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第452回高知市議会定例会市長説明要旨(平成27年9月14日)

 第452回高知市議会定例会にご出席をいただき,まことにありがとうございます。

 議案の説明に先立ち,当面する市政課題に関連して,ご報告と考え方を申し上げ,ご理解を賜りたいと存じます。

1 次期市長選に向けて

 まず最初に,平成15年11月に多くの市民の皆様から温かいご支援を賜り,市長に就任させていただきまして以来,3期12年間,日々,市民の皆様方の「命と財産を守る」という重責を痛感しながら,市政発展に向けて全力で駆け抜けてまいりました。

 就任直後から直面しておりました財政危機につきましては,市議会や市民の皆様の多大なるご協力をいただき,徹底した行財政改革に取り組んだ結果,財政破綻はないと確信できるまでに再建を果たすことができ,多くの皆様方のご理解とご支援に心から感謝申し上げます。

 これまでの任期中,喫緊の課題であります「安全・安心のまちづくり」に向けて,総合あんしんセンターの建設や潮江西部,高知駅周辺,弥右衛門地区の区画整理事業の完成をはじめ,命を守る南海トラフ地震対策に向けた津波避難センターやタワーの整備,学校施設の耐震化,消防署所・消防屯所の再編,新庁舎の建設着手などハード整備を着実に推進することができております。

 また,市民の皆様が地域で安心して暮らすことができることを目指し,全国に先駆けて「高知市生活支援相談センター」や,貧困の連鎖を防ぐための「高知チャレンジ塾」を創設するなど,私自身のライフワークでもあります社会福祉の充実に積極的に取り組んでまいりました。

 さらに,鏡村,土佐山村,春野町との合併により誕生した「都市部,中山間地域,田園都市」のバランスのとれた新高知市のポテンシャルを最大限に発揮するため,中心市街地の活性化や土佐山百年構想,移住・定住の促進,農林水産業の振興や6次産業化の推進など,本市の特性を活かした活力あるまちづくりを進めております。

 多くの皆様方からのご支援をいただき,財政危機という難局を共に乗り越えながら,南海トラフ地震対策におけるハード事業が仕上げの段階に入るなど,着実に成果を生み出すことができている一方で,この間,市政を取り巻く社会環境も大きく変化してきており,特に,今後,急激な進行が懸念される人口減少問題は,正面から取り組まなければならない重要課題であり,その対応は急務となっています。

 急速に進む人口減少の改善に向けて,県とも密接な連携を図りながら,産業振興や観光誘客,雇用の拡充,移住促進などの「活力あるまちづくり」にさらに取り組むとともに,子育て世帯をはじめ,子どもさんから高齢者の方々まで「すべての世代の暮らしをサポートするまちづくり」を進めていくことが大切であり,積極的な戦略を展開する必要があります。

 市政の柱として,これまで最優先に取り組んでまいりました南海トラフ地震対策をはじめとする「安全・安心のまちづくり」に加えて,人口減少の改善策を踏まえた地方創生を実現するための「活力溢れるにぎわいのまちづくり」,「暮らしをサポートするまちづくり」,「新たな協働と連携のまちづくり」を強力に推進し,未来に希望の持てる新しい高知市のまちづくりに全力を尽くしていくことを強く決意しているところです。

 今後,具体的なマニフェスト案をまとめ上げまして,支援者の皆様からのご意見をいただき,後援会などとの協議を重ねながら,時機をみて政策内容を発表してまいりたいと考えております。

2 国政・経済・地方財政の動向

 次に,国政の動向と我が国の経済状況について申し上げます。

 国会における会期を過去最長となります95日間延長し,集中的に審議がなされております安保関連法案につきましては,7月16日の衆議院本会議で可決されて以降,参議院に舞台を移し,激しい論戦が繰り広げられています。

 この安保関連法案の審議では,集団的自衛権の行使と憲法9条との法的な関係整理が大きな争点となっており,最終局面を迎える国会での審議を注視していかなければなりません。

 また,今国会では,参議院における1票の格差是正に向けて,「高知・徳島」,「鳥取・島根」の4県・2合区を含む定数「10増10減」となる改正公職選挙法が7月28日に可決され,本県では,来年夏の参議院選挙から,現憲法下で初めて2県にまたがる合区によって選挙が実施されることとなりました。

