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第463回高知市議会定例会市長説明要旨(平成30年3月5日)

 第463回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 平昌オリンピック

 まず最初に,姉妹都市である北見市を拠点に活動されています「LS北見」カーリングチームが,平昌オリンピックにおいてカーリング競技で初めてとなる銅メダルを獲得したことについて,本市を代表しましてお喜びを申し上げます。

 LS北見は,キャプテンを務める本橋麻里選手が,平成22年に北見市出身の選手をヘッドハントして創設した地元チームであり,北見市役所をはじめとする地域の温かい支援を受けながら成長を重ね,オリンピックという大舞台で見事に快挙を成し遂げられた姿は,多くの人々に感動を与えてくれました。

 メダル獲得の翌々日には,辻直孝北見市長に早速電話でお祝いを申し上げたところですが,たくさんの感動を与えていただいたLS北見の選手の方々に,改めまして感謝申し上げますとともに,今回の快挙を契機に,経済やスポーツ,教育など,高知市と北見市との交流が益々盛んになりますことを期待しています。

2 国政及び経済の動向

 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 今月11日で東日本大震災の発生から早くも7年が過ぎようとしていますが,この間,一昨年の熊本地震や昨年の九州北部豪雨をはじめ各地域で大規模な災害が発生しており,犠牲になられました方々のご冥福を心からお祈りいたします。

 東日本大震災で甚大な被害を受けました東北3県では,来年の春までに災害公営住宅の建設や,高台移転工事等が概成する見込みとなっておりますが,現地における被災者の皆様のご苦労は,まだまだ多いことと思います。

 今後とも,国においては被災者の皆様の思いに心を寄せながら,復旧・復興対策に全力を尽くすとともに,これまでの貴重な教訓を最大限に活かし,一層の国土強靱化施策を推進することを強く願います。

 さて,先月21日に国が発表した月例経済報告では,国内景気の基調判断を2か月連続で「緩やかに回復している」とする一方で,株価急落や円相場の上昇などの金融資本市場の混乱を踏まえ,先行きについては海外経済の不確実性や,金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとの見方を示しています。

 高知県内では,先月7日に発表されました日本銀行高知支店の高知県金融経済概況において,個人消費は底堅さを増しつつあることなどから,2か月連続で「景気は回復している」との見方を示したものの,世界的な株安の動きを踏まえ,国際金融資本市場の動向等に注視していく必要があるとされています。

3 財政健全化

 こうした内外の経済状況を踏まえた,本市の財政健全化への取組について申し上げます。

 まず,平成30年度の国の地方財政対策では,一般財源総額については,ほぼ前年度並みの62兆1千億円を確保していますが,地方交付税については,地方税収の伸びを想定して,3,213億円の減少となっています。

 地方財政に関しては,地方の基金残高の増加等を指摘して地方交付税の削減を一方的に主張する乱暴な議論が出てきましたので,地方6団体と共に,この主張に強く反論し,地方における財源確保を訴えた結果,一般財源総額を確保することができました。

 しかしながら,一般財源総額は確保されたものの,全国ベースで地方税収の伸びを見込んでいる点については,平成28年度のように税収が決算ベースで下振れした場合には,地方財政に大きな影響を及ぼすことから,今後の景気動向を注視しつつ,本市の財政運営に与える影響等を詳細に分析していく必要があります。

 厳しい財政環境の下,本市における新年度の予算編成作業を通じて,今後の市税収入や地方交付税等の一般財源の推計を行い,総合計画第3次実施計画をベースにした投資的事業や扶助費の伸びなどを試算した結果,今後,5年間で約159億円の財源不足が見込まれる厳しい将来推計となっています。

 昨年の同時期に試算した収支見通しでは,平成30年度からの5年間で,約86億円の財源不足を見込んでいましたが,今回の収支見通しでは,普通交付税をはじめとする各種歳入が相当に落ち込んでいることに加えて,今後新たに導入される会計年度任用職員制度等による人件費の増加,公共施設の建設等に伴う施設管理費などの増加要素もあり,これまでより73億円の収支が悪化する将来見通しとなっています。

 これらの財源不足の対応として,来年度当初から,使用料・手数料の見直しやクラウド・ファンディングの導入等による歳入確保策とともに,事務事業の見直しや投資事業の平準化,アウトソーシングの推進等による歳出削減策の検討に着手し,平成30年度内には,具体的な収支改善策を示した5か年の新財政健全化計画を策定することにより,健全な財政運営の確立を目指します。

