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本文

高知市議会だより208号(HTML版・平成30年3月1日発行)を発行しました

議会だより208号表紙

本文

1 12月定例会の概要

 12月定例会(第462回)を12月8日から22日までの15日間の会期で開催しました。
 開会日には、市長が一般会計補正予算など70件の議案について提案理由説明を行いました。
 13日から18日までの4日間の個人質問には19人(うち14人が一問一答方式を選択)が立ち、教育行政、健康福祉行政、商工観光行政、防災対策などについて質問を行いました。

市長提出議案
 開会日に提出された市税条例の一部改正議案など、70件の議案を全て原案のとおり可決または承認しました。また、9月定例会から審査を継続してきた、下水道使用料の改定に関する3件の議案を全て原案のとおり可決しました。
 最終日には、教育委員会委員、公平委員会委員の選任議案および人権擁護委員推薦についての諮問議案の3件が追加提案され、いずれも同意または異議なき旨答申しました。

議員提出議案
 ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書議案など6件の議案を提出し、うち2件を可決しました。

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2 下水道使用料改定議案可決 累積赤字の解消が焦点に

 12月定例会では、9月定例会から継続審査としていた下水道使用料の改定議案の審査を行いました。
 議案審査に当たっては本会議および委員会で修正案が提出されるなど活発な議論が繰り広げられましたが、採決の結果、原案を賛成多数で可決しました。
 この改定により、本年4月1日から下水道使用料が平均16パーセント値上げとなります。

値上げに対する上下水道局の考え方

 下水道事業は、人口減少や節水機器の普及による下水道使用料収入の減少等により赤字が継続しており、平成28年度末の累積赤字は14億7千万円余りとなっている。今後も毎年2億円から4億円の赤字が見込まれ、2026年度末の累積赤字は約43億5千万円に上ると推計している。
 今回の改定により毎年の収支は黒字となり、累積赤字は2025年度頃までに解消される見込みである。
 また、現在は不足している、安定した事業運営や災害対策に必要な補てん財源残高として、30億円の確保を目指す。

本会議で出た主な意見
  • 包括外部監査で早急な値上げが必要と指摘されており、使用料改定はやむを得ない。
  • 市民生活への影響に配慮し、平成30年度からの3年間でまずは純利益の確保を図り、その後、段階的に使用料改定を行うべきである。
  • 施設管理の包括民間委託により経費削減を図り、値上げ率を抑制するべきである。
  • 今回の値上げが水洗化率(下水道が整備された地域での下水道接続率)向上の妨げになることが危惧される。
  • 水洗化率向上は収益の確保に直結するものであり、本市は未接続世帯への訪問を民間に委託しているが、他の自治体にならい職員自ら訪問し水洗化率を向上させる体制を作るべきである。
  • 下水道中期ビジョン2012で示した水洗化率の目標に達していた場合、6年間で2億6千万円の増収があったと見込まれる。水洗化率の伸びが低いことによる使用料収入の不足分は、値上げではなく今後の企業努力で賄うべきである。
  • 下水道事業の市民への見える化を図るため、上下水道事業経営審議会を常設するべきである。
建設環境委員会

 平均改定率を8パーセントとする修正案が日本共産党から、同じく10パーセントとする修正案が公明党からそれぞれ提出され、採決の結果、修正案は賛成少数で否決し、原案を賛成多数で可決しました。

本会議閉会日

 公明党から平均改定率を10パーセントとする修正案が提出され、その後、それぞれの立場から討論を行いました。

討論の概要
新風クラブ(原案に賛成)

