平成30年度 第4回 高知市自立支援協議会 日時:平成31年3月8日(金)18:30〜  場所:総合あんしんセンター 3階大会議室 欠席:上田副会長、井上委員、森下委員   1 開会 (司会)  本日の議事内容及び資料確認 2 協議事項・報告事項 @報告 相談支援検討会報告 (相談支援検討会会長)  検討会からの報告として,30年度から18歳移行期問題を議題として,教員や保護者に対してサービスが周知できていないのではないか等といったことについて,この1年間協議を重ねてきました。そして,各関係機関や学校で配布されているものも参考にした上で,今回別添資料1「高知市の障害福祉サービス等の利用の手引き」としてまとめたことをご報告させていただきます。  その中で一番気を付けているのは,手引きの後ろの方に,よくある質問Q&Aとして,特に利用者さんや保護者さんから多く寄せられる質問内容に関して掲載しており,周知していこうと思っています。  また,受給者証についても,サービスによって異なるので,カラー版ではないものの,色や形がわかるように掲載しています。  また,使えるサービス等についても,対象となる区分について記載し,さらに18歳以上と18歳未満に分けて記載しています。  検討会の活動の総括としては,相談支援の研修会を年1回行ったり,連絡会のあとに勉強会を開催し,スキルの向上を目指しています。また我々の仕事は福祉の法律に基づいているので,各関係機関から関係者を呼んで勉強会をしたり,医療機関を呼んで勉強会をした1年でした。  私からの報告は以上です。 (会長)  ありがとうございます。何かご意見やご質問はありませんでしょうか。  手引きについてですが,サービスを希望されている方向けに作成したものということですが,どこかで自由に見ることはできるのでしょうか。 (相談支援検討会会長)  このパンフレットは,関係機関ではなく学校にお配りできたらいいかなと思います。高知市全事業所に配ることができるか,全利用者さんに配ることができるかは部数の関係等もありますが,各相談支援事業所には配布できると思いますので,それをコピーしていただいても良いかと思います。  また,行政のホームページにPDFとして見せることも話に挙がっていたので,それも周知徹底していけたらと思っています。 (委員)  特別支援学校と相談支援事業所に周知・配布の予定ということですが,実は,中学生の発達障害の人たちは,一般高校へ進学をしなくてはならないので,特別支援学校へ行かないということがあります。先生方は,教えることの困難さと,本人の困難さ・家族の困難さがあり,非常に助けを求めていると思います。今,中学生は高校を選ぶという大変な時期で,学校の中で混乱していることがいくつかあると思います。  そういった人に対して福祉サービスなどの話を整理してくれる人がいるかというと,なかなかおらず,どこを頼ったらいいかも分からない。学校も困っている。本人やご家族が困っているという事例がいくつか挙がってきています。  こういったことに関して,中学校などに対し説明があることによって,選択肢が広がるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。 (相談支援検討会会長)  今ご指摘のとおり,中学生の頃からそういった悩みがある場合もあると思いますので,行政とも話をしながら,中学校にも送付できるものであれば送付していこうと考えます。 (委員)  せっかく作られましたので,感想も含めて意見を言いたいと思います。私の感想は,大変よくできていますということです。  こういう手引書や説明書というのは数多くあるもので,それぞれ特徴があると思います。ですが,やはり昨年から学校現場とやり取りしながら検討を積み重ねてきただけあって,例えば,学校の先生が初めて進路を担当し,福祉サービスについて知る必要があるときに,非常に分かりやすい。まさに手引きとして分かりやすい編集や用語の説明,意味,流れも含めて分かりやすく構成されているなと思いました。  あと,この活用については,今委員が言われたように,義務教育校だけでなく,高校も含めた学校のいろいろな子どもたちの手元に届くという手立てをしたほうがいいなと思います。せっかく作ったので,広げるという意味でも。いいものは活用しましょう。  それと同時に,できれば学校現場とのやり取りの会については,2〜3年に1回は懇談会をやって,それもあわせて出てきた意見をまた基にしてこれを改定していくのはどうでしょうか。制度も変わるし,情報とするべき内容も重点も変わってくると思います。