ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織一覧 > 民権・文化財課 > 文化財情報 有形文化財 寛文己酉高知絵図

本文

文化財情報 有形文化財 寛文己酉高知絵図

指定

高知市指定 有形文化財 指定年月日 昭和42年 2月 3日

名称

寛文己酉高知絵図

所在地・所有者

高知市民図書館

写真

寛文己酉高知絵図の画像
寛文己酉高知絵図

解説

 縦227cm、横176cm。
 寛文己酉は1669(寛文9)年に当るが、この図には奥書きがない。当初からの欠除かどうか不明であるが、すでに明治期、松野尾章行の手許に伝来した時には、奥書きはなく、氏がこの図の製作年代を検討し、『寛文己酉高知絵図』の名称も氏によるものと推定される。
 この絵図は、1667(寛文7)年、幕府からの巡検使の土佐藩来訪に際して、正保の城下町図(内閣文庫蔵)と1652(慶安5)年の城下町絵図を参照して作られた寛文7年図(原図の伝来はなく、その写図が『高知県史要』や『皆山集』に所載されている。)を基本に、より詳細、精緻にした図と考えられる。ただし、巡検使側からは、国絵図や城下町図の指出しには及ばないとの達しがみられ、いわゆる公儀指出し図ではなく、土佐藩独自の判断で作製したいわば、藩撰図の性格をもつ図であると推測される。
 郭中部における侍屋敷の分割図(間口の間数、氏名の記載)、寺院の名称と配置、主要施設(米倉、舟倉、人夫小屋、御馬屋、馬場、尾土焼がま、城内城下の井戸など)など詳しい情報の記載がみられ、郷村部でも、集落の分布状況を村絵図的表現で示している。また、城郭部のみならず、城下町全体がより正確な実測図的に製図され、街区の形の歪みも少ない。