 これまで上下水道局が実施してきた組織の合理化やポンプ施設の長寿命化、水再生センター運転管理の一括委託等の取り組みは、市民に新たな負担を求める場合の前提条件であり、その努力は高く評価する。
 また、今回の改定内容は中核市の類似都市を参考にしたものであるが、子育てや介護世帯など使用水量が多い世帯の平均改定率を抑える配慮をするとともに、基本料金が使用料総額に占める割合も現状維持としている。加えて、小口需要者と大口需要者の負担の公平性確保の観点から、料金の逓増度を緩和するなど、包括外部監査の指摘も踏まえた見直しとなっている。
 使用料改定によって、借金を次の世代に先送りしないこと、運営資金を自前で確保することが可能となることを考えれば、今回の値上げ改定は妥当である。

 日本共産党(原案に反対)

 公営企業の独立採算が難しいことは国も認識しており、様々な繰り入れ基準を設定している現状において、一般会計からの財政手当ては当然であり、使用者に負担を押しつけるべきではない。特に、単身高齢者等小口需要者への30パーセントもの負担増は、市民の生活実態を顧みないものである。また、内部留保金を大幅に溜め込むことにつながる補てん財源残高30億円の確保についても、9月定例会以降、市民や議会に説明もなく確定した下水道事業経営戦略の中に、突如書き加えられたものである。
 今回の値上げは、水洗化率向上に向けた企業努力の不足や、過大な先行投資による経費増大の責任を市民に転嫁するものであり、認めることはできない。

 公明党(原案に反対・改定率10パーセントの修正案に賛成)

 原案に反対する理由として、 

  1.  赤字の解消については、水洗化率の向上を前提にする必要がある
  2. 16パーセント値上げは、経費回収率という観点では類似都市を大きく上回り、既存の接続者のみに過剰な負担を強いることになる
  3. 30パーセントという急激な値上げ率になる小口利用者への対応が必要である

以上3点が挙げられる。
 改定率10パーセントは、長期的な赤字解消と生活現場の激変緩和を両立するためのぎりぎりの数字として算出したものである。

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3 12月定例会を振り返って(会派の意見)

市民クラブ

将来に負担を回さない高知市政に向けて!

 長尾和明議員は、空き家など管理されていない老朽住宅が自然災害により近隣に損害を与える恐れがある場合、管理者に対して強い指導を行うべきとただした。住宅耐震化については、国が見直しを行っている住宅耐震改修費補助の今後の見通しについて質問した。また、建物全体ではなく、寝室など一部の部屋のみの耐震シェルター等にも補助するよう要望した。

 岡崎邦子議員は、平成29年7月に国連で採択された核兵器禁止条約に日本が署名していないことについて市長の見解を問う。臨時・非常勤職員をめぐる法改正は、その多くを占める女性に関わる問題であると指摘。団塊の世代が全て75歳以上となる7年後の本市の状況を問い、後期高齢者の人口割合が14パーセントから約18パーセントになると答弁。新築移転する秦中央保育園と秦ふれあいセンターが地域の拠点となるよう相乗的な機能強化を要望した。

 浜田拓議員は、安倍首相の進める憲法改正案について市長の見解を問い、また、同首相は北朝鮮に対し、圧力をかけるべきとのスタンスであるが、対話を優先すべきではないかとただす。高齢者福祉では、国民年金支給額が十分でないとの市民の声を市長に届け、見解を問う。

新風クラブ

下水道使用料改定議案に賛成!

個人質問の概要

 清水おさむ議員は、学校空調整備への予算対応について質問。教育長からは、12月4日に財務部から政策予算要求に係る追加指示があり、対応中である。予算査定の場で教育委員会としての考えをしっかり示していくとの答弁があった。
 また、9月定例会での条例改正で都市公園化が図られた東部総合運動公園の施設整備について質問し、都市建設部長からは、新たなスポーツ施設の計画や拡張区域等について、運動施設を所管する教育委員会と連携して基本計画を策定しているとの答弁があった。

 吉永哲也議員は、高齢化の進展によって困難となりつつある家庭ごみ排出方法について質問。環境部長からは、ふれあい収集は、高齢者や障害を持った方で、親族や近隣の方の支援もなく、自らステーションまでごみを排出することが困難な方を想定しており、事前に申込みを受け、審査した上で収集の可否を決定すること、収集は、職員が直接自宅に伺って行うが、希望される方には収集と併せて安否確認も行いたいとの答弁があった。