改定をしていくことも含めた監修の仕方をぜひお願いしたいと思います。 (委員)  この冊子には直接関係はないのですが,市の障がい福祉課と子ども育成課との連携は,どの程度できているのでしょうか。  なぜかというと,発達障害の子どもたちの相談に障がい福祉課に行かれる方は非常に少ないと思います。たまたま私が障がい福祉課の相談窓口に座っている関係で,そのときによく話を聞きますが,市の中で発達障害の子どもたちの相談窓口は子ども育成課にしかない。  なので,どのように連携をとっておられるか,とろうとされているのかについてもこの冊子の中に記載されていれば,もう少し家族も分かりやすいのではないかと思います。 (事務局)  今のところは,こども未来部にも保健師がおりまして,障害特性に応じてサービスが必要であると判断する場合に,障がい福祉課の専門職と連携をとる場合があります。  また,最近でいいますと,医療的ケア児が大変全国的にも注目されています。子ども部門,それから障害部門,あと学校や保健部門も含め,庁内で医療的ケア児や重度の障害を持つ子どもさんの検討という形で定期的に話し合いをする場はあります。 (会長)  先ほどいただいた意見等につきましては,また次回見直しをされるときのご意見の一つとしてご利用いただければと思います。では,次の議題へ移ります。 A協議 基幹相談支援センター実行計画の策定 (事務局)  私から,基幹相談支援センターの実行計画について報告させていただきます。  説明資料のスライド5の2の報告・協議事項からです。いよいよ来月4月から高知市の基幹相談支援センターが,障がい福祉課直営で始まります。  スライド7をご覧ください。高知市の基幹相談支援センターは,地域における相談支援の中核的な役割を担い,高知市の障害のある方の地域生活を支援することを目指して活動をしていきます。  これからの3年間は地域の相談支援体制の強化,地域ネットワークの構築,自立支援協議会・各検討会の事務局としての機能をしっかり持つこと。この3点について重点的に取り組んでいきます。  次のスライド8は何度かお示しをしております,4月からの相談支援体制についてのイメージ図です。既存の東西南北の障害者相談センターと,現在35箇所の指定相談支援事業所があり,そこに新たに基幹相談支援センターが開設されるという位置付けになっています。高知市基幹相談支援センターについては障がい福祉課直営ですので,我々市役所職員が基幹相談支援センター職員となります。全く新たな組織ができあがるわけではありませんが,基幹相談支援センターの機能を果たすために業務の見直しを行いましたので,4月からは新体制となってスタートするイメージを持っていただければと思います。  次のスライド9をご覧ください。基幹相談支援センターが担う役割について,当面3年間の重点項目についてご説明します。ここからは,別紙の実行計画進行管理表がありますので,そちらもあわせてご確認ください。  センターが担う役割の重点1は,地域の相談支援体制の強化についてです。目指す方向性は,相談支援専門員が良質なケアマネジメントが実践できることです。そのために必要な実施事業は右の3つの事業です。  スライド10をご覧ください。まずは,相談支援事業所との連携強化を行います。具体的には,現在も定期開催されております事務連絡会やケアプランの点検,ケース相談,相談支援専門員との同行訪問や,病状調査等の同行。そして個別支援会議の開催,他課の嘱託医や他課や他機関の専門職の活用などが考えられます。  困難ケースやケアプランの立て方などについて,専門員から相談があれば現在も応じていますが,今後はそれぞれの職員の力量や裁量で対応して終わるのではなく,関係機関との繋がりができたらそれを職員間で共有するなど,必要なケースに必要な情報がスムーズに行き渡るように,基幹相談支援センターの対応メニューを蓄積していきたいと考えています。  当初から情報やメニューが揃っているわけではありませんので,相談支援専門員からの相談を受けたときにすぐに答えが出ないこともあります。ほかの相談支援専門員や障害者相談センターの職員,他課への問い合わせをして情報を手繰り寄せたり,新たな相談機関に一緒に飛び込むなど,基幹職員も一緒に汗をかき,共に成長し合えるような関係性を築いていきたいと考えています。  相談支援専門員が対応に困ったと感じたときに基幹に相談してみようと思ってもらえ,気軽に相談できるセンターであること,相談支援専門員が再度同じメニューを必要とした時は,自ら繋がっていけるようになることを目指していきたいと思います。