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本文

平成29年4月13日 市長定例記者会見

会見項目

  1. 新庁舎丸太打設工事見学会について
  2. 高知市の文書管理規程の改正について
  3. 救護施設整備事業について

 配布資料

  1. 新庁舎建設工事にかかる地盤改良工事(丸太打設工事)の見学会について [PDFファイル/713KB] 
  2. 高知市文書管理規程の改正について [PDFファイル/275KB]
  3. 救護施設整備事業について [PDFファイル/311KB] 
  4. 学習指導要領改訂の方向性(代表質問に関する補足資料) [PDFファイル/8.84MB] 

会見内容

1. 新庁舎丸太打設工事見学会について

 大変お忙しいところをお集まりいただき,ありがとうございます。

 先ず,新庁舎建設工事について,現在,地下の杭打ち工事の段階まで進んでいますが,地盤改良のために県産材を使用した丸太打設工事を行うことにしています。この工法を近代建築の中で大規模に実施するのは,おそらく全国で初めてだと思います。4月21日金曜日に現地で見学会を開催し,地盤工学研究会の方々等にご参加いただいて,設計JVや施工JVからこの工法の説明を行う予定です。

 通常,鉄筋コンクリートの建物を建てる際には,コンクリート杭を打ちます。新庁舎でも基盤層までは約30メートルありますので,当然コンクリート杭を打ちますが,液状化対策が必要な地表の層がありますので,そこに長さ約4メートルの杭を1万5,700本打ち込み,敷地を固めるという工事に入ります。間隔は約60センチメートルから1メートルですので,相当のピッチで木杭が入るということです。全て高知県産の間伐材を使用していますので,県内の林業関係の生産組合にお願いして準備していただいています。専門的にはLP-LIC工法と言われているそうですが,液状化対策に高い効果があるという証明を受けていますので,この工法を採用しました。

 林野庁の林政ニュースでも昨年12月に取り上げていただき,関係省庁等にも配布されています。今回の説明会は学会中心ですが,グループを分けて何回か説明会を実施していきたいと考えています。

2. 高知市文書管理規程の改正について

 2点目は,文書管理の適正化についてです。国の行政機関における文書管理のガイドラインには,文書主義ということが書き込まれていますが,高知市の文書管理規程では書いていなかったため,今回の改正により,第3条の中に文書主義の原則を書き込みました。

 また,先ごろ問題になったように事後に決裁を取らなければならないケースは,本来的にはあってはなりませんが,ケースとしては出てくる場合がありますので,事後決裁を取る場合のルールを統一しました。事後決裁自体に違法性はないと認識していますが,その際の決裁文書への記載方法について,これまで全庁的に統一されていませんでしたので,ルールを定めることにしました。

 基本的には,事後決裁を取ることになった理由を明記すること,合議先は当該事案の通常の決裁区分の合議先とすること,そして,誰が押印するかということについては,事後に決裁が回ってきた時点でのそれぞれの権限を持っている者が押印するということに改めて統一しました。

 今回の文書管理規程改正のポイントですが,文書の作成が原則であるということを改めて明確化しました。また,さまざまな打ち合わせ等が頻繁に行われていますが,軽易な事案であって文書作成をする必要がないものについては文書作成の義務を除外しています。さらに,いろいろな協議の場で決めるということもよくありますので,意思決定と同時に文書作成が困難な場合には事後に作成が必要だということも明確にしています。これらについて,庁内での徹底を図っていきたいと考えています。

3. 救護施設整備事業について

 3点目は,現在,横浜にある誠和園という施設についてですが,生活保護法に基づく救護施設です。明治32年に設置していますので歴史は古いのですが,全国的に見まして,このような救護施設は民間経営が大多数を占めているという状況があり,この度,民間からのプロポーザル提案をいただいて,施設整備及び運営を行う事業者を決定しました。議会でもいろいろご意見があるところですが,ご理解をいただきながら準備を進め,社会福祉法人秦ダイヤライフ福祉会というところに決定しました。これから設計に入り,開発許可等の許認可を取りながら,平成31年度中に民間施設として開設することをめざしていきたいというところです。なお,議会での説明を行い,予算関係等の議決をいただきながら進めていきたいと考えています。