日本共産党

「西敷地」公募凍結を求め、仁井田産業団地頓挫の責任追及。下水道使用料値上げに反対。

 一般質問ならびに議案の討論に全7議員が登壇。

  • 大学関与の高層マンション建設案が表面化したオーテピア西敷地の公募凍結を求めたが、市長は拒否。
  • 地権者の意向で頓挫したとする仁井田産業団地開発事業について市長の責任を追及。地権者の主張との矛盾をただしたが、終始無責任な答弁。
  • 市民と議会に説明なく生活排水処理構想や経営戦略を策定し、赤字解消のみならず利益をため込む下水道使用料大幅値上げに反対。市民の生活実態から接続世帯、特に高齢単身者に負担を押し付けることは認められないと討論。
  • 愛宕中西隣のパチンコ店建設は教育環境上問題であり、規制条例の見直しを県に求めよとただす。
  • いじめ重大事態問題では守秘義務を盾に件数すら答弁しなかった。
  • 生活困窮者自立支援に有効な家計相談支援実施を求め、事業化を目指すと答弁。
  • 就学援助制度入学準備金の小学校入学前支給を48中核市中、現在20市、来年度は32市が行うとして実施を迫り、国の方針を踏まえ協議すると答弁。

公明党

寺内議員、大久保議員、西森議員の3氏が登壇

 寺内憲資議員は、寺田寅彦記念館が観光施設でないことから、友の会が作成する書籍や記念品などを実費販売できず、来館者へのサービスの意味も込めて、実費販売を解禁すべきであると寺田寅彦記念館の観光施設としてのグレードアップ、観光施設化を岡崎市長に提言しました。

 大久保尊司議員は、本市で未実施である就労準備支援についての取り組みと、困窮者支援における居場所づくりとそれらを支える地域づくりの取り組みを要望し、できるだけ早期に実施できるよう検討・準備を進めていくとの答弁を得ました。

 西森美和議員は、久重地区のまちづくり計画を踏まえ質問。久重小学校のスクールタクシーの利便性確保を要請しました。また、久重保育園の給食実施を求め、平成30年度の耐震化工事の際に調理施設を改修するとの答弁があり、併せて国の幼児教育無償化を見据えた3歳未満児の入所環境の整備を求めました。

新こうち未来

新図書館西敷地については市民が納得のいく開かれた選定を。

 新図書館西敷地の利活用については、登壇した全ての議員から選定過程への疑義が示された。
 その他、氏原嗣志議員は、首長多選への市長の認識、桂浜公園再整備に当たっての諸問題、農業委員新制度について質問した。戸田二郎議員からは、高知城の国宝化・日本遺産への申請、仁井田産業団地整備頓挫の原因究明、長期入院等を余儀なくされる児童への医療センターにおける教育支援についての提言があった。川村貞夫議員は、昨年10月の衆院選投開票日に本市を襲った台風を踏まえた選挙事務のリスク管理の重要性と、14億円を超える赤字決算となった本市財政状況の危機感を訴えた。浜口卓也議員からは、特別支援教育のあり方改善および卸売市場の財政硬直化に関する指摘があった。

みどりの会

近森正久市議

ウェブデザイン会社にIターン
よさこい祭競演場を全力で支援
防災対策部に地域防災のプロを
被災時に市職員の状況把握を
消火栓看板柱に避難ビル情報を
消防署と災害派遣医療の連携を
弘化台市場の空き店舗をゼロに
時間外手当を4100万円削減