また,相談支援専門員の経験や力量には個人差があり,課題のあるケースであっても,必ずしも問題意識を持って関わっているとは限りません。専門員から相談がなくてもケアプランから課題が見つかりケース相談に繋げていくことも想定されますので,ケアプランの点検は丁寧に行っていきたいと思っています。  続いて,階層別研修についてです。これまでも相談支援検討会で相談支援専門員の人材育成として研修会を開催してきました。しかし,新任の相談支援専門員が増えてきたこともあり,研修テーマによっては階層別に行うことも必要ではないかと感じています。研修内容を相談支援検討会で検討しながら実施をしていきたいと考えています。  スライド11をご覧ください。Bの基幹職員の対応力向上について,相談支援専門員の人材育成を行っていくには,基幹職員の力量も同時に上げていかなくてはなりません。相談支援専門員と共に成長し合うには相談支援の基本を知ることも必要です。そのためには,相談支援専門員研修を受講し一定のレベルを確保していくことが必要と考えています。  また,初めに申し上げたとおり,基幹相談支援センター職員も市役所の職員ですので異動があります。新しく異動してきた職員のOJTの充実を図っていきたいと思います。  右側にありますように,人材育成と困難ケース支援というのは関連し合っています。この2つを同時に行っていくことで相乗効果が生まれると考えています。どちらも充実させていくことが相談支援体制の強化に向けた基幹の重要な取組になると思っています。  スライドの13です。重点2の地域ネットワークの強化です。これについては3つの実施事業を考えております。  まずは,1番の既存のネットワークの把握について。これは地域の社会資源についてマップに落とし込んでいき,共有化が図れるようにしていきたいと考えています。  続いて2番のネットワークの強化についてです。地域生活支援に関わることであれば,分野を問わずにネットワーク会議等に参加して関係機関と積極的に繋がるとともに,その中で出てきた個別の事例の課題を積み重ねていく中で,地域の社会資源や人的資源との繋がりをより強めていけるように意識をして取り組んでいきたいと思っています。  3つ目に,他分野,多職種との連携です。これまでも他分野の連携会議に求められて出席する機会はありましたが,やはりその場限りの連携で終わることもありました。今後は横の繋がりだけでなく,さまざまな角度から繋がっていけるように,我々がアンテナを張り巡らせておき,困ったときに繋がることのできるネットワークを作り上げるように,繋がりを深めていければと考えています。地域ネットワークの強化については,我が事・丸ごとの地域共生型社会の実現に向けた取組にも繋がっていくと考えています。障害分野のみならず,重層的なネットワークを推進していけるように取り組んで行きたいと思います。  次14番のスライドです。重点3の自立支援協議会・各検討会の事務局についてです。目指す方向性はこれまでご説明した重点の1,重点の2の事業を行う中で出てきた地域課題を整理していく。自立支援協議会で検討する調整機能を持つことです。そのために必要な実施事業は右の2つの事業となります。スライド15をご覧ください。  現状の事務局機能は,協議会や検討会に向けた準備としての打ち合わせが中心となっています。重点1,重点2の実施事業を着実に進めていくと,自ずと協議会や検討会を通して検討したい地域課題が出てくると考えています。既存の検討会でいいのか,それとも必要な人材に参集してもらって新たな検討会が必要なのか,など自立支援協議会・各検討会と調整していくことになると思われます。そうした調整機能を担い,それぞれの協議会や検討会が活発に議論できるように図っていきたいと考えています。  以上,実施事業について説明させていただきましたが,まだまだイメージしづらい部分も大いにあると思います。スライドの16をご覧ください。  4月から実行計画に基づいて実施事業に取り組んでいきますが,基幹相談支援センターとしましても現行の計画が全てとは思っておりません。実施しながら順調にいく部分といかない部分が出てくることも想定されます。そのようなことを自立支援協議会にご報告をし,その都度評価,提言をいただきながら,本来の目指す姿に近づくよう努めていかなければならないと考えています。  本日は,実行計画を参考にしていただきながら,さらに付け加えておきたい必要な視点や注意点。それぞれのお立場から取り入れて欲しいことがありましたら,ご指摘願えればと思います。よろしくお願いします。 (委員)  この基幹相談支援センターが,同じ市役所の職員さんの中で4月から位置づけが変わるなど,いろいろと変わる部分があると思いますが,自立支援協議会として評価していくためにも今までとの違いを,今年に関してでも,これからに関してでもいいので,教えていただきたいと思います。例えば障害者相談センターとの関わりや研修活動の違いや,意識の違い,職員の動きの違い,体制の違いなど,そういったものがあれば教えてください。 (事務局)  基幹相談支援センターができた後に我々が重要視している部分は,従来から言われていた人材育成や人と人を繋ぐネットワークの構築などです。  今までそれが全くできていなかった,していなかったかといえば,そうではなく,障がい福祉課の業務の中で現在大半を占めるのがサービスに係る調査や,決定に係る事務作業といった業務に大半の時間を割かれていた現状があります。  ただ,いつまでもそういうことを続けていたら,本当に大切な人材育成やネットワークの構築が取り残されていく形になってしまいます。そこで,現在は,障害支援区分の認定調査は直営で実施していますが,それを来年度から外部に委託をすることで,人材育成やネットワーク構築に力を注げる時間がつくれるようになると考えています。  今まで30%でやっていたものを,次年度から80%,90%に近いような形で取り組んでいくことが大きなポイントと考えています。 (委員)  そこでお聞きしたいのが,それに応じて仕事量を役割分散させて80%にしていくのか,人をこの基幹相談支援センター用に増やしてその分効率良くなるのか。そこはどうでしょうか。今ある仕事を外部に出すのと,自分たちでやることを交通整理しながら,基幹相談支援センターの仕事を集中的にできるような体制とするというイメージを持てばいいでしょうか。 (事務局)  まず機構に関しまして,障がい福祉課の中に室を設け,その室の中に基幹相談支援センターの担当を置くという形の機構改革案となっております。  あと,人員は,認定調査の外部委託をし,その人員分を基幹相談支援センターに振り分けることができます。まもなく4月の定期異動がありますが,人員については明確なご説明ができませんが,やはり専門職の充実,人員の増など体制の強化を図っていけるように考えています。  センターの看板を掲げましたので,ぜひ強く人事当局には話をしていきたいところです。 (委員)  これまで長いこと基幹相談支援センターについて,意見を出し合ってきたと思いますが,それでも今この時期で検討してほしい内容というのは,どういったことを気にされて,どんなことを委員さんたちに話し合ってほしいのかについて,情報量が多いので教えていただければと思います。 (事務局)  ご意見ありがとうございました。過去の議論等を踏まえてこの計画案は作ってはいますが,本日掲げた目指す姿を,果たしてこれで本当に達成できるのか,例えば事務局が欠落している見方や,こういうアプローチもあるのでは,という総論的なご意見はぜひ本日いただきたいと思います。各論については,計画の見直しは都度やればいいと思っていますので,事業についての細かい話より,全体的な話でご指摘いただけることはお願いしたいと思います。 (委員)  ネットワークの部分で,高知市が基幹相談支援センターを直営される。そしてこれから先どのように進めていくかも踏まえ,ネットワークというのが大変重要になってくると思います。そのネットワークをどのように次に繋げていくのか。どのようなシステムを持って次の人に繋げていくのか。そのシステムはしっかりと構築してほしいなと思っています。  当然,私の事業も異動があり,私もこの前異動になりました。この異動になったときに,今まで培ってきた技術を少しでも落とさないように次に繋げていくという努力が必要になるということは,今の時期にひしひしと感じています。  なので,ネットワークのシステムを落とさない,次の人に伝えていく方法をみんなで検討し努力をして,その部分を強化していただきたいと思います。 (委員)  13番目のスライドの地域ネットワークの強化の実施事業の1番目に既存ネットワークの把握とあります。  今ちょうど,高知市社会福祉協議会の地域協働課においても,圏域に分かれて,地域アセスメントを小学校区単位で作成している途中です。ちょうど社会資源はどういったものがあるのかという整理を手掛けています。  なので,既存ネットワークの把握については,協働させていただいたり,情報の共有をさせていただければ非常にありがたいと思います。  