 一票の格差解消に向けまして,選挙制度改革の必要性は認識しておりますが,地方創生の推進が急務となっている最中に,地方選出議員が減少することは,地方と都市のさらなる格差の拡大を招き,人口の少ない地方の切捨てにつながることを強く危惧しております。

 そのため,当該法案の国会審議中でありました7月24日に,高知県市長会において,「参議院選挙制度改革に関する緊急決議」を行い,高知県市議会議長会をはじめ地方4団体の皆様との連名で,国に対しまして,「人口の多寡にかかわらず,地方の意見が国政に確実に反映できる仕組みを構築すること」を強く求めたところであります。

 残念ながら,法案が可決されましたことから,今後は,憲法第43条の改正も視野に入れながら,都道府県単位による代表が確実に国政に参加できる仕組みの構築を求め,関係する地方団体との連携を強めてまいります。

 さて,今月8日に内閣府が発表しました本年4月から6月期の国内総生産の実質成長率は,天候不順や物価上昇等で個人消費が振るわず,海外経済の減速により輸出も低迷したことなどから,前期比0.3パーセント減,年率換算では1.2パーセント減と,3四半期ぶりのマイナス成長となりました。

 8月26日に発表された国の月例経済報告では,国内景気の基調判断を5か月連続で据え置き,「緩やかな回復基調が続いている」とした一方で,中国の景気減速の影響を踏まえ,世界経済の判断は3年ぶりに引き下げられています。

 本県の雇用・経済の動向では,高知労働局から同月28日に発表された高知所管内の有効求人倍率は,前月を0.07ポイント上回る1.10倍となるなど,雇用情勢は過去最高水準で推移しており,今月7日に発表された日銀高知支店の金融経済概況によりますと,個人消費は一部に弱さが見られるものの全体として底堅く推移しており,設備投資も緩やかな増加基調にあることから,「高知県の景気は緩やかに回復しつつある」とされています。

 一方では,景気の先行きについて,海外経済や個人消費の動向,人手不足感の強まりによる企業活動への影響などについて注視していく必要があるとされています。

 国においては,こうした経済状況の下で,6月30日に「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」を取りまとめ,閣議決定いたしました。

 景気回復を全国に波及させる「ローカル・アベノミクス」の実現に向けて策定された基本方針では,地方創生の推進施策として,

  ・地方に仕事をつくり,安心して働けるようにする

  ・地方への新しいひとの流れをつくる

  ・若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

  ・時代に合った地域をつくり,安心なくらしを守るとともに,地域と地域を連携する

  の4本柱を掲げております。

 多様な支援策が盛り込まれており,雇用や仕事の創出,まちの機能の維持・活性化を図るための国の施策を本市においても積極的に活用したいと考えておりますが,国の「まち・ひと・しごと創生本部」から先月公表された平成28年度概算要求時点の「地方創生のための新型交付金」は,1,080億円しか要求されておらず,「地方版総合戦略」に先行する事業を対象とした地方創生先行型の交付金額1,700億円を大きく下回った要求額となっております。

 地方創生に向けた本市の施策推進にも影響が大きいため,全国市長会を通じて国の予算増額を強く働きかけてまいります。

 次に,高知市の財政収支見通しですが,平成27年度普通交付税の7月算定につきましては,算定の基礎となる基準財政需要額において,地方創生関連の「人口減少等特別対策事業費」が新たに算入されたところですが,起債の償還が進んだことによる残高減少に伴い事業費補正算入額等が減少したことなどから,臨時財政対策債を含めた前年度との当初算定比較で,総額約32億3千万円余り減少しております。

 7月24日に閣議了解された国の平成28年度予算概算要求基準では,地方交付税交付金及び地方特例交付金の合計額については,「経済・財政再生計画」との整合性に留意しつつ要求することとなっています。

 「経済財政運営と改革の基本方針2015」で示された「平成28年度予算編成に向けた基本的考え方」では,地方財政については国庫支出金を見直すとともに,地方創生予算への重点化を行うことにより新型交付金を創設・活用し,地方創生の深化を図るともに,地方交付税において頑張る地方自治体を支援する算定の強化・推進を図っていくこととされています。

 また,消費税率引き上げと併せて行う,年金・医療・介護・子育てにかかる「社会保障4経費」の充実等につきましては,消費税や地方消費税の収入,社会保障給付の重点化,社会保障制度の運営効率化等を踏まえて今後の予算編成過程で検討するとされるなど,地方財源に関する来年度の見通しについては非常に不透明な部分が残っている状況にありますので,今後の国の動向を注視していく必要があります。