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4 質問および答弁

(1)過去の教訓を生かせるか-正念場を迎える来年度予算編成-

 本市の平成28年度一般会計決算は、実質単年度収支が14億1千万円の赤字と、15年度の財政危機宣言以来、13年ぶりに10億円を超える赤字となりました。
 これは、地方消費税交付金が、27年度から6億2千万円余り減少したことが大きな要因となっており、12年ぶりに財政調整基金や減債基金を取り崩す事態となりました。
 また、財政運営上の自由度を表す経常収支比率も、扶助費(社会保障費等)等の伸びにより過去最悪となる99・1パーセントまで上昇するなど、財政構造の硬直化が急速に進んでおり、何も手を打たなければ、来年度予算編成も困難な状況となっています。

質問

 本市の財政状況と今後の財政見通しについて聞く。

答弁

 財政状況については、南海トラフ地震対策を中心とした大型プロジェクトに集中的に取り組む中で地方消費税交付金が減少し、昨年度決算で赤字が発生したこと、財政構造の硬直化が急速に進んできたことで、改善してきた財政指標が悪化に転じる事態に至っている。
 また、財政見通しについては、平成29年3月時点での試算で、平成29年度からの5年間で75億円、30年度から32年度までの3年間で45億円の財源不足を見込んでおり、財政構造の硬直化の傾向が続いていることから、この試算による収支見通し以上に財政状況が悪化していることも想定している。
 今後も南海トラフ地震対策等のハード整備に伴う起債残高の増加や、新庁舎や新図書館等複合施設オーテピア等の完成に伴うランニングコストの増加、少子高齢化に伴う扶助費の増加が見込まれることから、一段と厳しい財政運営を強いられていくものと考えている。

質問

 人口減少に伴う地方交付税の減少見込みを聞く。

答弁

 人口以外の要素が平成29年度の普通交付税算定と変わらないとした場合の試算では、人口が1人減少すると普通交付税が12万円程度減少することとなる。これに今後10年間の人口推移を当てはめると、毎年1億3千万円を超える額が減少となり、10年後は、本年度と比較して16億4千万円の減少となる。10年間の累計では、約100億円の減少が見込まれる。

質問

 来年度予算編成に係る歳入確保の具体策と目標額を聞く。

答弁

 目標額についての具体的な設定はないが、歳入の確保に向け、平成30年度当初予算編成方針において、市税収入等を確保するため、休日・夜間の電話での催告や預貯金などの差し押さえ、遊休資産の積極的な売却や民間への貸し付けによる資産の有効活用などに取り組むこととしている。

質問

 平成28年度決算で赤字が発生したような状況が、今年度は起きていないのか。

答弁

 地方消費税交付金は前年度からの増加を見込んでいるが、法人市民税やたばこ税は予算以上の伸びを見込めないこと、普通交付税と臨時財政対策債が対予算で増加となったものの、12月補正予算の財源にそのほとんどを充てたため、今後の補正財源の確保が困難となることなど、全体的に厳しい収支となる見込みであり、現時点では、昨年度と同様に財政調整基金や減債基金を取り崩さざるを得ない状況にあると考えている。

質問

 人件費の総額抑制のため、保育所、ゴミ収集業務の民間参入を進めるべきではないか。

答弁

 市立保育所については、これまで行川保育園と種崎西保育園の廃園、南海保育園の長浜保育園への統合、たかしろ乳児保育園の民営化を行い、本年度末にも春野東部保育園の春野平和および春野中央保育園への統合を予定している。
 保育技術の蓄積・継承や、特別支援保育などでの先導的な取り組みといった公立保育園の役割を果たすためには、一定の規模、施設数は維持する必要があるものと考えているが、少子化の進展と公共施設マネジメントの観点等から統廃合、民営化について、継続的に検討していく。
 ごみ収集については、一般家庭から排出される一部の家庭ごみやペットボトルの拠点回収、休日夜間の犬猫等小動物死骸収集の民間委託を行った。
 本市では、長年高知方式により、住民との協働でごみステーションを運営してきた経過があり、この方式の維持と発展、災害発生時の迅速な対応のためには直営収集の果たす役割が大きいと判断し、現在の収集体制としている。