4 地方創生

 次に,れんけいこうち広域都市圏の取組について申し上げます。

 れんけいこうち広域都市圏の形成につきましては,昨年12月議会において,県内33市町村との圏域形成に係る連携協約と,圏域の取組の推進に向けた高知県との連携協約の締結議案について,それぞれ議決を賜り,本年4月から,全国でも初めてとなる県内全市町村と県が参画した「高知モデル」としての圏域を形成することとなりました。

 今後の圏域の羅針盤とも言える「れんけいこうち広域都市圏ビジョン」につきましては,外部有識者の皆様に熱心なご審議を賜り,先月7日にビジョン原案のご了承をいただきました。

 本ビジョンに登載している連携事業では,本市のマーケット機能を活用した「日曜市出店事業」や,観光誘客の経済効果を圏域に波及させる「広域観光推進事業」,都市圏から地方への移住の不安を解消し,本市でのお試し移住を経て県内の市町村へ二段階移住していく「二段階移住推進事業」など,20事業を盛り込み,新年度予算の中で重点施策に位置付けています。

 今後,本ビジョンを総務省に提出し,今月28日には県内市町村長や高知県知事,また,高知市議会議長にもご臨席を賜り,連携協約の締結式を行う予定となっています。

 連携事業の推進に当たりましては,高知県からの手厚い支援をいただくとともに,ビジョン懇談会や,新設いたします県内全市町村長を構成員とする協議会からもご意見をいただきながら,着実な実施を図ってまいります。

5 南海トラフ地震対策

 次に,南海トラフ地震対策について順次申し上げます。

 まず,津波避難対策及び長期浸水対策の取組について申し上げます。

 孤立避難者の情報収集システムの開発につきましては,本年1月に下知地区を中心としたエリアにおいて,住民の皆様をはじめ,高知中央高校の学生さんにご参加をいただき,通信訓練を実施いたしました。

 この訓練では,参加者が所有するスマートフォンにインストールしたデモ版のアプリケーションを実際に使っていただき,操作性や表示機能等の改善点等のご指摘もいただきましたので,平成30年度末の完成に向けてさらなる改良を進めてまいります。

 次に,熊本地震で課題となりました災害発生後の避難所への物資配送につきましては,高知県物資配送計画の基本方針に基づき,今年度,高知県が県内4か所の広域拠点ごとの具体的な物資配送マニュアルを策定したことを受けまして,平成30年度には,高知市の物資集積拠点から各指定避難所までの物資配送を円滑に行うための「高知市物資配送計画」を策定してまいります。

 また,被災者にとって重要になる災害の状況や支援情報をきめ細かに伝えるために,過去の災害事例でも有効な手段となったコミュニティFM放送局の設備を使った臨時災害放送を想定していますが,現在,市域の一部では可聴が困難な地域もありますので,平成30年度は可聴範囲を広げるために現地調査を実施してまいります。

 次に,昨年11月29日から本年2月22日まで6回にわたって開催しました「市長と語ろう会」について申し上げます。

 広聴広報機能の充実を図る事業の一環として,南海トラフ地震発災後に長期浸水被害が想定される「下知,江ノ口,潮江,高須,大津,介良」地域の皆様を対象に,「南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策について」をテーマとして,「市長と語ろう会」を開催いたしました。

 各会場では,地域の皆様から空白地域における津波避難ビル指定の促進などのご提案や,地域における避難訓練などの経験を踏まえた避難路整備についてのご提案,保育園児や高齢者等の避難行動要支援者に対する支援策についてのご意見をいただくなど,実りの多い意見交換会となりましたことに感謝しております。

 今後,長期浸水エリアにおける救助・救出計画の策定や,津波避難の在り方,避難行動要支援者への支援体制の構築などについて,地域の皆様からいただきましたご意見や,ご提案を具体的に施策に反映させてまいります。

6 消防署所再編

 次に,消防署所再編について申し上げます。

 昨年10月の北消防署の開署に引き続き,本年1月から(仮称)中央消防署の建設工事に着手しており,来年10月の開署を目指し,工事が進捗しています。

 (仮称)中央消防署では,中高層建物災害に対応できる四国最大の30メートル級の訓練塔の建設を予定しており,階層ごとに間取りを変えて,一戸建てやホテル,店舗などをそれぞれ再現するとともに,4階から6階の層では,それぞれ形状が異なるマンションの各種ベランダを再現するなど,中高層建物での災害対応に即した実践的な訓練塔を整備することとしています。

