ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織一覧 > 広聴広報課 > 平成29年度 市長と語ろう会 議事録(下知コミュニティセンター)

本文

平成29年度 市長と語ろう会 議事録(下知コミュニティセンター)

日時

平成29年11月29日(水曜日) 18時半~20時半 

会場

下知コミュニティセンター 多目的ホール

市長あいさつ 概要

 本日の「市長と語ろう会」は,「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」をテーマに設定している。南海トラフ地震が近づいて関心が高まり,ご心配の声も聞く。下知地域は,南海トラフ地震における長期浸水エリアに想定されている。南海トラフ地震が起きると高知市全体がどうなるのか,また,長期浸水になった場合,どのような対応を取るかなどを説明し,その後,意見交換に入る。

 当地域は南海トラフ地震対策に非常に熱心で,地域の中でもさまざま議論されている。具体的な計画もすでに練り上げられており,非常に参考になる地域だと思う。今回の「市長と語ろう会」は,長期浸水が予想される地域で全6回行う。本日が1回目。この後,1月から2月にかけて下知・江ノ口・潮江・高須地域で5回開催予定。皆さんにさまざまな意見を出していただき,担当部局をはじめいろいろなところで参考にする。また,県と共に対策を練り上げていく。よろしくお願いする。

概要説明

(司会)

 南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について,市長より説明する。

(市長)

 ※配布資料をもとに,南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策の概要を説明。 -説明については省略-

意見交換

(司会)

 意見交換を始める。本日のテーマ「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」に関連する意見・提案をお願いする。

(参加者)

 海抜ゼロメートルの二葉町で,10年間自主防災会活動をしてきたが,やれたこと,やれなかったことがある。広域避難について3点聞きたい。

 会場になっている下知コミュニティセンターは電車通りから南の下知地区の重要な一時避難所になっているが,想定で約3日,最長でも7日の避難所としてしか検討していない。

 1点目,長期浸水の際,二葉町は孤立した地区になってしまうが,どこのエリアの避難所に移ることができるのか。現時点で決まっていることはあるか。また,二葉町の地域コミュニティ保全のため,町内会単位で移ることは可能か。

 2点目,二葉町は東日本大震災直後から,仁淀川町の長者地区と地域間交流を続けてきた。顔の見える交流を通じ,もしもの時の疎開を前提に,地域の空き家を借用する,休業している学校や公民館を借用することも地域間で協議してきた。一つのモデル事業である。下知地区は,高知市の山間部あるいは津波浸水被害のない地区との連携を考え,事前の地域間交流を行いたい。この点に関して県や高知市の支援・助言は今まで全くなかった。広域避難について,市長はどう考えているか。

 3点目,下知地区は高齢者も多く,昭和56年以前の木造住宅の居住者が多数いる。経済的な理由で耐震補強が出来ない人が多い。予め下知地区に各町内耐震構造住宅を建設することが可能であれば,高齢者や障害のある人も安全に暮らせる。地震が起こった後で災害復興住宅が建設されるが,それを事前に造ることができないか。下知は地区防災に取り組んできたが,市では地域コミュニティ計画や福祉のまちづくり,コンパクトシティ等,各部局で同じようなテーマを競い合って行っているように思える。集約・連携が必要ではないか。

(市長)

 広域の避難について。概ね100~150年に1回起きるといわれるレベル1(L1)の地震を想定した場合については,学校を中心として必要な避難所数を確保済み。南海トラフ全体が動くようなレベル2(L2)の地震の場合等,相当の避難者数が出ると,市内では避難所が足らない可能性がある。そこで,県が音頭を取り,各市町村の首長が協議をする場ができた。香美市等を対象に具体的な協議をしている。ご指摘のように,東日本大震災の事例を見ても,避難時に地域コミュニティが壊れてしまう。町内会単位でできるだけまとまって一時避難する。また,災害復旧住宅を建てる際も,地域の皆さんができるだけ集えるように意識しておかなければならない。長期浸水した際は,県庁から西の方はあまり浸水しないため,自衛隊の力を借りて浸水しないエリアに移動していただくこと等も検討する。しかし,相当な人数になるので,元気な方はマンションに残っていただくということも想定していく。実際どのように救助・救出するかについて,自衛隊や県・市等で協議中。

 耐震補強工事について。耐震補強のみであれば工事費用は120万~130万円程度と聞く。補助金が110万円なので10~20万円の自己負担が必要。経済的に負担できないという方に対応する制度は今のところない。今後,考えていく。例えば,市営住宅を集約し,高層の市営住宅に建て替えて避難場所にするといった,一定の構想は持っている。しかし,下知地域には市営住宅がないため,今後の宿題としたい。