私からは以上ですので,ご質問にお答えしていきたいと思います。

質疑応答

(記者)

 明日で熊本地震から丸1年を迎えます。一般の戸建て住宅の耐震補強工事に対する補助の増額等,いろいろな対策を示されていますが,この1年,市として取り組んでこられたこと,また,今後どういうところが課題で,どのように取り組んでいかれるのか,改めてお聞かせください。

(市長)

 熊本で1回目の大きな地震が発生してから明日で1年を経過します。熊本地震では,大きく報道はされませんでしたが,清掃工場が一部機能停止になりました。熊本には清掃工場が2か所ありますが,1か所はダクトが落下した関係で完全に使えなくなり,全てもう1か所で処理をしています。このため,本市でも環境部から視察に行き,この1年間,取るべき対策の準備をしてきました。平成29年度中に,清掃工場のダクト落下防止等を含めた対応を図るよう準備しています。

 もう一つは,被害が大きかった益城町を中心に木造住宅の倒壊がかなりありました。先ごろ,市では長期浸水エリアを対象に市民意識調査を行いましたが,その回答結果を見ますと,昭和56年以前に建築された建物に住まれている方が,想定している以上に多い印象を受けました。耐震補強工事は必要だという認識はあるものの,費用面からできていないという回答が多く寄せられていますので,木造住宅の耐震化が急務になっています。この度,平成29年度予算で,木造住宅耐震改修費補助金を従来から17万5,000円引き上げ,110万円まで国・県・高知市で助成するようにしました。一般的に,耐震補強工事に必要な額としては,120万円程度が多いようですので,10万円用意していただければ耐震補強工事ができるというところまで引き上げています。積極的に活用していただけるよう,広報していきたいと思っています。

 また,国はプッシュ型の支援ということで,地元で受け入れができる,できないに関わらず,どんどん支援物資を入れてきます。熊本でもその関係で少し混乱しましたし,物資が送られてきても,仕分けのプロがいないと体育館で野積みの状態になり,結局使わなかったという状況にもなります。受援体制を確立していく必要がありますので,荷さばきを含め,どういう形で対応するかというところを県と協議しています。こういった熊本で問題になった点について,この1年間,中身を詰めて対策を行っています。

(記者)

 教育に関して伺います。次期学習指導要領に関連して,今後,市内の小中学校で学習内容をどのように変更していくのか教えてください。

(市長)

 この度,学習指導要領が大幅に改訂され,小中学校で今後,段階的に学習内容が変わってきます。お手元に資料をお配りしていますが,国の資料は少し難しい言葉で表現していますので,市の教育委員会が分かりやすく資料を作り直しています。今回の学習指導要領の改訂については,子どもたちが「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」,主体的に学びながら,自分で考える力を伸ばしていこうということがポイントになっています。主体的に学ぶことや考える力を伸ばすことについては,本市でも大切なことだと捉えており,教育大綱に位置付けています。資料に本市の教育大綱を添付しています。これは,ポスターやパンフレットにして各学校に配布しているものですが,基本目標が7項目,基本方針として15項目あり,それぞれ個別に対応していくこととしています。

 もう一つ大事なポイントになるのは,保・幼・小の連携です。幼稚園・保育所・認定こども園等と,そこから上がっていく小学校との連携ということが,学習指導要領の改訂でも明確に前面に出てきました。本市では,先行して保・幼・小連携のプログラムを策定し,取り組んでいますので,文部科学省からの情報を得ながら,しっかりと対応していきたいと思っています。

 他にも,次期学習指導要領に関連してそれぞれに研究のモデル校を作りながら,各学校で実践的に取り組んでいくことにしていますが,全国学力・学習状況調査の結果では,やはり中学校の数学が弱いということがはっきりしていますので,理数教育をさらにテコ入れするため,先生方を指導する専門家を本年度から招聘しています。また,外国語教育をさらに引き上げていくため,全中学校の2年生を対象として,英語の4技能「聞く・話す・読む・書く」ことのレベルアップをめざし,外部団体試験の導入等の予算化をしているところです。