7 保育園の耐震化

 次に,保育園の耐震化について申し上げます。

 待機児童の解消や多様化する保育ニーズへの対応の視点も含めまして,保育園舎の耐震化等を積極的に推進しており,平成30年度は,公立保育園については愛善保育園及び久重保育園の耐震補強整備工事,秦中央保育園の改築工事の基本・実施設計に着手します。

 民営保育所については,丸の内保育園,江陽保育園,横浜保育園の3園の改築工事等に対し,助成を行い,耐震化の促進を図ります。

8 新図書館等複合施設オーテピア 等

 次に,新図書館等複合施設オーテピアについて申し上げます。

 新図書館等複合施設オーテピアは,昨年12月15日に建物が竣工し,図書館や科学館の事務所の移転も完了し,本年7月24日の開館に向けて,科学館の展示物の設置や,図書館の蔵書移転作業などを実施しております。

 また,本年4月からは旧追手前小学校メモリアルスペースの整備のほか,オープニング事業としての内覧会や開館記念式典,開館記念講演等の準備を進めてまいります。

 「オーテピア高知図書館」は,県立図書館と市民図書館本館を一体的に整備する国内初の取組となり,全国有数の施設規模と総合的なサービスを展開するものであり,全国的にも注目され,期待されています。

 「これからの高知を生きる人たちに力と喜びをもたらす図書館」の基本理念の下,地域を支える情報拠点機能を充実させ,県民・市民の暮らしや仕事の中で起こる課題の解決を支援する社会教育施設として,「健康・安心・防災情報サービス」や「ビジネス・農業・産業支援サービス」など,様々な図書館サービスを提供してまいります。

 また,併設する「高知みらい科学館」は,「高知の未来を担う理科好きの子どもを増やし,育てる」「大人も子どもも科学に親しみ,科学を楽しむ文化を育てる」ことを理念として,県内唯一となるプラネタリウムをはじめ,「見て,触れて,感じて,作って,学び遊ぶ」ことのできる参加体験型の展示や,小中学生の理科学習,サイエンスショー,科学教室などの事業を実施することとしています。

 さらに,「オーテピア高知声と点字の図書館」では,「誰もが読書を楽しめるように」との基本理念の下,文字情報の利用が困難な方々の読書や,情報環境の充実などのサービスを展開してまいります。

 次に,潮江市民図書館耐震補強推進事業について申し上げます。

 潮江市民図書館は,旧耐震の建築基準で建設された施設であり,施設建築から37年が経過し,老朽化が顕著となっていますので,来年度から耐震改修工事の実施設計に着手するとともに,子ども科学図書館移転後のスペースの活用等について,地域コミュニティの皆様のご意見も伺いながら,平成31年度末のリニューアルオープンを目指して整備を進めます。

9 中心市街地活性化

 次に,中心市街地活性化基本計画について申し上げます。

 中心市街地活性化の取組につきましては,平成24年度に認定を受けた現行の中心市街地活性化基本計画の主要事業である帯屋町チェントロや高知城歴史博物館などが相次いで完成し,街の賑わいが回復してきており,さらに本年7月に開館を迎える複合施設オーテピアとの相乗効果により,中心市街地の一層の活性化が期待されています。

 一方で,中心商店街における東西の賑わいに偏りがみられることや,増加する外国人観光客の受入れなど,中心市街地の新たな課題や変化に対応していくため,平成30年度から5年間の第二期目となる中心市街地活性化基本計画案を策定し,先月,内閣府に認定申請を行いました。

 本計画では,中心市街地の公園リニューアル事業や,外国人観光客への対応が可能な観光案内所の設置などの事業に加えて,(仮称)帯屋町一丁目地区複合施設整備事業などの民間事業等を計画に登載しており,ハード・ソフト合わせて59事業に取り組み,賑わい溢れる中心市街地のまちづくりをさらに推進してまいります。

 中心市街地における公園リニューアル事業では,西エリアの丸ノ内緑地・藤並公園周辺は,高知城・ひろめ市場・高知城歴史博物館など人気の観光スポットに隣接する立地特性を持ちながら,公園開設以来,一度も大規模な整備を行っていないため老朽化が進んでいることや,市民に親しまれる憩いの場としての機能が十分に発揮できなくなってきたことから,早急な対応が必要になっています。

