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本文

平成29年度 市長と語ろう会 議事録(アスパルこうち)

日時

平成30年2月15日(木曜日) 18時半~20時半 

会場

アスパルこうち ホール

市長あいさつ 概要

 皆さん,こんばんは。皆さんには,日頃から地域の防災対策等,さまざまな活動に支援をいただいていることに,感謝申し上げる。

 南海トラフ地震はいつ発生するか。具体的な日付を予測することは技術的に困難だが,近づいていることは間違いない。昭和21年の南海地震の際,この潮江地区は約1.2メートル沈降した。また,当時は土の堤防だったこともあり,地震の揺れで崩壊した所から浦戸湾の海水が入り浸水した。次期南海トラフ地震では,潮江地区も長期浸水エリアになる可能性が高い。皆さんの意見を避難や救助・救出の対策につなげていきたい。本日は,活発な意見を賜りたいと思う。よろしくお願い申し上げる。

概要説明

(司会)

 南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について,市長より説明する。

(市長)

 ※配布資料をもとに,南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策の概要を説明。 -説明については省略-

意見交換

(司会)

 意見交換を始める。本日のテーマ「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」に関連する意見・提案をお願いする。

(参加者)

 北高見町の住人。津波避難ビルには,水や食料,トイレ等を市が備蓄しているそうだが,北高見町やその周辺には津波避難ビルがない。山に逃げるしかないが,山には備蓄がないので自分の携行品が頼りである。町内の自主防災組織では,町内会費や市の補助により,防災倉庫にいくらかの備蓄をしているが,町内会独自の取組であり限界がある。市は高台に避難することを勧めているが,公的に備蓄を進めていただかないと安心できない。

 また,山に避難した後の二次避難に対する不安感も持っている。筆山や土佐塾まで逃げることになるのか。潮江小学校まで運んでくれるのか。その辺がよく分からないため,町内の皆さんは心配している。

 もう1点,液状化の危険地区を示す地図を見ると,潮江地区ほぼ全域が危険とされている。もともと海だった場所なので当然だと思うが,市として,住民に安心感を与えるような対応策はないか。例えば,土佐道路はもし液状化しても避難路として確保できる,など大丈夫な所を明確に提示していただくなど,安心材料をいただきたい。

(市長)

 ご承知のとおり,潮江地区は広い。潮江の北部と南部では距離があり,北高見町の場合は南北に長い。近くに小・中学校があれば,そこに避難していただくのが良いが,北高見町や深谷町などの方は,筆山へ逃げる場合もあると思う。地域の自主防災組織の方から,落石や墓石の倒壊により,避難路が使えるかどうか分からないという話も聞いており,課題があることは認識している。また,避難した後,一晩なり,一定の時間待機する場所が十分に確保されていない。そういう場所を構えてほしいという話も聞いている。土佐塾中・高等学校まで上がれる方はそこに避難できる。もう一つ,筆山の反対側に筆山文化会館がある。以前ユースホステルだった建物で,旧耐震のため取り壊して更地にする予定だったが,どこかの段階で建て替えをしたいと考えている。その場合,筆山文化会館にも避難が可能になる。

 液状化について。基本的に,あらゆる場所で発生すると考えておいていただきたい。液状化は,地震の揺れで地下水が上がってきて起こると言われており,どこで起きるか予測がつかないが,全く発生しないということはおそらくない。液状化が起きている場所を確認しながら逃げていただく状況になるだろうと思う。液状化対策について,例えば,公共施設を整備する際に地下の土を入れ替えるなど,小さい範囲での対策は可能だが,地区の全域に対しては困難である。

(防災対策部)

 北高見町の方には,先ず自然地形の高台に避難していただくよう啓発を行っており,山への避難路,誘導標識等について,一定の整備をさせていただいている。そこから,さらに筆山方面へ避難ということになれば,市長が答えたように,公共施設の建て替えに合わせて,一定の防災機能を整備するよう意見を上げていきたいと考えている。