3 県市連携会議

 次に,先月26日に開催いたしました県市連携会議について申し上げます。

 今回の会議では,「地方創生」「災害対策」「厳しい環境にある子どもたちへの支援」「学力向上対策」「新図書館」「少子化対策」の6つのテーマにつきまして,尾崎高知県知事と具体的な協議を行いました。

 まず,「地方創生」では,人口減少の改善に向けた取組について,県市が総合戦略に関する基本方針のベクトルを合わせながら,連携を強めていくことが重要であることを確認し,移住・定住の促進やインバウンド観光による外国人観光客の誘致等の取組を強化してまいります。

 総合的な「災害対策」につきましては,津波避難や避難所の確保対策,新たな地震火災対策の推進等について協議を行い,避難訓練を重ねることで津波避難の実効性を高めていくことを確認したところです。併せて,本市の中山間地域の孤立化対策に対する施策を紹介するとともに,津波防護と長期浸水対策として「浦戸湾の三重防護」が極めて重要であることを申し上げ,国の直轄事業化を目指し,県との連携を強化してまいります。

 「厳しい環境にある子どもたちへの支援」では,本年6月に提言を受けました児童虐待死亡事例検証報告書に基づき,要保護児童対策地域協議会の機能強化や,本市の子ども家庭支援センターのケースワーカーについて,来年度から4人の増員を行う方向で検討していることなどを申し上げ,今後,中央児童相談所との連携強化をさらに進めてまいります。

 「学力向上対策」では,先月公表された本市の全国学力・学習状況調査の結果を報告し,小学校では全国トップレベルとなる国語Aをはじめとして,概ね全国平均レベルにあるものの,中学校では依然として成績が低迷していることから,中学校の学力向上に強い危機感を持って取り組むことを確認しています。

 「新図書館」では,東洋工業社の免震装置性能偽装問題によって開館が遅れたことは極めて遺憾でありますが,開館延期により生じた期間を,全国に誇れる新図書館としていくための十分な検討期間として位置づけ,県市連携の下で,新図書館におけるサービスの拡充・強化を図っていくことを確認いたしました。

 「少子化対策」では,地域子育て支援センターを将来的に市内5か所の拠点施設として集約し,その下で「保育園併設型施設」と,各小学校区における「多世代交流施設」との連携によるピラミッド型の3層構造を構築し,切れ目のない子育て支援を実現する「高知市版ネウボラ構想」などを紹介したところです。

4 地方創生関連

 次に,「地方創生」に関する取組について申し上げます。

 まず,高知市版人口ビジョン及び総合戦略の策定では,市民の方々や産官学金労言の代表者など14名で構成する「高知市まち・ひと・しごと創生有識者会議」におきまして,本年5月から8月までの間,熱心なご論議をいただきました。

 有識者会議では,「総合戦略には若い世代の意見も盛り込むべき」とのご意見もいただきましたので,7月に高知県産学官民連携センター(ココプラ)で,大学生・高校生8名の方々との意見交換会を開催し,次世代のご意見も反映しながら,最終案を取りまとめたところです。

 本市の人口ビジョンの最終案では,最終目標年度である2060年に人口28万人をキープする目標を掲げており,この人口数は,国立社会保障・人口問題研究所の13万9千人の減少見込みに対して,人口減少を6万3千人に抑制しようとするものです。

 人口施策の将来展望として,合計特殊出生率2.07を段階的に目指すことや,男性の高い死亡率を改善していくことで自然減を抑制するとともに,若い世代の転出超過を抑え,県外からの移住等を促進することによって人口社会減からの脱却を目指します。

 この目標人口を実現するための総合戦略の最終案では,

  ・地産外商,観光振興等による産業活性化と安定した雇用の創出

  ・新しい人の流れをつくる

  ・若い世代の結婚・妊娠・出産・子育ての希望を実現する,女性の活躍の場を拡大する

  ・バランスの取れた県都のまちづくりと地域間の連携により安心なくらしを守る

  の4つの基本目標を掲げており,この目標を実現するための38施策,133事業について,高知県や周辺市町村と連携を密にしながら事業の推進を図ります。

 高知市版人口ビジョン及び総合戦略の最終案につきましては,今議会でご報告を申し上げ,活発なご意見を賜りますとともに,本日から実施しておりますパブリックコメントの意見も踏まえまして,10月には戦略策定を完了させ,国に提出したいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