 このため,平成30年度から,丸ノ内緑地・藤並公園のほか,はりまや町一宮線の街路整備計画に併せた横堀公園の再整備を検討し,まちの賑わい創出を図ってまいります。

 次に,新図書館西敷地の利活用について申し上げます。

 新図書館西敷地につきましては,「新図書館西敷地利活用事業基本方針」に基づきプロポーザル選定委員会を設置し,9月には民間事業者からの公募を行い,本年1月に第2回プロポーザル選定委員会を開催し,事業提案書のプレゼンテーション及びヒアリングを行ったところです。

 プロポーザルには4者から参加意向の申出がありましたが,そのうち2者が辞退されたので,最終的には2者による事業提案のプレゼンテーションを実施いたしました。

 この2者からは,プロポーザルの必須項目である4機能全てを盛り込んだ提案を受け,市民の皆様の要望が上位であった広場機能について,隣接するオーテピアの多目的広場と一体的な活用をイメージした広場を配置するなどの工夫が見られた1者が,最優秀提案者として選定され,優先交渉権者に決定いたしました。

 この決定を受けまして,先月には,提案された事業内容や事業計画,資金計画などの実現性や妥当性について,基本方針や募集要領を基に検討を行うため,関係課で構成する「新図書館西敷地利活用事業基本協定に係る妥当性検討委員会」を設置し,優先交渉権者との協議が始まりましたので,相手方と一定の協議が整いましたら,市議会や市民の皆様にご報告させていただきたいと考えております。

10 観光振興

 次に,観光振興の取組について申し上げます。

 平成29年に高知県を訪れた県外観光客は,昨年3月に開幕した「志国高知 幕末維新博」を中心に官民連携で取り組んだ結果,県内への入込数は440万人に達し,平成22年の龍馬伝の年の435万人を上回る過去最高となりました。

 また,観光庁の調査による本県の外国人旅行者の延べ宿泊者数は,平成28年の73,240人泊に対して,平成29年は速報値ではありますが,79,630人泊となっており,インバウンド観光も好調に推移しています。

 併せて,外国客船の寄港につきましては,昨年度の24隻に対し,本年度は33隻の見込みとなっており,外国人をはじめとする約9万人の観光客が上陸しています。

 来年度は,日本客船及び外国客船の仮予約分を合わせますと,現時点で55隻の寄港が見込まれており,上陸手続の迅速化や,おもてなし対応の強化を図るため,県において平成30年末までの完成を目指して,高知新港に客船ターミナルの整備が進められています。

 また,来月21日には,リニューアルオープンします坂本龍馬記念館をメイン会場とする「志国高知 幕末維新博」の第二幕が開幕しますので,このオープニングに合わせ,船上から桂浜や坂本龍馬記念館,龍馬像を望む「咸臨丸でゆく,龍馬クルーズ」が予定されており,既に前売券も全国発売され,好評だと伺っていますので,第二幕にも多くの観光客の皆様に来ていただけるよう,県市連携して誘客に取り組んでまいります。

11 新食肉センター

 次に,現在,高知県において検討されている新食肉センターについて申し上げます。

 県内28市町村で構成する高知県広域食肉センター事務組合が,海老ノ丸地区に昭和55年に設置した現在の食肉センターについては,本年3月に施設の耐用年数38年を迎えますので,昨年6月に高知市議会において,と畜事業の廃止を求める決議がなされるとともに,昨年7月には一部事務組合議会においても廃止方針が決議されています。

 こうした状況の中で,高知県におきましては,県と本市を含む一部関係市町村及び食肉関係者等で構成する「高知県新食肉センター整備検討会」を立ち上げ,これまで7回にわたり協議検討がなされ,「新食肉センター整備の基本方針への意見」が取りまとめられました。

 この検討会では,新食肉センターは,本県の畜産振興や食肉の安全な供給という観点から極めて重要な役割を担っており,生産地の近くにあることが求められる必要不可欠な施設であるとの基本的な考え方の下,牛の増頭生産の計画に基づく施設規模や機能等が具体的に検討されるとともに,今後の経営収支のシミュレーションが行われています。

 新施設の整備については,現在の食肉センターがある敷地内を想定し,設置・運営主体については,高知県及びJA等が出資する新会社が行うこととされ,市町村の出資は求めないこととなっています。

