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高知市議会だより207号(HTML版・平成29年12月1日発行)を発行しました

議会だより207号表紙

本文

1 9月定例会の概要

 9月定例会(第461回)を9月7日から25日までの19日間の会期で開催しました。
 開会日には、市長が一般会計補正予算など34件の議案について提案理由説明を行いました。続いて財務部長、上下水道事業管理者が一般・特別会計と水道・公共下水道事業会計の決算認定議案の概要説明をそれぞれ行いました。
 12日から15日までの4日間の個人質問には20人(うち14人が一問一答方式を選択)が立ち、防災対策、教育行政、健康福祉行政、観光行政、環境行政などについて活発な質問戦を展開しました。

 市長提出議案
 市民図書館条例の一部改正議案など34件の議案のうち、下水道条例の一部改正議案など3件が継続審査となり、その他の議案はすべて原案のとおり可決または認定しました。

 議員提出議案
 地方公共団体の道路整備に対する財政上の特例措置等の継続を求める意見書議案など10件の議案を提出し、うち4件を可決しました。

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2 激論!!新図書館西敷地-中心市街地の活性化-

 本市では、旧追手前小学校跡地であり、現在は仮設市民図書館が建てられている新図書館西敷地の利活用を検討しています。
 平成23年の中心市街地活性化基本計画検討委員会(以下、「基本計画検討委員会」)において、土地利用の方向性として、よさこい文化を発信するエリアをコンセプトとし、民間活力の活用により広場・施設を整備するとの中間報告が示されました。
 その後、28年2月に外部有識者で構成された新図書館西敷地利活用検討委員会(以下、「利活用検討委員会」)を設置し、29年2月に西敷地にふさわしい導入機能について、次のような検討結果報告を受けました。

利活用検討委員会の検討結果報告
 11項目のふさわしい機能を抽出し、その機能について市民アンケートを実施し、市民等の意向や中心市街地活性化基本計画との関連性などから下表のようにA・B・C評価に整理した。

基本コンセプト「賑わいふれあう”ホッとストップ”」

総合評価

評価点

機能

104.0 広場機能
103.2 家族で訪れて、子どもが安全に遊ぶことができる機能
102.5 観光客のリピーターを増やすことができる機能
101.8 日曜市やよさこい祭を充実、発展させるための機能
97.8 若者の文化や街の情報を発信する機能
93.9 高知の城下町を再現する機能
92.0 街への移動に不便を感じている高齢者や障害者、学生等が利用できる機能
84.1 若者に魅力ある働く場をつくる
82.6 教育機関の拡充や連携を図る機能
82.5 高知の若者と都会などから移住してきた高齢者などが交流できる機能
81.2 郊外の大型商業施設にはない機能

 利活用検討委員会の報告を受け、29年7月に基本方針を策定しました。

新図書館西敷地利活用事業基本方針(抜粋)
1 中心市街地の活性化に効果的な整備
2 貸し付けによる民間活力の活用
 中心市街地の活性化を図る上で核となる機能を配置するにふさわしい立地特性を生かし、本市のまちづくりを確保するため、売却は行わず、定期借地権を設定して貸し付けする。また、土地の賃料等によって歳入を増やし市民サービスに生かす。
3 公募型プロポーザルによる 実施候補者の選定
 利活用検討委員会で報告された11機能のうち、A評価の機能を2つ以上導入することを必須条件として、民間事業者の事業提案を求め、公募型プロポーザルにより実施候補者を選定する。
整備着手までのスケジュール
29年9月 公募型プロポーザルによる事業提案の募集開始
30年1月 優先交渉権者の決定
同年3月 基本協定締結
同年夏 整備着手
6月定例会における質疑

質問

 第1期中心市街地活性化基本計画では、西敷地の利活用は賑わい広場整備事業となっているが、基本方針と整合性が取れていないのではないか。

答弁

 基本計画検討委員会の報告では、民間活力の活用により広場と施設を整備すると示されており、新図書館が整備されるまでは広場として活用し、新図書館完成後に利活用整備を実施する予定としていたことから、事業名を暫定的な活用方針であった賑わい広場整備事業とし、検討部会において検討中とした上で、この計画に登載したものである。