 備蓄全般については,自主防災組織に対する県の制度,市単独の補助制度がある。それを活用していただく中で,対象に加えてほしいもの等,要望があればお聞きしていく。

 液状化については,市としても,潮江地区の地質や地形的な構造から発生の可能性が高いと認識している。マンション等,民間施設の整備の際には,ほとんどの事業者が液状化対策を実施した上で建設していると聞いている。ただし,液状化対策は法的義務ではないということであり,完全ではないと認識しておいていただきたい。公共施設を整備する際には,基礎工事の段階でボーリング調査等を行い,建設する敷地の液状化対策を実施している。民間事業者もさまざまな地質のデータを蓄積しているが,液状化ということになると,大掛かりなボーリング調査を行わないと正確なデータの集積は困難である。今後の課題として,できるだけデータの集積に努めていきたいと考えている。

(参加者)

 私たちの町内では,市の補助金や町内会の負担でトイレやテント等を備えたり,避難誘導灯を設置したりしているが,津波避難ビルは全面的に公費で備蓄している。なぜ,山の避難所には備蓄をしてくれないのかと聞いている。山では安心感を持てないから,津波の来る方向であってもビルに逃げるという人が出てくる。山を越えて土佐塾まで行くことは,高齢者には困難であり,山に逃げた次にどうするかという方針を,自主防災組織としても示せない。しかし,津波避難ビルは避難した人で溢れることが目に見えている。山にも,一時避難場所としての公的な整備を行っていただきたい。その後の対策についても,明確な指針を出していただきたい。

 また,液状化に対して防災対策部から回答があったが,地区全域に液状化対策を行うことは当然不可能。しかし,公共施設は対策ができているのであれば,この建物,この道路は大丈夫だといったものを明示していただき,市民が知っておくべきではないかと思う。そういった指針を市として出していただけないか。

(防災対策部)

 現在,潮江小学校区の津波避難計画について検証を行っているが,そのアンケート調査の結果でも,約8割の方が自然地形の高台よりも津波避難ビルへ避難すると答えている。背景として備蓄の関係もあると感じている。先ずは高台へ逃げていただくことが大事だが,山へ上がった後の備蓄の問題で,なかなか優先するという考えが働かないのではないか。そういった部分も指摘のとおりだと思う。安心感を持って避難していただくことが優先課題である。備蓄については,現在の補助制度の考え方の外にある部分だが,本日いただいた意見を踏まえ検討していく。今後の施策に反映させていきたい。

(参加者)

 避難場所について。土佐道路を高架にすれば立派な避難場所ができる。津波避難ビルだけでなく,こういった施設があれば,普段も利用ができて効果があると思う。土佐道路を全て高架にすることはできないか。

(市長)

 土佐道路の一部,河ノ瀬交差点は高架になっているが,全てを高架にということは事業費的に困難だと思う。潮江地区はほぼ全域が浸水エリアになっているが,特に南部において避難場所が少ない。六泉寺の市営住宅が老朽化しており,すぐにではないが建て替えを予定している。その際には,北竹島町の市営住宅のように高層化し,そこに避難していただくことも考えていく。市が行う公共工事の中でできるだけのことをしていくが,土佐道路全体を高架にするのは難しい。

(参加者)

 国に要望すれば良いのではないか。

(市長)

 一度,整備が完了しているので難しいと思う。

(参加者)

 津波避難ビルに指定されているマンションの住人。毛布や水など多少は備蓄されているが,500人収容可能となっている。避難する場所としてはエレベーターホールや廊下。寒い時期であれば一晩持つかどうかも心配であり,一刻も早く救助してほしい。どういった方が救助に来てくださり,救助された後,どこへ避難できるのか,いつも不安に思っている。

 また,住人の居室を解放することを期待されているのかどうか。なかなか難しいと思うが,小さい子どもさんを連れた方が廊下に避難されていれば,見て見ぬ振りはできないと思う。とにかく,一刻も早く救助されることが大事であり,どのような対策を取っているのかお聞きしたい。

(防災対策部)