 また,新施設の現時点における概算整備費は,約36億円と試算されており,高知県及び市町村,JA等がそれぞれ一定の負担をする案が示されています。

 先月13日開催の市町村向けの説明会では,高知県が5分の2,幡多エリアを除く28市町村が5分の2,JA等が5分の1の負担割合になる旨の方針案が示されたところです。

 今後は,高知県,食肉センターの利用業者,生産者団体等で組織する新食肉センターワーキンググループにおいて,新会社の設立及び施設の整備方針等が協議されることとなっていますので,情報収集に努め,引き続き市議会へのご報告を行ってまいりますので,よろしくお願いいたします。

12 子ども・子育て支援

 次に,子ども・子育て支援の取組について申し上げます。

 新たな地域子育て支援センターについては,民間法人において本年4月から帯屋町チェントロ2階で,地域子育て支援センター「チェントロさくらんぼの森」が開設され,月曜日を除く週6日間の運営が予定されていることから,土曜日や日曜日に親子の方々が集える場が広がるとともに,中心市街地の賑わいにつながることを期待します。

 次に,産後の母子への産後ケア事業につきましては,従来の訪問型の産後ケアに加えて,平成30年度から助産所による宿泊型の産後ケアを新たに実施いたします。

 出産し,退院した直後の母子に対し,助産師等の専門職が心身のケアや育児のサポート等を行うことにより,母親の身体的回復や心理的な安定を促進するとともに,母親自身がセルフケア能力を育み,母子及びその家族が健やかな育児ができるように支援してまいります。

13 中学校給食

 次に,中学校給食について申し上げます。

 教育委員会では,中学校給食の完全実施に向けて給食センターを整備中であり,本年2月には上水道の配水管布設工事や,下水道へ接続する管渠築造工事を完了させたほか,給食センター本体の建設工事についても本年6月の竣工を目指し,順調に工事が進捗しています。

 今後は,本体工事の進捗状況に合わせて,給食センター内に設置する厨房機器等の搬入・据付及び動作確認等を行う予定です。

 運営面では,昨年12月にプロポーザル方式による選定委員会を開催し,調理及び配送業務を委託する事業者を選定したところであり,今後は,委託事業者とともに,調理作業工程や配送時間帯の確認などの具体的な準備を進めてまいります。

 また,給食実施に関する学校と給食センターが連携しなければならない項目については,給食実施回数や食数の管理,食物アレルギー対応,食に関する指導など多岐にわたりますので,学校と給食センターが密に連携できるよう連絡体制を整備してまいります。

14 学力向上対策 等

 次に,本市の学力向上対策等の取組について申し上げます。

 平成24年度から取り組んできた「学力対策第二ステージ」については,本年度が最終年度になることから,本年度を含む平成32年度までの4年間を「学力向上アクティブ・プラン」の計画期間と定め,各事業のRPDCAサイクル(調査・計画・実行・評価・改善)を徹底するとともに,各学校の分析を踏まえた対策を教育現場に提案するほか,新学習指導要領実施に向けて教育課程を見直してまいります。

 併せて,プランの実効性を高めるため,平成30年度からは,これまで以上に機動性をもって各種の指導や支援を行う「学力向上推進室」を創設し,学校運営に対して支援を行う学力向上推進員と教員に対して指導助言を行う指導主事を増員し,小・中・義務教育学校における学校経営と授業改善の両面から指導・支援に当たってまいります。

15 上下水道事業

 次に,上下水道事業について申し上げます。

 まず,水道事業につきましては,「水道ビジョン2017」に基づき,安心と信頼を未来につなぐ高知の水道を目指して,水質管理センターの増築や改修など水質監視体制の充実に取り組むほか,「災害に強く頼りになる水道」に向けて送水幹線二重化事業や,大津配水池更新事業などの基盤強化を図ります。

 次に,公共下水道事業では,昨年12月議会で下水道使用料の改定のご承認をいただきましたので,住民の皆様のご理解を賜りながら,累積赤字の早期解消に努めてまいります。

 この間,多くのご意見を賜りました水洗化率の向上につきましては,下水道グループ接続助成金制度に関する利用者のアンケート調査結果を踏まえ,申請手続の簡素化や助成額の見直しを行うこととしています。

16 30年度当初予算

 以下,総合計画の施策の大綱で掲げた6つの環の主な施策の新年度予算について順次申し上げます。

(1)共生の環

 下水道雨水整備(秦地区等)