(県(危機管理部))

 県全体で広域避難がどれだけ進んでいるか簡単に説明する。大きな被害を受けたときには避難所が足りない。市町村ごとにどれだけ足りないか算定し,県内を4ブロックに分けて検討を進めている。高知市の避難者が圧倒的に多く,現在高知市が設置している避難所では収容しきれない。周辺の市町村と協定を結ぶことが必要。これからどうするか,具体的に詰める段階になっている。ただし,誰がどこへ行くかということを事前に決めることは非常に難しい。高幡地域のブロックが,どう避難するか先行してモデル的に進めている。そのノウハウは他の地域でも生かせる。難しいのは,いざというときの移動手段の確保。高幡地域ではバス会社と話を進めている。非常に難しい点は,どのように移動するか。また,避難先が必ずしも自宅の近くではない中で,誰がどこの地域へ避難するのかを,どのようにして決めるか,その2点。高幡地域のノウハウを生かしていく。

(市長)

 皆さんの命が最優先。先ほどのご意見も踏まえ,連携できるところは連携していきたい。

(参加者)

 いくつか要望や質問がある。1点目,若松町は東西約650mの細長い町内。津波避難ビルとして指定されているのは西端に1カ所のみ。町内の東エリアに津波避難タワー・ビルを建築してほしい。

 2点目,長期浸水について。下知でもいろいろな訓練をしたが,五台山での訓練に参加した際,ここなら避難用の備蓄をしたり,避難時に空き地で作物を育てたりすることができるのではないかと考えた。空いている建物を改造して備蓄用の倉庫にしてはどうかとの意見が多数あった。二次避難先として五台山に行く際には国分川の橋を渡るが,橋の落橋防止はどうなっているか。東松島市は高台に食料等を備蓄し,そのすぐ近くに避難所があるという非常に効率の良いまちである。

 3点目,石油基地について。町内の東と西に石油基地がある。タナスカにもあるが,移転についてどのように考えているか。気仙沼では石油のために大変な火災が起きた。何らかの形で安全な場所に移転できないか。

 4点目,今年は台風が2回接近した。防災委員がトランシーバーで連絡を取り合ったが,家の中ではほぼ聞こえない。補助金を活用して性能の良いトランシーバーを購入したい。町内の東西にある拡声器からニュースが流れてくるが,声が反響して全く聞こえない。考えてほしい。

 5点目,市・県で,地震の予知・予報の状況把握はどのような形でされているか。27年の間にやってくる,というだけでは心許ない。発表することによって,かえって市民の不安をあおるかもしれないが,ある程度の情報は必要だと思う。

 6点目,耐震補強について。町内会で「家の耐震補強をしているか,していないか」を聞いた。ほとんどが「していない」という結果。半強制的に耐震補強を行うよう,行政で指導してもらいたい。

(市長)

 質問に順次お答えする。地震予知の関係,市民への周知の方法については後ほど県からお答えする。

 若松町は,堤防については県が早期に工事を施工中。津波避難ビルの数が少ないことは一つの課題。地元の要望があれば防災対策部が対応しているが,市としてもまだ十分だとは思っていない。現状では,タワーを建てる想定はしていないが,若松町周辺で津波避難ビルを当たっていきたい。

 五台山での備蓄の倉庫等について。例えば筆山等,備蓄の倉庫はこれから考えていく。ここは潮江ではないが,潮江方向から筆山へ上がっていき,土佐塾高校へ避難する方もある。筆山での一定の備蓄は考えておく。まずは津波避難ビルの備蓄を優先するが,五台山も一つの課題として検討する。

 国分川の落橋防止については,ここで確認ができないので調べておく。石油の備蓄については県でも検討しているが,中ノ島に民間企業の石油・ガスのタンクがある件だと思う。大きく集積されているのはタナスカの石油供給基地。気仙沼の流出などは非常に大きな教訓になった。タンクが倒れて流出しないようにする対策は中ノ島,タナスカ,それぞれ企業でも検討をしているので確認していきたい。県も十分認識している。県市で十分協議をしていくとともに,企業とも協議をしていく。

 無線・トランシーバーの補助金等については防災対策部から。

(防災対策部)

 トランシーバーについて。現在の補助制度の対象になっている。さらに高性能のものをということについては,相談の上,内容により対応する。

 防災無線が聞こえない件。特に都市部の屋外では建物の反響等で聞き取りにくいという報告は受けている。都市部でそれを完全に改善するのは難しい。設備も技術革新も進んでいるので状況をみながら検討したい。

(市長)