質問

 検討結果報告で最高得点の広場にするべきではないか。

答弁

 利活用検討委員会の報告では、市民のさまざまな意見もまとめ広場機能も含めた11機能がふさわしい機能として示されており、市民の意見をなるべく反映したいという考えから、基本方針を策定した。
 利活用検討委員会では、事業用定期借地権の想定で検討していましたが、平成29年9月1日に、公有財産規則の普通財産の土地貸付上限期間を50年に改正し、公募型プロポーザル募集要領では、一般定期借地権による契約が可能となっています。

9月定例会における質疑

質問

 一般定期借地権も可能とした理由について聞く。

答弁

 利活用検討委員会では本市の基本的な考え方として、土地の権原の扱いについて賃貸借とするとした上で、想定される手法として、事業用定期借地権の設定等を示したものであるが、議会の意見も踏まえ、検討結果報告にある11機能すべてを導入可能とし、民間事業者の自由度の高い発想による提案をより幅広く求めることができるようにしたものである。

質問

 プロポーザル選定委員会の委員および提案内容を事後公表とした理由について聞く。

答弁

 公開することにより、外部からの干渉、圧力等により審議等における率直な意見の交換が妨げられ、意思決定の中立性が損なわれると考えられること、また、事業応募者の保有する技術等を保護する観点から、高知市における附属機関等の会議の公開に関する要綱の規定に基づき、選定期間中は非公開とした。

質問

 土地貸付料年額約1,610万円の算定根拠について聞く。

答弁

 公有財産規則第26条の規定に基づき、平成29年度の土地評価基準を基にした土地の価額に100分の4の率を乗じた。

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3 9月定例会を振り返って(会派の意見)

市民クラブ

高知市政の大きな課題、小さな課題をしっかりチェック!

 近藤強議員は、はりまや町一宮線整備事業は高知駅周辺再開発事業に関連して計画されたもので、竣工から7年も放置しているのは県の怠慢との怒りの声
が地元から上がっているとして、早期完成を強く求めた。

 岡崎豊議員は、観光振興に多大な功績のあった故ペギー葉山さんの追悼行事について質問したほか、財政硬直化に警鐘を鳴らすとともに、健全化を要求。市民生活に影響が大きい下水道使用料の改定は、取り下げるよう求めた。

 深瀬裕彦議員は、文化財の保管・整理状況の改善、福祉避難所への認識を再確認の上、指定促進に向けた庁内の役割分担の必要性、土地保全条例施行規則改正による土地所有者の同意書の義務付けについての周知や境界立会の義務付けの必要性について質問した。

 竹内千賀子議員は、部落差別解消推進法施行に関して、市の基本認識をただすとともに、相談体制の整備や実態調査、インターネット上の差別表現等の事案に対する救済などを求めた。市民協働部長からは、プロバイダ責任制限法は差別的情報の削除には有効ではないことから、救済制度の確立を国へ要望していきたいとの答弁があった。

新風クラブ

市長への警告決議案、西敷地公募型プロポーザル延期を求める陳情に反対!(ともに否決)

個人質問の概要

 和田勝美議員は、本年7月に新制度に移行した農業委員会について、実働面での課題と対応について質問。
 初代会長の大野哲氏からは、新制度で農業委員が19人に半減したことで、委員一人に掛かる負担は増えることとなる。現場確認や地域での話し合いなど、地元に密着した活動は32人の農地利用最適化推進委員に担っていただくこととなるが、当面は、事務局を含め三者が連携しながら、個別の事案に丁寧に対応していきたいとの答弁があった。