 一つ目の「共生の環」では,まず,下水道雨水整備について申し上げます。

 新たな防災拠点として,北消防署や日本赤十字病院等の整備が進められておりますシキボウ跡周辺では,高知駅秦南町線の整備に伴う新たな雨水管渠の布設や,既存の東秦泉寺及び南秦泉寺の両排水機場への排水ポンプの増強等により,地元エリアの浸水対策の強化を図ってまいります。

 市有林再構成事業

 次に,市有林主伐・再造林事業について申し上げます。

 本市の市有林は,人工林の約7割が主伐の時期を迎えている中で,昨年の台風21号では,大径木の倒木による被害が大きかったことから,持続可能な林業経営の実現とCO2吸収量の拡大を図るためにも,市有林の複層林化が求められています。

 このため,低コストで効率的な主伐・再造林の一貫作業を,本市で初めての試みとなるクラウド・ファンディングの手法等を導入しながら,継続的に実施し,市有林を適切な齢級構成に誘導するとともに,個人所有林における小規模な再造林施業のモデルとなる市有林を目指してまいります。

 朝倉総合市民会館の複合化

 次に,朝倉総合市民会館の耐震化について申し上げます。

 市内の市民会館の多くは,昭和40年から50年にかけて建設されており,施設の老朽化が課題とされる中で,避難場所にも指定されていることから,南海トラフ地震などの災害に備えた施設の耐震化を進めていく必要があります。

 本年度は,朝倉総合市民会館に求められる施設機能や適正規模などを検討するための基本構想を取りまとめましたので,本構想を踏まえ,平成30年度は耐震改修工事の基本実施設計を行ってまいります。

 地域福祉計画の策定

 次に,「地域福祉活動推進計画」について申し上げます。

 本市では,平成25年3月に「誰もが安心して暮らせる支え合いのあるまちづくり」を基本理念とする「第1期地域福祉活動推進計画」を策定し,子どもから高齢者の方々まで,全ての人々が安心して暮らせる地域社会づくりに取り組んでまいりました。

 平成31年度から始まる第2期計画につきましては,現在,国が取組を進めている「我が事・丸ごと 地域共生社会」の動きを踏まえ,その基本的な方向性等について,現在,庁内関係課や高知市社会福祉協議会と論議を重ねています。

 今後,地域福祉に関するアンケートの調査結果や,民生委員・児童委員をはじめとする関係者の方々からのご意見を計画に反映させるとともに,地域福祉計画推進協議会においてご審議もいただきながら,第2期計画の策定を進めます。

(2)安心の環

 第7期介護保険事業

 次に,「安心の環」では,平成30年度からの3か年計画となる第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画について申し上げます。

  「ちいきぐるみの支え合いづくり」を基本理念とする第7期の高知市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画については,団塊世代の方々が全て後期高齢者に入ります「2025年問題」を見据え,高齢者の皆様の健康増進や,いきがいづくり,介護予防,認知症対策などに重点的に取り組むこととしています。

 国においては制度の持続可能性を確保するため,介護報酬の改定や,地域包括ケアシステムの推進を柱とした制度改正が行われていますので,そうした状況を踏まえた計画として策定いたしました。

 高齢化の進展により,本市の要介護高齢者数もこれからの3年間で1,100人余り増加し,3年後には約20,400人になる見込みです。

 こうした状況を踏まえ,第7期の介護保険料につきましては,第6期の総給付見込額852億円から約56億円増加となる908億円の総給付額を見込みましたので,これらの影響による第7期の介護保険料の上昇をできるだけ抑制するため,運営基金16億円を取り崩して財源充当することとし,第6期の基準月額5,491円に対して,第7期の基準月額は189円増の5,680円となっています。

 介護施設等の整備計画としては,高齢者の皆様が住み慣れた地域で,できるだけ自立した生活ができるように地域密着型サービスの整備を進めるとともに,介護老人保健施設を合計で160床整備する予定です。

(3)育みの環

 部活動外部指導員配置事業

 次に,「育みの環」では,まず,部活動外部指導員配置事業について申し上げます。

 教員の働き方改革に当たり,中学校教員の部活動に係る勤務時間の増加が大きな課題となっていることに加えて,担当部活動の競技経験がない教員の割合が45.9パーセントと高く,負担感が増す要因ともなっています。