 耐震補強工事について。半強制的に行う方法がないかという話が出たが,なかなか難しい。地元で「やっておいた方が良い」と声掛けしていただいたり,市からも補助金制度についてのチラシを入れる等の働きかけをしたりすることはできると思う。強制することは難しいが,情報の周知や啓発は可能。考えていく。

(県(危機管理部))

 地震予知について。予知とは,いつ・どこで・どのくらいの地震が起こるかをピンポイントで予測することだが,国は「予知はできない」と公式に発表している。東海地震は予知ができるということで進めていたが,現在の科学的な知見では予知はできないと正式に発表した。しかし,今までの観測等は無駄にならない。ピンポイントでは情報を出せないが,地震発生の可能性が非常に高くなっているという情報は出していく。11月1日以降、気象庁から情報が出るようになっている。問題は,情報が出た後のところがまだ決まっていない。高知県は国が防災対応を検討するためのモデル地区になっている。その中で,津波が早く来る室戸市,黒潮町をモデルにして実際に情報が出た後の対応を検討している。

(市長)

 県からの説明のとおり,科学的に根拠のある予知は難しい。しかし,地震は海溝や海底で起こるため,事前に地盤や地下の構造体が滑り出すなど,何らかの現象が発生する場合がある。国が,海底に地震計を設置する計画を進めている。和歌山沖ではかなりできているように聞くが,足摺沖にも構想がある。海底の地震計は大変有効。必ず分かるとは限らないが,事前に分かる可能性もある。できるだけ早く設置していただくよう強く働き掛けていきたい。

(参加者)

 この地域に借家がある。将来的には子どもが帰ってくるが,いろいろな問題があり悩んでいる。3点ほどお願いと,今後の方向・方針をお伺いしたいことがある。

 地域には戦前からの古い家屋が沢山あり,しかも道路の整備ができていない。家のある所はもともと半分溝があり,下水道ができて車が通れる道路になったが,車は進入禁止という規制がある。家を修理するのに警察の証明書が必要。そのような状況で工事を依頼しても非常に不便であり,なかなか事が進まない。道路規制を解除してもらいたい。

 また,宝永町は地震の際に避難する場所が全くないが人口は多い。道路の規制があって車が進入できず,空き家に囲まれて塀も今にも潰れそうな状況だが,工事をすることができない。そのような放置された場所にたくさんの人が住んでいる。市にお願いしているが事が進まない。持ち主の費用負担で空き家を壊すとことは困難か。地震が起きればこの塀が倒れ,たくさんの人が逃げることができずに亡くなられるのではないかと危機感を持っている。

 まず,道路の整備,規制緩和。2点目は空き家問題。積極的に手を打っていただきたい。3点目,避難する所がないということがこの地域の難問。市内各所で区画整理が進んでいるが,ぜひこの地域も区画整理をしていただきたい。これは要望。

(市長)

 確かに桜井町,宝永町は一方通行が多い。二車線の東西の道路が少ないということがある。一方通行の道路が多く課題があることは承知している。旧県立病院前の通りは大きい道路がなかったため,次の地震に備えるためにも幹線道路が必要であることから整備した。道路規制の解除は警察,特に公安委員会の関係になるため,市は簡単に解除するとは言えない。一方通行で複雑な地域になっているため,課題として持ち帰らせていただきたい。

 空き家対策は,全市的に課題となっている。全国的にも空き家が増えているため,国でも2年前に空き家に関する法律ができた。例えば,所有者不明の家屋があり,避難路をふさぐ等,周辺への危険性がある場合に,手続きを踏めばその家屋を市が代執行で取り壊せる制度ができた。市内の空き家をすべて調査し,ここは取り壊すべき,といったようなランク付けをしている。所有権の関係があるので,慎重に行っているが,一応,実態調査と取り壊すべきかどうかの整理はした。なぜ空き家になるかと言うと制度的な問題があり,古くても土地の上に住宅がのっていれば固定資産税が6分の1になる。すべて更地にすると固定資産税が何倍にもなるため空き家のまま残しているというケースもある。そのあたりの課題も今後どうしていくか考えていかなければならない。

 区画整理については,下知地域の皆さんから,区画整理をもう一度できないかという声を聞くこともある。下知の中に区画整理を行っているエリアがあるため,再度というのは結構難しい。しかし,東西の非常に狭い一方通行の道路が多いということもあるので,道路関係での行政ということを考えていく。課題は十分承知しており,今後検討していきたい。

(参加者)

