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内和外順 高知市広報紙「あかるいまち」より
このページは,高知市広報紙「あかるいまち」に掲載されている「Mayor's Column 内和外順」のコーナーを再掲したものです。
読書の楽しみ(2005年8月号)
読書の楽しみ

 市長就任後、なかなか時間が取れなくて、ゆっくり本を読む暇がないのが残念です。

 学生時代から大好きな作家は五木寛之氏。一九六六年の「さらばモスクワ愚連隊」、そして直木賞を受賞した「蒼ざめた馬を見よ」を読んで、人々の光と影を鮮明に描き出す物語にすっかりはまってしまいました。彼の小説の根底には、常に漂泊やデラシネ(根無し草)といった行き場を求めてさまよう人々の存在が丁寧に描かれています。四季の名前が付いた女性を主人公にした四季シリーズ、広告代理店やテレビ局のプロデューサーなどを主人公にした種々の物語など、彼の物語のうまさにはつくづく感服します。

 最近よく読むのは、歴史関係の小説です。土佐の偉人たちのことを少しずつでも知っておきたいと読み始めましたが、やはり歴史小説は史実がベースになっているので、大変面白い。

 「竜馬がゆく」をはじめ、来年の大河ドラマの原作「功名が辻」や山内容堂を描いた「酔って候」、長宗我部元親が主人公の「夏草の賦」など、土佐に縁のある人々を題材にした本は数多く、どの物語の主人公も本から抜け出してきて暴れ回るような躍動感があります。

 本にはたくさんの感動と知識が詰まっています。読書好きにとって本を読む時間は「至福のとき」ですが、多くの子どもたちにも「本は面白い」ということを知ってもらいたいと思います。

 子どもたちへの「読み聞かせ」は親子のきずなを大切にする意味でも、また、本が大好きになるという点からも大事なのではないか、そんなことを考えながら、今日も少しずつ本を読んでいます。

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