 その対策として,専門的な知識・技能を有する部活動指導員を中学校へ配置することにより,教員の部活動指導に係る時間短縮や,経験のない競技などの心理的負担の軽減を図り,教材研究や生徒と向き合うための時間確保の実現と部活動の質的な向上を目指してまいります。

 特別支援学級サポート事業

 次に,特別支援学級サポート事業について申し上げます。

 高知市立学校における知的障害及び自閉症・情緒障害特別支援学級は,合わせて141学級あり,近年増加傾向にあります。

 知的障害特別支援学級における実体験を通して学ぶ教科等を合わせた指導や,自閉症・情緒障害特別支援学級での社会性やコミュニケーション能力を育むことを目的とした自立活動の学習については,より高い専門性が求められています。

 これらの特別支援学級担任の専門性と指導力のさらなる向上を図るため,特別支援教育スーパーバイザー2名を学校へ派遣し,担任教員が児童生徒の障害特性の把握や,その特性に応じた適切な支援を行うことができるよう,指導・助言を行うことにより,特別支援教育の充実を図ってまいります。

 高知商業高校開校120周年,ラオス学校建設活動25周年事業

 次に,高知商業高等学校での記念行事について申し上げます。

 明治31年(1898年)に開校した高知商業高等学校は,今年,開校120周年の節目の年を迎えますことから,120年の歴史等を記録・検証した記念誌を発行するほか,記念式典や市商祭等の記念事業の開催を予定しており,建学精神である「報本反始」の下,地域に貢献できる人材の育成を目指してまいります。

 また,生徒会が主体となって進めてきた,全国でも評価が高いラオス学校建設活動の25周年記念事業として,卒業生も含めまして現地に生徒を派遣し,交流活動を実施しながら,高知商業高校の研究課題活動や国際交流活動へと発展させてまいります。

(4)地産の環

 第38回全国豊かな海づくり大会

 次に,「地産の環」では,まず,「第38回全国豊かな海づくり大会~高知家大会~」について申し上げます。

 高知家大会は,本県の特色ある水産業の魅力と豊かな海づくりにつながる水産資源や,自然環境を守り育てることの大切さを全国に発信するもので,本年10月28日に高知市及び土佐市において開催されます。

 高知会場の文化プラザかるぽーとでは,式典行事が開催され,高知県の紹介映像の放映,功績団体等の表彰,稚魚等のお手渡し等が行われ,よさこい鳴子踊りの演舞が披露される予定です。

 また,関連行事については,大会前日の10月27日及び28日の2日間,中央公園で開催され,企画展示やステージイベント等により高知県の魅力を全国に発信するとともに,大型スクリーンを使って式典行事等の生中継も行われる予定となっています。

 「全国豊かな海づくり大会」は,例年,天皇皇后両陛下のご臨席の下で開催されている全国大会でもありますので,関係機関と連携しながら,万全の準備を進めてまいります。

 耕作放棄地産地化推進事業

 次に,耕作放棄地産地化推進事業について申し上げます。

 イタドリは,高知県では日常的に食されているものの,他県ではほとんど知られていないことから,高知県食品工業団地事業協同組合との協定に基づき,全国に売り出す取組を昨年度から進めており,昨年参加した首都圏での商談会ではイタドリの加工品が好評であり,県外からの引き合いに対して生産が追いつかない状況になっています。

 イタドリの栽培は,中山間地域を中心とした耕作放棄地の解消にもつながることから,現在,高知県や鏡地域の生産者と連携し,講習会を開催するなど,県域における産地の拡大を図るための取組を進めています。

 イタドリは他の作物と比べて労力がかからず,条件不利地での栽培が可能であることから,中山間地域における有望品目の一つと考え,今後も販路開拓と産地化に取り組んでまいります。

 仁ノ地区排水対策

 次に,春野仁ノ地区の排水対策について申し上げます。

 昭和59年度に県営湛水防除事業によって仁ノ排水機場が設置されて以降,地域内の雨水等は排水路を経て池沼に集約され,排水ポンプにより排水されていますが,土地利用の変化などにより,湛水被害を受けることも想定されます。

 こうした状況を踏まえ,現在,排水機場の増設と導水路の整備に取り組んでおり,排水機場については本年度の建築工事に引き続き,平成30年度は機械工事を進め,平成31年度の完成を目指します。