 津波避難ビルの指定に協力いただき感謝する。潮江地区では,長期浸水エリアに2万人以上の方がいる。この方々を孤立状態から救出するために,大まかに見て20日程度必要と想定している。この日数を最大限短縮し,できるだけ早く孤立状態を解消して長期浸水エリア外の避難所へ移送することが,現在の第一の方針である。

 どのような機関が救助に入ってくるか。本市とさまざまな応急救助の機関で連絡協議会を設置している。実行部隊としては,自衛隊・県警・消防・消防団,そういった応急機関と連携しながら救助を行う。長期浸水エリアが非常に広いため,先ほど,救助にかかる日数を大まかに約20日間と申し上げたが,あくまで最大の目安であり,いかに迅速に救助救出を進めるかが課題になっている。

 マンションの居室を解放すべきかどうかについて。プライベートな問題であり,行政として何か申し上げることはできない。それぞれの状況に応じて,住人の皆さんがどうされるか。マンションの管理組合や自主防災組織で話し合い,決めていただくものだと考えている。

(市長)

 救助救出について。小さい子どもさんや病気の方,高齢者の方など,優先順位をつけて移送することになると思うが,やはり相応の時間がかかる。例えば,自衛隊が救助に入ってきたときに,ボートが何隻あって何人乗れるといった計算をしているが,浸水の高さが2メートル,3メートルという状況では救助が難航する。できるだけ浸水を抑えることを考えなければならない。三重防護が完成すれば,L1の地震では,ほぼ浸水を防ぐことができるのではないかと思う。しかし,L2の場合は,一定の浸水が想定される。できるだけ速やかに救助救出を行うためにはどうすれば良いか,国や県と共に,更に対策を検討していきたい。

(参加者)

 津波避難ビルに20日間ということだが,避難者1人当たりのスペースはどの程度か。

(防災対策部)

 一時避難場所となる津波避難ビル等の場合,1人当たり1平方メートルである。

(参加者)

 20日もの長期間避難していなくてはならないのに,1平方メートルでは耐えられない。どのような考えか。

(防災対策部)

 指摘は理解できる。市としてもさらに検討を加えていく。学校等の指定避難所の場合は,1人当たり2平方メートルが基準になっている。

(参加者)

 浸水の後の火災について。津波で押し寄せてきた水により,車などが火災を起こしたという話を聞いたことがある。車はどの程度で発火するのか教えていただきたい。

(消防局)

 東日本大震災でもそういった事例があったが,一概に津波で車が流され発火するということではなく,いろいろな要素が相まって,流れてきた瓦礫や油分に着火して火災が起こることがある。車が発火するまでの時間的なデータは全国的にもない。東日本大震災では特に,プロパンガスのボンベが流されてきたところへ,電線が接触したり,流されてきた金属同士が衝突して火花が生じたりして,ガスに引火したということがあった。

(市長)

 気仙沼では,家庭からプロパンガスのボンベがガスを放出しながら流され,いろいろなものにぶつかった時に生じた火花で着火し,さらに,コンビナートの石油タンク等から流出した油が海面に浮いていたために火災が起こったと言われている。プロパンガスは多くの家庭に設置されているため,倒れた際にガスを放出させないことが重要。高知県の場合,倒れてホースが抜けた瞬間に,自動的にストッパーが作動するものに切り替えており,その普及率は90パーセント以上。全国で最も高くなっている。

(参加者)

 大きなコンビナートも火災の原因ということだが。

(県 危機管理部)

 津波火災について。東日本大震災の際,気仙沼で大きな火災が起きた。その後,気仙沼市役所で話を聞いたが,津波で石油タンクが流された直後に火災が起きたということであった。高知も浦戸湾にタンクがあるため,平成25年度から高知市や関係者,事業者の方々と共に,対策について検討を進めてきた。当時は,石油が流出した場合,どのように浦戸湾内に流れ着くのかといったことをシミュレーションする技術がなく,先ず,その施設が揺れに対してどの程度の強さがあるのか検討した。その結果,L1の地震ではほぼ被害がなく,L2の場合でも,つなぎ目部分に一定の被害が想定される程度だと分かった。揺れの後,津波が来た時にどうなるか。現在,ようやくシミュレーションできる技術が開発された。油がタナスカから流れた場合,どのように広がるのか。あるいは,材木が流れた場合,浦戸湾内でどうなるのか。流出した油が瓦礫と混じってろうそくのようになり火災を起こす。ただ流れただけならば問題ではなく,どこへ漂着するかということが問題である。現在,シミュレーションを行っており,その結果により,具体的な対策を検討することができると考えている。