また,質問ですが,ネットワークの強化について,今現在の地域の中にある何を変えたくてネットワークの強化をするのか,どんな課題があるからこんなネットワークを作りたいなどありましたら,教えていただきたいと思います。 (事務局)  1点目の協働のお話はたいへん心強く思います。我々は,障害福祉分野で社会資源が非常に弱いところであると思っており,一方で社会福祉協議会や高齢者福祉部門は,この辺りが成功していると思っていますので,ぜひ一緒に協働させていただきたいと思います。ありがとうございました。  2点目のネットワークの強化ですが,ネットワークという言葉が,委員さん一人ひとりによって認識が違いますし,我々職員の中でもやはりいろいろな捉えがあり,非常に曖昧で都合のよい言葉となっています。今日の協議ではできるだけその共有化が深まればいいなと思って聞かせていただきました。  ネットワークは個人単位や地域単位などいろいろあると思います。障害者のAさんという人が持つ個人のネットワークもあれば,地域の中のネットワークがある。強化のイメージについては,ぜひこれは議論を深めていただきたいと思います。  ケースのAさんやBさんという人が,地域の中で何らか困りごとがあるときに,私たちは今まで障害福祉だけの視点でものを考えていました。でも,それ以外の人の繋がりが必ずあるはずで,ぜひその土俵に障害者福祉も入っていく。そのAさん,Bさんの個人のネットワークを広げるという個人単位で考える強化が一つ。  もう一個は,小学校区でも東西南北でも,その地域の中でその障害者が受け手になったり,逆に支え手になったりという社会資源の一つであるというのが,地域共生型社会の考え方の1つであると思いますので,私たち障害者福祉が立ち遅れているこの共生型の考えに我々も入っていく。  そうなると,困窮者支援や高齢者福祉,児童と繋がるはずなので,障害者分野だけで物を考えないところを強化したい。最後に,それが層が厚くなってネットワークが構築される。非常に説明が抽象的で,資料も作りにくかったですが,ここはいろいろな委員のご意見もいただいて,高知市が考えるネットワーク構築はこれ,というご意見をいただきたいなと思います。よろしくお願いします。 (委員)  地域福祉活動推進計画も策定いたしまして,その中に先ほどおっしゃった受け手や支え手の垣根を超えて皆さんが活躍できる場をつくっていこうというのが,計画の中にも盛り込まれています。  なので,障害のある方が,地域の住民さん向けに何かご自分のことをお伝えしていただいたり,自分たちが抱えている課題はこんなのがあるとか,こんなことがしたいんだ,といったことを伝えていただけるような場を準備していきたい。障害のある方の活躍の場,可能性の大きさはとても実感していますので,また地域福祉の分野とぜひ協働させていただける部分がたくさんあるのではないかと思っています。  今後とも,このネットワークについては本当に抽象的で難しく,いろいろなことが含まれる便利な言葉だと思いますが,この強化について協働させていただけたらと思い聞かせていただきました。 (委員)  先ほどの話で,異動に関しては私たちにもあるものです。そのときに質を落とさないということは,どの分野でも共通の課題になっているのではないかと思います。基幹相談支援センターだけではないかと思います。  そういった異動のある委員さんがいれば,質を落とさないノウハウやアイデアを聞かせていただきたいと思います。 (委員)  私は,現場から事務へ異動となり,また現場に戻るという異動となりました。事務をこれまで専門としてやってきていなかったので,今四苦八苦しています。文章にすることも大変ですし,システムを伝えていくことも大変です。その部分をどのようにやっていくかと言うと,やはり手順書と,日頃の関係性の中でいくつかの共通言語をしっかり持つことが大切だと感じています。  その共通言語というものは,一言で3つくらいの思いが伝わればすごく短く済みます。なので,日頃からの会話が法人全体で大事になってくると感じています。そのように私が感じた部分をみんなに伝えていきたいと思いながら,手続きを行っている最中です。 (委員)  今お話をお聞きしながら,この専門性を確保し,担保していくことは,まさに今学校でも大きな課題です。また,私が異動してきた経験から言うと,やはり職場内OJT,日々の仕事の中で学んでいくということが現場としては非常に大事だと思います。  特に,異動して来られる方が,関係した分野で仕事をしていた方なら,先ほどおっしゃっていた共通言語というものも理解していただきやすいですが,例えば小中学校で障害のない通常の教育をされていた方が特別支援学校に異動してくることがあります。