(記者)

 理数教育の専門家による指導について,具体的な内容は決まっていますか

(市長)

 神奈川県の横浜市から,算数・数学教育に優れた実績を上げている方を一人,外部講師として招聘しています。各小・中学校に派遣をして,算数と数学を中心に授業を見ていただき,具体的な指導や助言を受け,授業内容の改善を図っていく予定です。

(記者)

 何校での実施を予定されていますか。

(市長)

 今のところ,中学校6校,小学校6校です。

(記者)

 今年2月に,経済産業省や産業界の主導で,月末の金曜日に仕事を午後3時頃に切り上げて買い物や旅行を楽しんでもらう「プレミアムフライデー」という取り組みが始まりました。静岡市のようにプレミアムフライデーに合わせて職員に早めの退庁を促す自治体がある一方,「実施は困難」「サービスの低下につながれば本末転倒」という意見の首長もいます。

 市長は,このプレミアムフライデーをどう評価されるのかということと,市としてプレミアムフライデーに合わせた取り組みを検討しているかということをお聞かせください。

(市長)

 プレミアムフライデーに限らず,政府は働き方改革について精力的に検討をしています。労働時間の短縮を含めいろいろな議論がありましたが,法律の改正等も行われていますので,官民,男女ともに働き方の改革が一定必要だと考えています。

 本市の場合,予算編成時はどうしても忙しいといったことなどがありますので,大幅に残業時間を減らすことを,今すぐにはできない面もありますが,いずれにしましても,働き方の改革ということをこれから進めていかなければならないと考えています。

 しかし,プレミアムフライデーに合わせ,有給休暇を取ってできるだけ早く帰ろうといったことは,現在の人員体制の中で現実的には難しいと思いますので,例えばフレックスタイムの導入を検討していく等,そういったことも合せて考えていく必要があります。市の職員にも子育てをしている職員が多くいますので,朝早く出勤して夕方早目に仕事を終えて帰るなど,そういうフレックスタイムを組むことが可能かどうかを含めて検討していく必要があるだろうと考えます。プレミアムフライデーの取り組みだけに限らず,働き方全体を変えていくために,今後どうすれば良いかというところを考えていく必要があると思います。

(記者)

 共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新設するという組織的犯罪処罰法の改正案が国会の審議に入りました。政府は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてテロを未然に防止する対策が必要だということを主張していますが,一方で野党などは適用対象となる組織的犯罪集団の定義があいまいで捜査機関による恣意的な捜査の危険性があると指摘しています。

 この法案について市長のお考えや,今後,国会の審議に望むことなどを教えてください。

(市長)

 審議に入るかどうか与野党間で揉めていましたが,いわゆる共謀罪の成立要件というところでいろいろな議論があるという認識を持っています。かなり専門的な法律になりますので,細かい部分までこの場でコメントすることはできませんが,与党の協議の中でもかなり踏み込んだ意見が出ていると聞いていますので,それだけ難しいことなのだと思っています。

 国会議員には,弁護士資格を持っておられる方や非常に法律に詳しい方がたくさんおられますが,そういう方々からも犯罪の成立要件として公判の維持ができるのかといったことなど,与野党ともにさまざまな意見が出ていると聞いています。今の段階ではまだ明確になっていない部分もあると思いますので,やはり,今後も慎重に審議し,一番の焦点になっている,共謀罪がどこで成立するかというところを十分に絞り込んでいくことが必要だろうと思っています。

(記者)

 市長としてはさらなる審議を,時間をかけてやってほしいということでしょうか。

(市長)

 そうですね。法律の専門家からも,もっと絞り込むべきではないかという意見が出ているようですので,共謀罪がどの時点で成立するのか,いわゆる準備段階の行為がどの時点で犯罪になるのか,とても難しいと思っています。ですから,まだまだ詳細な詰めが必要ではないかと考えています。

(記者)

 監視社会という批判もされていますが,市民を恒常的に監視するというような可能性については,どのようにお考えでしょうか。

(市長)