質問

 予算編成方針での可能な限りの投資事業の先送りについて、市民生活への影響を聞く。

答弁

 先送りが許されない南海トラフ地震対策をはじめとする市民の命と財産を守るための事業以外の投資事業については、市民要望の状況や緊急性等を十分に勘案するとともに、緊急防災・減災事業のように国や県からの財政支援の期限が区切られた制度の状況や市民生活への影響も踏まえながら検討していく。

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(2)産業振興の重点施策-仁井田産業団地開発事業中止-

 本市では、操業環境の悪化や、津波避難対策等による市内企業の転出防止を目的として、製造業を対象とした一宮地区の高知中央産業団地とともに、製造業以外の企業も対象とした仁井田産業団地(以下、団地)の開発を進めてきました。
 しかし、平成29年11月に団地開発事業中止の判断がされました。
 これまで市が支出した事業費は約3500万円、12月定例会では、こうした判断に至った経緯や今後の対応等について、複数の議員から質問がありました。

質問

 当該団地を選定した経緯について聞く。

答弁

 平成22年度から23年度にかけて、新産業団地整備の可能性を検討するため、35カ所の新工業団地適地調査候補地を抽出した。
 そこから、津波浸水被害の想定や排水対策、接道条件等についての検討を進め、最終的に一宮地区や今回の仁井田地区を含む4カ所に絞り込んだものである。
 当該団地の予定地は交通の利便性に優れ、津波浸水被害のない高台の優良地であるため、これまでに製造業や流通系企業から多くの問い合わせがあり、今回の事業中止は残念である。

質問

 団地開発予定地の約7割を所有する大口地権者との交渉の経緯について聞く。

答弁

 平成25年12月に、地権者から団地の適地調査協力の同意を得た後、26年3月18日に、調査箇所の公開の了解を得ている。
 28年6月には、地権者に概算土地代金と概算移転補償費を提示するとともに、用地取得事務の手順として、土地代金や移転補償費の算定から始まり、当該金額の承諾を得た後、土地売買契約の議決を経て、所有権移転登記の完了をもって土地代金等の支払いとなること、そして、用地取得事務の開始は、開発予定地で地権者が行っている林地開発の完了後となり、一連の手続きに1年程度かかることを説明していた。
 しかし、29年7月に林地開発が完了したことを受けて、契約の合意に向けた交渉を重ねたが、合意には至らず、事業の中止を判断した。

質問

 前記の地権者に対して用地取得の条件や時期を明確に示していたのか。

答弁

 本市としては、用地取得事務の開始が林地開発完了後になること、その後の用地取得事務に相当期間を要することについて了解いただいたものと考えていたが、結果としては、明確な完了時期についての詳細な合意形成に至っていなかったことになる。

質問

 今回の本市の支出に違法性はないか。

答弁

 今回の経費は、全地権者(7名)と交渉を行うために必要な用地測量や不動産鑑定評価、物件等移転補償調査にかかるやむを得ない支出であり、違法性はないと考えている。

質問

 地権者に対して損害賠償請求はできないか。

答弁

 正式な土地代金および移転補償費の提示に至っておらず、契約できる状況にあったとは言えないため、損害賠償請求は困難であると考えている。

質問

 新たな産業団地の計画について聞く。

答弁

 現在、高知中央産業団地東側に隣接する布師田地区において、県の支援を得て新産業団地の適地調査を行っており、早期着手を目指し、県との共同開発に向けた協議を進めているところである。
 産業団地開発のような事業を実施する際には今回のようなリスクも伴うため、今後、事業費の支出に当たっては相手方の動向を今一度確認するなど、可能な限りのリスク回避に努めていく。

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(3)キャッチボール型広聴・広報で「伝える」から「伝わる」へ