(参加者)

 本日は,新しい情報をいただいたと思う。そういった検討状況を,逐一住民にも知らせてほしい。私は,県の工業用水路の真下に住んでいる。もし損壊したらどうなるのか。県に話を聞きに行き,説明していただいた。南海化学にも有害物質があるが,その安全策はどうなっているのか。検討状況が住民には伝わっていない。知らないから安心感が持てない。疑心暗鬼になる部分がある。工業用水路の件では,崖に割れ目ができていると土木事務所に相談に行ったこともある。要観察と言われたが,その後の報告はない。そういった情報が自主防災組織等を通じて流れてこない。南海化学の安全対策はどこまで進んでいるのか。

(市長)

 各企業における業務継続計画の作成状況について,まだ十分に確認できていない。例えば,南海化学がどこまで詳細な業務継続計画を作成しているのか,現時点では確認できていない。南海化学や四国ガス,そういった企業に対して,自社の業務継続計画を地元に説明してもらいたいと働きかけることはできる。ただし,先ず計画が完成しているかどうかの確認が必要である。

(参加者)

 地震が起きて避難する際,最小限のものしか持ち出せない。避難所に避難してきた大勢の方の水や食料を市は提供できるのか。できないのなら,筆山へ逃げて,土佐道路の方へ向かえば良いのか。どこへ逃げたら良いのか分からず不安に感じる。近くに立体駐車場もあるが,おそらく備蓄品はない。市として備蓄品をどれだけ準備してあるのか,また,津波避難ビルに備えていただけるのか。

(防災対策部)

 津波避難ビル等の一時避難場所には,説明資料に掲載している7品目を備蓄している。スペースを確保できる所から順次,水の配備を進めていこうとしているが,今のところ,何日も滞在できるほどの水や食料を一時避難場所に備蓄する計画はない。一時避難場所から次に避難する滞在型の避難所を168か所指定している。そこには薬を服用するための水を備蓄しているが,これも必要最小限であり,避難所に1週間や10日といった長期間分の水や食料を備蓄することは困難だと考えている。

 現在,基準として1人当たり1日3リットルの水が必要とされている。仮に4人家族であれば,1日12リットル,最低3日分となると36リットル。2リットルのペットボトルを18本持って避難することは物理的に困難だと承知しているが,行政で全て備蓄していくことも難しい部分がある。

 発災後,国からプッシュ型支援という形で大規模に物資が投入されてくる。それを各避難所までいかに迅速に分配していくか,今後の課題になる。流通備蓄というところも含めて,できるだけ円滑に物資が各避難所に行き渡るよう,マニュアルの作成を進めていきたいと考えている。

(参加者)

 潮江地区は長期浸水しているが,物資が届くのか。

防災対策部)

 長期浸水エリアの指定避難所は少ない。救助救出を行い,長期浸水エリア外に移送する。また,避難する際にも,できるだけ長期浸水エリア外に逃げていただきたい。

(市長)

 長期浸水になり,学校に避難された方がそこに取り残されるということも想定しておく必要がある。そこへ食料を運ぼうとすると,おそらく二通りの方法しかない。ボートで運ぶか,ヘリコプターから屋上へ下す。ヘリコプターが現実的だろうと思う。

(参加者)

 児童委員をしており,保育園の園長先生と話をする機会があった。津波避難ビルの空白地帯に園があり,近くのマンション等に再三交渉を行うものの了解を得られず,大変苦労されている。竹島公園には命の山というものがある。萩公園にも命の山を作るか,あるいは,市が主導してマンション等に津波避難ビルの要請をしていただくか,そういったことはできないものか。