 政府の説明では,テロ行為を行う集団や団体という定義になっていると思います。しかし,当然,テロ集団であっても個人で動いている場合があり,個人として動いているのか組織として動いているのか分からない部分もありますので,特定するのは技術的に難しいのではないかと思います。

 政府の見解としては,個人は対象外です。いわゆる集団や団体が対象だと政府は説明しています。

(記者)

 ふるさと納税に関して,総務省が4月1日付で返礼品の価格を寄付額の3割以下に抑えるように通知を出しましたが,市長はこれをどう受け止めたかということと,市としてこれを受けて何か対応するのかということをお聞かせください。

(市長)

 まだ通知が出たばかりですので,通知の内容を含めてこれから検討していかなくてはいけませんが,各自治体間でふるさと納税の返礼品がいわば競争になっている部分があり,一番多いところでは寄付額の約9割というところもありますので,そこまでいくと少しやり過ぎではないかということから,一定の目安として3割程度という話が出てきたものと認識しています。

 3割が適当なのか,どの程度が良いのかということについては議論が分かれると思いますが,返礼が過剰になっている部分があり,税の理論からすると少し違うのではないかと感じます。本市は送料や寄付受付事務手数料等の経費を含めて5割程度ですので,これからどう対応していくか,通達の内容を見て協議していきます。

(記者)

 通知が出されたこと自体に対しては評価されるのか,歓迎されるのか,少し困ったという受け止めなのか,いかがでしょうか。

(市長)

 良い,悪いの評価はできませんが,少し加熱し過ぎたという部分はあります。また,関東周辺などでは,他自治体に納税される額の方が多いといったこともありますので,3割以内という目安を設けることは,一定止むを得ないのではないかと思います。

(記者)

 熊本地震の関係ですが,まもなく1年ということで,市長の所感の部分と,熊本地震をきっかけとして高知市としても防災対策を見直す動きもあったかと思いますが,そういった面も含めて南海トラフ地震に備える市の姿勢を改めて伺います。

(市長)

 大きな地震の後には必ず余震があります。東日本大震災から6年経ちましたが,東北から茨城にかけて,まだ余震が続いています。熊本地震は,震度7の地震が2回起こった特異な地震ではありましたが,南海トラフ地震の場合も約10年は震度5から6の余震が続くと想定していますので,1回の地震から逃げれば済むということではないということを強く感じています。

 また,市民の皆さんの命を考え,避難勧告や避難命令を出しますが,これを解除するということは家へ帰っても安心ですよという宣言になりますので,解除するタイミングが非常に難しくなったと思います。地震の場合,家が安全かどうかは建物の危険性を調査・診断する専門の調査員が見ないと分かりませんが,県内にはその調査員の人数が限られていますので,できるだけ多く養成しておく必要があります。

 それから,先ほども言いました,受援体制の充実や昭和56年以前に建築された建物の耐震化,そういった対策をしっかり取っていかなければいけないと改めて思っています。

(記者)

 高知市として,熊本への支援の状況や,今,避難生活されている方に対してお言葉をかけられるとしたらどのようなことになりますか。

(市長)

 1年前に熊本地震が発生してから,この3月末までに職員延べ469人を派遣し,応援に入っています。一番早く入ったのは消防や水道,その後,建築,土木が入り,現在は事務職が入っています。ノウハウをこちらが習うという側面もありますが,延べ500人弱の職員を派遣しています。

 仮設住宅の整備は概ね完了したように聞いています。これから,災害復興住宅,恒久的な住宅へと移行していかなくてはいけませんが,大きな地震が起こるとコミュニティが3回壊れると言われています。1回目は被災時にバラバラに避難所へ避難するため,ご近所との関係が崩れます。2回目は仮設住宅に入居する際に抽選で決めるため,またバラバラになります。3回目は災害復興住宅ができた時にも抽選で決めるため,またコミュニティが壊れます。できれば集落単位で避難ができて,仮設住宅や災害復興住宅ができた時もコミュニティが壊れないようにしていかなければいけませんが,そういう意味でも熊本の方々のご苦労はまだ多いと思います。今後もできる限りの支援をしていきたいと思っています。

