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文化財情報 国宝 古今和歌集第廿(高野切本)一巻 

指定

国指定 国宝 書跡・典籍 指定年月日 昭和26年6月9日

名称

古今和歌集巻第廿(高野切本)一巻

所在地・所有者

高知県

解説

 高野切は、のちに土佐守となる紀貫之を中心に編纂された我が国最初の勅撰和歌集である古今和歌集の現存最古の写本である。山内家に伝来したのは、この高野切と称される古今和歌集の写本の巻第二〇。「高野切」という名称は、豊臣秀吉が高野山文殊院の木食応其に贈った古今和歌集巻第九が、永く高野山に伝来していたことに由来するもので、元来それと一揃いであった古今和歌集の写本が高野切と称されている。事実、山内家伝来の高野切は、秀吉が高野山に贈った巻第九と同一の筆者によって記されている。この高野切の筆者については、現在、高野切は時代を代表する三人の能書家によって分担して書写されたことが確認されている。それぞれの書風の違いにより、第一種・第二種・第三種と呼称される。山内家伝来の高野切は第一種の書風である。この第一種の書風の筆者は、古今和歌集の書写に際し、巻一と巻二〇を担当している。つまり、全二〇巻のうち、最初と最後を担当していることから、最も能書とされていた人物と推察される。現存している高野切のうち、一つの巻が完全な形で残っているのは、巻五・巻八・巻二〇の三巻だけであり、極めて価値の高いものである。その書写年代は11世紀半ば頃(平安時代後期)と推定されている。