 就学前の小さい子どもたちが生活している場所であり,先生方の苦労は非常によく分かる。地震が起きた際の避難も大変な困難が予想される。潮江東小学校までは,大きな通りを渡って行かなければならない。地震が起きた時に,スムーズに避難できないことはよくご存知のことだと思う。考えていただけないか。

(防災対策部)

 新田町から仲田町,萩町の周辺に津波避難ビルが少ない現状は,部としても認識している。周辺には,鉄骨鉄筋コンクリート造の高層マンションがあるが,以前,津波避難ビルの指定に向けて交渉させていただいた際は良い返事がいただけなかった。先ほどの質問のように,地域の方々から陳情もいただいており,現在,改めて交渉させていただいている。その交渉の状況等を見ながら,今後の対応を考えていく。

(市長)

 萩公園の周辺は津波避難ビルが少なく,先ほど答えたとおり,市から再度の働きかけをしていくが,一時避難場所であるマンションやビルには,基本的に食料を置いていない。食料を備蓄する可能性があるのは潮江東小学校。ここに多くの方が避難すること想定して,体育館の建て替えを行い,2階部分にアリーナを作っている。保育園の子どもたちが緊急避難するには,多少距離はあるが,小学校の方が良いように思う。

(参加者)

 現在,各小学校区の自主防災組織で避難所運営マニュアルを作成している。先日,アンケートを取ったところ,避難ビルに避難すると答えた方が予想以上に多く,収容人数100人に対して200人というビルもあった。仕事をされている方もいるので,昼間・夜間でアンケートの答えは違う。昼・夜,平日・日曜祝日といった形で再度アンケートを取り,避難のシミュレーションのようなことができないか。今後,そういった事業を進めていただきたい。

 また,高知工業高校の避難マニュアルを作成する際,学校の屋上に上がると潮江中学校や潮江小学校,アスパル高知などが見えた。潮江東小学校と潮江南小学校は高い建物があって見えなかった。先ほど,スマートフォンを活用した対策の話があったが,その拠点,地域の避難所のハブ的要素を持つ施設の整備,そういったものの事業計画について,地域の防災組織等と一緒に進めていただけるよう期待している。

(市長)

 長期浸水エリアで公共施設の建て替えがある場合,津波避難ビルとしての活用を意識して建て替えている。本日の会場であるアスパルこうちも,多くの方が避難してくることを想定して建て替えている。この先,内定しているのは六泉寺の市営住宅の高層化。こういうものを,空白地で上手くできるかどうかが課題。例えば,公民館の建て替えを行う際に,地元からは高層化して上階を避難施設にしてほしいという要望が出てくるが,全てに対応することは困難である。地元の皆さんと相談しながら,どこまで可能か検討していく。また,保育園の建て替えがある場合,津波に対する高さを確保できれば,2階建てにして屋上に避難できるようにするなど,工夫しながら対応している。

(参加者)

 建て替えは可能な所で構わない。例えば,潮江中学校の3階に無線を備えている。そのような無線,あるいはそれに近いような,ちょっとした連絡を取るための拠点についての考え方のマニュアル作成やシミュレーションをしたいと考えている。今後,地域の自主防災組織が活動するにあたっての支援をお願いしたい。

(防災対策部)

 高知工業高校の避難所運営マニュアルの話があったが,市内に指定避難所が168か所あるうち,L1で浸水区域外にある約100か所について,優先的に避難所運営マニュアルの作成を進めている。高知工業高校も指定避難所であり,ここについては地域の強い要望もあってマニュアルの作成に取り組むことになり,現在,自主防災組織の方々と検討を進めているところだと聞いている。その中で,連絡手段について,整備の拠点となるような形で意見があれば,市としても,どのような支援が可能か考えていきたいと思う。

(参加者)

 地震が来たら,先ず一時避難場所に逃げる。そこから収容避難先に行く手段として,ゴムボートしかない。瓦礫がたくさんあると思われ,ゴムボートが裂けるかもしれない。その時に,自分たちで工夫して逃げなければ,助けてくれる手段はないのか。ゴムボートのない避難場所には優先的に救助が来るのか,お聞きしたい。