5 南海トラフ地震対策

 次に,南海トラフ地震対策の取組状況を申し上げます。

 津波からの避難が困難な沿岸部における津波避難施設11か所の整備につきましては,昨年度までに種崎地区1か所,春野地区1か所が完成し,残ります春野地区3か所,長浜地区1か所,種崎地区2か所,三里地区3か所の施設について工事発注が完了し,本年度末までにはすべての施設が完成する予定です。

 また,津波避難路・避難場所の整備につきましても,本体工事のほか避難誘導灯や避難誘導看板などの付属設備も含めまして,今年度末までには公共工事が完了する見込みです。

 次に,長期浸水地域の被害を最小限に留めるための浦戸湾湾口部等における「三重防護対策」について申し上げます。

 本市では,南海トラフ地震での地盤沈降や液状化に加え,海岸部で最大16メートルと想定される津波により,市街地の広範囲に渡って長期浸水などの甚大な被害が想定されています。

 海岸部の地震・津波対策では,春野・長浜地区から三里地区にかけての高知海岸において,国の直轄事業による海岸堤防の耐震化工事が急ピッチで進んでおり,海岸部の地震・津波への備えは一定の目途が立ってきております。

 一方では,浦戸湾内に五台山タナスカの燃料基地や造船所,木材団地などの重要拠点施設が存在し,その背後には市街地が控えていることから,浦戸湾湾口部及び湾内の耐震対策が急務となっています。

 湾内堤防や二級河川の管理者である高知県では,若松町周辺の湾堤防や国分川・鏡川などの護岸耐震化と液状化対策等を推進していますが,完成までには莫大な事業費と相当の期間を要するものと考えます。

 現在,国・県・市の連携の下で,「高知港における地震津波防護の対策検討会議」が開催されており,本年度内には「三重防護」の考え方を基本とした整備計画案が策定される見込みです。

 早期の事業完成に向けた国直轄事業の導入など,財政面・技術面における国の支援が不可欠でありますので,私も先月5日に上京し,国土交通省や県選出国会議員の方々への要望活動を行ってまいりました。

 青木一彦国土交通大臣政務官や大脇技術総括審議官などと面談し,本市の地震津波の切迫した状況を詳しくご説明し,国土交通省として一定のご理解は深まったものと認識しております。

 浦戸湾の「三重防護」の重要性については,尾崎知事とも共通する課題となっていますので,早期の事業化と予算の確保に向けて,県市で連携を密にしながら積極的に取り組んでまいりますので,直轄事業化に向けたご支援をお願いいたします。

6 新庁舎整備

 次に新庁舎整備について申し上げます。

 新庁舎整備につきましては,今年10月からの本庁舎解体工事に向けて,現在,2か所の仮庁舎への移転作業を進めております。

 「本町仮庁舎」につきましては,昨年秋に議会など一部の機能を移転し,先月から本庁舎の管理部門を中心に本格的な移転を進め,今月7日にはすべての部署の移転を完了し,業務を開始しております。

 また,中央窓口センター,保険医療課及び税務三課などの窓口部門が入居します「丸ノ内仮庁舎」につきましては,今週末からの大型連休中に移転作業を行い,連休明けの24日から業務を開始いたします。

 併せて,新たに丸ノ内仮庁舎の近隣に40台程度の来庁者用駐車場を整備するとともに,県庁前地下駐車場につきましても,これまで30分間の無償使用料を1時間に延長するなど,市民の皆様にご不便をおかけすることのないように留意してまいります。

 仮庁舎への移転につきましては,広報紙「あかるいまち」や市のホームページへの掲載,関係団体や町内会に対する通知など積極的に広報するとともに,各庁舎の出入り口や通路に案内看板を設置し,円滑な誘導を図ってまいります。

 なお,仮庁舎へ移転終了後の今月30日には,昭和33年の新庁舎落成から半世紀を超える長きにわたりまして,本市行政の拠点として重要な役割を担ってきました「本庁舎の閉庁式」を執り行うこととしております。

 新庁舎の実施設計については,現在,大詰めの作業を行っており,具体的な検討の参考とするため,新たに「小学生・中学生・高校生と考えるワークショップ 新庁舎に提案!!」と題し,今年の5月から8月までに合計4回のワークショップを開催いたしました。