(記者)

 昨日,コメントを出されましたが,ペギー葉山さんが亡くなられたことに関して,受け止めの部分と,ご交流もあったかと思いますが,市への貢献度といった面をどのように評価されているかお聞かせください。

(市長)

 突然の訃報で非常に驚きました。お加減が悪いという話は聞いていませんでしたので,突然の訃報に本当に驚いたところです。

 ペギーさんとは,市長になる前,観光課長の当時からお付き合いがありました。よさこいでは,市役所隊で一緒に踊ったこともありますし,全国大会の審査員は第1回から務められましたので,大変に大きな支援をいただきました。

 それから,ペギーさんはいつも,このよさこい全国大会の審査に来られた際にふるさと納税をしてくださっていましたので,そういう意味でも大変お世話になりました。

 本当に高知が大好きで,よさこいが大好きで,そして,音楽が大好きな方でした。私にとっては大学の先輩でもありましたので,非常に残念で,お元気でもっとお会いしたかったと思います。非常に残念です。

(記者)

 決裁文書について何点かお伺いします。先ず,文書管理規程を改正したことについて,市長の思いをお聞かせください。

(市長)

 通常,決裁文書を取り抜かることはまずありませんが,計画を作成した際に,部局によっては印刷物として仕上がったことで完了として決裁を取っていないケースがありましたので,今回,周知徹底を図ったところです。計画には当然決裁が必要ですが,それを勘違いしていたところがあったと思いますので,そういう意味で文書主義の原則の徹底を図るということです。

(記者)

 都市計画マスタープランの決裁文書の事例があって,反省をして,検証して,こういう対策ができたということだと思うのですが,都市計画マスタープランの件は,結局のところ,どのようなミスによってこのようなことになったのでしょうか。

(市長)

 先ほど申し上げたとおり,都市計画マスタープランは確かに印刷物としてできています。印刷物ができた段階で議会の全議員さんにお配りして,内容についても所管の委員会で報告していますので,そういう意味で事実上処理が終わっているという勘違いがあったのだと思います。計画についてもきちんと決裁を取るべきだということで,計画を承認した時点に遡って決裁を取ったわけですが,事後決裁を行う場合のルールが決められていませんでしたので,今般,改めて事後に決裁を取る場合はこうしてくださいというルールを決めて,庁内に徹底するということです。

(記者)

 その,事後決裁の日付について,2016年1月に作成しているのに2014年の3月という事実と異なる日付にしたことについて,これを判断したのはどなたでしょうか。

(市長)

 決裁は取っておくべきだという話し合いはしましたが,日付をどうするかという具体的な細かい協議はしていませんので,どこで誰が決めたかということは分かりません。法制と協議した結果ということだと思います。

(記者)

 もう1点,議会やこれまでの会見でも市長が言われている事実上の決裁という考え方について,都市計画マスタープランの内容について協議を重ねてきた結果として,検討委員会から市長が手交を受けた時点で事実上の決裁が成っているという主旨だったと思います。今回,文書管理規程の改正の内容を見ましたら,事後に起案する日付で作成するということになっています。その辺りの整合性についてはどのように考えればよろしいでしょうか。

(市長)

 最終権限者である私が,口頭で決裁をするということはあります。都市計画マスタープランについて,いつの段階で私が承認したかということですが,都市計画マスタープラン策定委員会から報告をお受けした場で,この計画に基づき,今後,真摯にこの計画を実行していくということを私からお答えし,それが文書にも記録されていますので,その日を事実上の意思決定を行った日と認識しています。そのため,その日を記載したということですが,法制とも協議して違法ではないことを確認しています。庁内で取り扱いがまちまちではいけませんし,今回の場合,退職した職員が押印していることについて議論がありましたので,事後に起案した時点において決裁するべき人が押印するということにしました。どちらが違法ということではありません。庁内での文書管理の取り扱いについて,文書主義を明確化したということです。

(記者)