 また,導水路については,平成28年度から用地取得等を進めてきたところであり,実施設計が完了したことにより平成30年度から工事に着手いたします。

 新産業団地整備の取組等

 次に,新産業団地整備の取組等について申し上げます。

 まず,高知県と共同で取り組んでいる製造業を対象とした高知中央産業団地の整備工事が今年度末に完了することから,平成30年度の早期分譲開始に向けて,都市計画法に基づく開発完了の手続を行ってまいります。

 また,今回の高知中央産業団地の分譲予定面積だけでは,企業の移転需要に応えきれないことから,本年度に同団地の東に隣接する布師田地区において,団地開発に向けた適地調査を実施するとともに,高知県との共同開発に向けた協議を進めており,平成30年度に(仮称)布師田産業団地の測量・設計や用地取得に係る現地調査を行ってまいります。

(5)まちの環

 旭駅周辺整備 

 次に,「まちの環」では,まず,旭駅周辺整備について申し上げます。

 昨年11月から本格的な土木工事に着手した下島土地区画整理事業については,平成31年度の工事概成を目指し,引き続き,移転補償契約に基づく建物の解体を進めた後,区画道路や宅地造成工事等を実施し,本年8月頃から順次,仮換地の引渡しに向けて取り組んでまいります。

 中須賀土地区画整理事業については,平成30年度末の仮換地の指定を目指し,仮換地計画案の策定や事業進捗に伴い補償費の算定に必要となる建物調査を進めてまいります。

 また,国道33号の用地境界確認等の業務につきましては,最終区間となります蛍橋から鏡川橋までの約600メートルの間で実施してまいります。

 高知駅秦南町線街路整備

 次に,高知駅秦南町線の街路整備について申し上げます。

 高知駅秦南町線は,昨年10月に開署した北消防署や,移転建設が進んでおります高知赤十字病院の整備計画に合わせて,周辺の慢性的な交通混雑の緩和を図るものであります。

 本路線は,南海トラフ地震など緊急時の活動に欠かせない第3次緊急輸送道路となりますので,本市において積極的に用地交渉を進め,県市連携の下,来年4月の暫定2車線の供用開始を目指します。

 高知県では,暫定2車線の供用開始に向けて,平成30年度に久万川橋北岸から県道北環状線までの区間の街路築造工事に着手する予定です。

当初予算規模等

 以上,主要施策についてご説明を申し上げましたが,平成30年度一般会計の当初予算規模は,対前年度当初比26億円減の1,538億円となり,平成22年度以来,8年ぶりに規模縮小となりました。

 全会計の予算規模は,特別競輪の開催等により収益事業特別会計の事業売上が増加している一方で,国民健康保険事業特別会計が国保の都道府県単位化に伴いまして,予算規模が大幅に縮小したことなどにより,純計で2,656億2,937万余円,対前年度当初比2.3パーセント減となっています。

17 補正予算・予算外議案

平成29年度補正予算

 平成29年度補正予算につきましては,国費の追加内示に伴い前倒しして実施する中学校給食センターの建設費のほか,港湾や街路等の県営工事負担金,退職手当など,補正総額は,全会計純計で39億2,694万円となっております。

 これらの補正財源は,国庫支出金等の特定財源のほか,一般財源として地方交付税や財政調整基金からの繰入金を充当いたしました。

予算外議案

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正によるものなど42件です。

 このうち,市第24号議案は,消防署所再編計画に基づく組織体制の見直しに伴い,消防局及び市長事務部局の職員定数を変更するものです。

 市第43号議案高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案など11件につきましては,介護施設等の人員,設備等の基準の改正等を行うものであり,その他議案は,包括外部監査契約締結,市道路線の廃止認定の議案など5件です。

 報告9件につきましては,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

18 職員の不祥事

 最後になりますが,本市職員が「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する県条例」違反の容疑で警察の取調べを受けていることにつきまして,ご報告とお詫びを申し上げます。

 今回の不祥事は,本年1月に当該職員が市内の路上において,女子学生の臀部を手の甲で触る行為を繰り返したものであり,市民の皆様の安全・安心を守るべき本市職員がこのような事件を起こしたことは,市政に対する信頼を著しく損なうものであり,被害者の方をはじめ市民の皆様や市議会の皆様方に心からお詫び申し上げます。

 このような事件を二度と起こさないよう,事件を起こした職員に対して,停職3か月の厳しい処分を下すとともに,職員一人ひとりが公務員としての自覚と強い使命感をもって規律ある行動をとることを徹底し,信頼回復に全力で取り組んでまいります。

 以上,議案を中心に,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。