 参加者の子どもさんからは,「建て方・デザイン」「古さの良さを活かす」「分かりやすさ・親しみやすさ」など,複数のテーマについて合計102項目に及ぶ具体的なご提案やご意見をいただくことができ,感謝申し上げます。

 ハード面において新庁舎の設計に反映できそうな提言や,施設運用面で新庁舎での市民サービス向上の参考となるものなど多岐にわたっていますので,実施設計の中で実現可能な内容につきましては可能な限り反映させていくとともに,新庁舎の運営に関する提言内容につきましても,庁内検討の中で具体的に活かしたいと考えております。

 今後の新庁舎整備に向けたスケジュールでは,本年12月議会において新庁舎建設工事にかかる予算案を提出させていただき,議会でのご審議を賜りました後,年明けには新庁舎建設工事を発注し,来春から建設工事に着手したいと考えております。

7 中心市街地活性化

 次に,中心市街地の活性化について申し上げます。

 平成24年11月に内閣総理大臣の認定を受けました「高知市中心市街地活性化基本計画」に基づく帯屋町二丁目複合施設「帯屋町CENTRO(チェントロ)」が8月30日にグランドオープンいたしました。

 1階部分に新しい書店やコンビニエンスストアが,2階には飲食店等がオープンし,大勢のお客様で賑わっており,今後は2階フロアに医療施設などが順次開設される予定であり,3階フロアには県市の誘致企業の受け皿となる企業オフィス向けのテナントも設けられることとなっています。

 チェントロの4階から14階までは賃貸マンションとなっており,91戸ある部屋はすべて契約済みとお聞きしており,中心市街地の居住人口の増加につながるものと期待しています。

 平成17年から10年近く活用されていなかった帯屋町2丁目ダイエー跡地に大規模複合施設が完成し,中心市街地に新たな賑わいが創出されることを大変うれしく思いますとともに,学校統合をはじめ,これまで様々な面からご協力,ご支援を賜りました関係者の皆様に心から御礼を申し上げます。

 同基本計画に謳われた「中心市街地がにぎわいにあふれ,幅広い年齢層の人が住んでみたい,郊外に住む方々や来高者がたびたび訪れたいと憧れる魅力ある街」の実現に向けて,県とともに新図書館等複合施設や高知城歴史博物館などの主要事業の推進を図り,中心市街地のさらなる活性化を目指します。

8 観光振興

 次に観光振興の取組について申し上げます。

 先月開催されました第62回よさこい祭りは,天候にも恵まれ,県外62チームを含む205チーム,約18,000人の踊り子が参加し,また第17回よさこい全国大会には県外44チームと本祭入賞22チームの計66チームによる競演が繰り広げられ,盛況のうちに終了することができ,関係者の皆様に感謝申し上げます。

 8月7日から17日における観光客の入込状況ですが,高知自動車道の高知インターチェンジを降りた車両は前年比12.3パーセント増となっており,桂浜の駐車場入込台数は前年比29パーセント増,高知城の入場者数は前年比12.1パーセント増,また施設拡張後の高知よさこい情報交流館の入場者数も前年比10パーセント増となるなど,いずれの施設も前年の入込数を大きく上回っております。

 来月3日からは,5回目となります秋の食の祭典「土佐の豊穣祭」が中央公園等で開催されるとともに,龍馬生誕180年記念事業では,海援隊長であった坂本龍馬先生の生誕180年を祝うために,11月7日・8日に帆船「海王丸」が高知新港に入港し,期間中には帆を広げるセイルドリルや一般公開などを予定しています。

 また,11月14日・15日には海外にも広がる龍馬会や龍馬ファンが一堂に会する「全国龍馬ファンの集い高知大会」が,かるぽーとで開催されます。

 7月に発売した本市の「龍馬のふるさと旅行券」も既に完売しておりますので,秋以降もこの好調を維持してまいりたいと考えており,併せてインバウンド観光では,首都圏を訪問する外国人訪日リピーターに向けたプロモーションを実施し,外国人観光客の誘客に努めます。

9 学力向上対策等

 次に,本市の「全国学力・学習状況調査」の概要について申し上げます。

 まず,成果として,

 1. 小学校の正答率は,国語Aが全国3位相当の結果で,全体としても全国レベルを確実に維持しており,中学校も一部の教科で全国平均との差において改善が見られること。

 2. 中学校では,計画的な学習ができていると答える割合が増加する一方で,学校の授業以外で全く学習しない生徒が減少するなど,学習習慣が身についた子どもが増えていること。