 先ほどの市長からの説明で,資料の44ページには触れなかったため説明したい。結局,長期浸水に対する自助共助について,一人一人が災害をイメージすることが大事であり,日頃からの対策が命を守っていくことになるということ。下知地区では下知地区防災計画が支えていくことになるだろう。私はこの防災計画を検討している下知地区減災連絡会のメンバー。このことを踏まえて質問したい。

 下知地区防災計画は2年前,内閣府の事業として,防災計画を地域団体が作る地区防災計画制度ができた際にモデル地区に指定され,2年目半ばに高知市のモデル事業として指定をいただいた。今年,3年目の仕上げの年を迎え,月に1,2回検討会で作成しており,ちょうど今月の検討会で長期浸水対策の議論を始めた。これまでに参加していない方等に知らせるため,同封の資料に広報「下知減災」を入れている。ここに直近の下知地区防災計画の検討状況を掲載しているので,後ほどご参照いただきたい。3ページに長期浸水対策について,現在の検討状況が入っている。下知地域の皆さんの声として出されていることを踏まえ,また,今後これらを個別計画にまとめていくので,地域の総意としてまとめられた課題について,市の今後の取り組みとして地域防災計画の中へ反映する,地域防災計画に反映できなくても個別に対応していただく等,生かしていただきたい。この議論は2月まで続く。ぜひ,地域内の検討にご参加いただきたい。

 昨日,昭和小学校6年生の防災学習の一環として,地域の津波避難ビル巡りを行った。自分の通学路にある津波避難ビルに実際登ってみる,あるいは実際登れなくてもどこにあるのか,入口はどこなのかということだけでも知ってみようということを昭和小学校の児童と一緒に行った。2年ぶり2回目だったが,児童からいろいろな疑問も出され,学校で感想を書いてもらっているので,地区防災計画の長期浸水対策の中に生かしていきたい。現在取りまとめ中だが,今後の計画の中には,子どもの意見も入っていると捉えていただきたい。

 先ほど,市長は要介護者等を中心に長期浸水エリアからドライエリアの避難所,あるいは福祉避難所等に優先的に72時間以内に移送する。それ以外の方は少し待ってもらうこともあり得ると言っていた。場合によってはドライエリアに行けず,津波避難ビルに長期間留まる,あるいはマンション等の場合,在宅避難というようなことも視野においた発言があった。そういう意味では,そこに向けた仕組み作りも一緒に検討してほしい。昨日,子どもから「ここへ避難して,水や食料があるのか」,「学校にはあるが,ここの避難ビルにはあるのか」と聞かれた。「水は近いうちに高知市が津波避難ビルに備蓄できるように考えてくれているが,食料はない」と言うと,「では食料は学校から届けてくれるのか」という率直な質問も出た。長期間津波避難ビルで過ごさなければならない場合,どういう支援の仕組みがあるのか検討できているならば,今の状況を伺いたい。もし,まだであれば,これからどういう仕組み作りを検討していくのか聞かせていただきたい。今日は時間の関係で皆が発言できないと思う。その部分は地域で検討して公助で足りない共助の部分を地区防災計画の中でまとめていきたい。よろしくお願いします。

(市長)

 大事な最後のページの説明が抜かっていた。申し訳ない。下知地域の方々には,きめ細かく防災計画を作っていただいている。現在は,揺れ対策編など個別の対策も作っていただいている。いろいろな方のことを考えて非常にきめ細かく計画を作り込んでいる。他の地域のモデルになると感謝している。

 できるだけ子どもたちに防災の意識を持ってもらうということは大事。南海トラフ地震は小学生,中学生たちが大人になった頃に発生する可能性が高い。いつという予知はできないが,地震の研究をする先生方の話を聞くと,2020~30年の間のどこかで発生するという意見が多い。仮に2025年前後だとすると,現在の小・中学生が大人になった頃になる。小・中学生に意識を持ってもらうための取り組みは全面的に行っている。例えば,小学5年生と中学2年生の時に全員が救命救急訓練を受ける。市内の小・中学校に通った場合,救急救命の実技を必ず2回行うので,大人になっても絶対覚えていると思う。とっさの時にやろうという気持ちになる。

 下知地域はマンションも多い。マンションで孤立することも考えられる。自衛隊の派遣を要請してできるだけ救出してもらうようにするが,長期間マンションにいなければならないということも考えられる。食料備蓄は学校を中心に準備するようにしている。本来的には学校が避難所になる。小・中学校を中心に,今後も段階的に食料を備蓄していく。津波避難ビルは一時避難という想定。食料の備蓄まではできていない。水は,一定配備していく。断水・停電で皆さんが一番困るのがトイレ。津波避難ビルには,簡易トイレ,もしくはポケット式のトイレの配備を検討する。まだ不十分で,さらに検討するべきところもある。ご指摘いただいたことも詰めていきたい。十分な答えになってないが,地域の皆さんと一緒にやっていきたい。よろしくお願いする。

