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内和外順 高知市広報紙「あかるいまち」より
このページは,高知市広報紙「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。
こども小砂丘賞(2006年9月号)
こども小砂丘賞

  ことしも、「小砂丘(ささおか)賞作品集」が届きました。県内の小・中学生による作文集で、年一回の発行を楽しみにしています。

 日常生活に根差した「生活綴(つづり)方」の運動で著名な小砂丘忠義(ただよし)先生を顕彰し、子どもたちの素晴らしい作文を表彰する「こども小砂丘賞」は、昭和三十年に創設されました。すでに五十年以上の年月が過ぎていますが、現在も脈々とつづり方指導は続いています。学校現場の先生方の熱心な指導もあり、子どもたちの生き生きとした感性が見事な作文となって表現されています。

 作品集には子どもたちの優しい思いがいっぱい詰まっていて、家族へのいたわりやおばあちゃんが亡くなったことの悲しみ、虫捕りやアユのしゃくり捕り、友だちや愛犬のことなど、日々の暮らしが目に見えるような臨場感で描かれています。本当に一つ一つの文章が素晴らしく、文章を書く機会が多いわたしも、「こりゃとてもかなわんわ」と自分の力量不足を恥じるばかりです。

 子どもたちのみずみずしい心と優しい気持ちを真に大切にされた小砂丘先生に心から感謝するとともに、その思いが引き継がれていることをうれしく思います。作品集を見ていると、日常の忙しさの中でつい忘れそうになっている大切な心の優しさにあらためて気付かされます。本来、子どもたちは優しさと思いやりの気持ちを強く持っています。わたしたち大人が子どもに教えられることが多いのも、その純粋な子どもたちの思いが大人の心を打つからだと思います。

 未来を担う次の世代が、さまざまな体験を通じて、生き生きと成長できることを心から願っています。

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