その時に生活単元学習などと言っても,共通言語にはなりえないわけです。なので,一からの,いろはのいからの研修がまたスタートするという悩みは現実にあります。  また,ただ単に辞書的な意味や定義を伝えるだけでは十分ではなく,やはり一定時間,一緒に仕事に携わることによって初めて分かる部分は多々あろうかと思います。OJTがやはり大事ですが,実際には日々の業務をこなすことに目一杯の状況もあると思うので,OFF-JTとOJTと上手に組み合わせながらやっていくしかないだろうと思います。 (会長)  ありがとうございました。すぐできあがるシステムにはならないと思いますが,やはり積み重ねながら,新しい人が来たときに困ったことをしっかりと書きとめておいて,次に活かせていけるようなシステム作りをすることによって,一からやり直しとならないようにしていけたらいいなと思います。 (委員)  今お話しになったことと関連して,やはり支援体制の強化と人材育成の問題と,ネットワークはすごく関連していますよね。人材がいて,ネットワークを支えていくということですから。  とすれば,全体的に言えば,今日提示された管理表の案については,よく整備されており,今まで論議したことをよく落とし込んで枠にはめながら作られていると思いました。枠にはめることは,分類することに意味があるのではなく,相互が関連しあって立体的にできあがっていくということを理解していく必要があるということです。  なので,人がいて,ネットワークがあり,協議会があって動いていくというのは,全てが関連しているという考え方だと思います。  ネットワークを構築していくときの異動の問題で言えば,さきほど委員が言われたようなことが実態であるし,皆さん努力されているとは思うのですが,もう一つ付け加えるならば,できるだけ計画的な人事異動を当局に要請するというような流れを作っていくということです。  例えば,そうすることによって,専門職員の回転の年数を,一定長いスパンで動くような異動の流れを作っていくことを担保できるものではないだろうかと思いました。  併せまして,重点1に関連して,やはり最後のミソはスライド11のところで,人材育成が進めば困難ケース支援が充実,困難ケース支援ができれば人材育成が進むということです。前のページで小さく書かれてありますが,基幹職員と相談支援専門員がともに成長しあうことがやはり最後のミソであり,これが実態としてどこまで進むかがキーになるのではないかと思います。  それを具体的に検証するのはなかなか難しいですが,やはり提案でもありましたように,対応メニューの蓄積を図っていくことやケアプランの点検を丁寧にやっていくといったいろいろな実例を通して,課題に対して上手くいったやり方や駄目だったやり方などを,できるだけ表向きに出していきながら点検していくことの積み重ねが大切になっていくのではないかと思いましたし,期待もしています。 (事務局)  この協議会でも相談支援体制の相談件数など,数字で見えるところは示していますが,委員がよく言われた「数字の向こう側があるはず」というのは本当にそのとおりです。  例えば,この基幹相談支援センターがスタートした以後も,さきほど委員がおっしゃられたように,実務としての現場の声をできるだけお示ししながら,数字に表れないところで日々どのようなことができており,またできていないかということは,外部からの意見も聞きつつ協議会にお示しし,委員の皆さんに育てていただけるようになったらいいなと思っています。 (会長)  現時点で報告の予定などは考えていらっしゃいますか。 (事務局)  この実行計画進行管理表は年度ごとで立案していますので,例えば来年の8月に前年度の報告を相談支援体制とあわせてしていく。ただそうなると,先ほど言ったとおり,研修の実施回数や,困難ケースの支援件数など数字はもちろん出しますが,やはりその数字の向こう側があると思いますので,事例を示しながら点検していただければというイメージです。  またその方法についてもご意見をいただけたらと思います。 (委員)  当たり前のことですが,障害を持った人も年も召していかれるし,地域の中での役割を持っていたり,家族の中の一員であることでその家族をどのように支援していくか,といった視点は皆さん持っていらっしゃるかと思います。  それがサービスに絡んでくると,隙間ができてくることがある。それを今地域で支えていくという視点に変わってきているとは思うのですが,改めて基幹相談支援センターをスタートするにあたり,もう一度その視点を大事にしていきたい。