(参加者)

 小・中学生にもっと防災のことを勉強してほしい,ということも大事だが,その保護者世代が今日の会に全く来ていないということが,私が一番だめだと思うところ。情報として,いい話が出ている。資料も大変良い。市のトップである市長から防災の内容について説明があるということが,パパママ世代に全然届いていない。来ていないから悪いとか,地域コミュニティが弱いのではと言われると心が痛むが,ぜひ,昭和小学校の参観日の後に「市長と語ろう会」を開催できないか。ビルを建てろ,橋を直せということとは全く違う方向性だが,この2年間,昭和小学校の6年生が防災の勉強をして防災新聞を作り,第1回目に発行した新聞が高知新聞社長賞を,その後が教育長賞を取った。頑張って防災のことを勉強している子どもたちにも,こういう場の話を聞かせたい。日程調整も大変だと思うが,ぜひ,地域の未来,高知市の未来を守る子どもたち,そして子育てをしている保護者の耳に届けたい。検討をお願いする。

(市長)

 貴重なご意見ありがとうございました。今,いただいた提案は,非常に効果的なやり方かもしれない。本日のように地域で夕方からお話すること,また,学校にどこかの時間帯で都合をつけていただいて,一緒に開催するということは効果的な方法だと思う。今後,考えていきたい。

(参加者)

 今月,防災訓練を行い,まち歩き調査を行った。講師から言われたのは,やはり古い住宅が多い。また,大きく南側に窓を取った家が多いということ。窓が大きいと壁率が少なく耐震性が弱い。そういう話を聞き,その後,あらためて町内を歩いた。区画整理も全くされておらず,道幅が1mであったり,市営住宅の払い下げのまま手つかずの状態のものもあったりする中で,必ず倒壊するだろうという家が多くあった。避難通路を確保するのは不可能ではないか。

 そういう中で,勤労者交流館に外階段が付き,避難所になった。月曜日に「すずめ共同作業所」の防災訓練があり,私も参加した。作業所の入所者は全員参加していた。丸池町には高齢者も多く,災害弱者がかなり多い。日曜日の市の防災訓練にも参加し,思ったことがある。丸池町の高齢者等が避難所運営そのものを果たしてできるのか。訓練をしても若い世代が来ない。参加するのは高齢者。それを考えると,まずは区画整理をしなければならない。住民だけではどうしても難しい。その点はどのように考えているのか。

 住宅耐震の話が出たが,私の家は4年前に耐震化した。補助金100万円に加えて,自己資金200万円ほど使った。実際のところ,100万円や200万円で果たして頑丈な耐震ができるのか疑問もある。話が分散したが,災害弱者が多い。勤労者交流館で避難訓練を重ねていくが,避難通路の問題もある。住民の皆さんから,広い丸池公園をなんとか利用できないかという声がよく聞かれる。市長にも伝えておく。ありがとうございました。

(市長)

 丸池町には高層の建物が意外と少ない。勤労者交流館の外付け階段は,すずめ共同作業所の利用者さんのことを考え,本当はスロープにしたかったが,物理的にスロープに必要な長さが取れず,外付けの避難階段になった。避難できる高層建物を考えていかなければ,という話が地元から出ていることは承知しているが,今のところめどが立っていない。市も課題として認識している。どのようなことが可能か検討していく。

(参加者)

 5点ほどお願いする。先ほども話が出ていたが,昨日,昭和小学校の6年生と一緒に津波避難ビルに行った。私は青柳町の南側へ行った。3点目までは6年生からの質問と要望。正門を出てすぐ南側に,東西に流れる知寄川という幅5mほどの川がある。そこに架かっている橋に耐震性があるかという質問が真っ先に出た。青柳橋や鏡川大橋のことはいろいろ気にかかるが,そこに橋があるということまで考えていなかった。また,津波避難ビルになっているパチンコ店の立体駐車場に市が設置した防災倉庫がある。先ほどの説明資料には,防災倉庫に整備している資機材として一番下に飲料水と書いてあるが,実際には飲料水は入っていなかった。

 2点目,情報を知るためにラジオがほしい。

 3点目,震災後,学校はどのくらいで復旧できるかと児童から聞かれて答えに詰まった。回答をお願いしたい。

 4点目は自主防災会から。昭和小学校北側に住んでいるが,津波避難ビルが昭和小学校しかない。避難する時は,南側の正門玄関に震度5強以上で開くキーボックスがあるという話を聞いているが,そこに人が集中する可能性も十分にあるため,外階段を付けてほしい。クンペルは外階段が付くように決まった。同じように外階段を作ってもらえると,逃げてきた人や校庭にいる子どもたちがすぐに逃げられるのではないか。当然スロープもほしいが,検討をお願いする。