 竹村邦夫議員は、長浜にある雪蹊寺の数々の貴重な文化財を紹介しながら、南部地域の観光振興に結びつけられないかと提案。
 執行部からは、雪蹊寺には運慶作と伝わる薬師如来像など、国の重要文化財に指定された仏像が複数ある。それらを本市の貴重な歴史資料として積極的にPrし、雪蹊寺と桂浜公園や浦戸のさまざまな観光資源とを結ぶネットワークづくりに取り組みたいとの答弁があった。

日本共産党

市長の説明責任を追及。マンションありきの「西敷地」利活用事業の公募の凍結を求める。

  一般質問、議案等への討論に全議員7人が登壇。

  • 新図書館西敷地に50年の定期借地権、マンション建設も可能な公有財産規則の改正について、改正の場合は議会に「十分説明する」との答弁をほごにした市長の議会軽視の姿勢を追及。裁量権の逸脱であると公募の凍結を要求。非公開のプロポーザル選定委員会の議事録不作成を指摘し、今後は作成へ。市長の議会軽視への警告決議に賛成討論。
  • 30年度からの下水道使用料値上げの改正条例は、国の汚水処理経費回収率の算定方法を変更した赤字根拠のすり替えを告発し、継続審査に。
  • 風営法に基づく県条例違反の愛宕中隣接のパチンコ店建設への対応を求めたが「県が判断する」と無責任な答弁。
  • 頓挫した「道の駅」地権者の所有地内避難路等廃止要求に対して代替策の検討を求めた。
  • 住宅裏の崖崩れ対策工事の予算拡充と個人負担軽減を求め、前向きに検討との答弁。

 28年度決算認定議案は、西敷地利活用検討委員報酬の不適切な執行等により、反対討論した。
 

公明党

公明、4氏が質問

 西森美和議員は、厳しい身分制度の象徴でもある高知城下の堀が、幕末の志士が新時代へ向かう熱と力を育んだ歴史を踏まえつつ、都市計画の「歴史と文化の風格あるまちづくり」に住民の参画を強く求めました。

 山根堂宏議員は、本市が今議会で連携中枢都市宣言を表明したことを受け、全国のモデルとなる事業として、どんな構想を持っているのか、また、県の支援事業などとのさびわけについてただしました。

 伊藤弘幸議員は、AEDが未設置のふれあいセンター、コミュニティセンター9箇所への設置予定を問い、市長から、利用人数と周辺の設置状況等を踏まえ、今年度に2箇所、平成31年をめどに全センターへの設置を目指すとの答弁がありました。

 寺内憲資議員は、下水道使用料値上げ議案は、市民生活を直撃するものであるにもかかわらず、市の努力姿勢が不十分であると、下水道接続率について市長と議論しました。

新こうち未来

新図書館西敷地を巡る問題について、岡崎市長に対し、警告決議案を提出

 新図書館西敷地の利活用については、多くの市民が注目しているところである。
 岡崎市長は、大きな変更点などについては事前に議会に説明すると答弁しておきながら、公有財産規則の変更という重大事項を議会に説明することなく行っている。この安直な市長の姿勢は、議会として看過することができないため、警告決議案を提出した。
 当決議案は残念ながら否決となったが、市民の財産である新図書館西敷地の利活用は、広場機能を優先させるべきである。
 その他、個人質問には氏原嗣志議員、福島明議員、川村貞夫議員、浜口卓也議員が登壇し、本市発展のための質疑、提案を行った。

みどりの会

近森正久市議

弘化台市場の空き店舗対策要請
新図書館西敷地の有効活用賛成
下水道使用料アップは継続審査
創業者支援補助金の広報を支援
岡崎市長への警告決議案に反対
よさこい祭の問題点に解決策を
南部地区の産業振興策の人選を
公立高校の内申書問題点を指摘

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4 質問および答弁

(1)値上げの前に最大限の努力を-下水道使用料改定議案は継続審査-

 9月議会に、平成30年4月1日から下水道使用料を平均16%値上げする下水道条例の一部改正議案が提出されましたが、審査の結果、市民生活に直接影響を与える重要な議案であるため慎重な審査を行うべきであるとして、継続審査となりました。