ネットワークの強化もそうですが,何も難しいことではなく,いろいろな分野が困っている人たちをどのように支えていけるのかということ。「自分の分野じゃない,あなたのところでしょ」ということではなく,お互いが支援に参加できるような,そういった視点を改めて持ちながらスタートしていけたらいいかと思いますし,自分たちも協力していきたいと思っています。  やはりスタートしてみて分かることがあると思うので,やってみてまた検証しながらやっていければいいかなとは思いました。 (委員)  この基幹相談支援センターが始まるということで,相談支援にも直接関わってくることなので,少しお話をします。  困難ケースの支援について,成功例,失敗例を積み重ねて次に繋げようということはもちろんいいとは思います。その中で,困難ケースを対応するときに,まず障害者相談センターが入り,そこから先に特定相談支援事業所が入っていくと思います。高知市では35事業所がありますので,まばらに分散させていただけたらいいのではないかと思います。研修だけでは賄いきれない部分も現場にはあると思いますので。もちろん始めて1年目,2年目の人が1人でやるのは難しいかもしれないが,基幹相談支援センターが一緒について行くことで,底上げにもなると思いますので,そういったご検討をしていただきたいと思います。  また,老舗と呼ばれる相談支援事業所にも相談があると思いますが,現状を見ていると,老舗のほうも目一杯になってきているようです。全体的な底上げをできるように検討会でも,相談支援の研修を一緒に行政と考えながら,底上げができるような仕組みづくりを協力させてもらえたらと思いますので,よろしくお願いします。 (委員)  最後の3つ目の柱について1つだけ提案です。事務局機能の強化,検討会の活動強化ということでいいことなのですが,実際に活動を始めていき,事務局と基幹相談支援センターと,自立支援協議会とでやり取りを頻繁に行ったり,検討委員会を積極的に進めていく中で,いろいろな課題の整備と次の進め方と深め方についての調整機能を出せるものと思います。  この自立支援協議会ではやはり会長が中心になってやり取りすることになりますが,テーマ,課題によっては委員の中でより専門性を持った方もいらっしゃることもあると思います。そのときには,この会議を進めるにあたっての連絡調整の会に来ていただき,一緒に検討したり整備にあたるという関わり方を,私たち委員も協力して進めていくということを提案したいと思います。 (事務局)  ご提案ありがとうございました。委員の皆様がご迷惑でなければ,ぜひ相談させていただいたり,一緒に考えることにお力をいただきたいと思いますので,またお声がけさせていただきます。 (会長)  お忙しいと思いますが,皆さんよろしくお願いします。充実した基幹相談支援センターになるように,皆さんの意見をいただきながら進めていきたいなと思っております。 Bその他 (事務局)  次回の協議会のご案内をさせていただきます。次回は,5月に新年度1回目の協議会を予定しております。その際の議事の事前のアナウンスです。  先ほど申し上げた基幹相談支援センターの人員の体制について,職種や人数についてご紹介,報告させていただきます。  もう1点,地域生活支援拠点の協議をずっとしてきましたが,この3月1日付けで新しいタイプのグループホームを高知市内で指定をしています。日中サービス支援型共同生活援助というタイプのグループホームです。このグループホームの運営の必須基準として,こういった協議会の場で運営方針を説明し,協議会から要望や評価をいただくという機会を必ず設けなければならないとなっています。その事業所の管理者から,運営方針等についてこの場で説明をし,この新しいタイプのグループホームについて深めていくとともに,地域生活支援拠点についても,高知市に必要な拠点とはどのようなものであるかについて引き続き協議をさせていただきたいと思います。 (会長)  ありがとうございました。ご質問はありませんでしょうか。(なし)  それでは,以上をもちまして協議を終了し,事務局へ司会をお返ししたいと思います。 (事務局)  委員の皆様、本日はありがとうございました。  来年度第1回の自立支援協議会は,先ほどご案内しましたとおり5月を予定しております。また近づきましたら日程調整をさせていただきますのでよろしくお願いします。  以上をもちまして,平成30年度第4回高知市自立支援協議会を閉会します。委員の皆様,ありがとうございました。 ‐1‐