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■結核Q&A

Q 結核の原因はなんですか?
A 結核は結核菌という細菌によって起こります。 結核菌は細胞分裂して発育しますが、その速度は非常に遅いのが特徴です。
Q 結核は昔の病気ではないのですか?
A いいえ。結核は現在でも1年間に約1万7千人の患者が発生する、わが国の重大な感染症です。 平成9年は、38年ぶりに結核の新患者数が前年を上回り、その傾向は平成10年も続きました。また、日本の結核は、先進諸国の中では最も減少が遅れています。 さらに、多剤耐性結核菌や、続発する結核集団感染、院内感染等、緊急に対応を図らなければならない課題が大きくなっています。しかし、国民や医療機関、行政でも結核に対する関心は低下しています。 このため、厚生労働省(当時厚生省)は平成11年7月に「結核緊急事態宣言」を発表し、注意を喚起しました。
Q 結核はどのようにしてうつりますか(感染しますか)?
A 痰の中に結核菌が出る(排菌といいます。)ようになった重症の結核患者が、せきやくしゃみをするとしぶきが飛び散ります。このしぶきの中の結核菌を吸い込むことによって結核はうつります。 逆にいえば、結核に感染しても発病していなければ周囲の人へ結核がうつることはありえませんし、発病しても排菌していなければ、周囲の人へ結核はうつりません。
Q 結核が(感染する)と、必ず発病しますか?
A いいえ。結核がうつっても、結核になるのは10人に1から2人くらいです。残りの8から9人は、免疫の力によって結核菌は一生眠った状態で過ぎます。 現在の日本人では、高齢者を中心に約4人に1人は体の中に眠った結核菌を持っていると考えられています。
 Q 結核がうつる(感染する)と、すぐ発病しますか?
A いいえ。結核菌はゆっくり増えますので、結核がうつってから発病するまでかなりの時間がかかります。 成人では肺結核になることが多いのですが、感染者の約5から10%の者は、おおむね6ヶ月から1年の間に発病します。また、その後の発病の危険性はぐっと少なくなりますが、0になることはなく、感染者の約5から10%は感染後長期間経過してから発病すると考えられています。
Q どのような人が結核を発病しやすいのですか?
A 結核は感染しないと、発病しません。したがって、家族や親しい人に結核患者が出た場合は、感染した可能性があり、注意が必要です。 また、結核に感染して体の中でずっと眠っていた結核菌が、何十年も経って体の抵抗力が衰えた時に、再び目覚めることもあります。高齢者の多くは、このような形で発病しています。そのほか、糖尿病の人、副腎皮質ホルモンを服用している人、以前結核の治療をした人、胸部X線(レントゲン)検査で治った影のある人は注意が必要です。
Q 結核は発病するとどのような症状がでますか?
A 結核は肺結核で発病することが多いのですが、結核の症状は、カゼとよく似ています。せき、たん、血たん、胸痛、発熱、だるさが2週間以上続くようなら、注意が必要です。 結核の患者さんに聞くと、最初は「しつこいカゼだなあ」と思っていて、病院を受診したところ結核と診断された方が多いようです。 また、胸膜炎の場合には、胸痛が自覚されることが多いようです。
Q 結核の検査にはどのようなものがありますか?
A 結核に感染したかどうかの検査は、以前はツベルクリン反応検査でしたが、現在では主にIgra検査(血液検査)により判定します。結核を発病したかどうかの検査は、胸部X線検査により判定します。結核が重症化したかどうかの検査は、痰などの菌検査により判定します。
Q Igra検査は何を調べる検査ですか?
A 結核に感染すると、体に結核に対する免疫ができます。Igra検査は、血液中にある免疫を、結核特有の物質で刺激することにより産生される物質がどれくらいあるかを見る検査です。Igra検査には、クォンティフェロン(Qft)や、T−スポットなどがあります。 これまでのツベルクリン反応検査では、BCG接種によっても陽性となることがありますが、Igra検査ではBCG接種の影響を受けません。ただし、結核の感染が以前のものか、最近のものかを区別することはできません。
 Q X線(レントゲン)検査を続けて受けても大丈夫ですか?
A X線の被曝はできるだけ少ない方が良いのですが、胸部X線検査1回あたりの被曝量は、1年間に自然から放射線を受ける量の二十分の一程度に過ぎず、被曝量は非常に小さいと考えられます。 ただ、結核はゆっくり発育する菌とはいえ、2ヶ月経つと新たに影が出ることもあります。ですから、胸部X線検査を定期的に受けるようにしましょう。
Q 結核の発病を防ぐにはどのような方法がありますか?
A 結核に感染しても、発病しないよう、結核菌を押さえ込む方法が2つあります。
広く行なわれているのはBCG接種で、特に小さな子どもが重い結核になることを防ぐのに効果があります。 また、家族などに結核患者がいて、結核に感染したかどうかの検査の結果、感染していることが判明した場合には、予防内服を行なうことがあります。
Q 予防内服とは何ですか?
A 結核に感染した直後に、ヒドラジドという結核薬を6ヶ月飲めば、その後結核を発病する可能性を、低く抑え込むことができます。これを予防内服といいます。 症状がなく6ヶ月服薬することは大変だと思いますが、きちんと6ヶ月服薬すれば、確実に予防効果がある方法です。逆に3ヶ月程度で服薬を止めてしまうと、あまり発病予防に役立たないこともわかっています。
Q 予防内服で副作用がでることはありませんか?
A ヒドラジドは副作用が最も少ない結核治療薬です。 さらに、年齢が若ければ、副作用の出る割合は非常に少ないことが分かっています。 副作用の症状としては、食欲不振、悪心、嘔吐、全身倦怠感などが3日以上続いたり、尿の色が濃くなったり、黄疸、発疹、手足の感覚異常、3日以上の発熱、右腹部圧痛が目安となります。このような症状が出た場合には、主治医に相談すると良いでしょう。
Q 結核に感染した場合、勉強やスポーツで注意することはありませんか?
A 一般的には30歳未満の者が、結核に感染した直後には予防内服が行われます。予防内服をした場合、その後発病するかどうかに最も影響するのは、きちんと薬を服用するかどうかです。
予防内服をしている間でも、きちんと薬さえ服用していれば、勉強やスポーツを特に制限する必要はないと考えられています。
Q 結核の治療はどのようになっていますか?
A 以前は結核の治療は2から3年かかっていました。しかし、現在では良い薬ができましたので、治療期間は通常6から9ヶ月と短くなりました。また、重い結核の患者でも、結核の薬を服用し始めて2週間もすれば、周囲へ結核をうつす可能性はほとんどなくなります。
Q 結核を防ぐのには、どのような方法がありますか?
A いま、一番大切なのは、結核を忘れないということです。 結核を早く見つけることは、本人の病状が重くなるのを防ぐためにも、周囲へ結核をうつさないようにするためにも、大切になります。 そのためには、年に1回健診(胸部X線検査)を受けることと、症状が出てから早く医療機関を受診することが大切です。 「長引く咳は、赤信号」という標語がありますが、咳が長引いたり、カゼのような症状が2週間以上続くようなら、医療機関を受診してください。



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