質問

 改定理由について聞く。

答弁

 今後、人口減少などにより収益の減少が見込まれる中、施設の老朽化対策や災害対策にも取り組む必要があり、2026年には累積赤字が約43億5千万円になると見込まれている。
 上下水道事業経営審議会からは、経営改善に向けて早期に使用料を改定するとともに、収益確保のために水洗化率(公共下水道の処理区域内人口に対する接続人口が占める割合)の向上に努めるべきであるとの答申が出され、包括外部監査からは、基本料金の値上げとともに、10㎥までの使用料も引き上げる必要があるとの意見が出された。
 このような状況から、早期の経営改善が必要と判断した。

質問

 改定率を16%とした根拠を聞く。

答弁

 総務省が示す月20㎥当たり3千円を目安とし、改定率17.7%を目指していたが、包括外部監査の意見や類似都市の状況、使用者の負担を考慮し、16%の改定率とした。

質問

 改定に当たって配慮した内容について聞く。

答弁

 使用料に占める基本料金の割合は現状の30%程度を維持し、900円を1,030円にする改定とした。
 また、改定率については、一般的な家庭の平均使用水量月20㎥で13.6%、子育て、介護世帯等の複数人世帯が多く含まれる月20㎥から50㎥までで11月6日%から13.6%までとした。
 他方、公平性の観点から1㎥から10㎥までも改定対象とし、10円を27円にする改定とした。

 本市の水洗化率(83.9%)は中核市平均(94.7%)より低く、仮に中核市平均まで引き上げた場合、年間で4億1千万円余りの増収が見込まれるとの試算が出されています。

質問

 水洗化率がどの程度向上すれば値上げが回避できるのか。本市の水洗化率向上に向けた取り組みについて聞く。

答弁

 改定により5億3千万円余りの増収を見込んでいることから、値上げを回避するためには、水洗化率を97.7%まで引き上げる必要がある。
 しかし、今後10年間は、汚水の集中整備により水洗化率算定の分母となる下水道の処理区域内人口が増えるため、急速な向上は見込めず、2026年の目標を87.4%に設定している。
 他方、水洗化率の向上は最重要課題であり、一層精力的に取り組む必要があると認識している。そのため、昨年度から近所同士で2人から11人までのグループをつくり下水道に接続すると、工事費の65%を上限に助成金を交付する制度(下水道グループ助成金制度)を開始しており、説明会や広報紙、戸別訪問で周知を図るとともに、業者にも協力を依頼している。

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(2)新堀川周辺のまちづくり 県道はりまや町一宮線整備

 都市計画道路はりまや町一宮線は、県が整備を進めている街路4車線化事業で、平成7年の都市計画決定後、12年に事業着手され、23年3月にはりまや橋小学校までの北側区間が整備・供用されました。
 しかし、電車通りからはりまや橋小学校北側交差点までの区間については、新堀川に生息する希少動植物の扱いや、新堀川を覆うことへの反対意見が出たことなどから、県は工事を中断しました。
 その後、環境調査や交通量調査などを実施した県は、本年6月に、はりまや工区の果たすべき役割や新堀川の水辺を活かしたまちづくりについて検討を行い、未整備区間の整備のあり方を提言するため、はりまや町一宮線まちづくり協議会を設置しており、本市も委員として参加する中で協議が進められています。

質問

 未整備区間の将来交通量推計は過大な見込みではないか。

答弁

 県から、平成19年パーソントリップ調査を基に、27年道路交通センサス現況交通量との整合性を図った上で、減少想定の人口推計を検討し、42年の将来交通量を1万7,600台としたと聞いており、妥当と考える。

