昭和二十二〜二十四年の戦後ベビーブームに生まれた、いわゆる団塊の世代の第一陣が六十歳となり、さまざまな分野で定年退職を迎えます。長い間お疲れさまでした。

　全国で七百万人ともいわれるこの世代には、多様な生活スタイルと幅広い遊びの文化があり、成長年齢に応じていろいろな魅力あるヒット商品が生まれました。日産スカイラインという車がこの団塊世代にターゲットを絞り開発されていったことは有名です。「ケンとメリーのスカイライン」などの宣伝効果は大きく、コマーシャルが撮影された北海道美瑛（びえい）町の「ケンとメリーの木」は観光スポットにもなっています。

　団塊世代の特徴の一つは「多趣味なこと」です。退職して自由に使える時間が増えることで、趣味の活動や消費が活発になるといわれています。散歩やハイキングなどの山歩き、花作りや野菜作り、海や川の釣り、グラウンドゴルフやパークゴルフなどの新しいスポーツ、娯楽活動、旅行などその活動は実に広範囲です。

　もちろん、新しい別の仕事を始められる方々も多いと思いますし、地域社会でさまざまな分野のボランティア活動を予定されている方々もおられるでしょう。

　退職されて地域に帰ってこられる団塊世代の皆さんにぜひお願いしたいのは、お住まいになっている地域と何らかの関わりを持っていただきたいということです。ご自身でできる少しのこと、例えば地域の子どもたちへの「おはよう」の声掛けをお願いします。地域にお力を貸していただき、「このまちに住んで良かった」と思えるまちづくりを一緒に進めていただきたいと思います。