 また,先ほど保育園の子どもたちを潮江東小学校へという話があったが,そのためには大きな道路を渡らなければならない。以前,その道路に横断歩道橋を設置する話もあったようだが,検討できないか。

都市建設部)

 土佐道路について。以前は電車通りとの交差点を高架にする話もあったが,平面で電車通りを渡る形になった。現在,私どもが聞く範囲では,歩道橋の設置などの予定はない。地元からの強い要望があれば,これを受けて国に働きかけをしていくことは可能だと思う。学校の安全状況等を踏まえて国が判断することになるが,現状として,実現はかなり難しいと考える。

(防災対策部)

 救助救出の関係について。津波避難ビルの備蓄品として資料に7品目掲載しているが,スペースがあればゴムボートも置いている。このボートは,基本的に足踏みで空気を入れていただくゴムボートで,大人4人が定員。津波避難ビルからの脱出用ではなく,連絡手段として使用する目的で配置している。ゴムボートで脱出せず,自衛隊や消防等,専門の救助機関が来るまで,ビルに留まっていただくことが適切だと考えている。応急救助にかかる最大20日間に必要となる物資については,自衛隊等の機材からの投下により,それぞれのビルに搬送する形になると考えている。

(参加者)

 そうすると,一時避難場所に逃げた人は,20日間も救助を待たなければならない。水や食料は絶対に不足する。やはり,各自で考えて収容避難先に逃げるしかないということか。

(防災対策部)

 長期浸水エリア外の指定避難所に逃げていただくのがベストだが,L2の場合,浸水エリアは広範囲にわたる。時間的余裕がなければ,どうしても近くのビルに避難することになる。ビルからの救助救出には一定の時間がかかると想定しているが,発災後,国のプッシュ型支援も含めて一定量の物資が投入されてくる。ビルに孤立している方,特に弱者の方に対して水や食料等の必需品が速やかに行き渡るようにすることが私どもの課題である。

(市長)

 救助救出については,まだ課題が多い。発災の数日後に,先ず自衛隊の偵察隊が入ると思うが,体制を整えて救助に入るのは5~6日後になる。部隊が準備を整えるために,どうしても日数が必要であり,その間,耐えなければならない。そこが課題である。

(参加者)

 地震が起きて,津波が来るという状況で,誰もが考えることは命を守ること。先のことを考えて避難先を選ぶことはない。一段落すれば,次は命をつなぐための避難場所が必要になる。避難生活が安定したら,その次には仮に生活する場所が必要。先ず,命を守る。次に守った命をつなぐ,そして,明日からを考えて生きていく。三つの段階に応じて,三つの場所が必要になる。その3段階を一体的に捉えて,備蓄をはじめ,さまざまな対策に取り組んでいただきたい。

(参加者)

 港連合自主防災会のメンバー。市長から潮江地区は北と南で格差があるような話があった。潮江地区には,小学校が3校,私立学校が2校,工業高校が1校あるが,ほとんどが北西のエリアにある。元々,潮江東小学校区の防災会として出発したが,北のエリアでの活動が主になるため,南のエリアにも拠点作りが必要だと考えて港連合自主防災会を設立した。現在,県立南中・高等学校との連携を進めており,年に1回は避難所運営訓練を実施しているところだが,県市の連携はどのような状況か,概要を知りたい。

 また,自助の部分で,家具の転倒や窓ガラスの飛散防止等について話があった。地区住民には高齢者が多く,自分たちで作業することが難しい部分がある。PRもしているが進んでいない。ブリコや工業高校等との連携ができないか,検討いただきたい。

市長)

 先ほどの質問の前に,もう一人前の方からも大事な意見が出た。先ず,揺れ,津波から命を守ることが最優先。守った命を避難所の中でつないでいくことが,その次の段階になる。いろいろなデータを見ると,災害で直接亡くなった方の人数と,長期にわたる避難生活の中で亡くなった方の人数は非常に近い。また,住宅を失った方は,仮設住宅等に移っていくことになるが,仮設住宅で亡くなる方も多い。そういったことを念頭に,守った命をどのようにつないでいくか,考えていかなければならない。