質問

 協議会で示された計画案に対する本市の考えを聞く。

答弁

 4車線道路の完成により、課題である国道32号線との交差点(木屋橋)付近の渋滞緩和が期待でき、まちなか居住の促進や、都市の魅力・回遊性の向上による中心市街地東部の活性化に大きく貢献するとともに、通学児童の安全が確保できると考える。
 さらに、希少動物の生息を考慮し、新堀川の石積みを再利用して干潟の新たな創出を図る工法を取り入れるなど、景観や環境面に十分配慮した計画となっており、自然・歴史を活かしたまちづくりや、本市都市計画マスタープランにおける「城下町の風情を感じるまち」の実現につながると考えている。

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(3)学力向上の秘策となるか-中学校へのエアコン設置-

 近年の猛暑を背景に、全国で公立小中学校等へのエアコン設置が進められています。国の調査によると、平成29年4月時点の全国の設置率は41.7%で、3年前から11月8日ポイント増えています。一方、本市の設置率は28年12月1日時点で21.6%と、全国平均を大きく下回っています。

質問

 エアコン設置による効果と予算規模について聞く。

答弁

 本市の公立小中学校等では、夏休みを中心に校内で長時間の加力補習授業等を行っていることもあり、エアコン設置によって児童生徒が勉学に集中できるようになることで、学力の向上に効果があると考える。
 整備費用の概算として、先行して設置予定の中学校と義務教育学校の353教室については、機器の設置に約7億9千万円、受変電設備等の改修に約5億3千万円、また、小学校の835教室には機器の設置に約18億7千万円がそれぞれ必要になる見込みである。

 こうした中、平成27年12月に発出された国からの「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」の通知を受けて、本市では、29年9月に同手法の導入検討規程を設けており、今後、条件に当てはまる公共施設の整備においては、同手法の導入を優先的に検討することになります。

質問
 PPP/PFI手法の導入における注意点について聞く。

答弁
 同手法の特徴として、公共施設の設計や建設、維持管理等の業務を一括発注できることや、民間活力の導入によって低廉で良質な市民サービスの提供につながることが挙げられる。
 一方で、事業期間が長期にわたることから、期間中の事故や災害、経済情勢の変化等の予測が困難であり、導入の検討に際しては、事業者との綿密なリスク分担の設定が必要になる。
 同手法の導入については事業者の提案も踏まえて検討するべきと考えており、大学関係者や事業者、金融機関等の代表者も参加する高知県・高知市連携PPP/PFI地域プラットフォームを立ち上げ、同手法のノウハウの共有や習得及び関係者間のネットワークの構築を図っていく。

質問
 エアコン設置におけるPPP/PFI手法の導入について、今後の方針を聞く。

答弁
 本市では、給食センターの建設や老朽化対策の大規模改造工事、ICT機器の整備等の優先事業があり、本年度はエアコン設置に向けた調査費等の予算化を見送っているが、今後、庁内の関係課が連携し、PFI方式の導入可能性も含め、幅広く協議・検討を重ねていく。

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(4)市町村の森林整備に安定的財源を

 森林整備の推進は、地球温暖化防止等さまざまな恩恵を全国民にもたらしますが、森林現場には森林所有者の特定困難や担い手不足等多くの課題があるため、国は、森林整備等の財源として森林環境税(仮称)の導入を検討しており、平成29年度与党税制改正大綱において、平成30年度税制改正で結論を得るとの方針が決定しています。
 税収の配分方法や使い道、税率などの詳細は現段階では決定していませんが、全国市長会では、市町村の役割に応じた継続的かつ安定的な財源確保の仕組みとすることなどが決議され、全国知事会では、都道府県にも一部配分すべきと提言されています。
 また、高知県を含む37府県で既に独自の森林関連課税を導入しており、二重課税との心配があることから、9月定例会で質疑があり、閉会日には次の意見書を賛成多数で可決し、国に提出しました。

森林環境税(仮称)の創設等を求める意見書(要旨)