 3. 子どもたちの自己肯定感や規範意識等が向上していること。

 の3点が挙げられます。

 その一方で,さらなる改善を要する課題として,

 1. 中学校では全国平均を下回る状態が引き続き継続していること。

 2. 基礎・基本の確実な定着に加えて,思考力・判断力・表現力等の育成が求められること。

 3. 3年ぶりに実施されました理科では,小・中学校ともに全国平均を下回り,国語や算数・数学と同様に改善への手立てが必要となっていること。

 の3点がありますので,今回の結果を踏まえ,これまでの学力対策を検証し,質的向上を図りながら,組織力を生かした総合的な学力対策をさらに推進してまいります。

 不登校対策につきましては,新たに休み始める子どもさんを出さない予防的な取組を重点的に行うとともに,各学校では,どの子どもさんにも居場所のある学級づくりを進め,学級経営の充実や不登校支援委員会など支援体制の充実を図ります。

10 補正予算・予算外議案

 以下,議案についてご説明を申し上げます。

 今回提出いたしました議案は,予算議案6件,条例議案9件,その他議案14件です。

 まず,今回の補正予算は一般会計で,津波避難タワー及び津波避難路の整備工事につきまして,資材や労務単価の高騰により増加している経費について補正するとともに,小・中学校の耐震工事について,耐震診断評定委員会における工法見直し指示による追加工事等にかかる経費を計上いたしました。

 また,平成30年度中の中学校給食完全実施に向けて,市内2か所の給食センター建設にかかる設計委託を実施するための経費を計上しております。

 さらに,長年の課題でありました空家対策として,今後の計画策定のための基礎資料となる空家等の実態調査にかかる経費について補正するとともに,宮前保育園改築工事の期間中に使用する仮園舎のリース経費について平成29年度までの債務負担行為を設定しております。

 特別会計では,平成26年度の決算確定に伴い収益事業,駐車場事業,国民宿舎運営事業の各特別会計の繰上充用金の精算,また,収益事業では平成28年度からの5か年間で高知競輪開催等包括委託業務を実施するための債務負担行為を設定するとともに,卸売市場事業では消費電力の削減を図るため,卸売棟及び関連店舗棟照明設備をLED照明に切り替えるための経費について補正するものです。

 また,水道事業会計では,南海トラフ地震対策として,送水幹線二重化事業の5工区における,百石町から九反田配水所間2,295メートルにかかる工事について平成31年度までの継続費の設定を行うものです。

 以上,申し上げました内容によりまして,提案しております今回の補正規模は,

  一般会計      13億3,000万円の増額

  特別会計      1億 6,692万2千円の減額 

 であり,補正後の予算規模は全会計の純計で2,662億8,949万9千円となっており,この補正財源としては,普通交付税及び繰越金等を一般財源として充当いたしました。

 次に,予算外議案について申し上げます。

 条例議案は,法令の改正に伴うものなど9件です。

 市第130号議案は,個人番号を利用する本市独自の7事務を定めるとともに,この7事務において特定個人情報に関する庁内連携が行えることを規定し,さらに市長部局と教育委員会との異なる機関の間で特定個人情報の提供を可能とするものであり,申請手続等の際に庁内や機関との連携を行うことにより,「提出が義務付けられている添付書類の内容について照会ができる場合は,当該書類が提出されたとみなす」ことを定めて,必要な申請書類を減らし,市民の皆様の負担軽減と利便性向上を図ります。

 また,市第148号議案は,救護施設として本市が運営してまいりました「誠和園」について,津波避難対策に向けた早急な移転改築と併せて施設運営を民立民営方式で行うことを目指し,事業者の選定にかかる審査を行うための委員会の設置条例を制定するものです。

 その他の議案は,(仮称)高知一宮団地における県との共同開発にかかる団地整備業務委託締結議案など14件です。

 また,決算の認定議案等につきましては,この後,上下水道事業管理者及び財務部長より概要のご説明を申し上げます。

 報告7件につきましては,財政健全化法関連数値の報告や,継続費の精算報告など,いずれも法令所定の手続によりご報告するものです。

 以上,提出をいたしました議案について,概要の説明を申し上げましたが,よろしくご審議の上,適切なご決定をお願いいたします。