 少子高齢化やグローバル化などの社会環境の変化とともに、市民のライフスタイルの多様化が進み、市政に対する市民ニーズが多様化しています。
 また、地方分権の進展とともに、これまでの行政主導から、市民と行政の協働によるまちづくりが重要となっています。
 一方で、情報通信技術の発展に伴い、さまざまな情報媒体が利活用される時代となり、市民が行政に求める広聴・広報の在り方も変化しています。
 このような状況を踏まえ、本市では、市民と行政が市政の情報や課題を共有しながら相互理解を深めるとともに、市民の市政への参画を促し、協働によるまちづくりを一層推進するため、平成28年12月に「高知市広聴広報戦略プラン」(2016~2019年度)を策定し、戦略的な広聴・広報の取り組みを展開しています。

質問

 戦略プランに基づく各事業の取り組み状況と今後の予定について聞く。

答弁

 平成29年度当初に総務部市長公室内に広聴広報課を設置し、広聴活動の充実に関する取り組みとして市長と語ろう会や職員が町内会や各種団体に出向き、本市の取り組みや暮らしに役立つ情報などを説明する出前講座を開催している。出前講座は、12月時点で申し込み149件のうち140件を実施し、市政に対する市民の理解を深めるとともに、職員のプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上も図れていると評価している。
 また、広聴・広報活動に関する協議・諮問機関として広聴広報推進委員会を設置し、29年8月の第1回会議では、広報「あかるいまち」に対する有識者や若者世代を含めた市民の代表者から改善提案をいただき、紙面に随時反映している。
 職員の意識改革や広報技術の向上に関する取り組みとしては、庁内各所属に配置した広聴広報担当者を対象にカラーユニバーサルデザイン研修を実施したほか、29年度末までに報道機関への情報提供も含めた広報マニュアルを策定し、広報研修を実施する予定としている。
 さらに、30年度には、広報活動の充実として本市ホームページをリニューアルし、若年層にも親しみを持ってもらえる新たな広報媒体「(仮称)高知市暮らしのガイドブック」を作成し、全戸配布する。

 戦略プランに基づく市長と語ろう会は、本市の重要施策や事業について、市民が要望・提案できる機会を拡充し、市政への関心・理解を深めるとともにその課題を共有することで、市民と行政の協働によるまちづくりを推進する目的で本年度からスタートしています。
 本年度は、「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」をテーマに市内6カ所で開催し、第1回市長と語ろう会は、11月29日に下知地域で行われました。

 質問

 参加者との意見交換の状況や来年度に向けた所見を聞く。

答弁

 第1回目は、およそ70名の参加があり、意見交換では、一時避難所の確保や津波避難ビルの新たな指定、広域避難に向けた支援の在り方、倒壊の恐れのある空き家対策など、ハード・ソフト面で貴重な意見・提案が多く、非常に有意義であった。これらを踏まえ、今後の救助救出対策や避難対策等の施策や具体的事業に反映させていく。
 また、参加者から、子育て世代の参加が少ないとの指摘や、子育て世代が参加しやすい学校の授業参観日に開催できないかとの提案があった。本市では、地方創生に向け、急激な人口減少対策について重点的に取り組んでおり、特に若者世代の人口流出や少子化などが重要課題であり、若者世代の意見・提案を施策に反映し、より実効性の高い事業を展開していく必要がある。来年度以降は、子育て世代が参加しやすい日程を検討すると同時に、雇用の創出や子育て支援といったテーマで、若者世代を対象に開催することも検討したい。

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5 人事議案

 12月定例会最終日の22日に、市長から教育委員会委員、公平委員会委員の選任議案および人権擁護委員推薦についての諮問議案が提出され、それぞれ同意または異議なき旨答申しました。

