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内和外順高知市広報紙「あかるいまち」より


中学生たちの機転(2011年6月号)

日ごろから実践的な避難訓練が必要と感じる岡ア市長 東日本大震災の被災は長期化しており、日々心を痛めています。一方、今回の厳しい震災の中で、多くの若 い世代の活躍があり、若者たちの行動に救われる思いもしています。

 群馬大学の片田敏孝教授が、釜石市の小・中学生とともに行ってきた実践的な避難訓練があります。片田 教授の教えには重要な3つのポイントがあります。(1)被害想定を信じるな(2)率先避難者になれ(3)災害の中でも常にベストを尽くせ−です。

 釜石東中学校では、日ごろから片田教授とともに訓練を行っていました。

 地震直後、停電で学校の放送設備が使えない中、生徒たちは自主的に、走って、集団で避難しています。まさに率先避難です。

 すぐ近くには鵜住居(うのすまい)小学校があり、津波避難のために生徒を校舎3階に集合させていましたが、中学生たちが集団で走って避難する様子を見て、小学生たちも自分の判断で、中学生を追って、懸命に走って逃げ出しました。中学生は小学生の手を引き、最終的には避難中の保育園の園児まで抱きかかえて逃げます。

 そして、高台の避難施設までたどり着きますが、裏山から石が転げ落ちているのを見て、生徒たちが危険と判断し、さらに高台に移り、約570人全員が助かっています。実践的な訓練の中で、自分の頭で考え、自分で判断し、常にベストの対応を図ることが徹底されていたからです。

 地域には昼間、大人が少ない地区もありますので、わたしたちの住む高知でも、こうした実践的な避難訓練を実施していきたいと思います。

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