 5点目,昭和小学校へは西門からでないと入れない。東門にも小さい門があるが,おそらく平日は施錠している。そこで,北側に1か所入り口を設けてほしい。空き家を探して市が買い取り,集会所及び通常門として設置してほしい。以上。

(河川水路課)

 道路整備課の際,コミベーカリーの北側の橋は地震に対応できるよう,板厚を厚くした。ほか何か所か施工していると思うが,詳しいことは不明。

(参加者)

 コミベーカリーの橋からもっと東。(後日,井添橋と判明)

(市長)

 また調べておく。備蓄関係は,後ほど防災対策部から答える。学校の復旧。児童が言った学校の復旧とは,学校がいつから再開できるかという意味だと思うが,避難場所が体育館の場合と校舎の場合で分けて考えないといけない。体育館が浸水する場合は校舎へ避難する場合がある。東日本大震災でも,体育館が使えず,かなり校舎へ避難した。例えば,教室の一つずつにできるだけ近所の人が集まる形で避難していた。避難されている方も,できるだけ早く開けてあげたいという思いはあったようだ。学校の校舎へ避難している方々は,基本的に2週間ほどで別の場所へ移動した方が多かったように聞いている。どうしても移動先がない場合は,音楽室等,普段の授業に使わない教室へ移っていた。授業で使う教室は早めに復旧したと聞いている。運用は考えていく。体育館の場合は長期になる可能性もあるが,教室はできるだけ早く開けることを考えておかなければならない。今日は教育委員会が出席していないが,昭和小学校の外階段の現状と,入り口を北側に取ることが可能かということを確認する。避難の物資については担当から。

(防災対策部)  

 津波避難ビルは,現在,市内に311か所指定しており,説明資料に掲載している7品目を備蓄するよう,取り組みの途中。指摘のあった防災倉庫には,こういった資機材を整備しているが,飲料水が見当たらなかったということなので,再度点検する。

 津波避難ビルは基本的に滞在型ではないが,飲料水については3日分備蓄することにしている。基本的には長期浸水地域からドライエリアの指定避難所165か所に順次移ってもらう。指定避難所にも一時的な分だが飲料水を備蓄する。順次取り組みを進めているところ。

 ラジオについては,自主防災組織の補助金活用の中にラジオの品目があるので,そちらを活用してほしい。

(参加者)

 市のトップである市長が来られたということで,町内会の意見を市長にお聞きする。

 1点目,大雨や台風で高潮の際に,弘化台にせきをすると水が外に流れないことがあり,極端に言えばプール状態になってしまう。低い場所がいつも浸水している。ポンプ場を設置するなりしてもらえないか。

 2点目,弘化台の一番北の部分。昔,県の土木事務所があった青柳橋の北詰め。現在は空き地になっている。何か,弘化台の北側の住民が避難できるものを設置してほしい。

 3点目,平成27年5月に空き家等対策の推進に関する特別処置法が施行された。その際,弘化台の空き家率が大変高く,建築指導課の方に相談して来てもらった。空き家の持ち主は市外の方で,交渉してもらったが,その後連絡もなく今日に至っている。市長は,上物があれば税金が更地の6分の1になると言われたが,私の認識が間違っていなければ,老朽化した空き地に関しては更地並み課税が施行されているのではないか。高知市は更地並み課税を実施しているか。

 4点目,三重防護の説明があったが, 3年ほど前に県の土木事務所へ行き説明を聞いた。優先的にやっている所,後回しになる所があるが,基準は言えないと言われた。弘化台地区は平成30年度以降の整備予定,予算が800億円。最終的にいつ完成するのか。

(市長)

 最後の質問から。資料の25ページ。三重防護は,現在,第1ライン(高知新港の沖合いの防波堤)を工事中。第2ラインが湾口の入口。第3ラインは浦戸湾の湾内。高知県の事業もかなり入っており,現在,県の事業は若松町等を集中的に工事している。弘化台の入口も,現在,湾工事を行っている。今年度には終わる予定。積極的に工事をしている。国土交通省によると,第2ラインと第3ラインで600億円。湾の外側がほぼ国の直轄事業。それと県の補助事業で構成されている。600億円の事業の350億円が国の工事,残り250億円が補助金を付けた県の事業という感じ。第1ラインが国土交通省の方。残工事がどのくらいかというと,概ね 300億円ほど残っているだろうと言われている。300億円ほど工事が残っており,第2・第3ラインで600億円なので,約900億円というのが現在の想定。ただし,時間がかかる。予定では外側からやっていただくということになっているが,完成が平成43年くらい。およそ16年かかる。地震に間に合わないといけない。国土交通省も入口で止めることが大事なので外側を最初にやろうとしている。長浜川のところに水門を設置して止めていくことも考えられる。外側の残工事が概ね300億円程度と言われているので,毎年着実に進むよう働きかけをしていきたい。