 もう一つ,事後決裁というのは万が一の場合のものであると言われていましたが,逆に,決裁を取り抜かっても良いのだという誤解が生じてはいけないと思うのですが,いかがでしょうか。

(市長)

 事後決裁はあくまで例外です。決裁というのはその段階できちんと取るべきだというのが原則です。そのことを3条に定めています。

(記者)

 決裁の取り抜かりについては,今後,どのようにして防いでいかれますか。

(市長)

 計画に関わる決裁が抜かっていたと認識していますので,計画についても全て決裁が必要だということを庁議を通じて徹底しています。もう一つ,通常の決裁でも,例えば,請求書が届くのを待ってから事後に決裁を取るといった場合がありますので,事後決裁については,今回の改正で定めたルールを守るようにということを徹底しています。

(記者)

 食肉センターの件について,先日,四万十市長と会談されたと思いますが,県は違う方向性を強く押し出していて,知事はコスト面でも県が責任を果たすということを言っておられます。市長の2か所での経営は無理だという考えに変わりはありませんか。

(市長)

 今のところ,県の検討会では将来収支の試算がまだ出ていません。どの段階で出てくるのか,また,どのような形で出てくるのか分かりませんが,県の将来収支の試算を見た上でご意見を申し上げていくということになるかと思います。

 私は,高知市長としてではなく,食肉センターの28市町村からなる一部事務組合の管理者という立場でお話ししています。年間3千万円を超える赤字を28市町村で負担している状況で,これ以上このスキームの元での経営は無理だという検討委員会の答申をいただいていますので,それでは,どのようなスキームを組んでいくのかを議論しましょうというのが現在の段階です。

(記者)

 新しいスキームを検討しているところということは,その新しいスキームによっては2か所での経営も無理ではないということでしょうか。

(市長)

 それは,将来収支のデータが出ていませんので判断できません。

(記者)

 これまでは無理だと言われていましたが,現時点で無理だと決めているわけではないということですか。

(市長)

 私どもでは,収支を黒字に転換させるのは無理ではないかという判断の根拠となる試算のデータを持っています。今後,県がどのようなデータを出してくるのか分かりませんので,それを見ながら意見交換をしていくということになるかと思います。

(記者)

 昨日の知事会見で,知事は県が責任を負うと明確に言われていますが。

(市長)

 これまでは,県が財政面を含めて責任を持つというお話はありませんでした。知事のご発言では,財政面を含めて県が責任を持つと言われていますので,それがどういう形になるのかというところを,今後詰めていく必要があると思います。しかし,おそらくそれは県立で運営するという意味ではないと思いますので,それでは市町村としてどの程度の負担が必要なのかということを含めて意見交換をしていく必要があると思っています。

(記者)

 改めてお聞きしますが,3月末の四万十市長との会談の成果について,どのように思われていますか。

(市長)

 現地を拝見して,現在,県が積極的に進めているクラスター,いわゆる企業集団が四万十市では整っているということを感じました。いろいろなメーカーが自社工場をそれぞれ配置していますし,販路も確保しています。四万十市の食肉センターも建物が老朽化しており,建て替えを検討していますが,建て替えに合せてクラスターの規模をさらに大きくするように聞いていますので,クラスターの一つの形ができているということを実感しました。

(記者)

 それは,四万十市に一本化しても耐え得るという意味でしょうか。

(市長)

 一本化かどうかは,先ほども申し上げたとおり,収支がどうなるのかというところを見てからでなければ判断できませんが,1か所以上は必要だという認識は持っています。それが1か所なのか,2か所なのかは,今後議論が必要だと思っています。

(記者)

 先ほどの質問にもありましたが,知事は会見で,イニシャル・ランニングともに費用負担をするという考えを強く出されていますが,県の姿勢が明確になったことは管理者として判断される際の大きな要因になりますか。

(市長)

 なります。ただし,具体的に,例えば負担割合などはまだ出ていませんので,知事も言われていますが,生産者,行政,卸の業者さんなど,関係するいろいろな方のご意見を聞きながら,最終的に決めていくことになるだろうと思います。28市町村として課題になっているのは,年間3千万円を超える赤字を出して,現況のスキームでこれ以上経営を続けるのは無理だということですので,新しいスキームを組むのか,統合するのか,さらにその検討を深めながら,当然,最終的には県とも協議をして決めていく方向になると思います。