教育委員会委員

 野並 誠二

公平委員会委員

 竹村 みち子

人権擁護委員

 岡田 良一
 中山 富江

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6 12月定例会で可決した主な議案

高知市及び室戸市におけるれんけいこうち広域都市圏形成に係る連携協約の締結に関する議案

 12月議会には、県内各市町村が直面する【人口減少】【少子高齢化】という重大な課題を、県内市町村が一丸となって解決するため、県内人口の約46パーセントが集中し、多くの都市機能や資源が集積する本市が中心となって取り組む「れんけいこうち広域都市圏」の連携協約を締結する議案が提出され、可決しました。
 今後は、社会的・経済的なつながりが強く、相互に補完する関係である他市町村をリードしながら、圏域全体の経済成長や高次都市機能の集積・強化、生活関連機能サービスの向上を目指して、様々な取り組みを行っていくこととしています。

※室戸市以外の32市町村との間にも同様の議案が提出され可決しました。

高知市及び高知県におけるれんけいこうち広域都市圏の取組の推進に係る連携協約の締結に関する議案

 また、高知県との間に、れんけいこうち広域都市圏の取り組みの推進に係る連携協約を締結する議案も提出され、可決しました。

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7 12月定例会で結果の出た陳情

採択

  • 子供のための予算を大幅にふやし、国の責任で安心できる保育の実現を求める意見書提出の件

不採択

  • 2019年10月の消費税率10パーセントへの引き上げを中止することを求める意見書提出の件

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8 12月定例会に提出した意見書

 意見書とは、地方公共団体の公益に関することについて、議会の意思を意見としてまとめ、国等へ提出する文書のことです。
 (1)・(2)は賛成多数で可決し、国等関係機関へ提出しました。
 (3)~(6)は否決しました。

(1)ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書
(2)子供のための予算を大幅にふやし、国の責任で安心できる保育の実現を求める意見書
(3)労働者の声を踏まえた真の働き方改革の実現を求める意見書
(4)障害福祉サービス等報酬改定における食事提供体制加算の継続を求める意見書
(5)生活保護基準の見直しの中止を求める意見書
(6)米軍機の事故原因究明と安全確保を求める意見書

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9 休憩室

  もうすぐまた桜の季節がやってまいります。われわれ日本人はお花見が大好きですね。なぜでしょうか。なぜ花を見て美しいと感じるのでしょうか。命の輝きという大自然の神秘との出会いに感動するからではないでしょうか。
 私の尊敬する数学者の岡潔先生は「数学とは命の燃焼です」という言葉を残されています。その岡先生と特に親しかったのが考古学者の中谷治宇二郎先生。そのお兄さまで、物理学者の中谷宇吉郎先生の師であられたのが、本市出身の寺田寅彦先生です。
 各先生方は、自然を見つめることの大切さをさまざまな書物に書き残されています。
 大自然にはまだまだ発見されていない力が多くあるはずです。これまでの数学や物理学を使ってさらに奥深く学びたいものです。
 本年7月に開館する新図書館には、寺田寅彦先生の像も建立されるとのことですが、そのような学びの場として新図書館を御利用いただければうれしく思います。

(議会広報委員 浜口 卓也)

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10 委員会の活動(11月1日から1月31日まで)

(1)常任委員会

経済文教委員会

11月8~9日(委員会視察)

12月定例会

 19日に、市営土地改良事業等分担金等に関する条例の一部改正議案など12件の議案の審査を行いました。都市公園条例の一部改正議案修正案2件を否決し、原案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決しました。
 また、鏡吉原ふれあいの里の指定管理者の公募結果および今後の運営についてなど6件の報告を受けました。

 建設環境委員会

11月13~15日(委員会視察)

12月5日

 継続審査となっていた下水道条例の一部改正議案について審査を行いました。

12月定例会

 19日に、市営住宅条例の一部改正議案など11件の議案の審査を行い、下水道条例の一部改正議案修正案2件および団地下水道条例の一部改正議案修正案2件を否決し、原案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決しました。
 また、県営工事負担金の負担割合について報告を受けました。