 わが国の地球温暖化対策としての温室効果ガス削減目標を達成するためには、森林吸収源対策の推進が不可欠だが、森林を多く抱える本市等山村地域の市町村においては、森林吸収源対策等の主体的取り組みが求められている一方で、そのための恒久的、安定的な財源が大幅に不足している。
 よって、平成30年度税制改正議論が本格化するに当たり、次の3点の実現を政府に強く求める。
(1)関係市町村が森林・林業・山村対策を恒久的に実施するための財源となる森林環境税(仮称)を早期に創設すること。
(2)本県をはじめ37府県が独自に導入している同様の税制との整合性を図り、二重課税との指摘を払拭する制度を設計すること。
(3)森林環境税(仮称)は、森林所有者や森林組合などと連携して実際の森林整備を実施する市町村に配分すること。

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5 9月定例会で可決した主な議案

高知みらい科学館条例制定議案

 高知の未来を担う理科好きの子どもを増やし育てるとともに、大人も子どもも科学に親しみ、 科学を楽しむ文化を育てるため、学習・体験施設として、高知みらい科学館を設置することについて、条例を制定するもの。

消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案

 北消防署の設置および中消防署の廃止を行うとともに、東消防署の管轄区域の変更等をするため、条例の一部を改正するもの。

指定避難所配備用携帯トイレ処理セット購入契約締結議案

 指定避難所配備用携帯トイレ処理セット1,800箱について、株式会社中村防災サービスとの間に、価格3,732万4,800円で購入契約を締結しようとするもの。 

目次

6 9月定例会で結果の出た請願・陳情

不採択

  • 南国市稲生石灰鉱山跡地の排水・地盤変状等に関する件
  • 西敷地利活用事業のプロポーザル募集の延期を求める件
  • 若い人も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書提出の件

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7 9月定例会に提出した意見書・決議

 意見書とは、地方公共団体の公益に関することについて、議会の意思を意見としてまとめ、国等へ提出する文書のことです。
 (1)は全員賛成で、(2)~(4)は賛成多数で可決し、国等関係機関に提出しました。
 (5)~(10)は否決しました。

(1)地方公共団体の道路整備に対する財政上の特例措置等の継続を求める意見書
(2)住宅耐震化推進のための交付金措置の継続を求める意見書
(3)小中学校におけるプログラミング必修化に対して支援を求める意見書
(4)森林環境税(仮称)の創設等を求める意見書
(5)オスプレイの飛行中止と配備撤回を求める意見書
(6)核兵器禁止条約に署名・批准し、成立に積極的役割を果たすことを求める意見書
(7)北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し、外交力の発揮を求める意見書
(8)北朝鮮問題の平和的・外交的手段による解決を求める意見書
(9)国民への情報開示や、国内対策がされないままの日欧EPA交渉の大枠合意撤回を求める意見書
(10)岡崎高知市長に対する警告決議

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8 休憩室

  県下唯一の市立高校の高知商業高等学校は、県下で「市商」の愛称で親しまれています。
 この市商が、来年創立120周年を迎えます。明治31(1898)年5月、高知市帯屋町に簡易商業学校として開校し、昭和23年に高知商業高等学校に改称。その後、昭和45年に現在の高知市大谷に新築・移転されました。
 市商といえば思い出すのが高校野球という方も多いのではないでしょうか。今日までたくさんのプロ野球選手を輩出した野球部も、来年創部100周年を迎えます。
 また「市商祭」は、文化祭の部と体育祭の部に分けて行われます。市商の体育祭といえば伝統の「全体応援」。一糸乱れぬ掛け声と体全体を使った手拍子は、知る人ぞ知る白熱した見応えのあるものです。文化祭では今年、路面電車で市商祭をPrするイルミネーション電車が運行されました。また、生徒や保護者も参加する約40の店で、市商が学校建設に取り組んでいるラオスの物産をはじめ、食品や地場産品等を販売しています。
 長い歴史と伝統を持つ市商の今後の発展と、生徒一人一人の今後の活躍を願って紹介させていただきました。

(議会広報委員 大久保 尊司)