(防災対策部)

 家具の転倒防止対策について。平成26年度から事業化しており,家具転倒防止の器具について,材料費を負担していただければ,市が委託した事業所が取り付け作業を行っている。また,自主防災組織を対象に,転倒防止器具の説明や取り付け方法の指導啓発も実施しており,来年度以降も継続する。制度として使い勝手が悪いという指摘があれば,見直しをしていきたい。

(県 危機管理部)

 県と市の連携について。南海トラフ地震対策のため,県市連携会議を立ち上げており,お互いにテーマを出し合って課題の共有や進捗管理等を行っている。本日も第17回目の会議を行ったところ。住宅の耐震化や津波避難を含めて,全般的な枠組みで連携している。もし,県市の連携が良くないような具体例があれば教えていただきたい。会議の中で調整していく。

(市長)

 高知南中・高等学校は,将来的に生徒は移転することになるが,建物は残ると聞いている。学校が移転した後,地域の避難所として使用することを前提に,県市で具体的な協議をしていきたいと考えている。

(参加者)

 避難したビルが孤立した場合,自衛隊や消防の方が救助してくれるまでの間,ヘリコプターなどで必要な物資を届けてくれるということだが,例えば,このアスパルこうちは屋根がかまぼこ型になっていて,物資を投下できる形状になっていない。潮江東小学校にはヘリコプターが下りることができるが,自衛隊から物資を受け取ることも容易ではない。そういった現状を,県民,市民,特に潮江地区の住民に知らせてほしい。私たちも自主防災組織でできるだけ皆さんに話をしているが,ここが長期浸水することさえ知らない方がいる。救助されるまでの20日間に対する備えが必要だということも考えていない。こういった現状の中で暮らしているので,備えが必要だと広報してほしい。知らせるということに力を注いでいただきたい。

(市長)

 説明の中で紹介した防災意識調査の結果から,自宅が長期浸水エリアかどうか知らない方が約半数おられることが分かった。この地区は長期浸水の可能性が非常に高いというアナウンスを,しっかり行っていきたい。また,地域でも,自主防災組織等の皆さんから,できるだけ多くの方に知らせていただくよう,支援をお願いする。

(参加者)

 下知地区の方は五台山に畑を作り,長期浸水になった時に自分たちで野菜を育てるという話を聞いた。筆山文化会館の前に,畑を作ることができるスペースがあるか。

(市長)

 下知地区の方は,長期浸水対策に熱心に取り組んでおり,疎開することまで考えて日常的に地域間交流を行っている。また,昭和21年の南海地震の際に,五台山の湧き水が止まったかどうかといったことまで調査しており,感心している。

 筆山文化会館は,先ほど申し上げたように,今すぐではないが,将来的に建て替えを行い,水や食料等を備蓄して避難所にしたいと考えている。筆山公園内であり,畑を作ることは想定していないが,可能性としてできないことはないと答えておく。

(参加者)

 以前,防災関連の催しで県の職員が話していた件の進捗状況を伺いたい。放射線が,風向きによってどこへどれだけ流れるか分かるシステムを導入するということだったと記憶している。

(県 危機管理部)

 おそらく,文部科学省が所管しているスピーディというシステムのことだと思われる。以前というのがいつの話なのか分からないが,国自体,スピーディシステムを正式に使用していない。緻密な計算をしたとしても,結局は当てにならない予測でしかない。どちらかと言えば,モニタリングポストを使って実際の放射線量を計測し,今後の検討に活用するようにしている。

(参加者)

 話を聞いたのは,4~5年前だと思う。

(県 危機管理部)

 当時はスピーディシステムが非常に重要であった。現時点では,スピーディを使って予測をする状況になっていない。

(市長)

 モニタリングポストを使用して実際に計測した方が,予測の根拠として信頼性が高いということだと思う。