(記者)

 昨日,新聞紙面にも掲載されていましたが,一部事務組合の臨時議会が4月の開催予定から7月に変更されたと思います。県の検討会は結論のめどを8月にされているということですが,その前に組合としての結論,方向性が出されるのでしょうか。

(市長)

 今のところ7月を予定していますが,その段階になれば県の検討会も終盤に差し掛かっていますので,もう少しいろいろなデータが出てきていると思います。今はデータが不足していますが,7月の段階ではもう少し詰めた議論が可能になると想定しています。

(記者)

 県の検討会の経過を踏まえて結論を出すという可能性もあるのでしょうか。

(市長)

 どのようなデータが出されているかによります。今のところ,一番大事な収支のデータが出ていませんので,それを見ながら,28市町村として県と協議をしていくという形になるかと思います。いずれにしましても,生産者をはじめとする関係者の皆さんのご意見,それから,生産者が多い市町村の首長のご意見もありますので,私と四万十市長だけで決められる話ではありません。

(記者)

 3月議会では一本化について,四万十市とすることが有力な選択肢だと,踏み込んだ発言をされていたように思いますが,今日のお答えを聞くと,多少スタンスが変わってきているようにも受け止めますが,そういうことはないですか。

(市長)

 四万十に一本化というのも有力な案だと思います。有力な選択肢だろうという考え方は変わっていません。しかし,中央部に必要だというのが県のスタンスですので,最終的には県と協議していく形になります。

(記者)

 もう1点,この件を担当されていた井上副市長が3月末で経済産業省に帰任されました。今後,どのような形で,どなたが対応していかれるのか教えてください。

(市長)

 担当の副市長は中澤副市長になります。農林水産部を中心に協議しながら,最終的には県と協議して方向性を固めていくという作業になると思います。

(記者)

 中澤副市長に,どのような姿勢で臨まれるかという思いのところをお伺いしたいと思います。市として赤字事業だというところがあると思いますが,どのように対応されていくのでしょうか。

(中澤副市長)

 知事はこれまでもいろいろなところで発言されていますが,昨日の新聞にもありましたように,はっきりしたお考えを示されましたので,若干,以前とは状況が変わっているように感じています。しかし,市長が申し上げたように,具体的に今後の収支はどうかとか,県にどのような形で支援していただけるのか,そういったところはまだ明らかになっていませんので,県と十分に連携しながら,話をしながらで,また,他の自治体の方とも話をしながら進めていかなければならないと思っています。

(市長)

 県内で1か所以上は必要だというところは県・市ともに同じ判断をしていますので,高知県から無くすという事は考えていません。

(記者)

 ふるさと納税について追加でお伺いしたいのですが,県内市町村に取材しますと,3割という上限が低すぎるのではないかという意見もありますが,3割という部分はどうご覧になりましたか。

(市長)

 3割か4割か5割か,どこでラインを引くかということについては,おそらく総務省の中でもいろいろ議論があったと思います。送料や経費を含めるのかどうか,なぜ3割なのかということは聞いていませんが,本市の返礼品から考えると3割は少し低いのかなという印象は持っています。なぜ3割にしたかという理由は聞いていませんので,なお,送料等経費の扱いも含め確認しながら対応していきたいと思います。

(記者)

 文書管理規程の位置付けを確認しておきたいのですが,これは,運用はこれまでと変わるものではなく,あくまでそれを明文化したという位置付けのものでしょうか。

(市長)

 文書が必ず必要だという大原則を変えるものではありません。これまで,文書主義ということを明確にしていませんでしたので,改めて明文化したということが一つと,事後決裁は生じる場合があり得ますので,その際の取り扱いを明確にしたというものです。

(記者)

 文書作成義務の除外や,文書作成が困難な場合の取り扱いについては,基本的にこれまでの運用どおりで,職員の負担的には変わるものではないという認識でよろしいですか。

(市長)