 空き家は今後も大きな課題になるので精力的にお話をしていきたい。今度の法律改正で,古い家の場合は6分の1ではなく更地並みに課税するという話も出ているが,運用は一律になっていない。国の方針などを見ながら,国の動向等,注意深く見ていきたい。

(参加者)

 いつも気になっているが,空き家に放火されたら隣まで類焼してしまう。それが心配。できれば空き家を更地にしてほしい。お金も必要になるので家主は知らん顔をする。手紙を1,2回書いたが反応がない。誰かが放火し,類焼することが一番心配。行政代執行で解体することが可能であれば,心配がなくなる。

(市長)

 周辺の住宅等に著しく悪影響があり,早めに解体した方が良いという場合には,順番に手続きを踏んで代執行ということもある。ケースバイケース。お話のケースがそうなるというわけではないが,いろいろ調べているので相談してほしい。

(上下水道局)

 弘化台地域については,これまでも内水の際の問題をご相談いただいている。県でも何度か調査をしたことがあるが,弘化台全体の排水管が低い位置にあるために,浦戸湾の水位が高くなると逆流しているような現象。抜本的な対策は弘化台全体の排水管の問題。なかなか厳しい問題があるが,ポンプを作るのではなく,何か対応ができないか持ち帰り,地元の皆さんの知恵を借りながら,すぐにできるような方法を考えていきたい。よろしくお願いする。

(市長)

 県の土木事務所があった場所にタワーを建設できないかということについて。弘化台にお住いの方々もそうだが,市場で働いている方々の避難をどうするかということがある。これまで駐車場へ逃げるようになっていたが,市場にあった駐車場を一旦壊した。昼間,市場でたくさんの人が働いている。市場の入口に管理棟がある。3階建てなので,管理棟を一時避難場所にしている。そこに住民の皆さんが入っていけるかという問題があるが,市場の管理棟を一時避難場所に考えてはいる。

(参加者)

 朝,弘化台で働いている方が500~1,000人いる。3階建てでは全然足りない。一番南の駐車場を去年壊したのは,地震がきたら壊れるため,先に壊したのではと話している。そこに何かを建ててほしいという要望は町内会で出ている。

(市長)

 管理棟にどのくらいの避難者を収容可能かというところも見ていく。預からせていただく。

(参加者)

 資料の24ページについて。浸水深10cm以上・50cm以上・1m以上の各人口が書かれている。市は,どの高さ以上を救助するのか。鬼怒川の氾濫では,4日間で陸上部隊1都9県の延べ12,000人,航空機等延べ20,000人の人員で約5,400人を救助している。高知市は,どのくらいの人数をどのくらいの体制で救助する予定なのか教えてほしい。

 耐震問題について。強制は難しいと思うが,耐震性が非常に悪い耐震補強の完了家屋もあると思う。木造耐震の工事現場に抜き打ち検査に行く等,施工性を含めた耐震補強の見直しをする必要があるのではないか。

(市長)

 耐震補強工事の適正実施について。市の役割としての指導・監督等は,本日は担当の部局がいないので確認しておく。適正に工事が実施できているか,というチェックがどこまで可能か確認したい。救助救出のところは防災対策部から。県からも補足があればお願いする。

(防災対策部)

 資料24ページで,自力での脱出が難しくなるという想定範囲を赤で囲んでいるが,50cm以上の地域。江ノ口・下知地域で約25,000人いる。発災後の3日間は救命活動が優先。救助活動が本格化するのは,これまでの例から見ても4日目以降。この25,000人を救助するとなると,自衛隊や応急救助のいろいろな人員,一定のマンパワーが国も含めて入ってくるが,現在の想定では20日程かかるのではないか。救助の優先順位としても,例えば,透析を受けられている方等,生命の維持にリスクを抱えている方を中心に優先することになる。その時,医療支援の方々のマンパワーも受けながら順次行うと想定している。

(県(危機管理部))

