安があるときはかかりつけ医などにご相談ください。 新型コロナワクチンと他のワクチンとの接種間隔などについては,かかりつけ医などにご相談ください。同時または前後2週間は,原則,他のワクチンを受けることはできません。また,お子様に基礎疾患があるときなど,ワクチンについての疑問や不安があるときも,かかりつけ医などによくご相談ください。 ご相談先など 新型コロナワクチンに関する相談先 ワクチン接種後に,体に異常があるとき ワクチンを受けた医療機関やかかりつけ医,市町村や都道府県の窓口 ワクチン接種全般に関するお問い合わせ 市町村窓口 予防接種健康被害救済制度について 予防接種では健康被害(病気になったり障害が残ったりすること)が起こることがあります。極めてまれではあるものの,なくすことはできないことから,救済制度が設けられています。 新型コロナワクチンの予防接種によって健康被害が生じた場合にも,予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金の給付など)が受けられます(その健康被害が,接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは,市町村により給付が行われます。認定にあたっては,予防接種・感染症・医療・法律の専門家により構成される国の疾病・障害認定審査会により,因果関係を判断する審査が行われます。)。 ワクチンを受けた人もいれば,受けていない人もいます。ワクチンを受けた後も,今までのように,しっかり手洗い・消毒,マスクなどの感染予防対策を続けましょう。 5歳から11歳のお子様へ 新型コロナワクチンをなぜ受けるの? 人の体の中に新型コロナウイルスが入りこみ仲間が増えると,ねつ,だるさ,せき,息ぐるしさ,頭のいたみ,味覚の変化などがおきて,体の調子が悪くなります。 ワクチンを受けると,体の中で新型コロナウイルスとたたかう用意ができるので,ウイルスが体に入っても,体の調子が悪くなりにくくなります。 新型コロナワクチンを受けるときは,どんなことに注意すればいいの? 受ける前 37.5℃以上のねつがあるときや,体の調子が悪いときは,ワクチンを受けられないので,そのことをおうちの人に伝えましょう。 受ける時 ワクチンは肩の近くに注射します。肩を出しやすい服で,受けに行きましょう。 受けた後 ワクチンを受けた後,15分以上はすわって様子をみましょう。(30分様子をみる場合もあります) 当日はおふろに入るなど,いつも通りの生活をするのは問題ありませんが,激しい運動はやめましょう。 ワクチンを受けると,以下の症状が出ることがありますが,2〜3日で自然とよくなることがわかっています。 症状 ねつ,気持ちわるさ,だるさ,おなかをこわす,頭のいたみ,さむけ こんな症状が出たら,おうちの人や周りの大人に知らせましょう。 受けたすぐ後 体のかゆさ,せき 受けた日や4日くらいの間 ねつ,頭のいたみ,胸のいたみ,息ぐるしさ,だるさ,さむけ,胸がドキドキした感じ このワクチンは3週間の間をあけて2回受けてください。