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9 政策・施策に対する提言を行いました

 本市議会では、行政が民主的で効率的かつ公正に行われるよう執行部へのチェック機能の強化を図ること等を目的として平成26年度から実施している議会独自の行政評価を、本年度も7月から9月末にかけて実施し、各常任委員会で選定した13施策について、所管部局へのヒアリングや委員間での協議を行いました。
 そして、最終的に取りまとめた12施策の結果(下表のとおり)を、10月25日に議長から市長に提言し、次年度の施策や予算に反映させることを求めました。

行政評価の結果一覧
施策名 所管部局 評価
総務 地域防災力の向上(命をつなぐ対策の推進) 防災対策部 見直し・改善
安全で円滑な交通体系の整備 市民協働部 見直し・改善
消防・救急・医療体制の強化 消防局 拡大
新しい人の流れを生み出す移住・定住の促進 総務部 見直し・改善
建設環境 地球にやさしい環境汚染の防止 環境部 現状維持
上下水道局
安全で円滑な交通体系の整備 都市建設部 現状維持
命を守る対策の推進 都市建設部 見直し・改善
厚生 高齢者の地域生活支援 健康福祉部 拡大
生涯を通じた心身の健康づくり支援 健康福祉部 見直し・改善
子ども・子育て支援の充実 こども未来部 見直し・改善
経済文教 地場産業の強みを活かした産業の振興 商工観光部 見直し・改善
魅力あふれる商業の振興 農林水産部 見直し・改善

 この取り組みは、昨年度に改訂した2011総合計画基本計画および第3次実施計画に登載された政策・施策についての評価を行うもので、本年度は次の5つの評価項目を設定しました。

  • 成果指標
  • 課題認識と対策
  • 重点的な取り組み(事業名)
  • 人的体制・機構
  • 予算配分

 このうち、施策目的の達成度の判断基準となる成果指標と、施策を推進する上で基本的な方針となる課題認識と対策については必須の評価項目としました。
 提言の内容は市議会のホームページで公開しておりますので、ぜひご覧ください。

議会独自の行政評価についてはこちら

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10 あいさつ状の禁止

 議員の寄附・あいさつ状は公職選挙法で禁止されています

  • あいさつ状(年賀状・暑中見舞い等)の禁止
  • 寄附の禁止
  • 香典や結婚披露宴における祝儀の禁止(ただし、本人が出席の上、通常一般の社交の範囲内であるときを除く)
  • 名刺広告の禁止

など、議員活動に対して法律上制限が加えられています。
 市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。 

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11 委員会の活動(8月1日から10月31日まで)

常任委員会

 厚生委員会

8月4日

 議会独自の行政評価について、対象施策のヒアリングを行いました。

8月16日

 議会独自の行政評価について、意見集約を行いました。

9月定例会

 19~21日に、点字図書館条例の一部改正議案など6件の議案と陳情1件の審査を行いました。決算の認定議案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決または認定し、陳情1件の結果を出しました。
 また、平成29年度事務事業評価結果についてなど3件の報告を受けました。
 議案審査終了後、議会独自の行政評価について、提言案の確認を行いました。

 建設環境委員会

8月30日

 生活排水処理構想(素案)についてなど2件の報告を受けました。
 議会独自の行政評価について、意見集約を行いました。
 継続審査中の請願第2号に係る現地調査を行いました。

9月定例会

 19~21日に、特別用途地区内における建築物の制限に関する条例の一部改正議案など12件の議案の審査を行いました。下水道条例の一部改正議案および団地下水道条例の一部改正議案は継続審査とし、一般会計・特別会計および水道事業会計決算の認定議案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決または認定し、請願1件の結果を出しました。
 また、平成29年度県営工事負担金についてなど6件の報告を受けました。
 議案審査終了後、議会独自の行政評価について、提言案の確認を行いました。

経済文教委員会

8月21日

 議会独自の行政評価について、対象施策のヒアリングを行いました。

9月定例会

 19~21日に、高知みらい科学館条例制定議案など17件の議案と陳情1件の審査を行いました。都市公園条例の一部改正議案は継続審査とし、決算の認定議案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決または認定し、陳情1件の結果を出しました。
 また、平成29年度全国学力・学習状況調査の結果についてなど8件の報告を受けました。