 補足としてではないが,たくさんの方がいると,ボートで救出する際にかなり時間がかかるのが非常に問題。必然的にビルに留まらなくてはならない事態が起こる。現在,高知市と長期浸水について一緒に考えているが,一番考えなければいけないのは長期浸水にならないようにすること。長期浸水地域内にいる人を少しでも少なくするというのが一番大事。このままの人数でやるとどんなに頑張っても日数がかかる。県としては,高知市と一緒に日数を少しでも少なくすることがこれからの一番のポイントになってくると思う。

(市長)

 ご質問の中で自衛隊の話しが出た。先日,自衛隊と訓練する場があった。高知へどれだけの人員が駆けつけてくれるかということをお聞きした。県内には,香南市に第50普通科連隊がある。すぐに駆けつけてくれる予定。そこの隊員が約650人。バックアップするのは善通寺の第14旅団。部隊が約2,600人。どういう割り振りになるか旅団長に確認したところ,南海トラフ地震の際には善通寺の部隊をすべて高知へ投入すると伺った。少なくとも,善通寺,香南の部隊はすべて高知に入ってくることを確認した。それだけでは足らないので,おそらく四国・中国・関西を統括している中部方面隊がバックアップに回ってくる。四国の自衛隊は,陸路が通行可能であれば,当然陸路で入ってくる。現在の想定では,基本的に春野総合運動場にベースキャンプを置く。

(司会)

 予定の時間になったが,ほかに意見がある方があれば。

(参加者)

 地区防災計画が完成する前に市長に一度下知に入ってもらいたかった。感謝を申し上げる。この地域の中で特に課題になる長期浸水をどのように食い止め,止水をどのようにするか。市長から優先的に取り組むというお話も頂いた。その中で,ポンプの整備を早期にしてもらうというのが非常に大切なこと。資料28ページの中に,下知のポンプ場整備が今年度基本計画という想定であるが,今後,早期に完成されるのか,現時点で分かっていることを教えてほしい。

(上下水道局)

 ポンプ整備について。現在のポンプ場は非常に古い。新しいポンプ場については,横断歩道橋のところに新しく用地を構え,平成32年から36年にかけて順次整備をするようにしている。今年は基本設計を行い,来年実施設計を行う。国の補助を受けながら事業を進めていく。1年でも早い時期に整備をして,皆さんに安心してもらえるよう努めていきたいと考えている。よろしくお願い申し上げる。

(市長)

 重要なポンプ場があるので補足する。このエリアは上下水道局から説明した下知ポンプ場の早期の完成を重点的に進めていかなければいけないと思う。もう一つ,非常に重要な海老ノ丸ポンプ場がある。海老ノ丸ポンプ場にはかなりのポンプの台数を構えており,死守しなければならないと考えている。耐震化や,耐水化。海老ノ丸ポンプ場は概ね整備ができている。次は下知ポンプ場。とても大事なエリアなので,先ほど答えたようにできるだけ早期完成をめざしていきたい。

(参加者)

 岡村眞先生と,高知市に水が5m入ったらどのくらいの人数がどこまで逃げられるかという非常に現実的な問題を話している。現在,下知地区では一時避難はなんとかできるが,2日目,3日目になったら難しい。学校や施設へ移らなければならないが,それだけのものがあるか。昭和小学校でも3階を使えるならば,もう少し避難できるのではないかと思うが,津波の大きさによってはそれも難しい。人数的に昭和小学校一つではまず無理だろうということになった。市長の話では,他の学校で長期に避難をと言っているが,5mの津波だと高知市が浸かるのでは。二葉町に限って,別の地区へ避難できるような地区防災の話をずっとしてきた。しかし,下知減災会全体ということになれば大きな人数になる。下知地区全体の緊急避難として近くの山間部の地域へ早急に話をして避難先を確保してほしい。

(市長)

 一番大きい目標は津波を入れないこと。三重防護は16年ほど時間がかかるが,三重防護が完成すると相当の効果がある。国土交通省は100年に1度くらいの地震では高知市内を浸水させないという目標を立ててくれている。

 避難場所について。資料の9ページの図は,一時避難としての津波避難ビルも落とし込んでいるが,昭和小学校だけでは避難所として場所が足らないという話だと思う。一時避難場所も空白エリアがある。地元からももっと指定してもらいたいという話がある。避難ビルや避難場所に指定する際,安全性を見込んで4階以上ということで設定をしたが,4階建てのビルが意外と少ない。3階建ての屋上までは入れた。今のところ3階の屋上が使えるところで考えている。他に考え方がないのかということは地元の方からも言われている。どのような考え方があるかについては,これからも検討していきたい。一定の確保はできているが,空白地がある。課題は承知している。いろいろ意見をいただきながら,できるだけ交渉して増やしていきたい。空白地が解消できていないが,順次取り組んでいきたい。