 そうです。極端に大きく変わるものではありません。

(記者)

 変わる部分というのは想定されていますか。

(市長)

 例えば,今まで規定していなかった事後決裁の取り方について,その事実があった時に遡るのか,事後に取るのか,考え方は二通りあります。事実があった日に遡って取っても法的に問題ないのですが,そうしますと,もう退職された方が押印する場合がありますので,事後の日付で取るということに決めました。その当時には職務権限を持っていなかった職員も事後に承認して判を押すということにしたところです。

(記者)

 文書作成義務の除外に当たる業務ということについても,特に現場の職員に混乱があるようなものではないということですか。

(市長)

 これまで事実上やってきたことと変わりありませんので,混乱はないと思います。

(記者)

 事後決裁が法的に許されるという根拠を教えてください。

(市長)

 例えば,資料に掲載してあります国の行政文書の管理に関するガイドラインも,平成23年に内閣総理大臣が決定していますので,事後決裁は法的に可能です。これは法制でも確認していますので,違法性はありません。

(記者)

 日付が当時の日付でもかまわないということも法的に担保されているのでしょうか。

(市長)

 それは,確認しています。今回の場合,事実があった日に遡って決裁を取ることに違法性はないのですが,なぜ遡って取るのかという理由を記載していませんでした。そこは反省すべき点があります。なぜ,いつの段階で遡って決裁を取ったかという理由を明記していれば,このような問題にはならなかったと思っています。

(記者)

 日付については,事後にする方が良いという判断があって,そう決めたということですね。

(市長)

 良い悪いという判断ではありませんが,実務上そうしたということです。

(記者)

 食肉センターの件で,県としては,県全体の畜産の振興という部分で公が支援する必要があるというスタンスで,知事もある程度責任を負うという姿勢を示していますが,高知市として,畜産振興とか産業振興面をどうお考えなのか聞かせてください。

(市長)

 本市は,消費地としては県内の一大消費地です。畜産の農家自体は少ないですが,消費量としては圧倒的な消費量がありますので,県の畜産のクラスターと流通の経路まで含めて,高知市は市場として重要な部分があると認識しています。

 検討委員会の答申でも,と畜の部分は廃止をするけれども,流通部分は残すという内容になっていますので,流通部分まで無くすという想定はしていません。そこは少し誤解されている面がありますが,流通の部分については,一定消費地としての役割があると考えています。

(記者)

 その点で言いますと,例えば,郡部の畜産農家が牛を運んで来るなど,そういう面でもゆくゆくは消費に影響が出てくる部分があると思いますが,その辺りはいかがお考えですか。

(市長)

 例えば,県外へ運ぶ,県内の四万十市へ運ぶといった時には,当然搬送料がかかります。その搬送料を行政として財政的に支援していくというようなことも,もし,一本化ということになれば,考え方としてあると思います。

(記者)

 高知市として支援するということですか。

(市長)

 高知市として支援するのか,あるいは組合としてなのか,それはこれからのスキーム次第ですが,当然あり得ると思います。肉,特に牛肉は,意外に県境を越えて来ています。例えば,海老ノ丸で処理している牛の半分は,県内ではなく九州から来ています。それでも県内で1か所以上は必要だという認識は,県・市ともに持っています。

(記者)

  県が出してくる試算によっては,2か所もあるというお考えですか。

(市長)

 市長としてでしたら判断できますが,一部事務組合の管理者ですので,それは,28市町村と協議をした上でなければ,簡単に答えは出せません。

(記者)

 先ほど中澤副市長から,食肉に絞ったお話がありましたが,初めての会見だと思いますので,副市長に就任されての意気込みを一言お願いします。

(中澤副市長)

 この4月から副市長という職に就かせていただきました。これまで総務部長と商工観光部長を務めてまいりましたが,農林水産部や環境部など,今まで経験のない分野があります。そういった分野について,早く状況を把握しながら,また,重大な課題もたくさんありますので,そういったところで県や関係の自治体等と,十分に連絡調整しながら進められるよう,頑張っていきたいと思っています。

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