9月26日

 議会独自の行政評価について、意見集約を行いました。

総務委員会

8月8日

 議会独自の行政評価について、対象施策のヒアリングを行いました。

8月18日

 議会独自の行政評価について、意見集約を行いました。

9月定例会

 19~21日に、消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部改正議案など5件の議案の審査を行いました。決算の認定議案は賛成多数で、その他の議案はいずれも全員賛成で可決または認定しました。
 また、公有財産規則の改正についてなど12件の報告を受けました。

10月11~13日(委員会視察)

  • 山形県山形市=女性防火・少年消防・幼年消防クラブ
  • 栃木県宇都宮市=自転車のまち推進計画、LRTの整備
  • 大阪市淀川区=LGBT支援事業 

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特別委員会

 行財政改革・新庁舎整備調査特別委員会

8月21日

 PPP/PFIに係る優先的検討規程の策定についてなど2件の報告を受けました。

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12 高知市議会からのお知らせ

(1)インターネットによる本会議の録画配信

 本市議会ホームページで、過去1年間の本会議(定例会)の中継録画を配信しています。
 会議日や質問議員名、発言内容の語句等からも検索できます。

インターネットによる本会議の録画配信はこちら

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(2)会議録の閲覧

 9月定例会本会議の会議録は12月上旬にできる予定であり、本町仮庁舎1階の情報公開・市民相談センター、同6階の議会図書室でご覧になれます。
 また、高知市ホームページ上の会議録検索システムで、平成6年12月定例会以降の本会議の会議録をご覧いただけます。なお、委員会の会議録も、18年4月以降からご覧いただけますが、少しでも早く閲覧できるよう、ホームページ上で同システムとは別に、完成した委員会記録から順次、PDFファイル形式で公開しています。

会議録検索システムはこちら

会議録検索システムに反映されていない委員会会議録はこちら

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(3)録画DVDの貸し出し

 本会議中継の録画DVDの貸し出しを行っています。
 貸し出し準備に時間を要するため、ご希望の方はあらかじめ、議会事務局にお申し込みください。(電話 823-9400)

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(4)請願・陳情の出し方

 市の行政などに対して意見や要望があるときは、請願書や陳情書を議会に提出することができます。請願は市議会議員の紹介を必要としますが、陳情はその必要がなく、審査は請願と同様に取り扱われます。
 文書は、議会事務局へ市議会議長宛てに1通提出してください。
 なお、定例会ごとに締め切りがあり、それを過ぎた場合は次の定例会での審査になりますので、ご注意ください。

請願(陳情)書 記載例

○年○月○日

高知市議会議長 ○○ ○○ 様

(代表者の)住所○○○○○○○○○○○○       

            (代表者の)氏名    (個人の)印

紹介議員氏名         印

※ 陳情の場合は紹介議員不要です。

○○○に関する請願(または陳情)

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趣旨・理由

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13 会派の構成と電話・ファクス番号

市民クラブ   8人 電話 823-9402 ファクス 802-3055

新風クラブ   7人 電話 823-9401 ファクス 871-2811

日本共産党  7人 電話 823-9404 ファクス 823-9558

公明党     6人 電話 823-9403 ファクス 871-2485

新こうち未来 5人 電話 823-9406 ファクス 822-8119

みどりの会  1人 電話 823-9476 ファクス 823-9350

※ みどりの会のファクス番号は、議会事務局直通です。

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14 編集後記

 光陰矢のごとし。ことしも早いものでもう師走ですね。2018年は、明治元年から150年にあたる節目の年となり、維新時代のように、国内外情勢の激変が予感されます。
 そんな時こそ、「両足を地域に根ざし、心は国を想い、眼は世界に向けて」との、先人の教えを反芻しつつ、物事に対処したいものです。

(議会広報委員会)


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