1月18日

 水道事業基本計画(案)について報告を受けました。

総務委員会

12月定例会

 19日に、中央消防署(仮称)新築工事請負契約締結議案など46件の議案と陳情1件の審査を行いました。市税条例の一部改正議案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決または承認し、陳情1件の結果を出しました。
 また、文化振興ビジョンの改訂についてなど2件の報告を受けました。

厚生委員会

11月13~15日(委員会視察)

12月定例会

 19日に、食育推進会議条例制定議案など10件の議案と陳情1件の審査を行い、いずれも全員賛成で可決し、陳情1件の結果を出しました。

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(2)特別委員会

 都市再生調査特別委員会

11月22日

 第2期高知市中心市街地活性化基本計画(案)についてなど2件の報告を受けました。

 南海地震等災害対策調査特別委員会

1月23~25日(委員会視察)

  • 岩手県陸前高田市=東日本大震災による被災ガイド
  • 岩手県大船渡市=防災集団移転促進事業および災害公営住宅整備事業(差込型移転)、仮設住宅
  • 岩手県釜石市=震災後の上下水道事業の復旧
  • 岩手県宮古市=復興計画と宮古市スマートコミュニティ

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11 高知市議会からのお知らせ

(1)インターネットによる本会議の録画配信

 本市議会ホームページで、過去1年間の本会議(定例会)中継録画映像を配信しています。
 会議日や質問議員名、発言内容の語句等からも検索できます。

インターネットによる本会議の録画配信はこちら

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(2)会議録の閲覧

 12月定例会本会議の会議録は3月上旬にできる予定であり、本町仮庁舎1階の情報公開・市民相談センター、同6階の議会図書室でご覧になれます。
 また、高知市ホームページ上の会議録検索システムで、平成6年12月定例会以降の本会議の会議録をご覧いただけます。なお、委員会の会議録も、18年4月以降からご覧いただけますが、少しでも早く閲覧できるよう、ホームページ上で同システムとは別に、完成した委員会記録から順次、PDFファイル形式で公開しています。

会議録検索システムはこちら

会議録検索システムに反映されていない委員会会議録はこちら

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(3)録画DVDの貸し出し

 本会議中継の録画DVDの貸し出しを行っています。
 貸し出し準備に時間を要するため、ご希望の方はあらかじめ、議会事務局にお申し込みください。(電話番号823−9400)

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(4)請願書・陳情書の出し方

 市の行政などに対して意見や要望があるときは、請願書や陳情書を議会に提出することができます。請願書は市議会議員1名以上の紹介を必要としますが、陳情書はその必要がなく、審査は請願と同様に取り扱われます。
 請願書または陳情書は、議会事務局へ市議会議長宛てに1通提出してください。
 なお、定例会ごとに締め切りがあり、それを過ぎた場合は次の定例会での審査になりますので、ご注意ください。

請願(陳情)書 記載例

○年○月○日

高知市議会議長 ○○ ○○ 様

(代表者の)住所○○○○○○○○○○○○       

            (代表者の)氏名    (個人の)印

紹介議員氏名         印

※ 陳情は紹介議員不要です。

○○○に関する請願(陳情)

.   

趣旨・理由

※ 概ね800字以内で具体的かつ簡潔に記載してください。

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12 会派の構成と電話・ファクス番号

会派名人数電話番号ファクス番号

市民クラブ

8人

823-9402

802-3055

新風クラブ

7人

823-9401

871-2811

日本共産党

7人

823-9404

823-9558

公明党

6人

823-9403

871-2485

新こうち未来

5人

823-9406

822-8119

みどりの会

1人

823-9476

823-9350

※ みどりの会のファクス番号は、議会事務局直通です。

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13 編集後記

 高知市広聴広報戦略プランに基づく取り組みとして、昨年11月に、第1回「市長と語ろう会」が開催されました。
 私たち市議会議員にとっても、市民の皆さまからのご意見やご要望に耳を傾け、着実に政策に活かし、反映させていくためには、この「広聴・広報」活動が重要であると思います。

(議会広報委員)


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